PCI Hot Plug ユーザーズガイド I/Oデバイス編
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目次

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第4章 ネットワーク関連デバイス
4.1 交換手順
4.1.2 冗長構成の場合
PCIカードの冗長化を行なうソフトウェアを使用している環境でPCIカードを交換する場合は、アプリケーションなどのサービスを停止せずにPCIカードの交換が可能になります。
ここでは、以下の冗長構成ソフトウェア製品を使用している場合のPCIカード交換手順を示します。
- SafeLINK 2.2以降
- PRIMECLUSTER GLS 4.1以降
SafeLINKについては、伝送路二重化機能のみサポートしています。
注意
活性交換によりSafeLINKまたはPRIMECLUSTER GLSの環境設定を変更した場合、システムのリブートを行う必要はありません。
その他の冗長構成を行なうソフトウェア製品を使用している場合は、各製品のマニュアルを参照してください。
- マシン管理のハードウェア監視の停止
マシン管理のハードウェア監視を停止するため、以下のコマンドを実行します。
# /usr/sbin/FJSVmadm/prephp <Return> |
- PCIカードの特定
交換対象となるPCIカードを冗長構成から切り離すために、コンソールに出力されたWARNINGメッセージなどから、切り離すインタフェース名(例: hme1)を特定します。
- 冗長構成からの切離し
交換対象のPCIカードを冗長構成から切り離すため、2.の手順で特定したインタフェース名を指定して、以下のコマンドを実行します。
運用・待機の冗長構成において運用パスを切り離した場合には、自動的に待機側が運用中に切り替わります。
PRIMECLUSTER GLS 伝送路二重化機能のGS/SURE連携方式を使用する場合、GS/SURE連携方式で使用する仮想インタフェース(sha0など)を非活性化する必要があります。
- 伝送路二重化機能の高速切替方式の場合
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic delete -n sha0 -i hme1 <Return>
# /usr/sbin/ifconfig hme1 unplumb <Return>
- 伝送路二重化機能のNIC切替方式の場合
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll off <Return>
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/stpptl -n sha1 <Return>
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic change -n sha0 <Return>
- 伝送路二重化機能のGS/SURE連携方式の場合
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/stphanet -n sha0 <Return>
- マルチパス機能の場合
# /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet stop mpnet0 hme1 <Return>
# /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet disconnect mpnet0 hme1 <Return> |
- PCIカードの切離し
- 2. の手順で特定したインタフェース(例: hme1)をもとに、PCIカードのスロット位置を特定します。
# /usr/sbin/FJSVmadm/inst2comp hme1 <Return>
pcipsy21:R0B01-PCI#slot03 |
- 求めたAp_Idを指定して、切離しを行うPCIカードのスロット状態が"connected configured"であることを確認します。
# cfgadm pcipsy21:R0B01-PCI#slot03 <Return>
Ap_Id | Type | Receptacle | Occupant | Condition |
pcipsy21:R0B01-PCI#slot03 | pci-pci/hp | connected | configured | ok |
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- Ap_Idを指定してPCIカードを切り離すコマンドを実行した後、スロット状態が"disconnected unconfigured"になったことを確認します。
# cfgadm -c disconnect pcipsy21:R0B01-PCI#slot03 <Return>
# cfgadm pcipsy21:R0B01-PCI#slot03 <Return>
Ap_Id | Type | Receptacle | Occupant | Condition |
pcipsy21:R0B01-PCI#slot03 | unknown | disconnected | unconfigured | unknown |
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- 交換作業時にスロット位置を確認しやすくするため、4.a.のAp_Idを指定してALARM LEDを点滅させます。
# cfgadm -x led=fault,mode=blink pcipsy21:R0B01-PCI#slot03 <Return> |
- PCIカードの交換
4.の手順で切り離したPCIカードと新しいPCIカードを交換します。本作業は、当社技術員が行います。
注意
PRIMECLUSTER GLSのマルチパス機能によって切離しを行った後、PCIカードを交換するまで10秒以上の間隔をあけてください。
- PCIカードの組込み
Ap_Idに対してconfigure指定のcfgadm(1M)コマンドを実行するか、または、交換したPCIカードのスロットにあるプッシュボタンを押して新規PCIカードを組み込みます。
なお、プッシュボタンはマルチユーザモードの場合だけ有効です。
その後cfgadm(1M)コマンドによってスロット状態が"connected configured"になったことを確認します。
注意
driver.conf(4)ファイルに設定を行っている場合、「5.1.1 ネットワークドライバの設定変更」を参照してください。
# cfgadm -c configure pcipsy21:R0B01-PCI#slot03 <Return>
# cfgadm pcipsy21:R0B01-PCI#slot03 <Return>
Ap_Id | Type | Receptacle | Occupant | Condition |
pcipsy21:R0B01-PCI#slot03 | pci-pci/hp | connected | configured | ok |
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- 冗長構成への組込み
交換したPCIカードを冗長構成に組み込むため、2.で特定したインタフェース名を指定して、以下のコマンドを実行します。
- 伝送路二重化機能の高速切替方式の場合
# /usr/sbin/ifconfig hme1 plumb <Return>
# /usr/sbin/ifconfig hme1 IPアドレス netmask + broadcast + -trailers up <Return>
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic add -n shaX -i hme1 <Return>
- 伝送路二重化機能のNIC切替方式の場合
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic change -n shaX <Return>
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/strptl -n shaY <Return>
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll on <Return>
- 伝送路二重化機能のGS/SURE連携方式の場合
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/strhanet -n shaX <Return>
- マルチパス機能の場合
# /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet connect mpnet0 hme1 <Return>
# /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet start mpnet0 hme1 <Return> |
注意
ifconfig(1M)コマンドで指定したIPアドレスは、/etc/inet/hostsおよび/etc/hostname.hme1に必ず設定してください。
これらのシステム設定を行わないと、システムリブートが行われた場合に高速切替方式の仮想インタフェースを活性化することができなくなります。
なお、IPv6アドレスを使用する場合には、PRIMECLUSTER GLSのマニュアルを参照してください。
- 運用パスの切り戻し(必要な場合のみ)
必要に応じて、運用パスの切り戻しを行ってください。
- マシン管理のハードウェア構成情報更新/ハードウェア監視の起動
マシン管理のハードウェア構成情報更新とハードウェア監視の再起動のため、以下のコマンドを実行します。
# /usr/sbin/FJSVmadm/postphp <Return> |
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