ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.0 -AIX- |
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本章では AdvancedCopy Manager の概要について説明しています。
本製品は、オープン系システムのストレージ管理を実現する製品であり、以下の2つのソリューションを持った製品です。
富士通ストレージシステム ETERNUS のハードウェア機能【アドバンスト・コピー機能(OPC、EC)】を利用して、データを高速にバックアップします。アドバンスト・コピー機能はデータ容量に依存しない高速のデータコピー機能ですので、バックアップするデータ量が増加しても常に一定の高速のバックアップ時間を保てます。このためデータ量が増大してもバックアップ時間が増加することはありません。
また、ETERNUS ディスクアレイのリモートコピー機能を利用して、遠隔地のディスクアレイ装置に対して、バックアップを行うことも可能です。
なお、以下のDBMSと連携するためのシェルスクリプトをしようすることで、業務を停止することなく、かつ、高速でバックアップすることができます。
Oracle
DB2
上記以外のデータベースや通常の一般ファイルシステムで構築されている業務に関しては、バックアップ作業に必要とする業務停止時間が従来に比べて飛躍的に短くなります。
富士通ストレージシステム ETERNUS のハードウェア機能【アドバンスト・コピー機能(OPC、EC)】を利用して、データを別目的で使用することや、データの破壊に備える為に、データの複製(コピー)を採取することができます。
また、ETERNUS ディスクアレイのリモートコピー機能を利用して、遠隔地のディスクアレイ装置に対して、複製(コピー)を行うことも可能です。
なお、以下のDBMSと連携するためのシェルスクリプトを使用することで、業務を停止することなく、かつ、高速で複製(コピー)ができます。
Oracle
DB2
AdvancedCopy Managerを利用する事で、Oracle、DB2データベースのバックアップを、業務無停止で行うことができます。データベースのバックアップ方法については、本マニュアルの『バックアップ運用におけるサンプルシェルスクリプト』を参照してください。
本マニュアルの『バックアップ運用におけるサンプルシェルスクリプト』を参考にしてレプリケーション用のシェルスクリプトを作成することで、コピーを作成することができます。
AIX版 AdvancedCopy Manager は以下の機能で成り立っています。
機能名 |
説明 |
---|---|
AIX版AdvancedCopy Managerのエージェント |
ストレージ装置が接続されたStorageサーバ上で動作します。バックアップ管理、レプリケーション管理を行います。本製品は、Solaris版、Windows版またはLinux版のAdvancedCopy Managerのマネージャーと組み合わせて利用します。 |
AdvancedCopy Managerは運用形態によりサーバの種別を次のように区別しています。
Storageサーバ
Storageサーバとは、ディスクアレイ装置が接続されているサーバであり、AdvancedCopy Managerが提供するバックアップ業務、レプリケーション業務を実施するサーバです。
StorageサーバにはAdvancedCopy Managerのエージェントを導入します。ただし、システム上にStorageサーバが1台のみの場合は、AdvancedCopy Managerのマネージャーを導入します。
Storage管理サーバ
Storage管理サーバとは、Storageサーバを一括管理するサーバであり、システム上に一つのみ設定することができます。
Storage管理サーバにはAdvancedCopy Managerのマネージャーを導入します。
AdvancedCopy Managerの運用で使用できるStorageサーバの数により、次に示す3つの運用形態を構築できます。
Storageサーバが1台の場合
Storageサーバが1台の場合、AdvancedCopy Managerのマネージャーを導入します(AdvancedCopy ManagerのマネージャーはAdvancedCopy Managerのエージェントの機能を兼ねています)。Storageサーバが1台の場合、次に示す構成になります。
Storageサーバが複数存在する場合
Storageサーバが複数台存在する場合は、その内の1台をStorage管理サーバとして設定するか、ディスクアレイ装置が接続されていない新規のサーバをStorage管理サーバとするかのどちらかを選択します。
StorageサーバをStorage管理サーバとして運用する場合
業務を構成するサーバの内、いずれか一つのサーバをStorage管理サーバとして運用します。Storage管理サーバには、全Storageサーバの運用管理情報を格納するリポジトリが存在します。Storageサーバが多数存在するとリポジトリアクセスが競合し、少なからずとも業務に影響します。このためStorage管理サーバは、専用のサーバに配置するか、比較的業務アクセスが少ないサーバに配置します。StorageサーバをStorage管理サーバとして運用する場合、次に示す構成になります。
専用のStorage管理サーバを用意する場合
複数のStorageサーバを専用のStorage管理サーバで管理する場合、次に示す構成になります。
AdvancedCopy Managerのシステム構成を示します。
AdvancedCopy Managerのマネージャーとエージェントを異なるプラットフォームで使用する場合、以下の製品レベルの組み合わせが可能です。
