Symfoware Server 解説書 - FUJITSU -
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第2章 Symfoware Serverの基礎知識> 2.4 Symfoware Serverのアーキテクチャ

2.4.1 ファイルの構成

Symfoware Serverは、データベースを制御および格納するファイルから構成されています。これらのファイルの関係を、以下に示します。

[図:ファイルの構成]

■構成要素

Symfoware Serverの構成要素について、以下に説明します。

構成要素の詳細については、“RDB運用ガイド”を参照してください。

◆RDBプログラムファイ

利用者は、提供されたソフトウェア配布媒体から、システム内の任意の位置にRDBプログラムファイルを展開します。このRDBプログラムファイルには、実行形式ファイル、ライブラリファイルなどが含まれています。

◆RDBディレクトリファイ

RDBディレクトリファイルには、データベースをアクセスするための情報や、現在の運用情報などが記憶されます。

RDBディレクトリファイルには、利用者のデータベースを管理するためのディレクトリファイルと、RDBディクショナリを管理するためのディレクトリファイルの2種類があります。RDBディレクトリファイルは、RDBコマンドにより作成します。

◆RDBディクショナ

RDBディクショナリには、利用者が作成したデータベースに関する以下の情報が格納されます。

◆データベー

データベースには、利用者が作成するデータが格納されます。

Symfoware Serverにおけるデータベースは、論理構造、格納構造および物理構造の3つから構成されています。データベースを作成する場合には、磁気ディスクへのI/O負荷のバランスが最適となるように配慮する必要があります。

データベースの構成についての詳細は、“Symfoware Serverのデータベースの構成”を参照してください。

◆退避ディス

データベースのデータをバックアップし、メディアリカバリに備えて保存するディスクです。

◆作業

データベースの作成、データベースの更新およびリカバリを行う場合などに、SQL文やRDBコマンドが作業用として使う領域です。

◆ロググループ管理ファイ

ログ管理ファイルの配置の情報を保持するためのファイルです。スケーラブルログ運用を行う場合に必要となるファイルです。ロググループ管理ファイルは、RDBコマンドにより作成します。

◆ログ管理ファイ

テンポラリログファイルやアーカイブログファイルの配置位置や、現在使用中のアーカイブログファイルの情報を保持するためのファイルです。ログ管理ファイルは、RDBコマンドにより作成します。

◆テンポラリログファイ

テンポラリログファイルには、データベースの更新履歴が収集されます。更新履歴には、データの更新前の情報と更新後の情報があり、トランザクションのロールバックやSymfoware Serverのダウン後のリカバリ処理に使用されます。テンポラリログファイルは更新前情報を管理するBIログ、更新後情報を管理するAIログおよびログの索引としての情報を管理するログインデックスから構成されます。テンポラリログファイルは、RDBコマンドにより作成します。

◆アーカイブログファイ

アーカイブログファイルは、トランザクションの更新履歴を、メディアリカバリに備えて保存するファイルです。アーカイブログファイルは複数用意し、これらを循環して使用します。アーカイブログファイルを利用した運用を“アーカイブログ運用”といいます。アーカイブログファイルは、RDBコマンドにより作成します。

◆監査ログデータベース

監査ログデータベースには、管理者や利用者のデータベース処理を追跡するための情報を格納します。

◆コアダンプファイ

Symfoware Serverのプロセスで異常が発生した場合に出力するダンプです。

RDB構成パラメタファイルで出力先を指定します。

◆RDB構成パラメタファイ

RDB構成パラメタファイルは、RDBディレクトリファイルの配置先など、Symfoware Serverの動作を規定する各種情報が格納されたファイルです。このファイル内の情報は、利用者がSymfoware Serverの動作環境の定義を行うときに編集し、RDBコマンドによるSymfoware Serverの起動時に参照されます。

RDB構成パラメタファイルの詳細については、“RDB構成パラメタファイルの構成”を参照してください。

◆動作環境ファイ

アプリケーションの実行時の動作環境をチューニングするための情報が格納されたファイルです。

動作環境ファイルは、以下の3種類があります。

システム用:
1つのSymfoware Server環境の標準となる動作環境を設定する場合に作成します。Symfoware Server全体の動作環境のチューニングに使用します。
クライアント用:
アプリケーションごとに動作環境を変更する場合に作成します。リモートアクセスのための情報もこのファイルに設定するため、リモートのデータベースにアクセスする場合は、必ず作成します。アプリケーションのコネクション単位で動作環境のチューニングに使用します。
サーバ用:
データベース環境に固有の動作環境を設定する場合に作成します。アプリケーションごとの動作環境のチューニングに使用します。

動作環境ファイルについての詳細は、“アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編)”を参照してください。

 

動作環境ファイルの位置づけについて、以下に示します。

[図:動作環境ファイルの位置づけ]

■動作環とRDBシステム

以下に示すファイルの集まりをSymfoware Serverの1つの動作環境といいます。

Symfoware Serverでは、動作環境に名前をつけて運用します。動作環境に名前をつけることによって、それぞれの環境を区別することができ、1つのシステム上に、複数の動作環境を作成して運用することができます。動作環境を区別するためにつけた名前を、RDBシステム名といいます。1つのシステム上に複数の動作環境を作成している環境のことを、マルチRDBシステム環境といい、この運用をマルチRDB運といいます。


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