PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティング環境版)
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第3部 Global File Services 共用ファイルシステム> 第15章 ファイルシステム設計> 15.2 システム設計

15.2.7 quota機能

 quota機能用語説明を使用する場合には、GFS 共用ファイルシステムでは、external quotas ファイと internal quotas ファイという管理データを使用します。sfcnewfs(1M) でファイルシステム作成する時にこれらの管理データに必要となる領域を考慮することが必要です。

1. quotas ファイル内の構造

 quota 情報は、1 ユーザ当たり 64 バイトの領域を使用します。またファイル内でのユーザの quota 情報は、UID の値に 64 バイトを掛けたオフセットに格納されます。

 各ユーザの UID は連番にすることを推奨します。連番になっていない場合、quota 情報が格納されない未使用領域が発生し、スペース効率が悪くなります。また、quota 情報のアクセス時にキャッシュにヒットせず、実 I/O を伴ってシステム性能を低下させてしまう場合があります。

2. quotas ファイルデータ格納領域

 internal quotas ファイルのデータ領域用語説明Vデータ領用語説明から獲得し、external quotas ファイルのデータ領域はファイルデータ領用語説明から獲得します。

 V データ領域からの獲得単位は 1 キロバイト、ファイルデータ領域からの獲得単位は 8 キロバイトです。

 したがって UID が X から Y までの連続したユーザを制限する場合は、以下の式で internal quotas として使用されるVデータ領域量が見積もれます。

 また、以下の式で external quotas ファイルで使用されるファイルデータ領域量が見積もれます。

 UID を 1000 から 2999 までの連番とした場合の例を以下に示します。


<internal quotas ファイル>

  1 キロバイトブロックの中に入るユーザの情報は 1024 / 64 = 16

  1000 から 2999 の連番の場合、

       1000 / 16 = 62.5

       2999 / 16 = 187.4375

  なので、第 62 ブロックから第 187 ブロックまでの 126 ブロックを使用します。

  このため、

       126 * 1KB + 1KB (root の分) = 127KB

  127 キロバイトの領域を必要とします。

<external quotas ファイル> 8 キロバイトブロックの中に入るユーザの情報は 8192 / 64 = 128 1000 から 2999 の連番の場合、 1000 / 128 = 7.8125 2999 / 128 = 23.4... なので、第 7 ブロックから第 23 ブロックまでの 17 ブロックを使用します。 このため、 17 * 8KB + 8KB (root の分) = 144KB 144 キロバイトの領域を必要とします。


 既に運用中の GFS 共用ファイルシステムに quota 機能を使用する場合には、V データ領域に空き領域が十分存在するか確認してください。
 quota 機能が有効化されている場合、GFS 共用ファイルシステム上にファイルを持つ全ユーザの使用ファイル数と使用ブロック数を internal quotas ファイルで管理します。
 制限値が設定されていないユーザも管理の対象になります。

 quota 機能の詳細については、本書の“23.4 quota(クォータ)機能”を参照してください。

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