ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.0 -AIX-
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第9章 各種コマンド

本章では、各種コマンドの使用方法を記述しています。

9.1 バックアップ管理のコマンド 

本章では、バックアップ管理のコマンドによる操作について説明しています。バックアップ管理のコマンドは、rootユーザーで実行する必要があります。

バックアップ管理のすべてのコマンドはrootユーザーのみが実行可能です。その他のユーザーでコマンド実行した場合は、「swst0601 コマンド実行ユーザがrootでないため、当コマンドは実行できません。」メッセージを出力しエラー終了します。

コマンド実行時の動作環境

コマンドを実行する際に必要となる動作環境は下表の通りです。

コマンド名

AdvancedCopy Managerの動作環境

swstbackstat

Storage管理サーバで以下の指定形式でコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storgeサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
・-hオプションを指定、または、
・デバイス名を指定しない

swstbackup

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
StorageサーバがWindowsかつEC運用の場合はStorageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swstbkpoldel

Storageサーバで実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swstbkpoldisp

Storage管理サーバで以下の指定形式でコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storgeサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
・-hオプションを指定、または、
・デバイス名を指定しない

swstbkpolset

Storageサーバで実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swstcancelrest

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swstcancelsync

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
StorageサーバがWindowsかつEC運用の場合はStorageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swstcanceltrk

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swstdevdisp

Storage管理サーバで以下の指定形式でコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storgeサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
・-hオプションを指定、または、
・デバイス名を指定しない

swstdevinfoset

Storageサーバで実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swstexecstat

Storage管理サーバで以下の指定形式でコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storgeサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
・-hオプションを指定、または、
・デバイス名を指定しない

swsthistdel

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swsthistdisp

Storage管理サーバで以下の指定形式でコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storgeサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
・-hオプションを指定、または、
・デバイス名を指定しない

swstresback

swstresrst

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
StorageサーバがWindowsの場合は常にStorageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
-xオプションを指定する場合は、Storage管理サーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swstrestore

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swstreststat

Storage管理サーバで以下の指定形式でコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storgeサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
・-hオプションを指定、または、
・デバイス名を指定しない

swstsrsemtch

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
StorageサーバがWindowsの場合は常にStorageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
-xオプションを指定する場合は、Storage管理サーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swststartsync

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
StorageサーバがWindowsの場合はStorageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swstsvrdisp

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swstsvrset

Storageサーバで実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swstsyncstat

Storage管理サーバで以下の指定形式でコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storgeサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
・-hオプションを指定、または、
・デバイス名を指定しない

swsttrkstat

Storage管理サーバで以下の指定形式でコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storgeサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
・-hオプションを指定、または、
・デバイス名を指定しない

クラスタ運用の場合

クラスタ運用におけるコマンドは、次の手順で実行します。
  1. 必要に応じて、環境変数SWSTGNODEに該当業務の論理ノード名を設定します。bshの場合、環境変数の設定方法は以下の通りです。

    # SWSTGNODE=論理ノード名<Enter>
    # export SWSTGNODE
  2. コマンドを実行します。

    クラスタ運用におけるコマンドと、環境変数設定の要否およびコマンドを実行するノードは下表のとおりです。コマンドを実行する際の注意事項等は備考欄に記述しています。

コマンド

環境変数の要否

コマンド実行ノード

備考

swstsvrset

必要

業務稼動ノード

swstsvrdisp

必要

業務稼動ノード

swstdevinfoset

必要

業務稼動ノード

swstdevdisp

必要

業務稼動ノード

swstbkpolset

必要

業務稼動ノード

swstbkpoldisp

必要

業務稼動ノード

swstbkpoldel

必要

業務稼動ノード

swstbackup

必要

業務稼動ノード

swstbackstat

必要

業務稼動ノード

swstrestore

必要

業務稼動ノード

swstcancelrest

必要

業務稼動ノード

swstreststat

必要

業務稼動ノード

swsthistdisp

必要

業務稼動ノード

swsthistdel

必要

業務稼動ノード

swststartsync

必要

業務稼動ノード

swstcancelsync

必要

業務稼動ノード

swstsyncstat

必要

業務稼動ノード

swstexecstat

必要

業務稼動ノード

swstcanceltrk

必要

業務稼動ノード

swsttrkstat

必要

業務稼動ノード

swstsrsemtch

必要

業務稼動ノード

swstresback

必要

業務稼動ノード

swstresrst

必要

業務稼動ノード

9.1.1 環境定義系コマン

バックアップ管理の環境定義系コマンドについて説明します。

バックアップ管理の環境定義は、以下のコマンドで行います。

機能

コマンド名

説明

Storageサーバ構成情報設定コマンド

swstsvrset

Storageサーバの構成情報を設定します。

Storageサーバ構成情報表示コマンド

swstsvrdisp

Storageサーバの構成情報を表示します。

デバイス情報設定コマンド

swstdevinfoset

デバイスの用途を設定します。

デバイス使用状況表示コマンド

swstdevdisp

デバイスの情報を表示します。

バックアップポリシー設定コマンド

swstbkpolset

バックアップポリシーを設定します。

バックアップポリシー表示コマンド

swstbkpoldisp

設定されているバックアップポリシーを表示します。

バックアップポリシー削除コマンド

swstbkpoldel

設定されているバックアップポリシーを削除します。

9.1.1.1 Storageサーバ構成情報設定コマンド(swstsvrset

Storageサーバの構成情報を設定します。本コマンドを実施する事で、本Storageサーバはバックアップ運用を行うサーバである旨の宣言を行います。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsvrset

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsvrset [-h Server]

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    バックアップ運用を行うStorageサーバ名を指定します。本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。

    省略した場合は、コマンドを投入したStorageサーバが処理対象となります。

  3. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  4. 実行例

    Storageサーバの構成情報を設定します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsvrset
    swstsvrset completed
    #

    Storage管理サーバからStorageサーバ(job1)の構成情報を設定します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsvrset -h job1
    swstsvrset completed
    #

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

9.1.1.2 Storageサーバ構成情報表示コマンド(swstsvrdisp

Storageサーバ構成情報設定コマンドで設定したStorageサーバ構成情報を表示します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsvrdisp

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsvrdisp [-h Server]

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。

  3. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  4. 実行例

    Storageサーバ(業務1)の構成情報を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsvrdisp
    Storage-Server  = job1
    #

    表示する内容は、次に示す通りです。

    タイトル

    説明

    Storage-Server

    Storageサーバ名を表示します。

9.1.1.3 デバイス情報設定コマンド(swstdevinfoset

ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)に割り当てられたボリュームを、業務ボリューム、またはバックアップボリュームとして設定します。

業務ボリュームとは、バックアップ元となる業務データが格納されたボリュームのことを表します。

バックアップボリュームとは、その業務データのバックアップを保管するためのボリュームのことを表します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t | -b | -o Device-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset [-h Server] -t | -b | -o Device-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。

    -t

    指定したデバイスを業務ボリュームとして登録します。

    -b、-oオプションと同時に指定することはできません。

    -b

    指定したデバイスをバックアップボリュームとして登録します。

    -t、-oオプションと同時に指定することはできません。

    -o

    指定したデバイスが業務ボリューム、もしくはバックアップボリュームと登録されていた場合、それらを登録から削除します。

    -t、-bオプションと同時に指定することはできません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    デバイス(/dev/vg01)を業務ボリュームとして設定します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/vg01
    swstdevinfoset completed
    #

    デバイス(/dev/vg02)をバックアップボリュームとして設定します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/vg02
    swstdevinfoset completed
    #

    業務ボリュームとして設定したデバイス(/dev/vg04)を設定から削除します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -o /dev/vg04
    swstdevinfoset completed
    #

次のような場合は、業務ボリュームとして設定することができません。

次のような場合は、バックアップボリュームとして設定することができません。

業務ボリュームにボリュームグループを使用する場合は、次のような注意事項があります。

バックアップボリュームにボリュームグループを使用する場合は、次のような注意事項があります。

次の変更を行うには、関連するバックアップ履歴情報を削除してからでないと実施できません。

次の変更を行うには、業務ボリュームに設定されているバックアップポリシーを削除してからでないと実施できません。

業務ボリュームまたはバックアップボリュームの構成変更を行うには、業務ボリューム又はバックアップボリュームの設定を削除して再登録してください。

次の変更を行うには、関連する同期処理(ECセション)をキャンセルしてからでないと実施できません。

次の変更を行うには、関連するトラッキング処理(OPCセション)をキャンセルしてからでないと実施できません。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

9.1.1.4 デバイス使用状況表示コマンド(swstdevdisp

デバイス情報設定コマンド(swstdevinfoset)で設定した業務ボリューム、バックアップボリュームおよびそれ以外の設定可能なデバイスの情報を表示します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevdisp [-t] [-b[-u]] [-o] [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevdisp [-h Server] [-t] [-b[-u]] [-o] [Device-Name]

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -t

    業務ボリュームとして設定されているデバイスの情報を表示します。

    オペランドのデバイス名が省略された場合、全業務ボリュームのデバイス情報を表示します。

    -b

    バックアップボリュームとして設定されているデバイスを表示します。

    オペランドのデバイス名が省略された場合、全バックアップボリュームのデバイス情報を表示します。

    -u

    Device-Mode欄の表示形式を変更します。

    -o

    業務ボリュームとバックアップボリュームに設定されているデバイス以外を表示します。

    オペランドのデバイス名が省略された場合、業務ボリュームにもバックアップボリュームにも設定されていない全デバイス情報を表示します。

    t、b、oのすべてのオプションが省略された場合は、業務ボリュームとして設定されているデバイスの情報を表示します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

    省略した場合、オプションも省略されていれば、全業務ボリュームのデバイス情報を表示します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    設定されたデバイスの使用状況を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevdisp  -t -b
    Server Device          Size         Device-Mode   Mount-Point (Method) Backup-Engine
    job2   /dev/vg00          1.0 Gbyte Transaction   ---- (----)          AdvancedCopy 
    job2   /dev/vg01          2.0 Gbyte Transaction   ---- (----)          AdvancedCopy
    job2   /dev/vg02          1.0 Gbyte Backup (used) ---- (----)          AdvancedCopy 
    job2   /dev/vg03          1.0 Gbyte Backup (free) ---- (----)          AdvancedCopy 
    job2   /dev/vg04          2.0 Gbyte Backup (free) ---- (----)          AdvancedCopy 
    job2   /dev/vg05          1.0 Gbyte Backup (free) ---- (----)          AdvancedCopy 
    :
    #

    表示する内容は、次に示す通りです。

    タイトル

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Device

    デバイス名を表示します。

    Size

    デバイスに割り当てられたパーティションサイズを表示します。

    ボリュームグループの場合も論理ディスクを構成する物理ディスクサイズが表示されます。

    Device-Mode

    デバイスの区別する文字列を表示します。

    ”Transaction”:業務ボリュームを表します。

    ”Backup”:バックアップボリュームを表します。

    ”Other”:業務ボリューム、バックアップボリュームに登録可能なデバイスを表します。

    バックアップボリュームの場合、そのバックアップボリュームが使用中の場合は、"Backup (used)" と表示します。未使用の場合は、"Backup (free)" と表示します。サスペンド指定バックアップあるいは差分スナップショット型バックアップを実行した場合は、履歴削除後もバックアップボリュームは使用中となります。

    -uオプションが指定されている場合、履歴削除されたサスペンド状態のバックアップボリュームは"Backup(used-S)"と表示し、履歴削除されたトラッキング状態のバックアップボリュームは"Backup(used-T)"と表示します。

    Mount-Point (Method)

    デバイスのマウントポイント名を表示し、括弧内にそのマウントポイントのファイルシステムタイプを表示します。ただしAIXではマウントポイントの表示は行わないため、常に“---- (----)”と表示します。

    Backup-Engine

    運用種別を表示します。

    "AdvancedCopy": AdvancedCopy Managerによるバックアップ運用

9.1.1.5 バックアップポリシー設定コマンド(swstbkpolset

保存世代数、間隔日数などのバックアップポリシーを設定します。保存世代数とは、バックアップを行ったデータを何世代残しておくかを意味します。間隔日数とは、バックアップを実行してから次のバックアップを行うまでの日数の目安を意味します。

間隔日数を指定しても、AdvancedCopy Managerは自動的にバックアップを取得することは行いません。

設定の際には、指定されたバックアップポリシーに従って運用するために必要な数のバックアップボリュームが設定されている必要があります。バックアップ運用を行う場合のバックアップボリュームの数については、本マニュアルの『バックアップボリュームの準備』を参照してください。
  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpolset [-i Interval-Days] [-s Save-Number][Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpolset [-h Server][-i Interval-Days] [-s Save-Number][Device-Name]

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -i

    間隔日数を指定します。設定できる範囲は1〜366までで、初回登録時に省略した場合は30を設定します。更新時に省略した場合は、既に設定してある値をそのまま引き継ぎます。

    -s

    保存世代数を指定します。設定できる範囲は1〜31までで、初回登録時に省略した場合は2を設定します。更新時に省略した場合は既に設定してある値をそのまま引き継ぎます。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

    デバイス名を省略した場合は、すべての業務ボリュームに対してバックアップポリシーを設定します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    保存世代数を3世代でバックアップポリシーを設定します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpolset -s 3 /dev/vg01
    /dev/vg01 swstbkpolset completed
    #

保存世代数の変更は、「その時点での履歴情報数」≦「設定する保存世代数」であれば実行可能です。

次のような場合、バックアップポリシーを設定することができません。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

9.1.1.6 バックアップポリシー表示コマンド(swstbkpoldisp

業務ボリュームごとに設定されているバックアップポリシーを表示します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpoldisp [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpoldisp [-h Server] [Device-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

    デバイス名が省略された場合は、バックアップポリシーが登録されている業務ボリュームのバックアップポリシーを表示します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    /dev/vg01のバックアップポリシーを表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpoldisp /dev/vg01
    Server Device    Interval-Days Save-Number Mount-Point (Method)
    job2   /dev/vg01 30            3           ---- (----)
    #

    表示する内容は、次に示す通りです。

    タイトル

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Device

    デバイス名を表示します。

    Interval-Days

    間隔日数を表示します。

    Save-Number

    保存世代数を表示します。

    Mount-Point (Method)

    Deviceのマウントポイント名を表示し、括弧内にそのマウントポイントのファイルシステムタイプを表示します。ただしAIXではマウントポイントの表示は行わないため、常に“---- (----)”と表示します。

9.1.1.7 バックアップポリシー削除コマンド(swstbkpoldel

設定されているバックアップポリシーを削除します。

削除する業務ボリュームにバックアップ履歴情報が存在する場合は、バックアップ履歴情報を削除した後、本コマンドを実行してください。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpoldel Device-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpoldel [-h Server] Device-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    /dev/vg01のバックアップポリシーを削除します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpoldel /dev/vg01
    /dev/vg01 swstbkpoldel completed
    #

次のような場合、バックアップポリシーを削除できません。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

9.1.2 運用系コマン

バックアップ管理の運用系コマンドについて説明します。

バックアップ管理の運用は、以下のコマンドで行います。

機能

コマンド名

説明

バックアップ実行コマンド

swstbackup

同期型高速バックアップまたはスナップショット型高速バックアップを行います。

バックアップ実行状況表示コマンド

swstbackstat

バックアップの完了状況を表示します。

リストア実行コマンド

swstrestore

リストアを行います。

リストアキャンセルコマンド

swstcancelrest

リストアの実行をキャンセルします。

リストア実行状況表示コマンド

swstreststat

リストアの実行状況を表示します。

履歴情報表示コマンド

swsthistdisp

バックアップした履歴情報を表示します。

履歴情報削除コマンド

swsthistdel

バックアップの履歴情報を削除します。

バックアップ同期処理開始コマンド

swststartsync

バックアップ同期処理を開始します。

バックアップ同期処理キャンセルコマンド

swstcancelsync

バックアップ同期処理をキャンセルします。

バックアップ同期処理実行状況表示コマンド

swstsyncstat

バックアップ同期処理の実行状況を表示します。

実行状態表示コマンド

swstexecstat

各業務ボリュームで実施されているコマンドの実行状態を表示します。

トラッキングキャンセルコマンド

swstcanceltrk

トラッキング処理を停止します。

トラッキング実行状況表示コマンド

swsttrkstat

トラッキング処理の実行状況を表示します。


9.1.2.1 バックアップ実行コマンド(swstbackup

このコマンドは、実行中のアドバンストコピーの状態によって動作が異なります。

どちらの場合も、バックアップボリュームは本コマンド実行直後よりバックアップとして確立します。

AdvancedCopy Managerは、バックアップを実行する前に、バックアップ前処理シェルスクリプト(OpcBackup.pre)を実行し、バックアップを実行した後に、バックアップ後処理シェルスクリプト(OpcBackup.post)を実行します。このシェルスクリプトの内容については、カスタマイズすることが可能です。このシェルスクリプトの詳細は、本マニュアルの『バックアップ・リストアの前後処理』を参照してください。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup [-suspend|-T] Device-Name [-Xdevmap Device-Map-File]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup [-h Server] [-suspend|-T] Device-Name [-Xdevmap Device-Map-File]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -Xdevmap

    出力先バックアップボリュームを指定してスナップショット型高速バックアップを行うことを指定します。オペランドには、業務ボリュームと出力先バックアップボリュームの組を記述した、デバイスマップファイル 名を指定します。このオプションを指定しない場合は、出力先バックアップボリュームは自動的に選択されます。-hオプションを使用して本コマンドをリモート実行する場合は、(Storageサーバの)デバイスマップファイル名を絶対パスで指定してください。Device-Map-Fileに指定するファイル名には、各国語文字が含まれてはいけません。

