PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.2 (Solaris(TM) オペレーティング環境版)
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付録F リファレンスマニュアル> F.1 ファイルシステム共通管理コマンド

F.1.2 fsck_sfcfs(1M) GFS共用ファイルシステムの整合性チェックと修復

◆形式

fsck -F sfcfs [ generic_options ] [ -o specific_options ] [ special ... ]

◆機能説明

 fsck は GFS 共用ファイルシステムの整合性状態をチェックし修復します。

 GFS 共用ファイルシステムは、アップデートロ機能によりファイルシステムの高速なリカバリが可能です。fsck 時にアップデートログをリプレイし高速なリカバリを行うかどうかを指定します。アップデートログが破壊されている場合などアップデートログをリプレイできない場合は、fsck によりファイルシステムのフルチェックを行います。チェックするファイルシステムの指定は、キャラクタ特殊デバイスで指定するか、または /etc/vfstab にエントリの存在するファイルシステムのマウントポイントになります。

 special にはファイルシステムが構築されているキャラクタ特殊デバイスかマウントポイントを指定します。ブロック特殊デバイスは指定すべきではありません。fsck はブロックデバイスがマウントされている場合は実行されません。

 special を指定しない場合は、/etc/vfstabfsckdev エントリが記述されているすべての GFS 共用ファイルシステムをチェックします。p(プリーン) オプションを指定すると、fsckpass が 1 以上の GFS 共用ファイルシステムをチェックします。

 重度の不整合の場合には、fsck は修復を行う前にオペレータに yes または no の問い合わせを行います。オペレータにファイルシステムの書き込み権がない場合は、fsck-n オプション(修正しない)の動作になります。

 fsck は、以下のような軽度の不整合の場合、自動的に修復します。

 不整合を修正するとメッセージを表示します。ファイルシステムの修復が成功すると、fsck はファイルシステム上のファイル数、使用中と空きのブロック数、フラグメンテーションの割合を表示します。

 フルチェック実行時にチェックする不整合は次のとおりです。

 独立したファイル、ディレクトリ (割り当てられているが参照されない) は、オペレータの同意により lost+found ディレクトリに置き再結合します。名前は i ノード番号が割り当てられます。lost+found ディレクトリが存在しなければ作成します。lost+found ディレクトリ領域が不足していればサイズを拡張します。

 複数のパーティショでファイルシステムが構成されている場合の特殊ファイル名の指定は、代表パーティショのパス名を指定します。

◆オプション

generic_options

 generic_options は、fsck(1M) で共通にサポートしているオプションです。
-V
 コマンド行を表示しますが、実行はしません。
-m
 チェックしますが修復しません。
-n|N
 問い合わせにすべて no の応答をします。ファイルシステムを書き込み open しません。
-y|Y
 問い合わせにすべて yes の応答をします。

 

-o specific_options
 以下の GFS 共用ファイルシステム固有オプションを指定します。オプションとオプションの間はカンマで区切ります。
f
 スーパブロックの状態フラグにかかわらず強制チェックします。
p
 非会話形式のチェックと修復をします。
w
 書き込み可能なファイルシステムだけチェックします。
log|elog|nolog
 アップデートログリプレを行うかどうかを指定します。省略時の値は log です。
     log
 アップデートログリプレイを行います。ログデータが物理的に破壊されている場合はファイルシステムのフルチェックを行います。
     elog
 アップデートログリプレイを行います。ログデータが物理的に破壊されている場合はファイルシステムのチェック/修復を行わず直ちに終了します。
     nolog
 アップデートログリプレイを行わずファイルシステムのフルチェックを行います。
work=raw_device
 fsck 実行時のワークディスクを指定します。work=raw_device の指定を "," で羅列することにより、複数のワークディスクを指定できます。ワークディスクは 16 個まで指定できます。

◆オペランド

 以下のオペランドが指定できます。

special

 GFS 共用ファイルシステムの代表パーティションのキャラクタ特殊ファイルまたはマウントポイントのパス名を指定します。

◆使用例

# fsck -F sfcfs /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1
# fsck -F sfcfs -o nolog /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

◆終了ステータス

0

ファイルシステムの修復が正常に終了しました。または、修復の必要がありませんでした。

1

指定したパラメタが正しくありません。

32

ファイルシステムのマウントが解除されチェックが必要です。(fsck -m 指定の場合だけ)

33

ファイルシステムがマウントされています。

34

デバイスの stat(2) が失敗しました。

36

p(プリーン) オプションで実行中にオペレータの介入が必要な重大な問題が発生したため処理を終了しました。

37

コマンド実行中に割込みが発生しました。

39

コマンド実行中に異常が発生し、処理を終了しました。

50

elog オプションの実行で、アップデートログが物理的に破壊されていたため、アップデートログリプレイが実施できませんでした。

◆関連項目

mkfs_sfcfs(1M), sfcnewfs(1M).

"Solaris X Reference Manual Collection" の crash(1M), fsck(1M), fstyp(1M), mkfs(1M), reboot(1M), stat(2), vfstab(4), attributes(5), largefile(5).

注意事項


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