|
エージェントのプラットフォーム(Storageサーバ) |
||||||||||||||||
Solaris |
Windows |
Linux |
HP |
AIX |
|||||||||||||
10.x |
11.x |
13.0 |
V10.0 Lxx |
V11.0 Lxx |
13.0 |
V10.0 Lxx |
V11.0 Lxx |
13.0 |
10.x |
11.x |
13.0 |
10.x |
11.x |
13.0 |
|||
マネージャーの |
Solaris |
10.x |
○ |
× |
× |
○ |
× |
× |
○ |
× |
× |
○ |
× |
× |
○ |
× |
× |
11.x |
△ |
○ |
× |
△ |
○ |
× |
△ |
○ |
× |
△ |
○ |
× |
△ |
○ |
× |
||
13.0 |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
○ |
||
Windows |
V10.0Lxx |
○ |
× |
× |
○ |
× |
× |
○ |
× |
× |
○ |
× |
× |
○ |
× |
× |
|
V11.0Lxx |
△ |
○ |
× |
△ |
○ |
× |
△ |
○ |
× |
△ |
○ |
× |
△ |
○ |
× |
||
13.0 |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
○ |
||
Linux |
V10.0Lxx |
○ |
× |
× |
○ |
× |
× |
○ |
× |
× |
○ |
× |
× |
○ |
× |
× |
|
V11.0Lxx |
△ |
○ |
× |
△ |
○ |
× |
△ |
○ |
× |
△ |
○ |
× |
△ |
○ |
× |
||
13.0 |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
○ |
△ |
△ |
○ |
○:接続可能
△:接続可能(ただし、Storageサーバのバージョン以降でサポートされている機能を利用することはできません。)
×:接続不可
製品レベルにより機能差があります。同じレベルのマネージャーとエージェントの導入を推奨します。
レベルの異なる接続では、レベルの低い機能範囲で動作します。
「表1.2 製品組み合わせ」の10.x, 11.x, V10.0Lxx, V11.0Lxxは、Softek AdvancedCopy Managerのバージョンです。
AdvancedCopy Manager のバックアップ機能は、富士通ストレージシステム ETERNUSのアドバンスト・コピー機能を使用した高速バックアップの運用管理を実現します。
これにより以下のバックアップ運用が可能になります。
ディスクアレイ装置のアドバンスト・コピー機能(OPC/EC機能)を使用して、ボリューム容量にかかわらず、高速にボリューム間バックアップを行います。そのため、バックアップのための業務停止時間を大幅に短縮できます。
アドバンスト・コピー機能による更新差分コピーを利用すると、より高速なバックアップが可能です。
バックアップを行いたいボリュームに対してバックアップの保存世代、バックアップを行う間隔日数(情報表示のときに遅れを表示します)を管理します。
バックアップを行いたいボリューム、バックアップの退避先ボリュームの構成を管理します。
AdvancedCopy Manager では、バックアップを行いたいボリュームを業務ボリューム、バックアップの退避先ボリュームをバックアップボリュームと呼びます。
指定したボリュームのバックアップ、リストアを行います。
ROPC/REC を使用したバックアップ機能は、同一 Storageサーバ内のREC/ROPCに対応したディスクアレイ装置に限ります。
過去にバックアップを行った情報の中で、保存世代内の情報を履歴として管理します。
システムダウンなどの障害により AdvancedCopy Managerのバックアップ管理情報に不整合が発生した場合、整合の取れる状態に復旧します。
AdvancedCopy Managerのレプリケーション機能は、富士通ストレージシステム ETERNUSのアドバンスト・コピー機能を使用してレプリケーションの運用管理を実現します。
これにより、以下のレプリケーション運用が可能になります。
ディスクアレイ装置のアドバンスト・コピー機能(OPC/EC機能)を使用して、ボリューム容量にかかわらず、高速にボリューム間レプリケーション(複製)を行います。そのため、レプリケーションのための業務停止時間を大幅に短縮できます。
アドバンスト・コピー機能による更新差分コピーを利用すると、より高速なレプリケーションが可能です。
システムダウンなどの障害によりAdvancedCopy Managerのレプリケーション管理情報に不整合が発生した場合、整合の取れる状態に復旧します。
バックアップ運用ではポリシー管理、履歴管理が可能ですが、レプリケーション運用にはありません。
レプリケーション運用では2つのボリューム間でのレプリケーション(複製)が可能です。
AdvancedCopy Managerが提供するWeb-GUIにおいて、アクセス可能なユーザーを管理します。これにより、機能利用者を特定するセキュリティ運用を可能とします。詳細は、『Solaris版、Windows版またはLinux版 ETERNUS SF AdvancedCopy Manager運用手引書 認証機構によるセキュリティ運用』を参照してください。
AdvancedCopy Managerでは、環境設定、運用を Web画面で行うことが可能です。主な機能は以下のとおりです。