    -suspend

    Suspend/Resume機能を使用して同期型高速バックアップを行うことを指定します。

    -T

    差分スナップショット型高速バックアップを行うすることを指定します。

    同期処理が行われている場合は本オプションを指定することはできません。

    本オプションは筐体内コピー、かつ、ディスクアレイ装置がQuickOPC機能をサポートしている場合のみ有効です。

    本オプションを指定しないスナップショット型高速バックアップの場合、従来のスナップショット処理(従来のOPC)が起動されます。差分スナップショットを利用したバックアップ運用を行う場合は常に本オプションを指定する必要があります。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/vg01)をバックアップします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vg01
    /dev/vg01 swstbackup completed
    #

当コマンドでは、データを保証するために、マウントされている業務ボリュームおよびバックアップボリュームは、アンマウントしてからバックアップを行います。マウントされている業務ボリュームまたはバックアップボリュームがアンマウントできない以下のような場合は、当コマンドはエラーで終了します。

当コマンドを投入するサーバ以外のサーバから業務ボリュームがマウントされている場合、バックアップの管理者の責任において業務ボリュームをアンマウント状態にしてください。

全ての論理デバイスをアンマウント/マウントするようにバックアップの管理者責任でバックアップ前後処理スクリプトを修正してください。

次のような場合、バックアップを行うことはできません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

次のような場合,出力先バックアップボリュームを指定してバックアップを実行することはできません。

バックアップを実行する前に、既にバックアップポリシー設定コマンドで設定した保存世代数を満たすバックアップ履歴情報が存在する場合、バックアップ実行時にそのバックアップ履歴情報の中から一番古い情報を自動的に削除し、バックアップボリュームは空き状態になります。ただし、サスペンド指定バックアップまたは差分スナップショット型高速バックアップの履歴情報の場合、バックアップボリュームとのサスペンド状態またはトラッキング状態は解除されず、バックアップボリュームは使用中のままになります。

バックアップを実行する業務ボリュームと別の業務ボリュームとサスペンド中またはトラッキング状態のバックアップボリュームを、デバイスマップファイルでバックアップ先として指定することはできません。

バックアップ実行時に注意する点として、本マニュアルの『全般的な注意事項』をご理解ください。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

9.1.2.2 バックアップ実行状況表示コマンド(swstbackstat

バックアップ実行コマンドで行っているバックアップの完了状況を表示します。

スナップショット型高速バックアップを実行中にGRmgr/ETERNUSmgrのOPC停止機能は使用しないでください。GRmgr/ETERNUSmgrのOPC停止機能を使用した場合、実際のバックアップの成否にかかわらず、当コマンドではsucceededと表示されます。
  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackstat [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackstat [-h Server] [Device-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    業務ボリュームのデバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

    省略した場合は、すべての業務ボリュームのバックアップ実行状況を表示します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    実コピーの実行状況について表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackstat
    Server Transaction-Disk Backup-Disk Status    Execute
    job1   /dev/vg00        /dev/vg02   succeeded ---- 
    job1   /dev/vg01        ----        ----      ----
      :
    #

    表示する内容は、次に示す通りです。

    キーワード

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Transaction-Disk

    業務ボリューム名を表示します。

    Backup-Disk

    バックアップボリューム名を表示します。

    バックアップされていない場合は、"----"を表示します。

    Status

    バックアップの完了状況を、以下に表す文字列で表示します。

    "----":バックアップを採取していません。(履歴が存在しません。)

    ”succeeded”:バックアップが完了しています。

    ”executing”:OPCによるコピーを実行しています。

    ”failed”:OPCによるコピーがエラーにより中断しています。

    ”halt”:OPCによるコピーがhalt状態です。

    Execute

    Status欄が"executing"のときに、コピーされた割合についてパーセンテージで表します。"executing"以外のときは、"----"で表示します。

次のような場合、バックアップ実行状況表示処理を実行することはできません。

"Status"欄に表示される状態が"failed"または"halt"の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、バックアップ中に発生したハードウェア障害等の対処方法を参照して対処してください。

9.1.2.3 リストア実行コマンド(swstrestore

バックアップ履歴情報に存在するデータを、OPCを用いてリストアを実施します。

デバイス間のコピーを行うため、ファイル単位でリストアすることはできません。
AdvancedCopy Managerは、リストア実行コマンドを実行すると、OPCによるデータのコピーを行う前に、リストア前処理シェルスクリプト(OpcRestore.pre)を実行し、 OPCによるデータのコピーを行った後に、リストア後処理シェルスクリプト(OpcRestore.post)を実行します。このシェルスクリプトの内容については、カスタマイズすることが可能です。このシェルスクリプトの詳細は、『バックアップ・リストアの前後処理』を参照してください。

業務ボリューム以外の任意のデバイスにリストアすることができます。この場合、業務ボリュームに登録されているデバイス以外であることと、指定した業務ボリュームと同じ領域サイズを持ったデバイスである必要があります。なお業務ボリューム以外のボリュームにリストアする場合は、通常とは異なる手順が必要となります。手順の詳細は本マニュアルの『リストアの注意事項』を参照してください。
  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore [-g Generation-No | -v Version-No] [-r Restore-Device-Name] Device-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore [-h Server] [-g Generation-No | -v Version-No] [-r Restore-Device-Name] Device-Name


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -g

    リストアするデータの相対世代番号を指定します。

    相対世代番号については、履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)で確認してください。

    -v

    リストアするデータの絶対世代番号を指定します。

    絶対世代番号については、履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)で確認してください。

    -r

    業務ボリューム以外のデバイスにリストアするときに、そのリストア先のデバイス名を指定します。

    注)-gオプションと-vオプションの双方が指定されなかったときは、履歴管理している情報の中から最新の情報をリストアします。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    業務ボリュームのデバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    相対世代番号=2のデータをリストアします(相対世代番号については、履歴情報表示コマンドで表示されるデータを参照してください)。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore -g 2 /dev/vg01
    /dev/vg01 swstrestore completed
    #

    Suspend/Resume機能によるバックアップ運用を実施している業務ボリュームの場合は、サスペンド中の同期処理を削除して、リストアを実行します。サスペンド中の同期処理については、バックアップ同期処理実行状況表示コマンドで表示されるデータを参照してください。同期処理のキャンセルはバックアップ同期処理キャンセルコマンドを使用して実行してください。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/vg01
    Server Transaction-Disk Backup-Disk Status    Execute
    job2   /dev/vg01        /dev/vg02   suspend   ----
    job2   /dev/vg01        /dev/vg03   executing 75%
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync -all /dev/vg01
    /dev/vg01 swstcancelsync completed
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/vg01
    Server Transaction-Disk Backup-Disk Status Execute
    job2   /dev/vg01        ----        ----   ----
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/vg01
    /dev/vg01 swstrestore completed
    #

ボリュームグループのファイルシステムを構築されている業務ボリュームで、特定のファイルをリストアする場合には、以下の手順で行います。
  1. バックアップボリュームをマウントします。バックアップボリュームはバックアップ履歴一覧画面/履歴情報表示コマンドで確認してください。バックアップボリュームをマウントする手順については『リストアの注意事項』を参照してください。

  2. cpコマンドでリストアしたいファイルを複写します。

  3. バックアップボリュームをアンマウントします。

当コマンドを投入するサーバ以外のサーバから業務ボリュームがマウントされている場合、バックアップの管理者の責任において業務ボリュームをアンマウント状態にしてから当コマンドを実行してください。

以下のような場合は、リストアができません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

サスペンド中またはトラッキング状態のバックアップボリュームをリストア先ボリュームとして使用することはできません。

同期処理中(ECによるコピー中、等価性維持状態、サスペンド中)の業務ボリュームにリストアを実行することはできません。
リストア実行時、以下のエラーになった場合は、バックアップ同期処理キャンセルコマンドで業務ボリュームの同期処理を全てキャンセル(-allオプション指定)してからリストアを実行してください。
swst0639 コピーが実施されているため、このコマンドは実行できません。
または
swst0634 OPCが実行できません。(SCSI command busy)

リストア実行時に注意する点として、本マニュアルの『全般的な注意事項』をご理解ください。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

9.1.2.4 リストアキャンセルコマンド(swstcancelrest

OPCによるリストアの実行をキャンセルします。

また、リストア実行コマンドを実行し、OPCによるコピーを実施している最中に何らかのハードウェアトラブルで異常を検出した場合も、本コマンドを用いてリストアを解除します。その後、ハードウェアトラブルの原因を取り除き、再度リストア実行コマンド(swstrestore)でリストアを実施してください。

異常発生の有無については、リストア実行状況表示コマンド(swstreststat)で確認することができます。

このコマンドを使用してOPCによるリストアをキャンセルした場合、一部のデータはコピーされてしまっているため、業務ボリュームの状態は不完全な状態となり、使用できなくなります。再度リストア実行コマンド(swstrestore)でリストアを実施してください。
  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelrest [-g Generation-No | -v Version-No] [-r Restore-Device-Name] [-emergency] Device-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelrest [-h Server] [-g Generation-No | -v Version-No] [-r Restore-Device-Name] [-emergency] Device-Name


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -g

    リストア中のデータの相対世代番号を指定します。

    -vオプションと同時に指定することはできません。

    相対世代番号については、リストア実行状況表示コマンド(swstreststat)で確認してください。

    -v

    リストア中のデータの絶対世代番号を指定します。

    -gオプションと同時に指定することはできません。

    絶対世代番号については、リストア実行状況表示コマンド(swstreststat)で確認してください。

    -r

    業務ボリューム以外のデバイスにリストアした場合、そのデバイス名を指定します。

    デバイス名については、リストア実行状況表示コマンド(swstreststat)で確認してください。

    -emergency

    緊急操作モードで動作します。

    この場合、OPCのセション確認およびセションキャンセルは行われません。

    注)-g、-vオプションが指定されなかったときは、最新の履歴情報のリストアをキャンセルします。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/vg01)のリストアをキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelrest  -g  1  /dev/vg01
    /dev/vg01 swstcancelrest completed.
    #

    業務ボリューム(/dev/vg02)の最新の履歴情報のリストアを緊急操作モードでキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelrest -emergency /dev/vg02
    /dev/vg02 swstcancelrest completed.
    #

次のような場合、リストアをキャンセルすることができません。

緊急操作モードで実行した場合、OPCのセション確認およびセションキャンセルは行われません。エラーサスペンド状態やhalt状態になっているOPCセションが存在していた場合は、管理されないセションが残るため、GRmgrまたはETERNUSmgrを使用してセションをキャンセルする必要があります。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

9.1.2.5 リストア実行状況表示コマンド(swstreststat

リストアの実行状況を表示します。

OPCによるリストアを実行中にGRmgr/ETERNUSmgrのOPC停止機能は使用しないでください。GRmgr/ETERNUSmgrのOPC停止機能を使用した場合、実際のリストアの成否にかかわらず、当コマンドではsucceededと表示されます。
  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstreststat [-g Generation-No | -v Version-No] [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstreststat [-h Server ] [-g Generation-No | -v Version-No] [Device-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -g

    リストア実行状況を表示するデータの相対世代番号を指定します。

    -v

    リストア実行状況を表示するデータの絶対世代番号を指定します。

    注)-g、-vオプションが省略された場合は、全履歴に対するリストア実行状況を表示します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

    省略した場合は、すべての業務ボリュームのリストア実行状況について表示します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    業務ボリュームのリストア実行状況を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstreststat 
    Server Transaction-Disk Generation Version Backup-Disk Restore-Device Status    Execute
    job2   /dev/vg01        1          10      /dev/vg10   /dev/vg20      executing 75%
    job2   /dev/vg02        ----       ----    ----        ----           ----      ----
    job2   /dev/vg03        2          12      /dev/vg11   ----           succeeded ----
    job2   /dev/vg04        3          13      /dev/vg12   /dev/vg21      executing 75%
      :
    #

    表示される内容を以下に示します。

    タイトル

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Transaction-Disk

    業務ボリューム名を表示します。

    Generation

    リストアしたバックアップのデータの相対世代番号を表示します。

    -g、-vオプションで世代番号を指定しない場合で、リストア中の履歴がないときは、"----"を表示します。

    Version

    リストアしたバックアップのデータの絶対世代番号を表示します。

    -g、-vオプションで世代番号を指定しない場合で、リストア中の履歴がないときは、"----"を表示します。

    Backup-Disk

    リストアのコピー元であるバックアップボリューム名を表示します。

    リストア中でないときは、"----"を表示します。

    Restore-Device

    リストアのコピー先が業務ボリュームでない場合、リストア先のデバイス名を表示します。

    リストア中でないとき、あるいはリストア先が業務ボリュームであるときは"----"を表示します。

    Status

    実行状態を表示します。

    "----":OPCによるコピーは実施されていません。

    "executing":OPCによるコピーを実行しています。

    "succeeded":OPCによるコピーが完了しています。

    "failed":OPCによるコピーがエラーにより中断しています。

    "halt":OPCによるコピーがhalt状態です。

    Execute

    Status欄が"executing"のときに、コピーされた割合についてパーセンテージで表します。"executing"以外のときは、"----"で表示します。

"Status"欄に表示される状態が"failed"または"halt"の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、バックアップ中に発生したハードウェア障害等の対処方法を参照して対処してください。

-v、-gオプションで世代番号を指定しない場合、全履歴のリストア実行状況を表示しますが、全履歴においてリストアが実行中でない場合、“Server”、“Transaction-Disk”欄以外のすべての表示情報が“----”で表示されます。

次のような場合、リストア実行状況表示処理を実行することはできません。

9.1.2.6 履歴情報表示コマンド(swsthistdisp

バックアップした履歴情報を表示します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdisp [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdisp [-h Server] [Device-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    業務ボリュームのデバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

    省略した場合は、すべての業務ボリュームのバックアップ履歴情報を表示します。

  4. 終了ステータス
    = 0 : 正常終了
    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    すべての業務ボリュームのバックアップ履歴情報を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdisp
    Server=StrgSV01 Device=/dev/vg01 Mount-Point=---- (----)
    Generation Version Backup-Date      Backup-Device   Status    Execute 
    1          10      2000/11/12 22:00 /dev/vg02       succeeded ----
    2          9       2000/11/11 22:00 /dev/vg03       succeeded ----
      :
    #

    表示する内容は、次に示す通りです。

    キーワード

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Device

    デバイス名を表示します。

    Mount-Point

    デバイスのマウントポイント名を表示し、括弧内にファイルシステムタイプを表示します。ただしAIXではマウントポイントの表示は行わないため、常に“---- (----)”と表示します。

    Generation

    相対世代番号を表示します。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

    Version

    絶対世代番号を表示します。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

    Backup-Date

    バックアップが完了した日時を表示します。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

    Backup-Device

    バックアップしたバックアップボリューム名を表示します。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

    Status

    実コピーの実行状況を、以下に表す文字列で表示します。

    ”succeeded”:OPCによるコピーが完了しています。

    ”executing”:OPCによるコピーを実行しています。

    ”failed”:OPCによるコピーがエラーにより中断しています。

    ”halt”:OPCによるコピーがhalt状態です。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

    Execute

    Status欄が、"executing"のとき、コピーされた割合についてパーセンテージで表します。"executing"以外のときは、"----"で表示します。

    バックアップ履歴情報が存在しない場合は、表示されません。

次のような場合、履歴情報表示処理を実行することはできません。

"Status"欄に表示される状態が"failed"または"halt"の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、バックアップ中に発生したハードウェア障害等の対処方法を参照して対処してください。

9.1.2.7 履歴情報削除コマンド(swsthistdel

バックアップの履歴情報を削除します。

削除された履歴のバックアップボリュームは解放され、空きバックアップボリュームになります。

履歴情報表示コマンドで、"Status"欄に表示される状態が"failed"の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、バックアップ中に発生したハードウェア障害等の対処方法を参照して対処してください。
  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel -g Generation-No | -v Version-No | -z [-emergency] Device-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel [-h Server] -g Generation-No | -v Version-No | -z [-emergency] Device-Name


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -g

    削除するバックアップ履歴情報の相対世代番号を指定します。

    -v、-zオプションと同時に指定することはできません。

    相対世代番号については、履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)で確認してください。

    -v

    削除するバックアップ履歴情報の絶対世代番号を指定します。

    -g、-zオプションと同時に指定することはできません。

    絶対世代番号については、履歴情報表示コマンド (swsthistdisp)で確認してください。

    -z

    すべてのバックアップ履歴情報を削除することを指定します。

    -g、-vオプションと同時に指定することはできません。

    -emergency

    緊急操作モードで動作します。

    この場合、OPCのセション確認は行われません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    業務ボリュームのデバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

  4. 終了ステータス
    = 0 : 正常終了
    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/vg01)の絶対世代番号10のバックアップ履歴を削除します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel -v 10 /dev/vg01
    /dev/vg01 swsthistdel completed
    #

    業務ボリューム(/dev/vg02)の相対世代番号1のバックアップ履歴を緊急操作モードで削除します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdel -g 1 -emergency /dev/vg02
    /dev/vg02 swsthistdel completed
    #

次のような場合、バックアップ履歴情報を削除することはできません。

緊急操作モードで実行した場合、OPCのセション確認およびセションキャンセルは行われません。エラーサスペンド状態やhalt状態になっているOPCセションが存在していた場合は、管理されないセションが残るため、GRmgrまたはETERNUSmgrを使用してセションをキャンセルする必要があります。

