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第3章 性能監視 | > 3.3 性能情報の分析と対処 |
性能ログファイルへのログ出力機能を使用した場合に採取できる各アプリケーション種別での性能情報の説明と、評価方法、対処方法について説明します。
性能ログファイルへのログ出力機能では、性能ログファイルへ蓄積した性能情報を、ispreportコマンドを実行することにより、CSV形式で出力できます。
以下に、性能情報について説明します。
D1, D2, D3, D4, D5, D6, D7, D8, D9, D10, D11, D12, D13, D14, D15, D16, D17, D18, D19, D20, D21, D22 |
各行で出力する項目の一覧を以下に示します。なお、項番に書かれているD1、D2、…は、上記書式のD1、D2、…に対応しています。
EJBアプリケーションの性能情報を出力する場合には、ispreportコマンドに"-k EJBAPL"オプションを付加してください。
平均処理待ち要求数を出力する場合は、ispreportコマンドに"-a WQUEAVG"オプションを付加してください。
項番 |
性能情報の項目名 |
単位 |
内容 |
---|---|---|---|
D1 |
データの採取開始日付 |
− |
データ採取時間(インターバル時間)の開始日付 |
D2 |
データの採取開始時刻 |
− |
データ採取時間(インターバル時間)の開始時刻 |
D3 |
データの採取終了日付 |
− |
データ採取時間(インターバル時間)の終了日付 |
D4 |
データの採取終了時刻 |
− |
データ採取時間(インターバル時間)の終了時刻 |
D5 |
EJBアプリケーション(旧版互換環境用)の場合 Light EJBコンテナ(旧版互換環境用)の場合 IJServerの EJBコンテナの場合 |
− |
性能情報が測定されているEJBアプリケーション名、Light EJBコンテナ名/EJBアプリケーション名、またはIJServer名/EJBアプリケーション名 |
D6 |
メソッド名+シグネチャ |
− |
監視対象メソッド名+シグネチャ(メソッドの引数と戻り値の型) |
D7 |
プロセスID |
− |
性能情報が測定されているEJBアプリケーションのプロセスID |
D8 |
スレッドID |
− |
監視対象メソッドが動作するスレッドID |
D9 |
最大要求処理時間 |
ミリ秒 |
インターバル時間内の、当該スレッドにおける監視対象メソッドの最大処理時間 |
D10 |
最小要求処理時間 |
ミリ秒 |
インターバル時間内の、当該スレッドにおける監視対象メソッドの最小処理時間 |
D11 |
平均要求処理時間 |
ミリ秒 |
インターバル時間内の、当該スレッドにおける監視対象メソッドの平均処理時間 |
D12 |
最大要求処理待ち時間 |
ミリ秒 |
インターバル時間内の、クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからメソッドの処理開始までの最大処理待ち時間 EJBアプリケーションがMessage-driven Bean、Light EJBコンテナまたはIJServerのEJBコンテナのEJBアプリケーションがMessage-driven Bean場合には、必ず“0”が出力されます。 |
D13 |
最小要求処理待ち時間 |
ミリ秒 |
インターバル時間内の、クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからメソッドの処理開始までの最小処理待ち時間 EJBアプリケーションがMessage-driven Bean、Light EJBコンテナまたはIJServerのEJBコンテナのEJBアプリケーションがMessage-driven Bean場合には、必ず“0”が出力されます。 |
D14 |
平均要求処理待ち時間 |
ミリ秒 |
インターバル時間内の、クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからメソッドの処理開始までの平均処理待ち時間 EJBアプリケーションがMessage-driven Bean、Light EJBコンテナまたはIJServerのEJBコンテナのEJBアプリケーションがMessage-driven Bean場合には、必ず“0”が出力されます。 |
D15 |
処理数 |
回 |
インターバル時間内の、当該スレッドにおける監視対象メソッドの処理回数 |
D16 |
要求受信数 |
回 |
インターバル時間内の、当該EJBアプリケーションまたはLight EJBコンテナの累積処理回数 |