セキュリティ管理
AdvancedCopy Managerの利用者の操作制限がGUI操作で行えます。
バックアップ管理
AdvancedCopy Managerのバックアップ管理の運用(運用するサーバやデバイスの定義、バックアップやリストア等)がGUI操作で行えます。
レプリケーション管理
AdvancedCopy Managerのレプリケーション管理の運用(運用ボリュームの定義、レプリケーションの実行等)がGUI操作で行えます。
Web画面はWebブラウザで、管理サーバにアクセスすることで利用できます。(AdvancedCopy Managerのインストールされていない端末からの操作が可能です)
バックアップ管理、レプリケーション管理の運用はWeb画面だけでなく、コマンドによる操作も可能です。
Web画面の詳細については『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager使用手引書 AdvancedCopy ManagerのWebクライアント』を参照してください。
バックアップ管理、レプリケーション管理を行う場合は、以下のいずれかのハードウェア装置が必須です。なお、アドバンスト・コピーライセンスおよび、キャッシュテーブルサイズの設定が必要です。提供されるアドバンスト・コピー機能は装置毎に異なるため、技術員に確認してください。
ETERNUS3000 ディスクアレイ装置 モデル100以上
ETERNUS6000 ディスクアレイ装置
ETERNUS4000 ディスクアレイ装置 モデル100以上
ETERNUS8000 ディスクアレイ装置
ETERNUS GR720 ディスクアレイ装置
ETERNUS GR730 ディスクアレイ装置
ETERNUS GR740 ディスクアレイ装置
ETERNUS GR820 ディスクアレイ装置
ETERNUS GR840 ディスクアレイ装置
製品名 |
条件 |
備考 |
---|---|---|
AIX 5L 5.1, 5.2, 5.3 |
必須 |
サポートOS |
High Availability Cluster Multi-Processing 5.1 |
条件付き必須 |
AdvancedCopy Managerのエージェントでクラスタ運用する場合 |
VERITAS Volume Manager 4.0 |
条件付き必須 |
VERITAS Volume Managerの論理ボリュームを対象とした運用を行う場合 |
バックアップ管理、レプリケーション管理では、以下のデバイスをサポートしています。
sdドライバ資源
AdvancedCopy Managerでは、以下の単位でLVM配下のボリュームをバックアップ/レプリケーションすることができます。
ボリュームグループ
ボリュームグループを構成する物理ディスク
LVM配下のボリュームのバックアップ運用については、本マニュアルの『LVMボリュームの運用』を、LVM配下のボリュームのレプリケーション運用については、本マニュアルの『LVMボリュームの運用』を参照してください。
論理ボリュームが存在するボリュームグループが管理単位になります。
AdvancedCopy Managerは、ボリュームグループを構成する物理ディスク単位にコピー処理を行います。
論理ボリューム単位で運用可能なLVMボリュームは、以下の条件を満足する必要があります。
1ボリュームグループ内に1物理ディスクであること、および、1物理ディスク = n 論理ボリュームとなるように論理ボリュームが作成されていること。
LVM では、物理ディスク(LU:Logical Unit) 内に複数の論理ボリュームを定義することが可能であり、また、論理ボリュームの境界は、物理ディスクの境界とは全く無関係に定義することができます。
1つのボリュームグループに複数の論理ボリュームがある場合もサポートされますが、運用の際は以下の点に留意してください。
ファイルシステムが構築されている論理ボリュームの場合は、アンマウント/マウントはバックアップの前後、レプリケーションの前後で実施する必要があります。
論理ボリュームが存在するボリュームグループを構成する物理ディスクを管理単位とします。
ボリュームグループが、ボリュームグループ単位の運用でサポートされない構成の場合は、この運用を行います。
バックアップやレプリケーションを行う際には、ボリュームグループ全体の整合性を保ってコピーを行う必要があります。
AdvancedCopy Managerでは、以下の単位でVxVM配下のボリュームをバックアップ/レプリケーションすることができます。
ディスクグループを構成する物理ディスク
VxVM配下のボリュームのバックアップ運用については、本マニュアルの『VxVMボリュームの運用』を、VxVM配下のボリュームのレプリケーション運用については、本マニュアルの『VxVMボリュームの運用』を参照してください。
論理ボリュームが使用しているサブディスクが存在するVMディスク(物理ディスク)を管理単位とします。
AdvancedCopy Managerは、VMディスク全体をコピーするため、サブディスクとなる共有領域だけでなく、VxVMの内部構成情報が格納されている占有領域もコピーされます。
したがって、バックアップやレプリケーションを行う際には、VxVMの構成情報の整合性を保ってコピーを行う必要があります。
AdvancedCopy Managerに指定するデバイス名は、以下の形式です。
/dev/vx/dmp/hdisk#
VxVMにおけるエンクロージャーに基づく命名規則の運用下での動作はサポートしていません。
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