PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)
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付録D コマンドリファレンス

D.3 sdxgroup − グループの操作

■形式

sdxgroup -C -c class -h hgroup -l lgroup,...
[-a attribute=value[,attribute=value]] [-e delay=msec]

sdxgroup -D -c class -h hgroup -l lgroup

sdxgroup -R -c class -g group

 

■機能説明

sdxgroupは、グループ・オブジェクト(シャドウグループは除く)を操作するためのコマンドです。スーパユーザ権限を持つユーザだけがsdxgroup コマンドを実行することができます。

 

■基本オプション

以下の基本オプションのうち、いずれかを指定します。

-C
Connect
lgroup,... で指定された1つあるいは複数のグループ(ストライプグループ、コンカチネーショングループ、またはスイッチグループ)を、hgroup で指定されたグループ(ミラーグループ、ストライプグループ、またはコンカチネーショングループ)に接続します。class にはlgroup が属しているクラスのクラス名を指定します。class がルートクラスの場合は、エラーとなります。

hgroup と同じ名前を持つグループが存在しない場合は、自動的に作成されます。

hgroup で指定されたグループのことを上位グループと呼び、lgroup で指定されたグループのことを下位グループと呼びます。

同じ上位グループに接続された下位グループおよびディスクは、上位グループのタイプ属性に応じて、ミラーリング、ストライピング、またはコンカチネートされます。上位グループに接続されても、下位グループのタイプ属性は変更されません。

以下の場合は、接続できません。
lgroup がミラーグループの場合
hgroup がスイッチグループの場合
lgroup hgroup のタイプ属性が同じである場合

また、すでにボリュームが存在しているグループを、他のグループに接続することはできません。

以下は、グループをミラーグループに接続する場合、ストライプグループに接続する場合、および、コンカチネーショングループに接続する場合の3つの場合に分けて説明します。

グループをミラーグループに接続する場合:

lgroup,...
で指定された1つあるいは複数のグループ(ストライプグループあるいはコンカチネーショングループ)を、ミラーグループであるhgroup に接続することができます。

同じミラーグループに接続されたディスクおよび下位グループは、互いにミラーリングされます。ディスクまたは下位グループが1つしか接続されていない場合、そのミラーグループに作成されるボリュームはミラーリングされません。n多重のミラーリングを行う場合は、n個のディスクまたは下位グループを接続する必要があります。最大8多重までのミラーリングが可能です。

hgroup で指定されたミラーグループ内にすでにボリュームが存在する場合、すでに接続されているディスクまたは下位グループのスライス構成を、新たに接続されたlgroup に対して自動的にコピーします。また、hgroup に起動中のボリュームが存在する場合、sdxgroupコマンドの復帰後に、スライス構成だけではなく、ボリュームのデータも自動的にコピーすることにより、ミラーの多重度が増やされます。

ミラーグループの有効サイズ(ボリュームとして使用可能な容量)は、ミラーグループに接続された最小のディスクまたは下位グループの有効サイズと同じになります。lgroup を接続することによってhgroup の有効サイズが減少した場合、警告メッセージを標準エラー出力します。

スイッチグループが存在するクラスには、ミラーグループは作成できません。

グループをストライプグループに接続する場合:

lgroup,... で指定された1つあるいは複数のグループ(コンカチネーショングループ)を、ストライプグループであるhgroup に接続することができます。lgroup,... で指定されたグループは、指定された順にhgroup に接続されます。

同じストライプグループに接続されたディスクおよび下位グループは、各々がストライプ列の役割を果たし、接続された順にストライピングされます。ディスクまたは下位グループが1つしか接続されていない場合、そのストライプグループにはボリュームを作成できません。n列のストライピングを行う場合は、n本のディスクまたは下位グループを接続する必要があります。2列以上、最大64列までのストライピングが可能です。

hgroup で指定されたストライプグループがすでに存在している場合、hgroup 内にすでに存在しているストライプ列の後に、lgroup,... で指定された順にストライプ列が追加されます。ただし、すでに存在しているストライプグループに、有効サイズがストライプ幅よりも小さいグループを接続することはできません。また、すでにボリュームが存在するストライプグループ、および上位グループに接続されているストライプグループに対しては、グループを接続してストライプ列数を増やすことはできません。

ストライプグループの有効サイズ(ボリュームとして使用可能な容量)は、ストライプグループに接続された最小のディスク(または下位グループ)の有効サイズに、ストライプ列数を掛けて、(ストライプ幅)×(ストライプ列数)とシリンダサイズとの公倍数に切り捨てたサイズとなります。lgroup を接続することによってhgroup の有効サイズが減少した場合、警告メッセージを標準エラー出力します。

スイッチグループが存在するクラスには、ストライプグループは作成できません。

グループをコンカチネーショングループに接続する場合:

lgroup,...で指定された1つあるいは複数のグループ(スイッチグループ)を、コンカチネーショングループであるhgroupに接続することができます。同じコンカチネーショングループに接続されたスイッチグループは、lgroup,...で指定された順にコンカチネートされます。最大64個までのコンカチネーションが可能です。

コンカチネーショングループの有効サイズ(ボリュームとして使用可能な容量)は、コンカチネーショングループに接続された下位グループの有効サイズを合計したサイズとなります。

