負荷分散/QoS制御 テクニカルガイド
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第9章 二重化構成時の注意点> 9.3 簡易HS

9.3.1 概要

Traffic Director(Solaris版)では、SafeCLUSTER/PRIMECLUSTERによるホットスタンバイと、Traffic Director自身の簡易HS機能によるホットスタンバイのいずれかを選択することができます。

Traffic Directorの簡易HS機能では、以下の監視方法により相手ノード及びネットワークの状態を監視します。

監視方法

内容

相手ノード監視

待機ノード上のHS制御デーモンから運用ノード上のHS制御デーモンに対して、定期的に監視メッセージを発行し、その応答を受信することによって、運用ノードの故障監視を行います。また両ノードから系間パス上で相手ノードに対してのARP req/rspの送受信を行い相手ノードの監視をおこないます。

ネットワーク監視

指定された監視先に対して、ICMP ECHO requestを発行することによってネットワークの故障監視を運用/待機の両ノード上で行います。

簡易HSではSafeCLUSTER/PRIMECLUSTERで構築するホットスタンバイシステムに対して、主に以下の留意事項があります。

以下にSafeCLUSTER/PRIMECLUSTERと簡易HSの比較表を示します。

項目

SafeCLUSTER/PRIMECLUSTER

簡易HS

引継ぎリソース

IPアドレス

ノード名

×

引継ぎ機能

負荷分散

負荷分散保守状態

×

帯域制御

×

アクセス制御/アドレス変換

×

Security Director同居

×

故障監視

LAN

SCF(System Control Facility)

○(CPU相互監視/異常通知、ファン回転数監視/制御、電源監視/制御、UPS AC異常通知、温度監視が可能)

×

RCI(Remote Cabinet Interface)

○(クラスタ構成の対向サーバや拡張キャビネット等の周辺装置の監視が可能)

×

LAN2重化

○(SafeLINK/GLS必須)

×

凡例: ○:サポート、×:未サポート

簡易HSは負荷分散機能に特化して簡易な切替機能を提供するものであり、より高信頼性を要求するシステムにおいてはSafeCLUSTER/PRIMECLUSTERによるホットスタンバイシステムを構築するようにしてください。


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