サスペンド中の履歴情報を削除しても、同期処理(ECセション)は解除されません。
トラッキング状態の履歴情報を削除しても、トラッキング状態(OPCセション)は解除されません。

サスペンド指定で同期型高速バックアップを行った場合は、履歴削除後もバックアップボリュームは使用中の状態になります。
差分スナップショット型高速バックアップを行った場合は、履歴削除後もバックアップボリュームは使用中の状態になります。

差分スナップショット型高速バックアップ運用でないときは、OPC物理コピーが完了していない履歴情報を削除した場合、削除した履歴の物理コピーは中断されます。この場合、バックアップボリューム内のデータはコピー途中の不完全な状態となります。
履歴情報を削除した時点でバックアップボリュームは未使用状態となり、その後のバックアップで使用可能な状態となります。
差分スナップショット型高速バックアップ運用のときは、OPC物理コピーが完了していない履歴情報を削除しても、削除した履歴の物理コピーは継続されます。
履歴情報の削除後もバックアップボリュームは使用中の状態であり、その後の当該業務ボリュームのバックアップで使用可能な状態となります。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

9.1.2.8 バックアップ同期処理開始コマンド(swststartsync

バックアップ同期処理(ECによるディスク間のコピー)を開始します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync Device-Name [-Xdevmap Device-Map-File]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync [-h Server] Device-Name [-Xdevmap Device-Map-File]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -Xdevmap

    出力先バックアップボリュームを指定してバックアップ同期処理を開始することを指定します。オペランドには、業務ボリュームと出力先バックアップボリュームの組を記述した、デバイスマップファイル 名を指定します。このオプションを指定しない場合は、出力先バックアップボリュームは自動的に選択されます。-hオプションを使用して本コマンドをリモート実行する場合は、(Storageサーバの)デバイスマップファイル名を絶対パスで指定してください。Device-Map-Fileに指定するファイル名には、各国語文字が含まれてはいけません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/vg01)のバックアップ同期処理を開始します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync  /dev/vg01
    /dev/vg01 swststartsync completed.
    #

バックアップ同期処理中の業務ボリュームに対してバックアップ同期処理開始コマンドを実行した場合は、通報メッセージ「swst0301 既にバックアップ同期処理中です。」を出力して終了します(終了ステータスは正常終了です)。

次のような場合、バックアップ同期処理を開始することはできません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

同期処理を開始する際、業務ボリュームにサスペンド中のバックアップボリュームが存在する場合は、バックアップ先として優先的に選択されて、同期処理を再開(差分コピーを開始)します。業務ボリュームにサスペンド中のバックアップボリュームが存在しない場合は、同期処理(全面コピー)を開始します。

同期処理を開始する業務ボリュームとサスペンド中のバックアップボリュームは、使用中状態になっていてもバックアップ先として使用できます。

同期処理を開始する業務ボリューム以外の業務ボリュームとサスペンド中のバックアップボリュームを、デバイスマップファイルでバックアップ先として指定することはできません。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

9.1.2.9 バックアップ同期処理キャンセルコマンド(swstcancelsync

ECによるコピー中または等価性維持状態のバックアップ同期処理をキャンセルします。

ECコピー中または等価性維持状態またはサスペンド中のバックアップボリュームを指定して同期処理をキャンセルすることができます。また、全同期処理のキャンセルを指定すると、サスペンド状態を含むすべてのバックアップ同期処理をキャンセルします。

バックアップ同期処理実行中に何らかの異常を検出した場合、コピーは正常に終了しません。その場合、本コマンドを用いてバックアップ同期処理をキャンセルします。異常発生の有無については、バックアップ同期処理実行状況表示コマンド(swstsyncstat)で確認することができます。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync [-emergency] [-bd Backup-Device-Name | -all] Device-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync [-h Server] [-emergency] [-bd Backup-Device-Name | -all] Device-Name


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -emergency

    緊急操作モードで動作します。

    この場合、ECのセション確認およびセションキャンセルは行われません。

    -bd

    特定のバックアップボリュームに対する同期処理のキャンセルを行います。この場合、オペランドにバックアップボリューム名を指定します。-allオプションと同時に指定することはできません。

    -all

    業務ボリュームに設定されているすべての同期処理のキャンセルを行います。-bdオプションと同時に指定することはできません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

    Backup-Device-Name

    コピー先のバックアップボリューム名を指定します。

    指定するデバイスはボリュームグループ名を指定してください。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/vg01)のバックアップ同期処理をキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync  /dev/vg01
    /dev/vg01 swstcancelsync completed.
    #

    業務ボリューム(/dev/vg02)のバックアップ同期処理を緊急操作モードでキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync -emergency /dev/vg02
    /dev/vg02 swstcancelsync completed.
    #

    業務ボリューム(/dev/vg04)からバックアップボリューム(/dev/vg06)に設定されているバックアップ同期処理をキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/vg04
    Server Transaction-Disk Backup-Disk Status    Execute
    job2   /dev/vg04        /dev/vg05   suspend   ----
    job2   /dev/vg04        /dev/vg06   executing 75%
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync /dev/vg04 -bd /dev/vg06
    /dev/vg04 swstcancelsync completed.
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/vg04
    Server Transaction-Disk Backup-Disk Status  Execute
    job2   /dev/vg04        /dev/vg05   suspend ----
    #

    業務ボリューム(/dev/vg07)に設定されているすべてのバックアップ同期処理をキャンセルします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/vg07
    Server Transaction-Disk Backup-Disk Status    Execute
    job2   /dev/vg07        /dev/vg08   suspend   ----
    job2   /dev/vg07        /dev/vg09   executing 75%
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcancelsync /dev/vg07 -all
    /dev/vg07 swstcancelsync completed.
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/vg07
    Server Transaction-Disk Backup-Disk Status Execute
    job2   /dev/vg07        ----        ----   ----
    #

次のような場合、バックアップ同期処理キャンセル処理を開始することはできません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

緊急操作モードで実行した場合、ECのセションキャンセルは行われません。ECセションが存在していた場合は、管理されないセションが残るため、GRmgrまたはETERNUSmgrを使用してセションをキャンセルする必要があります。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

9.1.2.10 バックアップ同期処理実行状況表示コマンド(swstsyncstat)

バックアップ同期処理の実行状況(コピー中、等価性維持状態、サスペンド状態)を表示します。

1つの業務ボリュームに複数のECセションが存在する場合、すべてのECセションの状態を表示します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat [-h Server] [Device-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

    省略した場合は、すべての業務ボリュームのバックアップ同期処理実行状況を表示します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/vg01)のバックアップ同期処理状況を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat /dev/vg01
    Server Transaction-Disk Backup-Disk Status    Execute
    job1   /dev/vg01        /dev/vg02   suspend   ----
    job1   /dev/vg01        /dev/vg03   executing 75% 
    #

    全業務ボリュームの情報を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsyncstat
    Server Transaction-Disk Backup-Disk Status     Execute
    job1   /dev/vg01        /dev/vg05   suspend    ----
    job1   /dev/vg01        /dev/vg06   executing  75%
    job1   /dev/vg01        /dev/vg07   suspend    ----
    job1   /dev/vg02        /dev/vg08   equivalent 100%
    job1   /dev/vg03        /dev/vg09   failed     ----
    job1   /dev/vg04        ----        ----       ----
    #

    表示される内容を以下に示します。

    タイトル

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Transaction-Disk

    業務ボリューム名を表示します。

    Backup-Disk

    バックアップボリューム名を表示します。

    バックアップ同期処理中でないときは、"----"を表示します。

    Status

    実行状態を表示します。

    "----":バックアップ同期処理中ではありません。

    "executing":実行中かつ等価性維持状態前です。

    "equivalent":等価性維持状態です。

    “suspend”:サスペンド状態です。

    "failed":バックアップ同期処理が異常終了しています。

    "nosession":セションが存在しません。(資源情報不一致)

    "halt":バックアップ同期処理がhalt状態です。

    Execute

    実行状況のパーセンテージ表示(0〜100%)を表示します。

    サスペンド中のとき、またはバックアップ同期処理中でないときは、"----"を表示します。

次のような場合、同期処理状況表示処理を実行することはできません。

実行状態("Status"欄に表示される状態)が"failed"または"halt"の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、バックアップ中に発生したハードウェア障害等の対処方法を参照して対処してください。

実行状態("Status"欄に表示される状態)が"nosession"の場合、資源情報に不整合が考えられます。資源整合コマンド(swstsrsemtch)を用いて資源情報の不整合を取り除いてください。

9.1.2.11 実行状態表示コマンド(swstexecstat

各業務ボリュームで実施されているコマンドの実行状態を表示します。OPC/ECが実行中の場合は、その実行状況を表示します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstexecstat [-j] [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstexecstat [-h Server] [-j] [Device-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -j

    別書式による表示を指定します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    業務ボリュームのデバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ボリュームグループ名を指定してください。

    省略した場合は、すべての業務ボリュームの実行状態を表示します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    業務ボリュームの実行状態を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstexecstat 
    Server Device    Last-Backup-Date Interval Status Mount-Point (Method) Execute
    job1   /dev/vg01 2000/12/11 12:20 OK       IDLE   ---- (----)          ----
    job1   /dev/vg02 2000/12/10 12:20 DELAY=1  IDLE   ---- (----)          sync(22%)
    job1   /dev/vg03 2000/12/09 12:20 DELAY=2  IDLE   ---- (----)          snapshot(45%)
      :
    #

    "-j"オプションを使用したときの実行例は、以下の通りです。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstexecstat -j
    Server Device    Execute-Date     Status Mount-Point (Method) Execute
    job1   /dev/vg01 2000/12/11 12:20 IDLE   ---- (----)          ----
    job1   /dev/vg02 2000/12/10 12:20 IDLE   ---- (----)          sync(22%)
    job1   /dev/vg03 2000/12/09 12:20 IDLE   ---- (----)          snapshot(45%)
    #

    表示される内容を以下に示します。

    キーワード

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Device

    デバイス名を表示します。

    Last-Backup-Date

    最後にバックアップした日時を表示します。

    ※ バックアップ実行コマンドの受付時間を表示します。

    Interval

    最後にバックアップを取得した日から間隔日数に指定した日数が経過した場合、その日数が超過した日から何日経過しているかを、"DELAY=経過日数" の形式で表示します。超過していない場合は、"OK" を表示します。

    Status

    次に挙げるコマンドが、業務ボリュームに対して実行中かどうかを表示します。実行中の場合は"EXEC"を、そうでない場合は"IDLE"を表示します。

    バックアップポリシー設定コマンド(swstbkpolset)

    バックアップポリシー削除コマンド(swstbkpoldel)

    バックアップ実行コマンド(swstbackup)

    リストア実行コマンド(swstrestore)

    履歴情報削除コマンド(swsthistdel)

    バックアップ同期処理開始コマンド(swststartsync)

    バックアップ同期処理キャンセルコマンド(swstcancelsync)

    リストアキャンセルコマンド(swstcancelrest)

    Mount-Point (Method)

    業務ボリュームのマウントポイント名を表示し、括弧内にFStypeを表示します。ただしAIXではマウントポイントの表示は行わないため、常に“---- (----)”と表示します。

    Execute

    実行中コマンド名、あるいはコピーの進捗率を表示します。

    "----"

    :コマンド/OPC/EC等、何も動作していない状態

    "swststartsync"

    :バックアップ同期処理開始コマンドを処理している状態

    "swstcancelsync"

    :バックアップ同期処理キャンセルコマンドを処理している状態

    "swstbackup"

    :バックアップ実行コマンドを処理している状態

    "swstrestore"

    :リストア実行コマンドを処理している状態

    "swstcancelrest"

    :リストアキャンセルコマンドを処理している状態

    "swstbkpolset"

    :バックアップポリシー設定コマンドを処理している状態

    "swstbkpoldel"

    :バックアップポリシー削除コマンドを処理している状態

    "swsthistdel"

    :履歴情報削除コマンドを処理している状態

    "swstcanceltrk"

    :トラッキングキャンセルコマンドを処理している状態

    "sync(xxx%)"

    :ECの進捗率

    "sync(failed)"

    :ECが異常終了している状態

    "sync(halt)"

    :ECがhalt状態

    "snapshot(xxx%)"

    :OPCによるバックアップの進捗率

    "snapshot(failed)"

    :OPCによるバックアップが異常終了している状態

    "snapshot(halt)"

    :OPCによるバックアップがhalt状態

    "restore(xxx%)"

    :OPCによるリストアの進捗率

    "restore(failed)"

    :OPCによるリストアが異常終了している状態

    "restore(halt)"

    :OPCによるリストアがhalt状態

    業務ボリュームに対して複数の処理が行われている場合(例:スナップショット型高速バックアップの実コピー中にバックアップ同期処理開始コマンドを投入した等)のExecute欄の表示は、以下の規則に基づいて行われます。

    "-j"オプションを使用したときの実行例は、以下の通りです。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstexecstat -j
    Server Device    Execute-Date     Status Mount-Point (Method) Execute
    job1   /dev/vg01 2000/12/11 12:20 IDLE   ---- (----)          ----
    job1   /dev/vg02 2000/12/10 12:20 EXEC   ---- (----)          sync(22%)
    job1   /dev/vg03 2000/12/09 12:20 EXEC   ---- (----)          snapshot(45%)
    :
    #

    表示される内容は以下の通りです。

    キーワード

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Device

    デバイス名を指定します。

    Execute-Date

    コマンドの実行時刻を表示します。

    Status

    次に挙げるコマンドが、業務ボリュームに対して実行中かどうかを表示します。実行中の場合は"EXEC"を、そうでない場合は"IDLE"を表示します。

    バックアップポリシー設定コマンド(swstbkpolset)

    バックアップポリシー削除コマンド(swstbkpoldel)

    バックアップ実行コマンド(swstbackup)

    リストア実行コマンド(swstrestore)

    履歴情報削除コマンド(swsthistdel)

    バックアップ同期処理開始コマンド(swststartsync)

    バックアップ同期処理キャンセルコマンド(swstcancelsync)

    リストアキャンセルコマンド(swstcancelrest)

    Mount-Point(Method)

    業務ボリュームのマウントポイント名を表示し、括弧内にFstypeを表示します。ただしAIXではマウントポイントの表示は行わないため、常に“---- (----)”と表示します。

    Execute

    実行中コマンド名、あるいはコピーの進捗率を表示します。

    "----"

    :コマンド/OPC/EC等、何も動作していない状態

    "swststartsync"

    :バックアップ同期処理開始コマンドを処理している状態

    "swstcancelsync"

    :バックアップ同期処理キャンセルコマンドを処理している状態

    "swstbackup"

    :バックアップ実行コマンドを処理している状態

    "swstrestore"

    :リストア実行コマンドを処理している状態

    "swstcancelrest"

    :リストアキャンセルコマンドを処理している状態

    "swstbkpolset"

    :バックアップポリシー設定コマンドを処理している状態

    "swstbkpoldel"

    :バックアップポリシー削除コマンドを処理している状態

    "swsthistdel"

    :履歴情報削除コマンドを処理している状態

    "swstcanceltrk"

    :トラッキングキャンセルコマンドを処理している状態

    "sync(xxx%)"

    :ECの進捗率

    "sync(failed)"

    :ECが異常終了している状態

    "sync(halt)"

    :ECがhalt状態

    "snapshot(xxx%)"

    :OPCによるバックアップの進捗率

    "snapshot(failed)"

    :OPCによるバックアップが異常終了している状態

    "snapshot(halt)"

    :OPCによるバックアップがhalt状態

    "restore(xxx%)"

    :OPCによるリストアの進捗率

    "restore(failed)"

    :OPCによるリストアが異常終了している状態

    "restore(halt)"

    :OPCによるリストアがhalt状態

サスペンド指定で同期型高速バックアップを行った場合は、Execute欄には何も動作していない状態(“----")が表示されます。

次のような場合、実行状態表示処理を実行することはできません。

"Execute"欄に表示される状態が、"sync(failed)"、"snapshot(failed)"、"restore(failed)"、"sync(halt)"、"snapshot(halt)"、"restore(halt)"の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、以下の処理を行ってください。

9.1.2.12 トラッキングキャンセルコマンド(swstcanceltrk

トラッキング処理を停止します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcanceltrk [-copy | -emergency] Device-Name (-bd Backup-Device-Name | -all)

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcanceltrk -h Server-Name [-copy | -emgergency] Device-Name (-bd Backup-Device-Name | -all)


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -copy

    物理コピーが動作中の場合、物理コピーも停止する(すなわち、OPCセッションを解除する)ことを指定します。

    バックアップ履歴となっているバックアップボリュームの場合は本オプションを指定することはできません。コピー先ボリュームがバックアップ履歴となっているボリュームの場合は、事前に履歴削除コマンド(swsthistdel)によって履歴情報を削除してください。

    -emergency

    緊急操作モードで動作します。

    この場合、トラッキング処理の確認およびトラッキング処理・OPCセッションの停止は行われません。

    -bd

    特定のバックアップボリュームに対するトラッキング処理の停止を行います。この場合、オペランドにバックアップボリューム名を指定します。-allオプションと同時に指定することはできません。

