PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)
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第6部 PRIMECLUSTER対応製品編> 第16章 PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker> 16.1 機能概要

16.1.1 クライアントクラスタ

PRIMECLUSTERで構築されたクラスタシステムに存在する、共用ディスク、ローカルディスク上のデータに対し、クラスタ環境で整合性の取れたバックアップ運用(フェイルオーバが発生してもNetWorkerの定義を変更する必要がない)を可能とします。

またNetWorkerクライアントのスタンバイ運用を実現します。

■ 仮想クライアントバックアップ

PRIMECLUSTERが管理する共用ディスク上のデータを論理ノード名(仮想的なサーバ名)でバックアップできます。

論理ノード名は、PRIMECLUSTERの引継ぎIPアドレスで定義された仮想的なIPアドレスに関連付けられた仮想的な名前で、PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerが仮想的なNetWorkerクライアント/サーバ/ストレージノードをサポートするために管理する名前です。

論理ノード名を利用することにより、NetWorkerはクラスタシステムをシングルシステム同様に扱うことが可能となるため、フェイルオーバが発生しても、共用ディスク上のデータをNetWorkerの定義変更なしに、待機ノード(新運用ノード)からバックアップすることができ、またバックアップデータは、いずれのノードからでもリカバリできます。

論理ノード名は、クラスタのユーザアプリケーション単位に指定可能であるため、N:1 運用待機形態や相互待機形態など、複数のユーザアプリケーションが存在するクラスタシステムの場合でも、各ユーザアプリケーションを1シングルシステムとして扱うことにより、各共用ディスク上のデータを論理ノード名でバックアップ/リカバリすることが可能です。

■ クラスタ構成ノードのローカルバックアップ

クラスタを構成するノードの物理的なノード名を利用することにより、クラスタを構成する各ノードのローカルディスク上のデータをバックアップできます。

NetWorkerクライアントはクラスタを構成する全ノードで動作しているため、待機ノードのローカルディスク上のデータもバックアップ可能です。またフェイルオーバが発生しても、NetWorkerの定義変更なしに、バックアップ業務を継続できます。

■ NetWorkerクライアントのスタンバイ運用化

PRIMECLUSTERと連携し、運用ノードでは運用ノードのローカルディスクおよび共用ディスク上にあるデータバックアップのためのNetWorkerクライアントを起動し、待機ノードでは待機ノードのローカルディスク上のデータバックアップのためのNetWorkerクライアントを起動することにより、NetWorkerクライアントのスタンバイ運用を実現します。

またNetWorkerクライアント専用のプロセス監視機構(ディテクタ)が、NetWorkerクライアントプロセスを監視し、異常が発生した場合、PRIMECLUSTERに通知することにより、NetWorkerを使用したバックアップ運用システムの可用性をさらに高めます。


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