PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)
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第1章 機能> 1.3 運用管理性を向上させる機能

1.3.5 アクセス制御

GDSは、利用者の操作ミスなどによるデータ破壊を未然に防ぐために、以下のアクセス制御機能を提供します。

■クラススコープ

ディスク装置をGDSで管理するためには、特定のクラスへ登録する必要があります。クラスは、複数のディスクを入れる器のような役割を果たします。
クラスは、スコープという属性を持っており、クラスに登録されたディスクに対して、操作したりアクセスしたりできるノード群を決めることができます。つまり、決められたノード群以外からは、ディスクへの操作が抑止され、誤って構成を変更してしまったり、データ矛盾を発生させたりすることがなくなります。

たとえば、あるディスク装置群がノードA、ノードB、ノードCという3つのノードに接続されていて、一部のディスク装置は、ノードAとノードBからのみアクセスし、残りのディスク装置は、ノードBとノードCからのみアクセスする運用を想定します。

この例では、2つのクラスを作って、ノードAとノードB、ノードBとノードCで共用するディスクを分けて管理します。これによって、クラスのスコープに定義されていないノードCやノードAからは一切操作できないように保護されます。

[図:クラススコープ ]

 

■ボリュームの起動/停止

GDSの論理ボリュームは、共用しているノードごとに、一時的に停止させたり、起動したりすることができます。

停止中のボリュームには、そのノードからアクセスすることができません。したがって、誤ってアクセスしてデータ矛盾を発生させることがなくなります。

[図:ボリュームの起動/停止]

 

■アクセスモード

論理ボリュームには、アクセスモードという属性を、共用しているノードごとに定義することができます。アクセスモードには、読み書き用モードと読み取り専用モードの2つがあります。

たとえば、ある特定のノードから、データのバックアップをするために、論理ボリュームへアクセスするときには、読み取り専用モードに設定しておくことによって、誤った書き込みを防止することができます。

[図:アクセスモード]

 

起動ロック

論理ボリュームは、ノードの起動やクラスタアプリケーションの起動と連動して、自動的に起動され、アクセス可能となります。逆に、クラスタアプリケーションを停止すると、自動的に論理ボリュームも停止するため、クラスタアプリケーションが停止しているノードから、誤って論理ボリュームへアクセスしてしまうことはありません。

しかしながら、ノードをリブートしたりすると、予期せずボリュームが起動されてしまう場合も考えられます。

こうした場合にも、起動を抑止するための機構として、論理ボリュームに起動ロック属性を定義できます。あるノードで、起動ロックが有効となっている場合、ノードのリブートやクラスタアプリケーションの起動と連動して、自動的にボリュームが起動されることを抑止できます。

[図:起動ロック]



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