負荷分散/QoS制御 テクニカルガイド
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9.3.5 留意事項
簡易HSには、以下の留意事項があります。
- 簡易HSを構成するネットワーク・サーバには、必ずデフォルトルータ(空ではない/etc/defaultrouterファイルを配置)を定義し、静的ルーティングを行ってください。動的ルーティングの環境では簡易HS機能が正常に動作しない場合があります。
- 故障監視は、LAN経由で相手ノード上の監視デーモン及び監視対象として指定した機器に対して定期的に監視パケットを送受信することにより行われます。従って、OSの一部機能がループしているがデーモンの送受信は正常に処理できる等の事象において、相手ノードの異常状態を検出できない場合があります。
- 運用側のネットワーク・サーバがダウンした場合、切り替え事象の発生により待機側のネットワーク・サーバは運用側になります。その後、ダウンしたネットワーク・サーバが再起動した場合、待機側として起動され、自動で運用側には戻りません。待機側になったネットワーク・サーバを運用側に戻す場合は、モニタ・コンソールからのサーバ切り替え指示もしくは、簡易HS切替コマンド(hschgctl)からの切り替え指示を行ってください。
- 切り替え操作は、運用側のネットワーク・サーバに対してのみ(運用側のネットワーク・サーバに接続しているモニタ・コンソールから、もしくは、運用側のネットワーク・サーバ上での簡易HS切替コマンドから)操作可能です。
- 運用側または待機側のどちらか一方が停止状態(もしくは状態不明)のときは、モニタ・コンソール/簡易HS切替コマンドからの切り替え指示は行えません。
- どちらか一方のネットワーク・サーバしか運用していない場合、簡易HS機能が故障を検出してもメッセージがモニタ・コンソールへ表示されるだけで停止することはありません。この状態で停止中であったネットワーク・サーバが起動しても、運用側のネットワーク・サーバに別な故障を検出しない限り、後から起動したネットワーク・サーバは待機側として動作します。待機側と運用側を切り替える場合は、モニタ・コンソールからサーバ切り替え指示、もしくは、運用側ネットワークサーバ上での簡易HS切替コマンドによる切り替え指示を行ってください。
- 待機側のネットワーク・サーバの保守作業が完了し再起動を行うと、ホットスタンバイ構成としての組み込みは自動的に行われます。
- ネットワーク障害検出等によって停止状態となったネットワーク・サーバは、その後障害発生要因を解決しても自動的には復旧しません。一度再起動してください。
- シングルプロセッサの場合に、大量の送受信データが発生すると、TrafficDirector(サーバ)の通信処理でプロセッサを占有するため、HS制御デーモンの実行が遅延して、監視パケットの送受信が正常におこなえず、簡易HS機能が正常に動作しているにも関わらず故障を検出し、両系が運用状態となる場合がありますので、マルチプロセッサ構成を推奨します。
- 簡易HS運用時、モニタ・コンソールでは、ネットワーク・サーバの代表IPアドレス/運用側実IPアドレス/待機側実IPアドレスの全てのアドレスで接続し、監視する運用を推奨します。代表IPアドレスだけ接続し、監視を行った場合、一部の情報がリアルタイムに表示されないことがあります。
- 電源切断時は以下の手順でおこなってください。
1) 待機系サーバを電源断
2) 運用系サーバを電源断
3) 分散対象サーバの電源断(分散対象サーバの電源断が必要な場合)
4) 管理コンソール電源断(管理コンソールの電源断が必要な場合)
- 電源投入時は以下の手順でおこなってください。
1) 分散対象サーバを電源投入(分散対象サーバの電源を切断していた場合、起動完了後、次に進む)
2) 運用系サーバを電源投入(起動完了後、次に進む)
3) 待機系サーバの電源投入(起動完了後、次に進む)
4) 管理コンソールを電源投入(管理コンソールの電源を切断していた場合)
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