SSF/Backup Facility 運用手引書 |
目次
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第1章 バックアップ運用の設計 |
SSF/Backup Facilityで使用するバックアップソフトウェアおよびテープライブラリ構成として、以下に示す構成が可能です。
バックアップソフトウェア |
テープライブラリ制御ソフトウェア |
テープライブラリ |
ダイレクトバックアップ |
LMF Lite |
ETERNUS LT130,LT160,LT220,LT270 |
NetWorker |
− |
ETERNUS LT130,LT220 ※1 |
TSM |
ETERNUS LT130,LT220 ※1 |
※1: 複数のテープライブラリが必要です。
※2: 「論理ライブラリオプション」を導入するか複数のテープライブラリが必要です。
SSF/Backup Facilityがシングル構成の場合、以下のシステム構成が可能です。
テープライブラリとしてETERNUS LT130,LT160,LT220,LT270を使用する場合で、テープライブラリ制御ソフトウェアがSSF/Backup Facility以外の装置に搭載されている場合、以下の点が異なります。
ETERNUS LT160,LT270では、「論理ライブラリオプション」を追加導入することで、一つのテープライブラリでダイレクトバックアップとネットワーク型バックアップを同時に運用することができます。それぞれに対し、ロボットとテープドライブ(論理ライブラリ単位)を別々に割当てます。
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SSF/Backup Facilityがクラスタ構成の場合、以下のシステム構成が可能です。
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テープライブラリとしてETERNUS LT130,LT160,LT270を使用する場合で、テープライブラリ制御ソフトウェアがSSF/Backup Facility以外の装置に搭載されている場合、以下の点が異なります。
ETERNUS LT160,LT270では、「論理ライブラリオプション」を追加導入することで、一つのテープライブラリでダイレクトバックアップとネットワーク型バックアップを同時に運用することができます。それぞれに対し、ロボットとテープドライブ(論理ライブラリ単位)を別々に割当てます。
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ダイレクトバックアップのテープ制御では、テープからのバックアップに使用したテープドライブのテープをアンマウントせず、次のバックアップに備えます。
これにより、テープへのアンマウント/マウントを最小限に抑え、テープへのバックアップがより効果的に行えます。
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テープへのバックアップ時に割り当てられるテープドライブの優先度は、以下の順番で行われます。
「テープのアンマウント/マウントの効率化」にあるようにバックアップに使用したテープドライブのテープはマウントされたままとなり、この状態が長く続くとテープドライブのヘッドやテープ媒体自体が劣化する要因となります。そのため、一定時間使用していないマウントされたままのテープを dbu_umount_driveコマンドでアンマウントします。
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# dbu_umount_drive -t 60 LIB1 <Return> |
テープがマウントされているか否かなどダイレクトバックアップが管理しているテープドライブ情報を確認するのには、dbu_statdisp_driveコマンドを実行します。
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# dbu_statdisp_drive -d drv1 LIB1 <Return> |
また、テープ運用中に以下のようにダイレクトバックアップ内部のテープドライブの管理情報と実際のステータスが異なる場合、dbu_init_driveコマンドを実行し、テープドライブの管理情報を回復してください。
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# dbu_init_drive -d drv1 LIB1 <Return> |
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ダイレクトバックアップでは、バックアップデータをテープに書き込む際、以下の3種類の書き込み方法があります。
選択肢 |
ダイレクトバックアップの動作概要 |
メリット |
デメリット |
新規テープの先頭から |
新規(未使用)テープを検索し、そのテープにバックアップデータを保存します。 |
複数のバックアップデータが1本のテープに格納されることがないので、バックアップデータの管理が他の選択肢より容易です。 |
他の選択肢よりも多くのテープ(媒体)を用意する必要があります。 |
可能な限り追加書き込み |
テープドライブにマウントされているテープが使用可能であれば、そのテープに追加書き込みします。 テープドライブにマウントされているテープがない場合は、使用可能な状態にあるテープのうち、最も最近にバックアップデータが書き込まれたテープに追加書き込みします。 バックアップデータが書き込まれているテープがない場合は、新規(未使用)テープの先頭から書き込みます。 |
テープの使用量を節約することができます。 |
保存先に同じテーププール(または同じテープリスト)を指定している業務ボリュームが複数存在する場合は、異なる業務ボリュームのバックアップデータが1本のテープに格納されます。 |
自動 |
テープドライブにマウントされているテープが使用可能であれば、そのテープに追加書き込みします。 テープドライブにマウントされているテープがない場合は、使用可能な「一部使用中」のテープに追加書き込みします。追加書き込みするテープは、テープに書き込まれたバックアップデータが破棄予定日に削除されることによって生じる空きができるだけ有効に使用されるように、破棄予定日の相互関係を考慮して選びます。 バックアップデータが書き込まれているテープがない場合は、新規(未使用)テープの先頭から書き込みます。 |
バックアップデータの保存期間が業務ボリューム毎に異なる場合、テープの使用量を節約することができます。 |
保存先に同じテーププールを指定している業務ボリュームが複数存在する場合は、異なる業務ボリュームのバックアップデータが1本のテープに格納されます。 |
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テープ書き込み対象には、「テーププール」と「テープリスト」の2種類の指定方法があります。それぞれの特徴を以下に示します。
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ダイレクトバックアップで採取されたバックアップデータは、管理ファイルによってバックアップ履歴情報を管理しています。
