PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティング環境版) |
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第3部 Global File Services 共用ファイルシステム | > 第24章 ファイルシステムのバックアップとリストア | > 24.7 GFS 共用ファイルシステムの高速バックアップ・リストア |
GFS 共用ファイルシステムでは、コピーの形態によって以下の 2 つの運用パターンをサポートしています。
組込み(等価状態への移行)、切離しによりスナップショットを作成し、バックアップ・リストアを行う運用パターンです。
なお本運用パターンを使用する場合、ディスク装置本体のコピー機能は必須ではありません。組込みのための等価性コピーはハードウェア機能、ソフトウェア機能を自動的に選択します。
以下の流れで運用します。
1) バックアップ先はあらかじめバックアップ元に組み込み、バックアップ先とバックアップ元が等価性維持状態になるのを待ちます。
2) アプリケーションを停止するなど、ファイルシステム上のデータファイルがバックアップ可能な状態とします。
3) 切離しコマンドを発行すると、その時点でのスナップショットをバックアップ先に瞬時に作成することができます。
4) アプリケーションを再開させると平行にテープなどへのバックアップを行います。
5) 再度組込みを行い、次の切離しに備えます。
切離し状態の間のみバックアップ先にアクセスできます。またこの間に後述の sfcproxyop(1M) コマンドを使用することでバックアップ先のファイルシステムをマウントし、ファイル単位でのバックアップを行うこともできます。
組込みの等価性回復処理は、GDS の JRM 機能またはハードコピー機能により切離しから組込みの間にバックアップ元の変更されたデータのみコピーされます。このため、業務アプリケーションが使用するバックアップ元のディスクに対する I/O 負荷を最小限とすることができます。このため、定常的なスケジューリング運用のバックアップに適しています。
リストア時は、全面コピーとなります。当社ディスクアレイ装置 ETERNUS6000, ETERNUS3000 の場合、OPC 機能を利用してリストアを行います。リストア完了後、一旦、関連付けを解除し再度関連付けを行います。
瞬時コピーによりバックアップ・リストアを行う運用パターンです。本運用パターンを使用する場合、当社ディスクアレイ装置 ETERNUS6000 または ETERNUS3000 の OPC 機能が利用できることが前提となります。
バックアップコマンドを発行すると、その時点でのバックアップ元のファイルシステムの内容がバックアップ先へ論理的に瞬時にコピーされます。実際には、バックアップ元からバックアップ先にデータコピーがバックグラウンドで行われます。しかしバックアップコマンド発行後すぐに後述の sfcproxyop(1M) コマンドを使用することでバックアップ先のファイルシステムをマウントし、ファイル単位でのバックアップを行うこともできます。
OPC 運用の場合は、等価性方式のように事前に等価性維持状態にしておく必要がないため、スケジューリングが不要です。その反面、スナップショットを作成した後、しばらくディスクアレイ装置内で全データのコピー処理が行われます。このため、特にバックアップ先にアクセスする場合にはコピー処理が完了するまでの間、バックアップ先およびバックアップ元のディスクへの I/O 負荷がかかります。
EC運用、OPC運用
の運用パターンについては、それぞれの特性を考慮した上で選択してください。
EC 運用の場合、瞬時に切離しを行うためにはバックアップ元とバックアップ先でのコピーが完了している必要があります。したがって組込み、切離しのスケジュール設計が必要となります。切り離しの間のバックアップ元で更新されたデータのみ組込み時にコピーを行うため、ディスクへの I/O 負荷を最小にすることができます。
OPC 運用の場合は、等価性方式のように事前に等価性維持状態にしておく必要がないため、スケジューリングが不要です。しかしスナップショットが作成された後、しばらくの間、ディスクへの I/O 負荷が EC 運用より多くなります。
また、OPC 運用では当社ディスクアレイ装置 ETERNUS6000 またはETERNUS3000 の OPC 機能が前提となりますので、この機能が利用できない場合は EC 運用を選択することになります。
EMC社製ストレージ装置 Symmetrix のハードコピー機能は、物理ディスク全体のデータを他の物理ディスクにコピーする機能を提供していますが、物理ディスクの一部(スライスなど)のデータを他のディスク領域にコピーする機能は提供されていません。そのため、この機能を使用する場合は、グループ単位のEC運用を選択することになります。
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