    -all

    業務ボリュームに設定されているすべてのトラッキング処理の停止を行います。-bdオプションと同時に指定することはできません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了
    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/vg3)からバックアップボリューム(/dev/vg08)に設定されているトラッキング処理を停止します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcanceltrk /dev/vg03 -bd /dev/vg08
    /dev/vg03 swstcanceltrk completed.
    #

    業務ボリューム(/dev/vg03)に設定されているトラッキング処理および物理コピーを停止します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat /dev/vg03
    Server Transaction-Disk Backup-Disk Status    Execute Update
    job2   /dev/vg03        /dev/vg03   executing 33%     -----
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstcanceltrk -copy /dev/vg03 -bd /dev/vg08
    /dev/vg03 swstcanceltrk completed.
    #

緊急操作モードで実行した場合、OPCのセションキャンセルは行われません。トラッキング状態だった場合は、管理されないセションが残るため、GRmgr、ETERNUSmgr、GDS等を使用してセションをキャンセルする必要があります。

次のような場合はトラッキング処理を停止することはできません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

9.1.2.13 トラッキング実行状況表示コマンド(swsttrkstat

トラッキング処理の実行状況を表示します。

1つの業務ボリュームに複数の同期処理が存在する場合、すべてのトラッキング処理の状態を表示します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat [Device-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat [-h Server] [Device-Name]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Device-Name

    デバイス名を指定します。

    指定するデバイスは、ブロックデバイス名を指定します。

    省略した場合は、すべての業務ボリュームのトラッキング処理の実行状況を表示します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了
    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    業務ボリューム(/dev/vg03)のトラッキング処理の実行状況を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat /dev/vg03
    Server Transaction-Disk Backup-Disk Status   Execute Update
    job1   /dev/vg03        /dev/vg08   tracking ----    12%
    #

    全業務ボリュームのトラッキング処理の実行状況を表示します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swsttrkstat
    Server Transaction-Disk Backup-Disk Status    Execute Update
    job1   /dev/vg03        /dev/vg08   nosession ----    ----
    job1   /dev/vg04        /dev/vg09   executing 75%     ----
    job1   /dev/vg05        /dev/vg10   failed    ----    ----
    job1   /dev/vg06        /dev/vg11   tracking  ----    12%
    job1   /dev/vg07        ----        ----      ----    ----
      :
    #

    表示される内容を以下に示します。

    タイトル

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Transaction-Disk

    業務ボリューム名を表示します。

    Backup-Disk

    バックアップボリューム名を表示します。

    トラッキング状態でないときは、"----"を表示します。

    Status

    実行状態を表示します。

    "----":トラッキング状態ではありません。

    "executing":物理コピー中かつトラッキング状態です。

    "tracking":トラッキング状態です。

    "failed":物理コピーまたはトラッキング処理が異常終了しています。

    "nosession":セションが存在しません。(資源情報不一致)

    Execute

    Status欄が"executing"のときに、コピーされた割合についてパーセンテージで表します。"tracking"のときは、"----"で表示します。

    Update

    Status欄が"tracking"のときに、論理コピー後の更新済みデータ量をパーセンテージで表します。"executing"のときは、"----"で表示します。

実行状態("Status"欄に表示される状態)が"failed"の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、差分スナップショット型バックアップを再実行してください。

実行状態("Status"欄に表示される状態)が"nosession"の場合、資源情報に不整合が考えられます。資源整合コマンド(swstsrsemtch)を用いて資源情報の不整合を取り除いてください。

次のような場合、トラッキング処理の実行状況を表示することはできません。

9.1.3 保守系コマン

バックアップ管理の保守系コマンドについて説明します。

バックアップ管理には、以下の保守系コマンドがあります。

機能

コマンド名

説明

資源整合コマンド

swstsrsemtch

バックアップ管理簿内の情報の整合性を復旧します。

資源バックアップコマンド

swstresback

バックアップ管理簿をバックアップします。

資源リストアコマンド

swstresrst

バックアップ管理簿をリストアします。

9.1.3.1 資源整合コマンド(swstsrsemtch

システムダウンなどでバックアップ管理簿内の情報の整合性が不完全となってしまった場合、整合性がとれるように復旧します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsrsemtch [-x]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsrsemtch [-x] [-h Server]

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを使用することはできません。

    -x

    リポジトリとの整合をとります。

    Storage管理サーバのバックアップ管理簿の復旧が、何らかの原因により行えなかった場合、このオプションを指定してください。

  3. 実行例

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstsrsemtch
    swstsrsemtch completed
    #

次のコマンドが実行しているときは、資源整合コマンドを実行することができません。

9.1.3.2 資源バックアップコマンド(swstresback

バックアップ管理簿を指定されたディレクトリにバックアップします。

  1. 指定方法

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstresback Backup-Directory

  2. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Backup-Directory

    バックアップ管理簿を退避するディレクトリ名を指定します。

  3. 実行例

    バックアップ管理簿を/home/backupにバックアップします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstresback /home/backup
    swstresback completed
    #

次のような場合は、バックアップされません。

次のコマンドが実行しているときは、資源バックアップコマンドを実行することができません。

9.1.3.3 資源リストアコマンド(swstresrst

バックアップ管理簿を指定されたディレクトリからリストアします。

  1. 指定方法

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstresrst Backup-Directory

  2. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Backup-Directory

    バックアップ管理簿を退避したディレクトリ名を指定します。

  3. 実行例

    バックアップ管理簿を/home/backupからリストアします。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstresrst /home/backup
    swstresrst completed
    #

本コマンドにより、バックアップ管理簿のリストアを実行する際には、事前にStorageサーバ構成情報設定コマンド(swstsvrset)を実行する必要があります。

次のような場合は、リストアされません。

次のコマンドが実行しているときは、資源リストアコマンドを実行することができません。

9.2 構成管理のコマンド 

本章では、バックアップ運用やレプリケーション運用を行うサーバや運用対象となるデバイスの情報を管理する構成管理のコマンドによる操作について説明しています。

コマンド実行時の動作環境

コマンドを実行する際に必要となる動作環境は下表の通りです。

コマンド名

AdvancedCopy Managerの動作環境

stgcmmodnode

Storage管理サーバ(Storage管理サーバ業務)で実行する場合、Storage管理サーバ(Storage管理サーバ業務)が動作していなければならない。

stgenvdisp

Storage管理サーバ(Sotorage管理サーバ業務)、Storageサーバ(Storageサーバ業務)共に動作していなくても実行可能。
ただし、クラスタ運用の場合、クラスタサービス(クラスタシステムにより名称が異なる)が動作していない場合は一部の情報が表示されない。

stgmgrinfoset

管理情報一括バックアップ実行サーバが動作していなければならない。

stgmgrinfobkup

Storage管理サーバ(Sotorage管理サーバ業務)、管理情報一括バックアップ実行サーバ、管理情報一括バックアップ対象サーバが動作していなければならない。

stgmgrinfodisp

管理情報一括バックアップ実行サーバが動作していなければならない。

クラスタ運用の場合

クラスタ運用におけるコマンドは、次の手順で実行します。
  1. 必要に応じて、環境変数SWSTGNODEに該当業務の論理ノード名を設定します。bshの場合、環境変数の設定方法は以下の通りです。

    # SWSTGNODE=論理ノード名<Enter>
    # export SWSTGNODE
  2. コマンドを実行します。

    クラスタ運用におけるコマンドと、環境変数設定の要否およびコマンドを実行するノードは下表のとおりです。コマンドを実行する際の注意事項等は備考欄に記述しています。

コマンド

環境変数の要否

コマンド実行ノード

備考

stgcmmodnode

必要

業務稼動ノード

stgenvdisp

不要

業務稼動ノード

stgmgrinfobkup

必要

業務稼動ノード

stgmgrinfodisp

必要

業務稼動ノード

stgmgrinfoset

必要

業務稼動ノード

9.2.1 管理サーバ情報変更コマンド(stgcmmodnode)

Storage管理サーバのサーバ情報を変更する場合に使用します。

本コマンドは、以下の2つ機能があります。

  1. 指定方法

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgcmmodnode [-i IPアドレス] [-p PORT番号] [-n サーバ名]

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    なし

    現在管理しているサーバ情報を表示します。

    -i

    Storage管理サーバのIPアドレスを変更する場合、Storage管理サーバのIPアドレスを指定します。

    -p

    Storage管理サーバのPORT番号を変更する場合、Storage管理サーバのPORT番号を指定します。

    -n

    Storage管理サーバのサーバ名を変更する場合、Storage管理サーバのサーバ名を指定します。Storage管理サーバで実行する場合は指定できません。

  3. 終了ステータス

    =0:正常終了

    >0:異常終了

  4. 実行例

    サーバ情報を表示します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgcmmodnode
    swstf2413 IP Address  = 10.10.10.10
    swstf2413 PORT Number = 1226
    swstf2413 Storage Management Server's Name = 富士通Storage管理サーバ

    Storage管理サーバのIPアドレスを10.12.13.14に変更します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgcmmodnode  -i 10.12.13.14
    swstf2401 Storage管理サーバのサーバ情報の更新が正常に終了しました。

本コマンドの注意事項は以下の通りです。

9.2.2 リポジトリアクセスユーザー変更コマンド(stguserset

リポジトリアクセスユーザー変更コマンド(stguserset)は、Storage管理サーバで実行します。

Storage管理サーバのOSに対する運用手引書を参照してください。

9.2.3 GUI接続情報設定コマンド(stgguiipset

GUI接続情報設定コマンド(stgguiipset)は、Storage管理サーバで実行します。

Storage管理サーバのOSに対する運用手引書を参照してください。

9.2.4 サーバ情報追加コマンド(stgxfwcmaddsrv

サーバ情報追加コマンド(stgxfwcmaddsrv)は、Storage管理サーバで実行します。

Storage管理サーバのOSに対する運用手引書を参照してください。

9.2.5 サーバ情報変更コマンド(stgxfwcmmodsrv

サーバ情報変更コマンド(stgxfwcmmodsrv)は、Storage管理サーバで実行します。

Storage管理サーバのOSに対する運用手引書を参照してください。

9.2.6 サーバ情報削除コマンド(stgxfwcmdelsrv

サーバ情報削除コマンド(stgxfwcmdelsrv)は、Storage管理サーバで実行します。

Storage管理サーバのOSに対する運用手引書を参照してください。

9.2.7 デバイス情報取得/反映コマンド(stgxfwcmsetdev

デバイス情報取得/反映コマンド(stgxfwcmsetdev)は、Storage管理サーバで実行します。

Storage管理サーバのOSに対する運用手引書を参照してください。

9.2.8 デバイス情報削除コマンド(stgxfwcmdeldev

デバイス情報削除コマンド(stgxfwcmdeldev)は、Storage管理サーバで実行します。

Storage管理サーバのOSに対する運用手引書を参照してください。

9.2.9 サーバ情報表示コマンド(stgxfwcmdispsrv

サーバ情報表示コマンド(stgxfwcmdispsrv)は、Storage管理サーバで実行します。

Storage管理サーバのOSに対する運用手引書を参照してください。

9.2.10 デバイス情報表示コマンド(stgxfwcmdispdev

デバイス情報表示コマンド(stgxfwcmdispdev)は、Storage管理サーバで実行します。

Storage管理サーバのOSに対する運用手引書を参照してください。

9.2.11 パーティション情報表示コマンド(stgxfwcmdisppat

パーティション情報表示コマンド(stgxfwcmdisppat)は、Storage管理サーバで実行します。

Storage管理サーバのOSに対する運用手引書を参照してください。

9.2.12 環境情報表示コマンド(stgenvdisp)

AdvancedCopy Managerに設定されている環境の各値を表示します。

  1. 指定方法

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgenvdisp [-n 業務の論理ノード名]

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -n

    業務の論理ノード名(クラスタセットアップコマンドで指定した論理ノード名)を指定します。

    • クラスタ環境の場合

    本オプションが指定された場合、指定された業務の情報のみ出力します。

    本オプションが指定されていない場合、全業務の情報を出力します。

    • 非クラスタ環境の場合

    本オプションは指定できません。指定された場合は、swstf6001のメッセージを出力して処理を終了します。

    本オプションが指定されていない場合、情報を出力します。

  3. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  4. 実行例

    非クラスタ環境において情報を表示します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgenvdisp
      Server type            : Server
      Manager IP address     : 10.10.10.10
      Communication          : 1226
    #

    クラスタ環境(VERITAS Cluster Server)において全業務の情報を表示します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgenvdisp
      Server type            : Server
      Cluster system         : VERITAS Cluster Server
      Node type              : Primary
      Node name              : nodeagt1
      Service name           : agent_service1
      Mount point            : /acmagt1disk
      Manager IP address     : 10.10.10.10
      Communication          : 11000
    -------------------------------------------------------------------------
      Server type            : Server
      Cluster system         : VERITAS Cluster Server
      Node type              : Secondary
      Node name              : nodeagt2
      Service name           : agent_service2
      Mount point            : /acmagt2disk
      Manager IP address     : 10.10.10.10
      Communication          : 12000
    -------------------------------------------------------------------------
      Server type            : Server
      Node name              : Local-Service
      Manager IP address     : 10.10.10.10
      Communication          : 1226
    #

    表示される内容を以下に示します。

    タイトル

    説明

    Server type

    サーバ種別を表示します。
    Management server:Storage管理サーバまたはStorage管理サーバ業務
    Server: StorageサーバまたはStorageサーバ業務

    Cluster system

    クラスタシステムの種類を表示します。
    SafeCLUSTER or PRIMECLUSTER:SafeCLUSTERまたはPRIMECLUSTER
    VERITAS Cluster Server:VERITAS Cluster Server
    SafeCLUSTER:SafeCLUSTER
    PRIMECLUSTER:PRIMECLUSTER
    MC/ServiceGuard:MC/ServiceGuard
    MSCS:MSCS

    HACMP:High Availability Cluster Multi-Processing

    Node type

    ノード種別を表示します。
    Primary:プライマリノード
    Secondary:セカンダリノード

    Node name

    論理ノード名を表示します。
    Local-Serviceの場合、ローカル業務であることを示します。

    Service name

    業務名を表示します。

    Cluster name

    クラスタ名を表示します。

    Mount point

    AdvancedCopy Manager共有データ用のマウントポイントを表示します。

    Disk resource

    AdvancedCopy Manager共有データ用に使用した共有ディスクのリソース名を表示します。

    Drive

    AdvancedCopy Manager共有データ用に使用したドライブレターを表示します。

    Volume group

    ボリュームグループ名を表示します。

    Network name

    AdvancedCopy Managerで使用したネットワーク名を表示します。

    External connection

    外部接続用ネットワーク名を表示します。

    Subnet mask

    サブネットマスクを表示します。

    IP address resource

    IPアドレスリソースを表示します。

    IP by cluster setup

    クラスタセットアップコマンドで指定した論理IPアドレスを表示します。
    ただし、運用において、「Storage管理サーバ業務のIPアドレスの変更」または「Storageサーバ業務のIPアドレスの変更」操作を実施している場合は、運用中の論理IPアドレスではありませんので注意が必要です。

    Manager IP address

    Storage管理サーバのIPアドレスを表示します。
    ただし、「サーバの追加」操作を実施していない場合は、値に"????"が表示されます。

    Repository user

    リポジトリアクセスユーザーを表示します。

    DB log file

    [Windows版のみ]
    DBログファイル格納先フォルダ名を表示します。

    DB dictionary file

    [Windows版のみ]
    DBディクショナリファイル格納先フォルダ名を表示します。

    Repository database

    [Windows版のみ]
    リポジトリデータベーススペース格納先フォルダ名を表示します。

    DB file

    [Solaris版の場合]
    DBファイルシステム用デバイス名またはディレクトリ名を表示します。

    [Linux版の場合]
    DBファイル用ディレクトリ名を表示します。

    RDB dictionary

    [Solaris版の場合]
    RDBディクショナリ用ローデバイス名を表示します。

    [Linux版の場合]
    RDBディクショナリ用ディレクトリ名を表示します。

    RDB log file

    [Solaris版の場合]
    RDBログファイル用ローデバイス名またはディレクトリ名を表示します。

    [Linux版の場合]
    RDBログファイル用ディレクトリ名を表示します。

    Database space

    [Solaris版の場合]
    リポジトリデータ格納DBスペース用ローデバイス名を表示します。

    [Linux版の場合]
    リポジトリデータ格納DBスペース用ディレクトリ名を表示します。

    Database size

    [Windows版、Linux版のみ]
    データベースサイズを表示します。

    IP address for GUI

    GUI接続用IPアドレスを表示します。

    Communication

    通信サービス/デーモンのポート番号(servicesファイル内のサービス名:stgxfws)を表示します。
    クラスタ運用の場合は、業務用通信サービス/デーモンのポート番号(servicesファイル内のサービス名:stgxfws_論理ノード名)を表示します。

    Remote access

    リモートアクセスサービス/デーモンのポート番号(servicesファイル内のサービス名:rmiswstf)を表示します。

    Exclusive control

    排他制御サービス/デーモンのポート番号(servicesファイル内のサービス名:semswstf)を表示します。

    Authentication feature

    認証機構サービス/デーモンのポート番号(servicesファイル内のサービス名:smaclmgr)を表示します。

    Repository

    リポジトリサービス/デーモンのポート番号(servicesファイル内のサービス名:rdaswstf)を表示します。

9.2.13 管理情報一括バックアップサーバ登録/削除コマンド(stgmgrinfoset)

