ファイアウォール機能 管理者ガイド
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第2章 機能> 2.1 IP パケットフィルタリング機能

2.1.1 アクセス制御ポリシー

本製品では、IPパケットフィルタリング機能が参照するアクセス制御ポリシーは、「パケットフィルタリング条件」(又は、「フィルタリング条件」、「フィルタルール」とも呼びます)で設定します。

パケットフィルタリング条件では、通過させたいパケットを"通過"条件として明示的に設定します。設定した条件に合致するパケットを通過させ、設定条件に合致しないその他のパケットを遮断します。

例外的に、ある範囲で一部だけを通過させたくない場合は、ある範囲に対して“通過”の設定を行った上で通過させたくない一部を“遮断”として設定します。

本製品では、“遮断”を行う動作として、以下の2通りの動作を設定できます。

通常は、「破棄」を設定します。

ただし、「破棄」より送信元の動作に影響がある場合には「拒否」を設定します。

Linux版では、「拒否」をサポートしていません。パケットを遮断する場合は、「破棄」を設定します。

■フィルタリング条件の構成要素

アクセス制御ポリシーに関するフィルタリング条件は、大きく以下の要素群に分類できます。

以下に、それぞれの構成要素について説明します。

◆フィルタ条件

アクセス制御ポリシーを適用するIPパケットを識別する情報を表現します。

パケットフィルタリング機能は、実際に受信したIPパケットの情報から本フィルタ条件を評価し、本フィルタ条件に合致するIPパケットに対して、「動作」で指定されたアクセス制御機能を適用します。

フィルタ条件には以下の情報が含まれます。

IPプロトコル

IPパケットに含まれるIPプロトコル情報を識別します。

IPアドレス(送信元/送信先)

IPパケットに含まれるIPアドレス情報を識別します。

それぞれのIPアドレスは、一意に端末を識別するホストアドレス、IPネットワーク体系上で複数の端末を表現するネットワークアドレス、又は、サブネットワークアドレスを指定できます。

統合環境設定の場合、IPアドレスとして、IPv4、又はIPv6アドレスの指定ができます。なお、送信元と送信先は同じIPバージョンである必要があります。

送信元IPアドレス

送信先IPアドレス

動作可否

IPv4

IPv4

OK

IPv6

NG

IPv6

IPv4

NG

IPv6

OK

ファイアウォール独自環境設定の場合、IPアドレスとして、IPv4アドレスの指定のみ可能です。

ポート番号(送信元/送信先)

IPパケットに含まれるポート番号を識別します。

それぞれのポート番号は、一意のポート番号、又はポート番号範囲による指定ができます。

なお、送信元ポート番号は、デフォルトではAnyポート(1024以上)が指定されたものとみなしますので、Anyポートを使用しないアプリケーション(1023以下)や、特定の送信元ポート番号を利用するアプリケーションについては、環境設定で、アプリケーションが使用するポート番号を明示的に指定してください。

ネットワークインタフェース(受信/送信)

IPパケットを送受信するネットワークインタフェースを識別します。

なお、IPv6環境で利用する場合、IPv6プロトコルをサポートできるよう、あらかじめネットワークインタフェースを構成しておく必要があります。

送受信IPパケット

ネットワークインタフェース構成

動作可否

IPv4

IPv4

OK

IPv6

NG

IPv4/IPv6

OK

IPv6

IPv4

NG

IPv6

OK

IPv4/IPv6

OK

IPv4またはIPv6

IPv4

OK(IPv4のみ)

IPv6

OK(IPv6のみ)

IPv4/IPv6

OK

IPv4/IPv6:IPv4とIPv6のデュアルスタック構成

パケットの通信方向

TCPプロトコルの場合に有効で、IPパケットに含まれるTCPコネクションの確立方向(SYNフラグだけがセットされたTCPパケットの通信方向)を識別します。

◆動作

フィルタ条件にヒットしたIPパケットに対する動作を表現します。

アクセス制御機能では、以下の動作を設定できます。

■フェイルセーフ

本製品では、受信したIPパケットに適用されるフィルタリング条件の検索の最後で、必ずヒットし、かつ破棄動作が指定されたAny条件を自動的に追加しています。
これにより、設定されたフィルタリング条件にヒットしないIPパケットは破棄されます。


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