D17 |
処理待ち要求数 |
個 |
インターバル時間内の、当該EJBアプリケーションまたはLight EJBコンテナに対して処理待ちとなった要求の最大数 EJBアプリケーションがMessage-driven Bean、Light EJBコンテナまたはIJServerのEJBコンテナのEJBアプリケーションがMessage-driven Bean場合には、必ず“0”が出力されます。 |
D18 |
EJBオブジェクト数 (Session) |
個 |
現在のEJBオブジェクト数(createメソッド実行数とremoveメソッド実行数の差分) |
D19 |
Entityの最大Passivate数 |
− |
インターバル時間内の、EJBアプリケーションまたはLight EJBコンテナ(プロセス)のインスタンスのプーリング最大回数 |
D20 |
VMの最大メモリ使用量 |
Kバイト |
EJBアプリケーション、Light EJBコンテナまたはIJServerのEJBコンテナに対応するVMの最大メモリ使用量 インターバル時間内にメソッドが処理されなければ、0となります。 |
D21 |
VMの平均メモリ使用量 |
Kバイト |
EJBアプリケーション、Light EJBコンテナまたはIJServerのEJBコンテナに対応するVMの平均メモリ使用量 インターバル時間内にメソッドが処理されなければ、0となります。 |
D22 |
平均処理待ち要求数 |
個 |
インターバル時間内に当該オブジェクトに対して処理待ちとなった要求の平均数 |
以下に、ispreportコマンドの出力結果の例を示します。
複数のメソッドを持つEJBアプリケーションと複数のメソッドを持つEJBアプリケーションを1つ配備したLight EJBコンテナの性能監視例 (旧版互換環境用)
EJBアプリケーションEJBAPL001とLight EJBコンテナEJBCONT001に対して、性能監視を行った場合の性能情報出力例を、以下に示します。EJBAPL001は、3つのメソッドを持っています。またEJBCONT001は、3つのメソッドを持つ1つのEJBアプリケーションEJBAPL002を配備しています。
以下の観点で、各項目を参照してください。
性能ログファイルへのログ出力機能で採取した性能情報の評価方法と対処方法を、以下の一覧にまとめます。
性能異常を検出した場合は、一覧を参考にして対処してください。
|
評価方法 |
対応/処置 |
---|---|---|
1 |
性能監視を実施した全時間帯で、最大要求処理時間が長く、かつ、平均要求処理時間が、最大要求処理時間に近い時間となっている。 |
要求処理時間が、目標値よりも長くかかっている場合には、以下の要因が考えられます。 上記の観点で、サーバアプリケーションおよびシステムを見直してください。 |
2 |
特定の時間帯で、最大・平均・最小の各要求処理時間が長くなっている。 |
特定の時間帯に、システム負荷が高くなっている可能性があります。 |
3 |
特定の時間帯で、最大・平均・最小の各要求処理待ち時間が長くなっている。 |
|
4 |
最大要求処理時間は長いが、平均要求処理時間は短く、最小要求処理時間に近い時間となっている。 |
以下の要因が考えられます。 上記の観点で、システムおよびサーバアプリケーションを見直してください。 |
5 |
最大要求処理待ち時間は長いが、平均要求処理待ち時間は短く、最小要求処理待ち時間に近い時間となっている。 |
|
6 |
性能監視を実施した全時間帯で、最大要求処理待ち時間および平均要求処理待ち時間が長くなっている。 |
クライアントからの要求数に対して、サーバアプリケーションの処理能力が不足しています。 |
7 |
特定の時間帯で、処理数・処理待ち要求数が多くなっている。 |
特定の時間帯にサーバアプリケーションに対する要求数が増加しています。 |
8 |
EJBオブジェクト数がクライアント接続数より多くなっている。 |
EJBオブジェクトの数が増加しています。createメソッドに対するremoveメソッドの実行がされていない可能性があります。 |
9 |
Passivate数が多くなっている。 |
Entity初期インスタンス数が不足しています。 |
10 |
VMのメモリ使用量が多くなっている。 |
メモリリークをしている可能性があります。 |
11 |
処理待ち要求数が大きいが、平均要求処理待ち時間が短い。 |
isinfobjコマンドを使用し、定期的に、待ちキューの状態を確認し、インターバル時間内の負荷状態を確認してください。 |
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