管理情報一括バックアップ実行サーバ(管理情報一括バックアップコマンドを実行するサーバ)を登録します。

管理情報一括バックアップ実行サーバを削除します。

管理情報一括バックアップ実行サーバの情報を表示します。

  1. 指定方法

    /opt/FJSVswstf/bin/stgmgrinfoset [-del | -d ディレクトリ名 -c Storage管理サーバのコード]

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    なし

    管理情報一括バックアップ実行サーバの情報を表示します。

    -del

    管理情報一括バックアップ実行サーバを削除します。

    -d

    バックアップデータを格納するディレクトリのフルパスを指定します。

    ディレクトリ名には、英数字、(アンダースコアー)のみ使用可能です。

    -c

    Storage管理サーバをインストールしたときに指定したcodeを指定します。指定できる値は以下の通りです。

    EUC:EUC

    SJIS:SJIS

    UTF8:UTF-8(UNICODE)

    Storage管理サーバがWindows版の場合、SJISを指定してください。

  3. 終了ステータス

    =0:正常終了

    >0:異常終了

  4. 実行例

    管理情報一括バックアップ実行サーバ(バックアップデータを保管するディレクトリパス:/stgbkupdata、Storage管理サーバのcode:EUC)を登録します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgmgrinfoset -d /stgbkupdata -c EUC
    swstf3000 AdvancedCopy Managerの管理情報の一括バックアップを実行するサー
    バを登録しました。
    #

    管理情報一括バックアップ実行サーバを削除します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgmgrinfoset -del
    swstf3001 AdvancedCopy Managerの管理情報の一括バックアップを実行するサー
    バを削除しました。ディレクトリを削除してください。ディレクトリ=/stgbkupdata
    #

    管理情報一括バックアップ実行サーバの情報を表示します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgmgrinfoset
    Directory    : /stgbkupdata
    Manager code : EUC
    #

本コマンドの注意事項は以下の通りです。

9.2.14 管理情報一括バックアップコマンド(stgmgrinfobkup)

Storageサーバ、Storage管理サーバの管理情報をバックアップします。

  1. 指定方法

    /opt/FJSVswstf/bin/stgmgrinfobkup [-n サーバ名] [-t バックアップ種別]

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -n

    指定されたサーバのバックアップを実施します。

    指定がない場合、全Storageサーバ(Storage管理サーバも含む)のバックアップを実施します。

    -t

    バックアップするデータの種別を指定します。指定できる値は以下の通りです。一度に複数の値を指定することはできません。

    DBData:データベースのバックアップ

    RegiData:レジストリのバックアップ

    MgrInfoData:管理情報一括バックアップのポリシーファイルのバックアップ

    AuthData:認証管理簿のバックアップ

    BkupData:バックアップ管理のバックアップ

    ReplData:レプリケーション管理のバックアップ

    TapeData:テープバックアップ管理のバックアップ

    指定がない場合、ポリシーファイルの設定に従ってバックアップを実施します。

    ポリシーファイルの詳細は、本マニュアルの『事前準備』を参照してください。

  3. 終了ステータス

    =0:正常終了

    >0:異常終了

  4. 実行例

    ポリシーファイルの設定に従って全てのStorageサーバのバックアップを実施します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgmgrinfobkup
    swstf3014 管理情報のバックアップを開始します。開始時間=04/07/02 11:00:00, サーバ名=acm01
    swstf3020 管理情報のバックアップは正常に終了しました。終了時間=04/07/02 11:02:00, サーバ名=acm01
    swstf3014 管理情報のバックアップを開始します。開始時間=04/07/02 11:02:00, サーバ名=acm02
    swstf3020 管理情報のバックアップは正常に終了しました。終了時間=04/07/02 11:05:00, サーバ名=acm02
    swstf3021 全てのサーバで管理情報のバックアップは正常終了しました。
    #

    ポリシーファイルの設定に従ってStorageサーバ(acm01)のバックアップを実施します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgmgrinfobkup -n acm01
    swstf3014 管理情報のバックアップを開始します。開始時間=04/07/02 11:00:00, サーバ名=acm01
    swstf3020 管理情報のバックアップは正常に終了しました。終了時間=04/07/02 11:02:00, サーバ名=acm01
    swstf3021 全てのサーバで管理情報のバックアップは正常終了しました。
    #

    全Storageサーバのレジストリのバックアップを実施します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgmgrinfobkup -t RegiData
    swstf3014 管理情報のバックアップを開始します。開始時間=04/07/02 11:00:00, サーバ名=acm01
    swstf3020 管理情報のバックアップは正常に終了しました。終了時間=04/07/02 11:02:00, サーバ名=acm01
    swstf3014 管理情報のバックアップを開始します。開始時間=04/07/02 11:02:00, サーバ名=acm02
    swstf3020 管理情報のバックアップは正常に終了しました。終了時間=04/07/02 11:05:00, サーバ名=acm02
    swstf3021 全てのサーバで管理情報のバックアップは正常終了しました。
    #

    Storageサーバ(acm01)のバックアップ管理のバックアップを実施します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgmgrinfobkup -n acm01 -t BkupData
    swstf3014 管理情報のバックアップを開始します。開始時間=04/07/02 11:00:00, サーバ名=acm01
    swstf3020 管理情報のバックアップは正常に終了しました。終了時間=04/07/02 11:02:00, サーバ名=acm01
    swstf3021 全てのサーバで管理情報のバックアップは正常終了しました。
    #

本コマンドの注意事項は以下の通りです。

9.2.15 管理情報一括バックアップ状況表示コマンド(stgmgrinfodisp) 

管理情報一括バックアップコマンドの実施状況を表示します。

  1. 指定方法

    /opt/FJSVswstf/bin/stgmgrinfodisp [-n サーバ名]


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -n

    バックアップの実施状況を出力するサーバ名を指定します。

    指定がない場合、管理情報一括バックアップコマンドを実施したStorageサーバのバックアップの実施状況を出力します。

  3. 終了ステータス

    =0:正常終了

    >0:異常終了

  4. 出力情報

    以下の情報を出力します。管理情報一括バックアップコマンドによるバックアップを実施していない場合、管理情報一括バックアップコマンドがエラー終了した場合は、データは出力されません。

    タイトル

    説明

    Server

    サーバ名

    RegiData

    レジストリを管理情報一括バックアップコマンドでバックアップした日時(管理情報一括バックアップコマンド実行日時)

    yy/mm/dd hh:mm:ss

    DBData

    データベースを管理情報一括バックアップコマンドでバックアップした日時(管理情報一括バックアップコマンド実行日時)

    yy/mm/dd hh:mm:ss

    AuthData

    認証管理簿を管理情報一括バックアップコマンドでバックアップした日時(管理情報一括バックアップコマンド実行日時)

    yy/mm/dd hh:mm:ss

    BkupData

    バックアップ管理を管理情報一括バックアップコマンドでバックアップした日時(管理情報一括バックアップコマンド実行日時)

    yy/mm/dd hh:mm:ss

    ReplData

    レプリケーション管理を管理情報一括バックアップコマンドでバックアップした日時(管理情報一括バックアップコマンド実行日時)

    yy/mm/dd hh:mm:ss

    MgrInfoData

    管理情報一括バックアップのポリシーファイルを管理情報一括バックアップコマンドでバックアップした日時(管理情報一括バックアップコマンド実行日時)

    yy/mm/dd hh:mm:ss

    TapeData

    テープバックアップ管理?を管理情報一括バックアップコマンドでバックアップした日時(管理情報一括バックアップコマンド実行日時)

    yy/mm/dd hh:mm:ss

  5. 実行例

    全Storageサーバの情報を出力します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgmgrinfodisp
    Server:         acm01
       DBData:      04/08/02 16:11:26
       AuthData:    04/08/02 16:32:00
       RegiData:    04/08/01 09:00:00
       ReplData:    04/08/02 16:32:22
    Server:         acm02
       RegiData:    04/08/01 09:00:00
       BkupData:    04/08/03 16:00:00
    Server:         tape
       RegiData:    05/08/01 09:00:00
       TapeData:    05/08/03 16:00:00
    #

    Storageサーバ(acm01)の情報を出力します。

    # /opt/FJSVswstf/bin/stgmgrinfodisp -n acm01
    Server:         acm01
       DBData:      04/08/02 16:11:26
       AuthData:    04/08/02 16:32:00
       RegiData:    04/08/01 09:00:00
       ReplData:    04/08/02 16:32:22
    #

本コマンドの注意事項は以下の通りです。

9.3 レプリケーション管理のコマン

本章では、レプリケーション管理のコマンドによる操作について説明しています。レプリケーション管理のコマンドは、rootユーザーで実行する必要があります。

レプリケーション管理のすべてのコマンドはrootユーザーのみが実行可能です。その他のユーザーでコマンド実行した場合は、「swsrp0601 コマンド実行ユーザがrootでないため、当コマンドは実行できません。」メッセージを出力しエラー終了します。

コマンド実行時の動作環境

コマンドを実行する際に必要となる動作環境は下表の通りです。

コマンド名

AdvancedCopy Managerの動作環境

swsrpcancel

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
StorageサーバがWindowsかつEC運用の場合は複写先Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない(-mオプション、-tオプションを指定する場合を除く)。
EC等価状態のサーバ間レプリケーションの場合は相手サーバが動作していなければならない(-mオプションを指定する場合を除く)。

swsrpchsync

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swsrpdelvol

Storageサーバで実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
サーバ間レプリケーションの場合は通信先Storageサーバのサービス・デーモンが動作していなければならない(-dオプションを指定する場合を除く)。

swsrpmake

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
StorageサーバがWindowsかつサーバ内レプリケーションかつEC運用の場合はStorageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
サーバ間レプリケーションの場合は通信先Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない(-mオプション、-tオプションを指定する場合を除く)。

swsrprecoverres

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
StorageサーバがWindowsの場合はStorageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
-rオプションを指定する場合は、Storage管理サーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swsrprevsync

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swsrpsetvol

Storageサーバで実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
サーバ間レプリケーションの場合は通信先Storageサーバのサービス・デーモンが動作していなければならない。

swsrprecbuffstat

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swsrprecbuffset

Storageサーバで実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合、Storage管理サーバのデーモン/サービスおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swsrpstartsync

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
StorageサーバがWindowsの場合はStorageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。
サーバ間レプリケーションの場合は相手サーバが動作していなければならない(-mオプションを指定する場合を除く)。

swsrpstat

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。

swsrpvolinfo

Storage管理サーバで-hオプションを指定してコマンドを実行する場合は、Storage管理サーバおよび処理対象Storageサーバのデーモン/サービスが動作していなければならない。


クラスタ運用の場合

クラスタ運用におけるコマンドは、次の手順で実行します。
  1. 必要に応じて、環境変数SWSTGNODEに該当業務の論理ノード名を設定します。bshの場合、環境変数の設定方法は以下の通りです。

    # SWSTGNODE=論理ノード名<Enter>
    # export SWSTGNODE
  2. コマンドを実行します。

    クラスタ運用におけるコマンドと、環境変数設定の要否およびコマンドを実行するノードは下表のとおりです。コマンドを実行する際の注意事項等は備考欄に記述しています。

コマンド

環境変数の要否

コマンド実行ノード

備考

swsrpsetvol

必要

業務稼動ノード

swsrpvolinfo

必要

業務稼動ノード

swsrpdelvol

必要

業務稼動ノード

swsrprecbuffstat

必要

業務稼動ノード

swsrprecbuffset

必要

業務稼動ノード

swsrpstartsync

必要

業務稼動ノード

swsrpmake

必要

業務稼動ノード

swsrpstat

必要

業務稼動ノード

swsrpcancel

必要

業務稼動ノード

swsrpchsync

必要

業務稼動ノード

swsrprevsync

必要

業務稼動ノード

swsrprecoverres

必要

業務稼動ノード

9.3.1 環境定義系コマン

レプリケーション管理の環境定義系コマンドについて説明します。レプリケーション管理の環境定義は、以下のコマンドで行います。

機能

コマンド名

説明

複製ボリューム情報設定コマンド

swsrpsetvol

複製ボリューム情報を設定します。

複製ボリューム情報表示コマンド

swsrpvolinfo

複製ボリューム情報を表示します。

複製ボリューム情報削除コマンド

swsrpdelvol

複製ボリューム情報の設定を削除します。

REC転送バッファ情報表示コマンド

swsrprecbuffstat

REC転送バッファの情報を表示する

REC転送バッファ設定変更コマンド

swsrprecbuffset

REC転送バッファの設定を変更する

9.3.1.1 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol

レプリケーション運用で使用する複製元/複製先ボリュームを設定します。本コマンドを実行することで指定した複製ボリュームを使ってレプリケーション運用を行うことを宣言します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    サーバ内レプリケーションの場合
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol [-n] [-u] [-Xgroup Group-Name] Original-Volume-Name Replica-Volume-Name

    サーバ間レプリケーションの場合
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol [-n] [-u] -o (ORG|REP|BOTH) [-Xgroup Group-Name] Original-Volume-Name Replica-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    サーバ内レプリケーションの場合
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol -h Server-Name [-n] [-u] [-Xgroup Group-Name] Original-Volume-Name Replica-Volume-Name

    サーバ間レプリケーションの場合
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol -h Server-Name [-n] [-u] -o (ORG|REP|BOTH) [-Xgroup Group-Name] Original-Volume-Name Replica-Volume-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    レプリケーション運用を行うStorageサーバ名を指定します。本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。

    省略した場合は、コマンドを投入したStorageサーバが処理対象となります。

    -u

    コピー方向を指定します。

    本オプションを指定すると、複製元ボリュームから複製先ボリュームへの一方向コピーのみを行い、複製先ボリュームから複製元ボリュームへのコピーは禁止されます。

    本オプションを指定しない場合は、複製元/複製先ボリューム間の双方向のコピーが実施可能です。

    -o

    操作サーバを指定します。

    オペランドには以下のいずれかを指定します。

    ORG:複製元サーバを操作サーバに設定します。

    REP:複製先サーバを操作サーバに設定します。

    BOTH:複製元サーバと複製先サーバの両方を操作サーバに設定します。

    操作サーバに指定されなかったサーバでは、複製ボリュームに対して以下のコマンドのみが実行可能です。

    • 複製ボリューム情報表示コマンド

    • 運用状況表示コマンド

    • 複製解除コマンド(強制停止オプションが必要)

    オペランドにBOTHを指定した場合は、複製元サーバおよび複製先サーバのどちらでも全てのコマンドを実行できます。なお、BOTHオプションは両サーバのバージョンが11.0/V11.0L10以降の場合に使用することができます。

    本オプションは、サーバ間レプリケーションの場合のみ有効です。

    -n

    本オプションを指定しない場合、複製元/複製先ボリュームのサイズが異なる場合は、複製ボリューム情報の設定はできません。

    本オプションを指定することで、複製元/複製先ボリュームのボリュームサイズのチェックをしないことを指定します。異種OS間のレプリケーションなど、ボリュームサイズが一致しない場合に使用してください。

    複製元/複製先ボリュームのボリュームサイズが異なる場合のコピーは以下のように実施されます。

    コピー開始アドレスは、複製先ボリュームの先頭セクタです。

    コピーデータサイズは、小さい方のボリュームサイズです。

    -Xgroup

    グループに登録することを指定します。

    指定したグループが存在しない場合、新規にグループが作成されます。それ以外の場合は既存のグループに指定した複製元/複製先ボリュームを追加します。

    グループ名に使用できる文字は半角の英数字、-(マイナス)、_(アンダスコア)、#、.(ピリオド)です。また、先頭は半角英数字である必要があります。文字数は、64文字までです。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Original-Volume-Name

    複製元ボリューム名を指定します。他サーバのボリューム名は、「ボリューム名@Storageサーバ名」の形式で指定します。

    Replica-Volume-Name

    複製先ボリューム名を指定します。他サーバのボリューム名は、「ボリューム名@Storageサーバ名」の形式で指定します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    Storageサーバ:SRC-SVの論理ボリューム/dev/vg01を複製元ボリューム、Storageサーバ:TARG-SVの論理ボリューム:/dev/vg02を複製先ボリュームとして複製ボリューム情報を設定します。また、コピー方向を一方向コピー、操作サーバを複製元サーバ(SRC-SV)とします。以下の例は、SRC-SVから実行した場合の例です。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol -u -o ORG /dev/vg01 /dev/vg02@TARG-SV
    swsrpsetvol completed 
    #

    同じ設定をTARG-SVから行う場合は、以下のようになります(ボリューム名の指定に注意してください)。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol -u -o ORG /dev/vg01@SRC-SV /dev/vg02
    swsrpsetvol completed 
    #

次のような場合は、複製ボリューム情報の設定ができません。

複製元ボリューム/複製先ボリュームにボリュームグループを使用する際は、以下に注意してください。

Solaris上に複製元ボリューム/複製先ボリュームを作成する際は、以下に注意してください。

ボリュームの物理情報(パーティションサイズ、ドライブ文字、ディスクアレイ装置の筐体情報)をOS管理ツール(formatコマンド等)やディスクアレイ装置が提供するGRmgr/ETERNUSmgrなどの機能を用いて変更した場合、変更したボリュームに関連する設定済みの複製ボリューム情報を以下の手順で再設定する必要があります。
  1. 複製ボリューム情報削除コマンド(swsrpdelvol)で複製ボリューム情報を削除します。

  2. 初期画面において、「全デバイスの情報取得/反映」を行います。または、Storage管理サーバにて、デバイス情報取得/反映コマンド(stgxfwcmsetdev)を実行します。