すでに存在しているコンカチネーショングループに下位グループを接続することによって、コンカチネーショングループの有効サイズを増加させることができます。hgroupで指定されたコンカチネーショングループがすでに存在している場合、hgroup 内で最後にコンカチネートされた下位グループの後ろに、lgroup,...で指定された順に下位グループがコンカチネートされます。ただし、上位グループに接続されているコンカチネーショングループに対しては、下位グループを接続することはできません。

ディスクが接続されているコンカチネーショングループには、スイッチグループは接続できません。

 

-D
Disconnect
lgroup で指定されたグループを、上位グループであるhgroup から切断します。class にはlgroup が属しているクラスのクラス名、hgroup にはlgroup が接続されている上位グループのグループ名を指定します。

hgroup lgroup のみが接続されている場合、lgroup が切断されると、hgroup も自動的に削除されます。ただし、lgroup のみが接続されているhgroup が上位グループに接続されている場合はエラーとなり、lgroup を切断することはできません。そのようなlgroup を切断するには、まずhgroup をその上位グループから切断してください。

lgroup を切断することによって、hgroup 内に存在する任意のボリュームの状態が変化する可能性がある場合は、lgroup の切断はできません。

以下に、グループをミラーグループから切断する場合、ストライプグループから切断する場合、およびコンカチネーショングループから切断する場合の3つの場合に分けて、切断できない条件について説明します。

グループをミラーグループから切断する場合:

たとえば、hgroup で指定されたミラーグループにボリュームが存在していて、かつhgroup lgroup のみが接続されている場合、lgroup の切断はできません。

グループをストライプグループから切断する場合:

ボリュームが存在するストライプグループ、および上位グループに接続されているストライプグループから、下位グループを切断することはできません。

グループをコンカチネーショングループから切断する場合:

コンカチネーショングループから切断できるのは、最後にコンカチネートされた下位グループのみです。

ボリュームの領域が存在する下位グループを、コンカチネーショングループから切断することはできません。

 

-R
Remove
group で指定されたグループの定義を削除します。class には、group が属しているクラスのクラス名を指定します。

group に接続されているディスクおよび下位グループは切断されます。切断されたディスクのタイプ属性は、接続前のタイプ属性(キープディスク、シングルディスクまたは未定義ディスク)に戻ります。

group 内にボリュームが存在している場合およびgroup が上位グループに接続されている場合は、削除できません。

 

■サブオプション

以下のサブオプションが指定できます。

-a attribute=value[,attribute=value] (-C指定時)
-Cオプション指定時に新しいグループ名を-hオプションで指定した場合、自動的に新しいグループhgroup が作成されます。本オプションでは、作成されるhgroup の属性としてattribute value に設定します。

attribute には属性名、value には属性値を指定します。attribute value の間には、必ずイコール(=)を入れます。複数の属性を設定する場合は、これらの指定子の組合せをカンマ(,)で区切って指定します。

グループが作成されない場合、既存のhgroup の属性値と異なるvalue を指定するとエラーとなります。既存のhgroup の属性値を変更することはできません。

attribute value には、以下の任意の組合せが指定できます。
複数の属性が指定された場合、一部の処理でエラーが発生すると一切処理を行いません。

type=mirror、type=stripe、またはtype=concat (省略時はmirror)
hgroup のタイプ属性を設定します。
mirror
タイプ属性を「ミラー」に設定します。
stripe
タイプ属性を「ストライプ」に設定します。
concat
タイプ属性を「コンカチネーション」に設定します。

width=blks (省略時は32)
hgroup のストライプ幅を設定します。blks には、ストライプ幅をブロック数(10進数)で指定します。1ブロックは512バイトです。blks に指定可能な値は、2のべき乗で、1以上、かつlgroup,...で指定された最小のグループの、有効サイズ以下の整数です。hgroup がストライプグループではない場合は、エラーとなります。

 

-c class
class には、操作対象となるグループが属しているクラスのクラス名を指定します。

 

-e delay=msec (-C指定時)
グループをミラーグループに接続した場合、必要に応じてボリューム内のデータがコピーされます。このコピー処理に伴うディスクへの入出力要求の発行をmsec で指定された時間(単位はミリ秒)だけ遅延させます。

本オプションによって、ボリュームを使用しているアプリケーションへの影響を調整できます。

遅延時間の省略値は0です。

msec に指定可能な値は、0から1000までです。

hgroup がミラーグループではない場合、本オプションの指定は無視されます。

 

-g group (-R指定時)
group には、操作対象となるグループのグループ名を指定します。

 

-h hgroup (-C,-D指定時)
hgroup には、操作対象となる下位グループが接続されている、または接続しようとしている上位グループのグループ名を指定します。

 

-l lgroup (-D指定時)
lgroup には、操作対象となる下位グループのグループ名を指定します。

 

-l lgroup,... (-C指定時)
lgroup には、操作対象となる下位グループのグループ名を指定します。複数のグループを接続する場合は、グループ名をカンマ(,)で区切って指定します。

 

■戻り値

正常終了した場合には0を返し、そうでない場合には0以外の値を返します。


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