PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.2 (Solaris(TM) オペレーティング環境版）

4.1 GFSローカルファイルシステム管理コマンド

　ファイルシステムの管理コマンドには、はん用管理コマンドとファイルシステムごとに固有の管理コマンドの 2 種類があります。通常は Solaris OE が提供するはん用管理コマンドを使用し、オプションの指定またはファイルシステムタイプを判定することで適切なファイルシステム専用管理コマンドを呼び出します。

　GFS ローカルファイルシステムでは、はん用管理コマンドに対応する専用管理コマンドと、GFS ローカルファイルシステム独自機能のための独自管理コマンドがあります。

　GFS ローカルファイルシステムに対してはん用管理コマンドを使用する場合は、-F オプションに指定するファイルシステムタイプに "sfxfs" を指定して実行します。-F オプションを省略した場合には、/etc/vfstab ファイル内で special または mount_point と一致するエントリが検索され、そこに登録されているファイルシステムタイプが自動選択されます。

[はん用ファイルシステム管理コマンド]

コマンド	機能
clri(1M)	i ノードのクリア
df(1M)	空きディスクブロック数とファイル数等の表示
ff(1M)	ファイル名と統計情報の表示
fsck(1M)	ファイルシステムの整合性のチェックと修復
fstyp(1M)	ファイルシステムタイプの認識
mkfs(1M)	ファイルシステムの作成
mount(1M)	ファイルシステムのマウント
ncheck(1M)	ファイル名と i ノード番号リストの作成
umount(1M)	ファイルシステムのアンマウント

　はん用ファイルシステム管理コマンドの詳細については、各コマンドの“Solaris X Reference Manual”を参照してください。

[GFSローカルファイルシステム専用管理コマンド]

コマンド	機能
clri_sfxfs(1M)	i ノードのクリア
df_sfxfs(1M)	空きディスクブロック数とファイル数等の表示
ff_sfxfs(1M)	ファイル名と統計情報の表示
fsck_sfxfs(1M)	ファイルシステムの整合性のチェックと修復
fstyp_sfxfs(1M)	ファイルシステムタイプの認識
mkfs_sfxfs(1M)	ファイルシステムの作成
mount_sfxfs(1M)	ファイルシステムのマウント
ncheck_sfxfs(1M)	ファイル名と i ノード番号リストの作成

[GFSローカルファイルシステム独自管理コマンド]

コマンド	機能
sfxadd(1M)	ファイルシステムの拡張
sfxadm(1M)	パーティション情報の設定変更
sfxddr(1M)	バックアップデータのリストアとリストアデバイスのチェック
sfxdefrag(1M)	ファイルシステムのデフラグメント
sfxdump(1M)	GFS ローカルファイルシステムのバックアップ
sfxedquota(1M)	ユーザごとのクォータ制限値の編集
sfxinfo(1M)	パーティション情報の表示
sfxmkbkup(1M)	バックアップ用シェルスクリプトの生成
sfxmkrstr(1M)	リストア用シェルスクリプトの生成
sfxnewfs(1M)	GFS ローカルファイルシステムの作成 (mkfs_sfxfs(1M) のフロントエンド)
sfxnode(1M)	ノード構成情報の追加、削除、変更
sfxquota(1M)	ユーザごとの quota 制限値と使用量の表示
sfxquotadm(1M)	quotas ファイルの管理
sfxquotaon(1M)	quota 機能の有効化
sfxquotaoff(1M)	quota 機能の無効化
sfxrepquota(1M)	全ユーザの quota 制限値と使用量の表示
sfxrestore(1M)	sfxdump で作成されたバックアップからのリストア
sfxstat(1M)	GFS ローカルファイルシステムの統計情報の報告
sfxtune(1M)	GFS ローカルファイルシステムのチューニング

　GFS ローカルファイルシステムが作成されると、/etc/sfxfstab 内にエントリが追加されますファイルシステムの管理に、/etc/sfxfstab が使用されています。なんらかの原因により、/etc/sfxfstab ファイルが削除されたり、エントリが削除されたりした場合には、バックアップファイル(/etc/.sfxfstab.back) からの復旧を行う必要があります。以下の操作により復旧を行ってください。

# cp -p /etc/.sfxfstab.back /etc/sfxfstab

　バックアップファイルも存在しない場合は、新規に /etc/sfxfstab を作成する必要があります。以下の操作により、新規作成を行ってください。

# touch /etc/sfxfstab
# chmod 644 /etc/sfxfstab

　また以下の GFS ローカルファイルシステムの独自機能を使用するための一般ユーザ向け独自コマンドも提供しています。

[GFS ローカルファイルシステム独自一般コマンド]

コマンド	機能
sfxcp(1)	ファイル拡張属性情報を伴うファイルのコピー
sfxcpio(1)	ファイル拡張属性情報を伴うアーカイブからのファイルの抽出または復元
sfxgetext(1)	エクステント属性情報の表示
sfxmv(1)	ファイル拡張属性情報を伴うファイルの移動
sfxsetext(1)	エクステント属性情報の設定

　前述のコマンドについて、対象ファイルシステムをマウントした状態で使用するもの、アンマウントした状態で使用するもの、マウント状態とアンマウント状態で使用できるものは以下のようになります。

[マウント状態で使用するもの]

sfxedquota, sfxquota, sfxquotadm, sfxquotaoff, sfxquotaon, sfxrepquota, sfxrestore, sfxstat, umount
sfxcp, sfxcpio, sfxgetext, sfxmv, sfxsetext

[アンマウント状態で使用するもの]

clri, fsck, mkfs(-mを除く), sfxadm(-Aを除く), sfxddr, sfxnewfs, sfxnode, sfxtune

[マウント状態とアンマウント状態で使用できるもの]

df, ff, fstyp, mkfs -m, mount, ncheck, sfxadd, sfxadm -A, sfxdefrag, sfxdump(*1), sfxinfo, sfxmkbkup, sfxmkrstr

(*1: sfxdump(1M) をマウント状態で使用する場合、ファイルシステム情報を更新しないように注意して使用してください。詳細については、“付録 B.2.5 sfxdump(1M)”を参照してください。)