  3. 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)で複製ボリューム情報を再設定します。

複製作成後、複製先ボリュームをマウントして使用する場合は、複製先ボリュームのサイズは複製元ボリュームのサイズとバイト単位まで一致している必要があります。複製先ボリュームを使用しない場合(複製データが必要な際は、複製元ボリュームにいったんリストアした後、使用する場合など)は、複製先ボリュームのサイズは、複製元ボリュームのサイズより大きくても構いません。

次のような場合、グループの設定を行うことができません。

次のコマンドの実行中は、本コマンドは実行できません。

9.3.1.2 複製情報表示コマンド(swsrpvolinfo

複製ボリューム設定コマンドで登録した複製ボリューム情報を表示します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpvolinfo [-L] [Original-Volumue-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpvolinfo -h Server-Name [-L] [Original-Volume-Name]

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。

    -L

    拡張形式で表示することを指定します。

    本オプション指定時に表示される項目については実行例の表を参照してください。

    なお、将来のバージョンにて提供される新機能に対応して、本オプション指定時に表示される項目が追加される可能性があります。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Original-Volume-Name

    複製元ボリューム名を指定します。他サーバのボリューム名は、「ボリューム名@Storageサーバ名」の形式で指定します。

    指定された複製元ボリュームに関する全ての複製ボリューム情報を表示します。本オペランドを省略した場合は、本コマンドを実行したStorageサーバに関する全ての複製ボリューム情報を表示します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVへ全複製ボリューム情報を表示するよう指示します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpvolinfo -h SRC-SV
    Server Original-Volume  Size        Replica-Volume    Size        Copy          Op-Server
    SRC-SV /dev/vg01@SRC-SV    4.0Gbyte /dev/vg01@TARG-SV    4.0Gbyte uni-direction original
    SRC-SV /dev/vg02@SRC-SV    4.0Gbyte /dev/vg02@TARG-SV    5.0Gbyte bi-direction  original
    SRC-SV /dev/vg03@SRC-SV    9.1Gbyte /dev/vg03@TARG-SV    9.1Gbyte bi-direction  replica
    SRC-SV /dev/vg04@SRC-SV    7.5Gbyte /dev/vg04@TARG-SV    7.5Gbyte bi-direction  both
    #

    表示する内容は、次に示す通りです。

    タイトル

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Original-Volume

    複製元ボリューム名を表示します。

    Size

    ボリュームサイズを表示します。

    ボリュームグループの場合も論理ディスクを構成する物理ディスクサイズが表示されます。

    Replica-Volume

    複製先ボリューム名を表示します。

    Copy

    コピー方向を表示します。

    uni-direction:複製元から複製先への一方向コピーのみ可能です。

    bi-direction:双方向コピーが可能です。

    Op-Server

    複製ボリューム(ペア)の操作サーバを表示します。

    original:複製元サーバが操作サーバです。

    replica:複製先サーバが操作サーバです。

    both:複製元サーバおよび複製先サーバが操作サーバです。

    Group

    [-Lオプション指定時のみ]

    グループ名を表示します。

    グループに登録されていない場合は"----"を表示します。

次のような場合は、複製ボリューム情報を表示できません。

次のコマンドの実行中は、本コマンドは実行できません。

9.3.1.3 複製ボリューム情報削除コマンド(swsrpdelvol

設定されている複製ボリューム情報を削除します。

削除する複製ボリュームでコピー処理が実行されている場合は、コピー処理を停止した後、本コマンドを実行してください。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpdelvol [-e] [-d] Original-Volume-Name Replica-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpdelvol -h Server-Name [-e] [-d] Original-Volume-Name Replica-Volume-Name


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。

    -e

    緊急操作モードで動作します。

    アドバンスト・コピーの実行状態確認を行わずに複製ボリューム情報を削除することを指定します。このオプションは、アドバンスト・コピーが実行されていないことが明らかな場合のみ使用してください。

    -d

    サーバ間レプリケーションで、相手サーバとの通信を行わないことを指定します。

    本オプションを指定した場合、相手サーバと通信を行わず複製ボリューム情報の削除を行います。

    相手サーバの復旧が見込めない場合のみ使用してください。

    本オプションはサーバ間レプリケーションの場合のみ有効です。

    本オプションは非操作サーバでも使用できます。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Original-Volume-Name

    複製元ボリューム名を指定します。他サーバのボリューム名は、「ボリューム名@Storageサーバ名」の形式で指定します。

    Replica-Volume-Name

    複製先ボリューム名を指定します。他サーバのボリューム名は、「ボリューム名@Storageサーバ名」の形式で指定します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    Storageサーバ:SRC-SV上で複製ボリューム情報を削除します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpdelvol /dev/vg01 /dev/vg01@TARG-SV
    swsrpdelvol completed
    #

次のような場合は、複製ボリューム情報を削除できません。

次のコマンドの実行中は、本コマンドは実行できません。

9.3.1.4 REC転送バッファ情報表示コマンド(swsrprecbuffstat

RECをConsistencyモードで行う際にETERNUSが使用する転送バッファの情報を表示します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    swsrprecbuffstat [-Xaltpath] Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    swsrprecbuffstat -h Server [-Xaltpath] Volume-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。
    本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。

    -Xaltpath

    /dev/sfdsk/(クラス名)/dsk/(ボリューム名):(sdxinfoのDEVNAMの値)

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Volume-Name

    複製ボリュームとして登録しているボリューム名を指定します。

    コマンドを実行するStorageサーバに接続されているボリュームのみが指定できます。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    Storageサーバ:Server1でサーバ内レプリケーションを行っている環境で、複製元ボリューム: /dev/hdisk10@Server1、複製先ボリューム: /dev/hdisk11@Server1のRECで利用される転送バッファの情報を表示します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecbuffstat /dev/hdisk10@Server1
    BoxID = AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
    ID Use  Rate RemoteBoxID
    1  SEND 12%  BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecbuffstat /dev/hdisk11@Server1
    BoxID = BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    ID Use  Rate RemoteBoxID
    1  RECV 0%   AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
    #

    Storageサーバ:Server1とStorageサーバ:Server2の間でサーバ間のレプリケーションを行っている環境で、複製元ボリューム: /dev/hdisk10@Server1、複製先ボリューム: /dev/hdisk20@Server2のRECで利用される転送バッファの情報を表示します。

    [Storageサーバ:Server1で実行]
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecbuffstat /dev/hdisk10@Server1
    BoxID = AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
    ID Use  Rate RemoteBoxID
    1  SEND 12%  BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    2  RECV 0%   BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    #
    
    [Storageサーバ:Server2で実行]
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecbuffstat /dev/hdisk20@Server2
    BoxID = BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    ID Use  Rate RemoteBoxID
    1  RECV 0%   AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
    2  SEND 5%   AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
    #

    Storageサーバ:Server1とStorageサーバ:Server2の間でサーバ間のレプリケーションを行っている環境で、複製元ボリューム: /dev/hdisk10@Server1が存在する筐体が複数の筐体とリモートコピーの設定が行われている場合。

    [Storageサーバ:Server1で実行]
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecbuffstat /dev/hdisk10@Server1
    BoxID = AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
    ID Use  Rate RemoteBoxID
    1  SEND 12%  BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    2  RECV 0%   BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    3  SEND 4%   CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC
    4  RECV 0%   CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC
    5  SEND 10%  DDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDD
    6  RECV 0%   EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
    7  SEND 3%   FFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFF
    8  SEND 5%   GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGG
    #

    表示する内容は、次に示す通りです。

    タイトル

    説明

    BoxID

    コマンドを実行したサーバに接続されている筐体の筐体識別子を表示します。

    ID

    転送バッファのIDを表示します。

    Use

    転送バッファの属性(用途)を表示します

    SEND : 送信用

    RECV : 受信用

    Rate

    転送バッファの使用率をパーセントで表示します。

    用途が送信用の場合 : 転送バッファの使用率をパーセントで表示します。非同期ConsistencyモードのRECを行っていない場合でも、"0%"になることはありません。
    用途が受信用の場合 : 常に"0%"を表示します。

    転送バッファが使用できない状態のときは、"----"を表示します。

    RemoteBoxID

    リモートコピーを行う筐体の筐体識別子を表示します。

-Xaltpathには、情報を表示したい筐体上にあるデバイス名が指定できます。

表示される情報は、コマンドを実行したサーバの複製ボリュームが存在する筐体の情報のみです。
筐体間のレプリケーションをサーバ間で行っている場合、両筐体の転送バッファの情報を確認するためには、レプリケーションを行っている両サーバでコマンドを実行する必要があります。

REC転送バッファ設定変更には数十秒かかるため、変更直後はバッファが使用できない状態("Rate"欄が"----")となる場合があります。この場合は、1分程度経過してから再度実行してください。

次のコマンドの実行中は、本コマンドは実行できません。
資源整合コマンド(swsrprecoverres)

9.3.1.5 REC転送バッファ設定変更コマンド(swsrprecbuffset

RECをConsistencyモードで行う際にETERNUSが使用する転送バッファの設定を変更します。

REC転送バッファの設定方法については『ETERNUSmgr ユーザガイド 設定/保守編』を参照してください。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    swsrprecbuffset -Xbuffid buffer-id -Xbuffuse {SEND|RECV} [-Xaltpath] Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    swsrprecbuffset -h Server -Xbuffid buffer-id -Xbuffuse {SEND|RECV} [-Xaltpath] Volume-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。
    本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。

    -Xbuffid

    転送バッファのIDを指定します。

    -Xbuffuse

    転送バッファの用途を指定します。

    SEND : 送信用

    RECV : 受信用

    -Xaltpath

    /dev/sfdsk/(クラス名)/dsk/(ボリューム名):(sdxinfoのDEVNAMの値)

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Volume-Name

    複製ボリュームとして登録しているボリューム名を指定します。

    コマンドを実行するStorageサーバに接続されているボリュームのみが指定できます。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    Storageサーバ:Server1でサーバ内レプリケーションを行っている環境で、複製元ボリューム: /dev/hdisk10@Server1、複製先ボリューム: /dev/hdisk11@Server1のRECで利用される転送バッファの属性を変更します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecbuffstat /dev/hdisk10@Server1BoxID = AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
    ID Use  Rate RemoteBoxID
    1  SEND 12%  BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpbuffset -Xbuffid 1 -Xbuffuse RECV /dev/hdisk10@Server1swsrpbuffset completed
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecbuffstat /dev/hdisk10@Server1BoxID = AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
    ID Use  Rate RemoteBoxID
    1  RECV 0%   BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecbuffstat /dev/hdisk11@Server1BoxID = BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    ID Use  Rate RemoteBoxID
    1  RECV 0%   AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpbuffset -Xbuffid 1 -Xbuffuse SEND /dev/hdisk11@Server1swsrpbuffset completed
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecbuffstat /dev/hdisk11@Server1BoxID = BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    ID Use  Rate RemoteBoxID
    1  SEND 3%   AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
    #

    Storageサーバ:Server1とStorageサーバ:Server2の間でサーバ間のレプリケーションを行っている環境で、複製元ボリューム: /dev/hdisk10@Server1の転送バッファの属性を変更します。

    [Storageサーバ:Server1で実行]
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecbuffstat /dev/hdisk10@Server1
    BoxID = AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
    ID Use  Rate RemoteBoxID
    1  SEND 12%  BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    2  RECV 0%   BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpbuffset -Xbuffid 1 -Xbuffuse SEND /dev/hdisk11@Server1
    swsrpbuffset completed
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpbuffset -Xbuffid 2 -Xbuffuse RECV /dev/hdisk11@Server1
    swsrpbuffset completed
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecbuffstat /dev/hdisk11@Server1
    BoxID = AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
    ID Use  Rate RemoteBoxID
    1  SEND 4%   BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    2  RECV 0%   BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
    #

-Xaltpathには、情報を変更したい筐体上にあるデバイス名が指定できます。

事前にREC専用バッファの設定が行われている必要があります。
ACTIVE、または ERROR SUSPEND 状態の非同期Consistencyモードのセションが存在しない状態で実施してください。
バッファの設定変更には数十秒かかります。設定変更中は転送バッファが使用できない状態となるため、RECの操作は行わないでください。

次のコマンドの実行中は、本コマンドは実行できません。

9.3.2 運用系コマン

レプリケーション管理の運用系コマンドについて説明します。

レプリケーション管理の運用は、以下のコマンドで行います。

機能

コマンド名

説明

複製開始コマンド

swsrpstartsync

同期型レプリケーションの複製を開始します。

複製作成コマンド

swsrpmake

スナップショット型および同期型レプリケーションの複製を作成します。

運用状況表示コマンド

swsrpstat

レプリケーション運用の状況を表示します。

複製解除コマンド

swsrpcancel

スナップショット型および同期型レプリケーションの複製処理をキャンセルします。


9.3.2.1 複製開始コマンド(swsrpstartsync

同期型レプリケーション処理(EC/RECによるディスク間のコピー)を開始します。

指定された複写先/複写元ボリュームの全面コピー(同期処理の開始)、または更新(差分)コピー(同期処理の再開)をします。運用の開始時、または、複製確立状態からの更新(差分)データの反映を行う場合に使用します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync [ -y [ -a | -v ] | -k | -i ] [-g] [-m] [ -Xskip | -Xremain ] [-t] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -h Server-Name [ -y [ -a | -v ] | -k | -i ] [-g] [-m] [ -Xskip | -Xremain ] [-t] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storageサーバで実施する場合:グループ指定]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync [ -y [ -a | -v ] | -k | -i ] [-g] [-m] [ -Xskip | -Xremain ] [-t] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合:グループ指定]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -h Server-Name [ -y [ -a | -v ] | -k | -i ] [-g] [-m] [ -Xskip | -Xremain ] [-t] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -y

    同期処理を同期Writeモードで開始することを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。

    -y、-k、-iのいずれのオプションも指定しない場合は、非同期Writeモードになります。

    筐体内レプリケーションの同期処理は、常に同期Writeモードで実施されます。

    -a

    筐体間同期処理のSplitモードをAutomatic Splitモードで開始することを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。

    -y オプションと同時に指定します。-yオプションのみを指定して、-a、-vのいずれのオプションも指定しない場合は、Automatic Splitモードになります。

    -v

    筐体間同期処理のSplitモードをManual Splitモードで開始することを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。

    -y オプションと同時に指定します。-yオプションのみを指定して、-a、-vのいずれのオプションも指定しない場合は、Automatic Splitモードになります。

    Automatic Splitモードがサポートされていない筐体で、同期モード(-yオプション)を指定する場合、本オプションの指定が必須です。

    -k

    筐体間同期処理の転送モードをStackモードにすることを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。

    -y、-k、-iのいずれのオプションも指定しない場合は、非同期Writeモードになります。

    SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で操作する場合は、本オプションを使用することはできません。

    -i

    筐体間同期処理の転送モードをConsistencyモードにすることを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。

    -y、-k、-iのいずれのオプションも指定しない場合は、非同期Writeモードになります。

    -g

    筐体間同期処理のリカバリモードをManual Recoveryモードにすることを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。

    本オプションを指定しない場合は、Automatic Recoveryモードになります。

    -m

    サーバ間レプリケーションの場合、非操作サーバとの通信処理を行わないことを指定します。本オプションを指定した場合、非操作サーバの複写先ボリュームに対するボリューム状態確認処理、前処理は行われません。

    本オプションは、サーバ間レプリケーション時のみ有効です。

    -t

    複写先ボリュームへの前処理を実行しないことを指定します。

    複写先ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写先前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。

    -Xgroup

    グループ単位で同期処理を開始することを指定します。

    -Xreverse

    逆方向(複製先から複製元の方向)にグループ単位の同期処理を開始することを指定します。

    -Xskip

    初期コピースキップ機能を使用して同期処理をサスペンド状態にすることを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。

    -Xremain

    同期処理の再開時に、複製確立状態中にコピー先に対して行った更新データを有効にします。

    本オプションは、筐体間のレプリケーションの再開時のみ有効です。

    本オプションは、-Xskipオプション指定で同期処理を開始し、テープ媒体上のバックアップデータを複写先ボリュームにコピーした後に、複写元ボリュームの更新部分のみを複写先ボリュームに反映したい場合に使用します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    From-Volume-Name

    複写元ボリューム名を指定します。複製ボリューム情報設定コマンドで設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

    To-Volume-Name

    複写先ボリューム名を指定します。複製ボリューム情報設定コマンドで設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/vg01から/dev/vg01@TARG-SVへの複製開始をします。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -h SRC-SV /dev/vg01 /dev/vg01@TARG-SV
    FROM=/dev/vg01@SRC-SV,TO=/dev/vg01@TARG-SV swsrpstartsync completed 
    #

    グループGRP1の複製開始をします。

    # swsrpstartsync -Xgroup GRP1
    GROUP=GRP1 swsrpstartsync completed
    #

次のような場合は複製開始を実行する事ができません。

-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。

実行するレプリケーションが以下の条件のいずれかに該当する場合は、コマンドを実行する前に複写先ボリュームをアンマウントしてください。
上記の場合において、アンマウントを実行しない場合は、複製作成時の複写先ボリュームの後処理がエラーとなります。

同期処理再開時に同期処理のモードを変更することはできません。
同期処理再開時は、-y,-a,-v,-k,-i,-gオプションは次のどちらかにする必要があります。

指定した複写元/複写先ボリュームの同期処理の状態により、本コマンドの処理内容が異なります。

同期処理の状態

処理

未実施状態

全面コピー開始

全面/差分コピー中状態

通報メッセージ(swsrp2401)を出力して正常終了

等価性維持状態

通報メッセージ(swsrp2401)を出力して正常終了

複製確立状態(一時停止状態)