庫外で管理されているテープと、庫内でテンポラリに使用されているテープを同時にバックアップ運用を行う場合に、庫内で使用されたテープのバックアップ履歴情報を削除すると、同時に庫外で管理されているテープのバックアップ履歴情報も削除されてしまいます。
そのため、バックアップ運用を行ったテープを庫外で管理する場合には、バックアップ履歴情報も同時にバックアップする必要があります。
ダイレクトバックアップ運用において、テープライブラリを使用するには、以下の注意が必要です。
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同一サーバ(SSF/Backup Facility)内で、LMF Liteをネットワーク型バックアップソフトウェア(NetWorker、 TSM)と共存させる場合、各ロボット(コントローラ)部のターゲットIDは、LMF Lite用テープライブラリとネットワーク型バックアップソフトウェア用テープライブラリとで異なる値を設定してください。
その上で、/usr/kernel/drv/ftla.conf の定義により、LMF Lite用テープライブラリのみを ftlaドライバ(LMF内蔵ロボットドライバ)が認識するよう設定してください。
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テープ暗号化装置を導入してテープ運用を行う場合の、ETERNUS LT270での設計例を以下に示します。論理ライブラリ#1を非暗号化ライブラリ運用とし、論理ライブラリ#2を暗号化ライブラリ運用としています。
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SSF/Backup Facilityにテープ暗号化装置を導入したシステムを設計する際には、以下の点を考慮に入れて設計を行います。
1台のテープ暗号化装置に接続できるテープドライブ数は、以下のとおりです。
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テープ暗号化装置を接続した運用を行う場合は、1台のテープライブラリ全体が暗号化されます。
非暗号化のテープ運用を合わせて行う場合は、テープライブラリが複数台必要になります。
また、テープ暗号化装置はファイバーチャネル接続のみサポートされます。
テープ暗号化装置を接続した運用を行う場合は、「論理ライブラリオプション」を導入して、テープライブラリを複数の論理ライブラリとする運用を行います。テープ暗号化装置を接続したライブラリ運用とテープ暗号化装置を接続しないライブラリの運用に分けます。
「論理ライブラリオプション」を導入しない場合は、テープ暗号化装置を接続したライブラリ運用とテープ暗号化装置を接続しないライブラリ運用に、それぞれテープライブラリが必要となります。
暗号化されたテープをテープライブラリから排出して、暗号化されていないテープライブラリに投入した場合にはエラー(異種媒体の読み込み)が発生します。
その場合のエラー原因が暗号化されたテープの投入によるものか、他の原因によるものなのか判別できない可能性があります。
そのような事態を回避するために、各テープには暗号化/非暗号化の種別がはっきりと分かるようなラベルを張り付けてください。
暗号化されたテープは、必ずテープ暗号化装置に接続されたテープライブラリに投入してください。
テープ暗号化装置を導入する場合は、テープ暗号化装置のファームウェアアップデート、カタログ情報のリカバリなどを行うために管理PCが必要になります。
テープ暗号化装置管理PCは、テープ暗号化装置を管理するための専用の管理PCとなります。そのため、SSF/Backup Facilityのリモートコンソール用のPCと共有することができません。別途用意する必要があります。
OS |
Windows 2000 SP4 以降 または |
Webブラウザ |
Internet Explorer Version 6 以降 |
必須ソフトウェア |
FTPサーバ、SSH接続ツールが必要です。 |
必須ハードウェア |
スマートカード、スマートカードリーダ(テープ暗号化装置の添付品です)、及び接続用にUSBインタフェースが必要です。 |
その他 |
暗号化装置のログをアーカイブするために、500MB以上の領域が必要です。 |
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テープ暗号化装置が暗号化動作を行うために各種設定が必要になります。
ユーザの登録、鍵の設定、バックアップポリシーの設定作業などがあります。
テープ暗号化装置を管理・運用するためのユーザ権限には、以下の3つの権限があり、それぞれの役割を担います。
ユーザ権限 |
役割 |
必須 |
システム管理者 (Administrator) |
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必須 |
セキュリティ責任者 (Security Officer) |
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必須 |
リカバリ責任者 (Recovery Officer) |
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任意 |
上記のユーザ権限を持つユーザIDを作成し、以下の運用・管理を行います。
全てのユーザ権限を一人で兼務することもできますが、各々の分野を別々の人が担当する体制をお薦めします。
テープ暗号化装置システムでは、鍵とセキュリティポリシーを組み合わせての暗号化によるテープ運用を実現します。
システム管理者は、管理コンソールGUIによりシステムの操作、ユーザアカウントに関する操作、システムログに関する操作を行います。
鍵(Key)情報、およびセキュリティポリシーはセキュリティ責任者が設定します。
以下に示す鍵(Key)情報の設定が可能です。
鍵の種類 |
内容 |
必須 |
System Key |
システムを動作させるための情報 |
必須 |
Encryption Key |
ユーザデータを暗号化するための鍵 |
必須 |
Authentication Key |
冗長化構成時の通信セキュリティのための鍵 |
任意 |
セキュリティポリシーでは、以下に示す内容を設定します。
セキュリティポリシーの種類 |
内容 |
必須 |
Volume Pool ルール |
セキュリティ機能を動作させたいVolume(テープ群)を指定 |
必須 |
Media ルール |
Volume Pool・暗号鍵・書き込み時の組み合わせを指定 |
必須 |
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テープ暗号化装置へのログイン時に、ユーザ別のスマートカードで認証を必要とする設定ができます。設定後は、ユーザは自身のスマートカードで認証されない限りログインすることができません。
セキュリティ上からも、スマートカードによるログイン認証の設定をお勧めします。
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