差分コピー開始

複製開始を実行する前に、複写先ボリュームに対してレプリケーション前処理スクリプトを実行します。このスクリプトの内容については、カスタマイズすることが可能です。詳細については、本マニュアルの『レプリケーションの前後処理』を参照してください。また、-tオプションを使用することにより、前処理スクリプトを実施しないようにすることも可能です。

本コマンドでは、複写先ボリュームにアクセスしているプロセスを保護するために、複写先ボリュームを他のプロセスからアクセスできない状態にしてから複製開始を実行します。そのために、複写先ボリュームのアンマウントを実行します。複写先ボリュームのアンマウントができない以下のような場合は、当コマンドはエラーで終了します。

複製開始時に注意する点として、本マニュアルの『全般的な注意事項』をご理解ください。

次のコマンドの実行中は、本コマンドは実行できません。

9.3.2.2 複製作成コマンド(swsrpmake

同期処理(EC)が行われていない場合は、スナップショット処理(OPC)を起動して複製ボリュームを作成します。

同期処理が行われている場合は、等価性維持状態かどうかを確認し、等価性維持状態の場合は同期処理をサスペンドすることによって、複製ボリュームを作成します。同期処理がサスペンドされている状態を複製確立状態と呼びます。本コマンドを実行後、複製ボリューム(複写先ボリューム)へのアクセスが可能となります。

本コマンドでは、複製作成を行なう前にレプリケーション前後処理スクリプトを実行します。これらのスクリプトの詳細については、本マニュアルの『レプリケーションの前後処理』を参照してください。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake [-f] [-t] [-m] [-j|-T|-Xconcur|-C] [-Xgds-slice-skipchk] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -h Server-Name [-f] [-t] [-m] [-j|-T|-Xconcur|-C] [-Xgds-slice-slipchk] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storageサーバで実施する場合:グループ指定]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake [-f] [-t] [-m] [-j|-T|-Xconcur|-C] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合:グループ指定]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -h Server-Name [-f] [-t] [-m] [-j|-T|-Xconcur|-C] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -m

    サーバ間レプリケーションの場合、非操作サーバとの通信処理を行わないことを指定します。本オプションを指定した場合、非操作サーバのボリュームに対するボリューム状態確認処理および、前後処理は行われません。

    本オプションは、サーバ間レプリケーション時のみ有効です。

    -f

    複写元ボリュームへの前後処理を実行しないことを指定します。

    複写元ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写元前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。

    -t

    複写先ボリュームへの前後処理を実行しないことを指定します。

    複写先ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写先前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。

    -j

    筐体間の同期型レプリケーションにおいて、コピーの実行状態が「sync:全面コピー、または差分コピー中」もしくは「halt:ハードサスペンド状態」であってもコピー処理を強制的に一時停止(サスペンド)します。本オプションは、筐体間レプリケーションの場合のみ使用可能です。筐体間でない場合はエラーとなります。

    本オプションを指定した場合、複写先ボリュームのデータは保証されません。

    また、本オプションを指定した場合、複写元ボリュームへの前後処理および、複写先ボリュームへの前後処理は実行されません。

    -T

    差分スナップショット処理を起動することを指定します。

    同期処理が行われている場合は本オプションを指定することはできません。

    本オプションは筐体内レプリケーション、かつ、ディスクアレイ装置がQuickOPC機能をサポートしている場合のみ有効です。

    本オプションを指定しないスナップショット型レプリケーションの場合、通常のスナップショット処理(QuickOPC機能を利用しないOPC)が起動されます。差分スナップショットを利用したレプリケーション運用を行う場合は常に本オプションを指定する必要があります。

    -Xgroup

    グループ単位で複製の作成を行うことを指定します。

    -Xreverse

    逆方向(複製先から複製元の方向)にグループ単位の複製の作成を行うことを指定します。

    -Xconcur

    コンカレントサスペンド機能を使用して複製の作成を行うことを指定します。

    本オプションはGDS Snapshot連携の場合にはサポートされません。

    -C

    SnapOPCを起動することを指定します。

    本オプションは筐体内レプリケーション、かつ、ディスクアレイ装置がSnapOPC機能をサポートしている場合のみ有効です。

    SnapOPCを実行するためには、複写先ボリュームがSnap Data Volumeである必要があります。

    -m

    サーバ間レプリケーションの場合、非操作サーバとの通信処理を行わないことを指定します。本オプションを指定した場合、非操作サーバのボリュームに対するボリューム状態確認処理および、前後処理は行われません。

    本オプションは、サーバ間レプリケーション時のみ有効です。

    -Xgds-slice-skipchk

    SDXオブジェクトをスライス単位で運用する場合、複写元/複写先前処理で実施される、SDXオブジェクトの状態確認処理を省略します。

    停止状態のボリュームに対して本オプションを指定する場合は、別途-fオプション、-tオプションを指定する必要があります。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    From-Volume-Name

    複写元ボリューム名を指定します。複製ボリューム情報設定コマンドで設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

    To-Volume-Name

    複写先ボリューム名を指定します。複製ボリューム情報設定コマンドで設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/vg01の複製を/dev/vg01@TARG-SVに作成することを指示します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -h SRC-SV /dev/vg01 /dev/vg01@TARG-SV
    FROM=/dev/vg01@SRC-SV,TO=/dev/vg01@TARG-SV swsrpmake completed
    #

    グループGRP1の複製を作成します。

    # swsrpmake -Xgroup GRP1
    GROUP=GRP1 swsrpmake completed
    #

次のような場合は複製を作成できません。

-Xgroupオプションを使用している場合、処理対象の複製ボリュームの運用状態にスナップショット型レプリケーションと同期型レプリケーションが混在している場合は、複製作成を行わずに処理を中断します。
また、-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。

実行するレプリケーションが以下の条件のいずれかに該当する場合は、コマンドを実行する前に複写先ボリュームをアンマウントしてください。
上記の場合において、アンマウントを実行しない場合は、複製作成時の複写先ボリュームの後処理がエラーとなります。

複写先のボリュームグループを活性化する運用を行っている場合、複写先ボリュームの後処理スクリプトにおいて、LVM管理情報の書き換え(recreatevg)を実施するため、コマンドの処理に時間がかかる場合があります。

複製を作成する前に、複写元ボリュームに対してレプリケーション前後処理スクリプトを実行し(ただし、同期型レプリケーションの場合は後処理スクリプトのみを実行)、複製を作成した後に、複写元/複写先ボリュームに対してレプリケーション後処理スクリプトを実行します。このスクリプトの内容については、カスタマイズすることが可能です。詳細については、本マニュアルの『レプリケーションの前後処理」』を参照してください。また、-fや-tオプションを使用することにより、前後処理スクリプトを実施しないようにすることも可能です。

スナップショット処理の実行中に本コマンドを実行した場合は、実行中のコピーを停止し、新たにスナップショット処理を起動します。

本コマンドでは、データを保証するために、複写元ボリュームを他のプロセスからアクセスできない状態にしてから複製を作成します。そのために、複写元ボリュームのアンマウントを実行します。複写元ボリュームのアンマウントができない以下のような場合は、本コマンドはエラーで終了します。

Snap Data Volumeに対して実行可能なものはSnapOPCだけです。OPC、QuickOPCを実行することはできません。
また、Snap Data Volumeからデータをリストアする際は、複製元ボリュームと複製先ボリューム(Snap Data Volume)との間にSnapOPCセッションが存在している必要があります。

複製作成時に注意する点として、本マニュアルの『全般的な注意事項』をご理解ください。

次のコマンドの実行中は、本コマンドは実行できません。

スナップショット処理の実行中に本コマンドを実行した場合は、新たにスナップショット処理を起動します。コピー動作の詳細については、以下の表を参照してください。

運用状態
(swsrpstat -Lの表示内容)

-Tオプションの指定

コピー動作

コピー未実施
(Statusが"----"かつTrkが"----")

なし

通常のスナップショット処理を起動(開始)します。

コピー未実施
(Statusが"----"かつTrkが"----")

あり

差分スナップショット処理を起動(開始)します。

スナップショット処理実行中
かつ
トラッキング未実施
(Statusが"snap"かつTrkが"off")

なし

実行中のコピーを停止し、新たに通常のスナップショット処理を起動(開始)します。

スナップショット処理実行中
かつ
トラッキング未実施
(Statusが"snap"かつTrkが"off")

あり

実行中のコピーを停止し、新たに差分スナップショット処理を起動(開始)します。

スナップショット処理実行中
かつ
トラッキング処理実行中
(Statusが"snap"かつTrkが"on")

なし

実行中のコピーを停止し、新たに通常のスナップショット処理を起動(開始)します。

スナップショット処理実行中
かつ
トラッキング処理実行中
(Statusが"snap"かつTrkが"on")

あり

差分スナップショット処理を起動(再開)します。

トラッキング処理実行中
(Statusが"----"かつTrkが"on")

なし

トラッキング処理を停止し、新たに通常のスナップショット処理を起動(開始)します。

トラッキング処理実行中
(Statusが"----"かつTrkが"on")

あり

差分スナップショット処理を起動(再開)します。


9.3.2.3 運用状況表示コマンド(swsrpstat

指定ボリュームの運用状況を表示します。ボリューム指定が省略された場合は全ての複製ボリュームについて運用状況を表示します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat [-L] [-E] [-H] [Original-Volume-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h Server-Name [-L] [-E] [-H] [Original-Volume-Name]

    [Storageサーバで実施する場合]/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat [-L] [-E] -Xgroup Group-Name[Storage管理サーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h Server-Name [-L] [-E] -Xgroup Group-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -L

    拡張形式で表示することを指定します。

    本オプション指定時に表示される項目については実行例の表を参照してください。

    なお、本オプション指定時に表示される項目は、今後のリリースで変更される可能性があります。

    -E

    逆方向(複製先から複製元)の運用状況のみを表示することを指定します。

    本オプションを指定しない場合、双方向のOPC物理コピーが動作しているときは常に順方向(複製元から複製先)の運用状況が表示されます。

    本オプションを指定した場合、順方向の運用状況を表示せず、逆方向の運用状況のみを表示します。

    本オプションは、順方向のQuickOPCセッションが存在している状態で逆方向のOPCを行う場合の運用状況の確認に使用することができます。

    -Xgroup

    グループ名を指定します。本オプションを指定した場合指定されたグループに関するすべての運用状況を表示します。

    -H

    RECがハードサスペンド(HALT)状態になった場合のStatus欄の表示方法を変更します。

    本オプションを指定した場合、全面コピー中または差分コピー中にハードサスペンドが発生した場合は“halt(sync)"、等価性維持状態中にハードサスペンドが発生した場合は“halt(equivalent)"と表示されます。

    なお、ROPCの場合は本オプションを指定してもハードサスペンド状態は従来のとおり“halt"と表示されます。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Original-Volume-Name

    複製元ボリューム名を指定します。他サーバのボリューム名は、「ボリューム名@Storageサーバ名」の形式で指定します。

    指定された複製元ボリュームに関する全ての運用状況を表示します。本オペランドを省略した場合は、本コマンドを実行したStorageサーバに関する全ての運用状況を表示します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVへ全レプリケーション運用状況を表示するよう指示します。

    #swsrpstat -h SRC-SV 
    Server Original-Volume  Replica-Volume    Direction Status     Execute
    SRC-SV /dev/vg01@SRC-SV /dev/vg01@TARG-SV regular   replicated ----
    SRC-SV /dev/vg02@SRC-SV /dev/vg02@TARG-SV ----      ----       ----
    SRC-SV /dev/vg02@SRC-SV /dev/vg03@TARG-SV reverse   snap       45%
    #

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVへ全レプリケーション運用状況を表示するよう指示します(-Lオプションを指定した場合)。

    #swsrpstat -h SRC-SV -L
    Server Original-Volume  Replica-Volume    Direction Status     Execute Trk  Update Rcv  Split Xfer
    SRC-SV /dev/vg01@SRC-SV /dev/vg01@TARG-SV regular   replicated ----    ---- ----   auto ----  async
    SRC-SV /dev/vg02@SRC-SV /dev/vg02@TARG-SV ----      ----       ----    on   6%     ---- ----  ----
    SRC-SV /dev/vg02@SRC-SV /dev/vg03@TARG-SV reverse   snap       45%     off  ----   ---- ----  ----
    #

    表示する内容は、次に示す通りです。

    タイトル

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Original-Volume

    複製元ボリューム名を表示します。

    Replica-Volume

    複製先ボリューム名を表示します。

    Direction

    コピー方向を表示します。

    regular: 複製元から複製先へのコピー中です。

    reverse: 複製先から複製元へのコピー中です。

    ----:複製未実施です。

    Status

    実行状態を表示します。

    ---- : 複製未実施です。

    sync : 全面コピー、または差分コピー中です。

    equivalent : 等価性維持状態です。

    replicated : 複製確立状態です。

    copy-on-write: SnapOPC処理中です。

    failed : エラーサスペンド状態です。

    halt : ハードサスペンド状態です。

    halt(sync):ハードサスペンド状態です。(RECの全面コピー/差分コピー中にハードサスペンド状態になりました。)

    halt(equivalent):ハードサスペンド状態です。(RECの等価性維持状態中にハードサスペンド状態になりました。)

    snap : スナップショット処理中です。

    ????? : コピー状況の取得に失敗しました。

    Execute

    複製進行率をパーセントで表示します。複製未実施またはSnapOPC中の場合は“----"を表示します。

    Trk

    トラッキング処理の有無を表示します。

    on :トラッキング処理中です。

    off :トラッキング処理中ではありません。

    ----:スナップショット処理を行っていません。

    Update

    以下のいずれかに該当する場合、前回の複製作成後の更新済みデータ量をパーセンテージで表示します。

    • Status欄が“----"かつTrk欄が“on"のとき(すなわち、トラッキング中かつ物理コピーが実施されていないとき)

    • Status欄が“copy-on-write"のとき(すなわち、SnapOPCが実施されているとき)

    上記以外の場合は“----"で表示します。

    Rcv

    筐体間同期処理のRecoveryモードを表示します。

    auto : Automatic Recoveryモードです。

    manual : Manual Recoveryモードです。

    ---- : 筐体間で同期型の複製(REC)を行っていません。

    Split

    筐体間同期処理のSplitモードを表示します。

    auto : Automatic Splitモードです。

    manual : Manual Splitモードです。

    ---- : 筐体間で同期形の複製(REC)を同期モードで行っていません。

    Xfer

    筐体間同期処理の転送モードを表示します。

    sync : 同期モードです。

    async : 非同期モードです。

    stack : Stackモードです。

    consist : Consistencyモードです。

    ---- : 筐体間で同期型の複製(REC)を行っていません。

実行状態("Status"欄に表示される状態)が以下の場合は必要に応じて対処を行ってください。

Status表示

対処方法

failed

ハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、複製解除コマンドを用いて運用を停止してください。

halt

筐体間レプリケーション運用中のハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、複製解除コマンドを用いて複写運用を停止してください。

?????

コピー状況が取得できませんでした。再実行しても同様の結果になる場合はハードウェアトラブルが考えられます。ハードウェアトラブルの原因を取り除いた後、コマンドを再実行してください。

次のような場合は、運用状況を表示できません。

次のコマンドの実行中は、本コマンドは実行できません。

9.3.2.4 複製解除コマンド(swsrpcancel

指定された複製ボリュームのスナップショット処理(OPC)、同期処理(EC)を停止します。レプリケーション運用中に何らかの異常を検出した場合や、複製処理を停止したい場合に使用します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel [-c] ([-f] [-t] [-m] [-b])|[-T] [-Xgds-slice-skipchk] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel -h Server-Name [-c] ([-f] [-t] [-Xgds-slice-skipchk] [-m] [-b])|[-T] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel -h Server-Name [-c] ([-f] [-t] [-m] [-b])|[-T] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel -h Server-Name [-c] ([-f] [-t] [-m] [-b])|[-T] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -c

    システムダウンなど操作サーバが使用不可能な場合、操作サーバでないサーバからコピー処理の強制停止を行うことを指定します。本オプションを使用した場合、前後処理を実施せずコピー処理を停止させます。Windowsそのため、本オプションを指定して複製解除を行った場合、複写先ボリュームがロックされている場合があります。swstvollockstatコマンドで確認し、ロックされている場合はswstvolunlockコマンドでロックを解除してください。

    本オプションは、操作サーバでは指定できません。

    -m

    サーバ間レプリケーションの場合、非操作サーバとの通信処理を行わないことを指定します。本オプションを指定した場合、非操作サーバのボリュームに対するボリューム状態確認処理および、前後処理は行われません。

    本オプションは、サーバ間レプリケーション時のみ有効です。

    -f

    等価性維持状態の同期処理を停止する場合、複写元ボリュームへの前後処理を実行しないことを指定します。

    複写元ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写元前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。

    -t

    等価性維持状態の同期処理を停止する場合、複写先ボリュームへの後処理を実行しないことを指定します。

    複写先ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写先前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。

    -b

    HALT状態の筐体間コピー処理を停止することを指定します。

    サーバ内レプリケーションの場合、両筐体に対して筐体間コピー停止処理を行います。

    サーバ間レプリケーションの場合、本コマンドを実行したサーバに接続されている筐体にのみ、コピー停止処理を行います。

    コピー処理がHALT状態で、その復旧が見込めない場合にのみ使用してください。

    本オプションはコピー処理がHALT状態の時のみ使用できます。

    本オプションは非操作サーバでも使用できます。

    -Xgroupオプションと同時に指定した場合、グループ内のHALT状態のセッションのみコピー処理を停止します。

    -T

    差分スナップショットのトラッキング処理を停止することを指定します。

    本オプションを指定した場合、トラッキング処理のみが停止され、実行中のスナップショット処理(OPC物理コピー)は停止されません。スナップショット処理(OPC物理コピー)が完了している場合はOPCセッションが解除されます。

    本オプションは差分スナップショットのトラッキング処理中でない場合は使用できません。

    -Xgroupオプションと同時に指定した場合、グループ内のトラッキング処理のみ停止します。

    -Xgroup

    グループ単位でコピー処理を停止することを指定します。

    -Xreverse

    逆方向(複製先から複製元の方向)に実施されているコピー処理を停止することを指定します。

    -Xgds-slice-skipchk

    SDXオブジェクトのスライス単位運用において等価性維持状態の同期処理を停止する場合、複写元/複写先前処理で実施される、SDXオブジェクトの状態確認処理を省略します。

    停止状態のボリュームに対して本オプションを指定する場合は、別途-fオプション、-tオプションを指定する必要があります。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    From-Volume-Name

    複写元ボリューム名を指定します。複製ボリューム情報設定コマンドで設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

    To-Volume-Name

    複写先ボリューム名を指定します。複製ボリューム情報設定コマンドで設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/vg01から/dev/vg01@TARG-SVへのコピー処理を停止することを指示します。

    #/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel -h SRC-SV /dev/vg01 /dev/vg01@TARG-SV
    FROM=/dev/vg01@SRC-SV,TO=/dev/vg01@TARG-SV swsrpcancel completed
    #

    グループGRP1のコピー処理を停止します。

    # swsrpcancel -Xgroup GRP1
    GROUP=GRP1 swsrpcancel completed
    #

サーバ内レプリケーションでbオプションを指定し実行した場合、どちらか一方の筐体のコピー停止処理に成功すれば本コマンドは正常終了します。

次のような場合はコピー処理を停止する事ができません。

-Xgroupオプションを使用している場合は、運用中の複製ボリュームについてのみ処理を行いますが、以下の場合は複製解除を行わずに処理を中断します。
また、-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。

複写先のボリュームグループを活性化する運用を行っている場合、複写ボリュームの後処理スクリプトにおいて、LVM管理情報の書き換え(recreatevg)を実施するため、コマンドの処理に時間がかかる場合があります。

指定したボリュームのボリューム情報はチェックしません(管理簿のボリューム情報と実際の物理情報との一致確認)。管理簿のボリューム情報を使用して無条件で運用を解除します。

指定した複写元ボリュームと複写先ボリュームの運用状態により以下のような処理となります。

運用状態

処理

逆方向コピー

処理を中断します。

未運用

処理を中断します。

全面/差分コピー中

同期処理を停止します。複写先ボリュームは使用できません。

等価性維持状態

同期処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。

複製確立状態

同期処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。

スナップショット処理中

スナップショット処理を停止します。複写先ボリュームは使用できません。


複写元/複写先ボリュームへの前後処理は、同期処理が等価性維持状態のときのみ実施されます。
また、等価性維持状態になる前に複製解除を行うと、複写先ボリュームは不完全な状態になるため、ファイルシステムの場合は複写先ボリュームをマウントできなくなります。
対象がボリュームグループで、複写先の前後処理スクリプトでマウント・アンマウントを実施するようにカスタマイズしている場合、等価性維持状態になる前に複製解除を行った場合は、以下の対処を行ってください。
複製作成コマンド(swsrpstartsync)に-tオプションを指定して実行します。
複製作成コマンド(swsrpmake)に-tオプションを指定して実行して、複製作成後に複写先をマウントします。

次のコマンドの実行中は、本コマンドは実行できません。

-Tオプションを指定しない場合、複写元ボリュームと複写先ボリュームの運用状態により以下のような処理となります。

運用状態
(swsrpstat -Lの内容表示)

処理

逆方向コピー

処理を中断します。

未運用
(Statusが"----"かつTrkが"----")

処理を中断します。

全面/差分コピー中
(Statusが"sync")

同期処理を停止します。複写先ボリュームは使用できません。

等価性維持状態
(Statusが"equivalent")

同期処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。

複製確立状態
(Statusが"replicated")

同期処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。

スナップショット処理中
(Statusが"snap")

スナップショット処理を停止します。複写先ボリュームは使用できません。

トラッキング処理中の場合はトラッキング処理も停止します。

スナップショット処理完了状態
かつトラッキング処理中
(Statusが"----"かつTrkが"on")

トラッキング処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。


-Tオプションを指定した場合、複写元ボリュームと複写先ボリュームの運用状態により以下のような処理となります。

運用状態
(swsrpstat -Lの内容表示)

処理

逆方向コピー

処理を中断します。

未運用
(Statusが"----"かつTrkが"----")

処理を中断します。

全面/差分コピー中
(Statusが"sync")

処理を中断します。

等価性維持状態
(Statusが"equivalent")

処理を中断します。

複製確立状態
(Statusが"replicated")

処理を中断します。

スナップショット処理中
かつトラッキング処理未実施
(Statusが"snap"かつTrkが"off")

処理を中断します。

スナップショット処理中
かつトラッキング処理中
(Statusが"snap"かつTrkが"on")

トラッキング処理のみを停止します。スナップショット処理(物理コピー)は継続されます。

複写先ボリュームは複製として利用できます。

スナップショット処理完了状態
かつトラッキング処理中
(Statusが"----"かつTrkが"on")

トラッキング処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。

9.3.2.5 同期処理モード変更コマンド(swsrpchsync

筐体間同期処理の動作モード(転送モード、Recoveryモード、Splitモード)を変更します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync [-F (Sync|Async|Stack|Consist)] [-R (Auto|Manual)] [-S (Auto|Manual)] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync -h Server-Name [-F (Sync|Async|Stack|Consist)] [-R (Auto|Manual)] [-S (Auto|Manual)] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storageサーバで実施する場合:グループ指定]/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync [-F (Sync|Async|Stack|Consist)] [-R (Auto|Manual)] [-S (Auto|Manual)] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name[Storage管理サーバで実施する場合:グループ指定]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync -h Server-Name [-F (Sync|Async|Stack|Consist)] [-R (Auto|Manual)] [-S (Auto|Manual)] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -F

    転送モードを変更します。

    オペランドには以下のいずれかを指定します。

    Sync : 同期モードに変更します。

    Async : 非同期(逐次転送)モードに変更します。

    Stack : Stackモードに変更します。

    Consist: Consistencyモードに変更します。

    本オプションを省略した場合は転送モードは変更されません。

    -Sオプションと同時に指定できるのは-F Syncオプションのみです。

    -F Syncオプションを指定して同期モード以外の転送モードから同期モードへ変更する際に、-Sオプションが指定されなかった場合のSplitモードは、Automatic Splitモードとなります。

    -R

    Recoveryモードを変更します。

    オペランドには以下のいずれかを指定します。

    Auto : Automatic Recoveryモードに変更します。

    Manual : Manual Recoveryモードに変更します。

    本オプションを省略した場合はRecoveryモードは変更されません。

    -S

    Splitモードを変更します。

    オペランドには以下のいずれかを指定します。

    Auto : Automatic Splitモードに変更します。

    Manual : Manual Splitモードに変更します。

    本オプションを省略した場合はSplitモードは変更されません。

    -F Syncを指定しない、かつ、現在の同期処理の転送モードが同期モードでない場合は、本オプションを指定することはできません。

    -Xgroup

    グループ単位の筐体間同期処理の動作モード(転送モード、Recoveryモード、Splitモード)を変更します。

    -Xreverse

    逆方向(複製先から複製元の方向)に実施されている同期処理の動作モードを変更することを指定します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    From-Volume-Name

    複写元ボリューム名を指定します。複製ボリューム情報設定コマンドで設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

    To-Volume-Name

    複写先ボリューム名を指定します。複製ボリューム情報設定コマンドで設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/vg03@SRC-SVと/dev/vg03@TARG-SV間の筐体間同期処理の転送モードをConsistencyモードから非同期モードに変更することを指示します。

    #/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h SRC-SV -L /dev/vg03@SRC-SV
    Server Original-Volume  Replica-Volume    Direction Status Execute Trk  Rcv  Split Xfer
    SRC-SV /dev/vg03@SRC-SV /dev/vg03@TARG-SV regular   sync   99%     ---- auto ----  consist
    :
    #/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync -h SRC-SV -F Async /dev/vg03@SRC-SV /dev/vg03@TARG-SV
    FROM=/dev/vg03@SRC-SV, TO=/dev/vg03@TARG-SV swsrpchsync completed
    :
    #/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h SRC-SV -L /dev/vg03@SRC-SV
    Server Original-Volume  Replica-Volume    Direction Status     Execute Trk  Rcv  Split Xfer
    SRC-SV /dev/vg03@SRC-SV /dev/vg03@TARG-SV regular   equivalent 100%    ---- auto ----  async
    #

    グループGRP1の筐体間同期処理の転送モードをConsistencyモードから非同期モードに変更することを指示します。

    # swsrpchsync -F Async -Xgroup GRP1
    GROUP=GRP1 swsrpchsync completed
    #

次のような場合、筐体間同期処理の動作モードを変更することができません。

-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームの同期処理をすべて同じ動作モードに変更しますが、上記の条件にあてはまる複製ボリュームが1つでも存在する場合は、同期処理の動作モードを変更することはできません。
また、-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。

次のコマンドの実行中は、本コマンドは実行できません。

9.3.2.6 同期処理反転コマンド(swsrprevsync

サスペンド状態の筐体間同期処理(REC)のコピー方向を反転します。

本コマンドは、筐体内同期処理やSDXオブジェクトの論理ボリュームを操作する場合には使用することはできません。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storageサーバで実施する場合:グループ指定]/opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync [-Xreverse] -Xgroup Group-Name[Storage管理サーバで実施する場合:グループ指定]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync -h Server-Name [-Xreverse] -Xgroup Group-Name


  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -Xgroup

    グループ単位の筐体間同期処理を反転します。

    -Xreverse

    逆方向(複製先から複製元の方向)に実施されている同期処理を反転することを指定します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    From-Volume-Name

    複写元ボリューム名(反転後の複写先となるボリューム名)を指定します。複製ボリューム情報設定コマンドで設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

    To-Volume-Name

    複写先ボリューム名(反転後の複写元となるボリューム名)を指定します。複製ボリューム情報設定コマンドで設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

  4. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/vg03@SRC-SVと/dev/vg03@TARG-SV間の筐体間同期処理のコピー方向を反転することを指示します。

    #/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h SRC-SV /dev/vg03@SRC-SV
    Server Original-Volume  Replica-Volume    Direction  Status     Execute
    SRC-SV /dev/vg03@SRC-SV /dev/vg03@TARG-SV reverse    replicated ----
    #/opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync /dev/vg03@TARG-SV /dev/vg03@SRC-SV 
    FROM=/dev/vg03@SRC-SV,TO=/dev/vg03@TARG-SV swsrprevsync completed
    #/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat /dev/vg03@SRC-SV
    Server Original-Volume  Replica-Volume    Direction  Status     Execute
    SRC-SV /dev/vg03@SRC-SV /dev/vg03@TARG-SV regular    replicated ----
    #

    グループGRP1の筐体間同期処理を反転します。

    # swsrprevsync -Xgroup GRP1
    GROUP=GRP1 swsrprevsync completed
     #

次のような場合は同期処理を反転できません。

-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームの同期処理をすべて反転しますが、上記の条件にあてはまる複製ボリュームが1つでも存在する場合は、同期処理を反転することはできません。
また、-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。

-Xgroupオプションを使用している場合に、グループ内の既に反転済みのセッションに対しては処理を行いません。

次のコマンドの実行中は、本コマンドは実行できません。

9.3.3 保守系コマン

レプリケーション管理の保守系コマンドについて説明します。

レプリケーション管理には、以下の保守系コマンドがあります。

機能

コマンド名

説明

資源整合コマンド

swsrprecoverres

レプリケーション管理簿内の情報の整合性を復旧します。


9.3.3.1 資源整合コマンド(swsrprecoverres

システムダウンなどでレプリケーション管理情報の整合性が不完全となってしまった場合、整合性がとれるように復旧します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecoverres [-r] [-p]

    [Storage管理サーバで実施する場合]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecoverres -h Server-Name [-r] [-p]

  2. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。

    Storage管理サーバ以外でこのオプションを使用することはできません。

    -r

    レプリケーション管理簿の更新操作を行なう複製ボリューム情報設定コマンド、複製ボリューム情報削除コマンドが強制終了やシステムダウンなどにより不意に終了した場合や、レプリケーション管理簿が誤って削除されてしまった場合のような、レプリケーション管理簿の不正状態が発生した場合に指定します。

    本オプションが指定された場合、以下のようなレプリケーション管理簿の再作成処理が実施されます。

    Storage管理サーバのリポジトリ内にあるレプリケーション管理情報がStorageサーバにダウンロードされ、複製ボリューム情報が復元されます。

    ディスクアレイ装置に問い合わせ処理を行なうことによって、同期処理の実行情報が復元されます。

    -p

    未実施の後処理を実行しないことを指定します。複製作成コマンドのプロセスが強制終了、システムダウンなどにより不意に終了した場合に使用できます。

  3. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了

    > 0 : 異常終了

  4. 実行例

    資源整合を行います。

    #/opt/FJSVswsrp/bin/swsrprecoverres
    swsrprecoverres completed
    #

次のような場合は資源整合処理ができません。

資源情報の整合性復旧は本コマンドを実施したStorageサーバに対してのみ行われます。サーバ間レプリケーションに関する処理の実行中に資源不整合が発生した場合は、処理を実行したStorageサーバおよび通信先となるStorageサーバの双方で本コマンドを実施する必要があります。

次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。

9.4 デーモンの起動/停止コマンド

AdvancedCopy Managerのデーモンの起動方法は以下のとおりです。

本コマンドの注意事項は以下の通りです。

9.4.1 通信デーモンの起動と停止

9.4.2 AdvancedCopy Managerの起動と停止

以下に示すデーモンを一括して起動または停止します。

サーバ種別

Storageサーバ

デーモン名

通信デーモン

※Storage管理サ−バのデーモン起動については、Storage管理サーバのOSに対する運用手引書を参照してください。

9.5 SnapOPCサポートコマン 

SnapOPCを実施するコマンドについて説明します。

コマンド実行時の動作環境

コマンドを実行する際に必要となる動作環境は下表の通りです。

コマンド名

AdvancedCopy Managerの動作環境

swstbackstat

クラスタ運用の場合

クラスタ運用におけるコマンドは、次の手順で実行します。
  1. 必要に応じて、環境変数SWSTGNODEに該当業務の論理ノード名を設定します。bshの場合、環境変数の設定方法は以下の通りです。

    # SWSTGNODE=論理ノード名<Enter>
    # export SWSTGNODE
  2. コマンドを実行します。

    クラスタ運用におけるコマンドと、環境変数設定の要否およびコマンドを実行するノードは下表のとおりです。コマンドを実行する際の注意事項等は備考欄に記述しています。

コマンド

環境変数の要否

コマンド実行ノード

備考

swstsvrset

不要

業務稼動ノード

9.5.1 更新量測定コマンド(swstestupdate) 

擬似SnapOPCセッション設定機能を使って、Snap Data Diskの物理容量を測定します。

  1. 指定方法

    [更新量の測定を開始する場合(擬似SnapOPCセッションを設定)]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swstestupdate start Volume-Name

    [更新量を参照する場合(擬似SnapOPCセッションの状態を表示)]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swstestupdate status Volume-Name

    [更新量の測定を終了する場合(擬似SnapOPCセッションを解除)]

    /opt/FJSVswsrp/bin/swstestupdate stop Volume-Name

  2. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Volume-Name

    ボリューム名を指定します。

    SnapOPC運用で使用する複製元ボリュームを指定します。

  3. 終了ステータス

    = 0 : 正常終了
    > 0 : 異常終了

  4. 実行例

    /dev/hdisk10の更新量を測定する。

    (擬似SnapOPCを開始して測定を開始する)
    #/opt/FJSVswsts/bin/swstestupdate start /dev/hdisk10
    /dev/hdisk10 swstestupdate completed
    
    (測定1回目)
    #/opt/FJSVswsts/bin/swstestupdate status /dev/hdisk10
    Volume-Name  Update
    /dev/hdisk10 644333
    
    (測定2回目)
    #/opt/FJSVswsts/bin/swstestupdate status /dev/hdisk10
    Volume-Name  Update
    /dev/hdisk10 1045000
    
    (擬似SnapOPCを解除して測定を終了する)
    # /opt/FJSVswsts/bin/swstestupdate stop /dev/hdisk10
    /dev/hdisk10 swstestupdate completed
    
    #

    表示する内容は、次に示す通りです。

    タイトル

    説明

    Volume-Name

    ボリューム名を表示します。

    Update

    測定開始後の更新済みデータ量をブロック数で表します(1ブロック=512バイト)。

    擬似SnapOPCセッションが存在しない場合は“----"を表示します。

    擬似SnapOPCセッションがエラーサスペンド状態になった場合は“failed"を表示します。

次のような場合は更新量の測定ができません。

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