PCI Hot Plug ユーザーズガイド I/Oデバイス編 |
目次
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ここでは、Solaris 8 OEシステムにおいて、新規に冗長構成のPCIカードを追加する場合の手順の流れを、以下の冗長化ソフトウェア製品を例にあげて示します。
他の冗長化ソフトウェア製品を使用している場合は、各製品のマニュアルを参照してください。
ここでは、target=3,lun=0〜2の冗長コントローラ構成のディスクアレイ装置を予約定義する場合を例に説明します。
定義が行われていない場合は、PCI Hot Plugによる増設が行えないため、システム運用に入る前に、必ず定義を行ってください。
ディスクアレイ装置の予約増設を初めて実施する場合は、1.a.の手順から作業を開始します。/usr/sbin/hddvadmdrが存在し、以前に予約増設を実施したことがある場合は、1.e.の手順から作業を開始してください。
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# hddvadm -i <Return> |
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# vi /kernel/drv/sd.conf <Return> |
ただし、システムディスクやCD-ROM等のsdドライバですでに使用中のtarget番号は削除できません。
このような場合は、hddv.confとディスクアレイ装置のtarget番号を、sd.confと重複しない番号に変更してください。
# ls /kernel/drv/hddv.conf <Return> |
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# touch /reconfigure <Return> |
マシン管理のハードウェア異常監視デーモンを停止するため、以下のコマンドを実行します。
# /usr/sbin/FJSVmadm/prephp <Return> |
以下の手順により、PCIカードを増設します。
なお、下記環境設定のファイバチャネルカードを増設する場合には、増設部品のWWPN(World Wide Port Name:全16桁の数字)が必要となります。
ただし、Systemwalker/StorageMGRのSAN管理機能、Softek SANView for ETERNUS(for Vixelは除く)、SP5000 SRM Facilityの何れかを使用している場合は、WWPNを自動的に確保するため、3.a.の作業に移ります。
増設するカードのWWPNは、カード前面板にシールで貼られている8桁の数字から導き出します。
この8桁の数字は、WWPNの下位8桁を16進数で表現しています。上位8桁の数字は、固定の16進数で10000000になります。
例えば、前面板上に記載された8桁の数字(0e244061)が下記の場合に、増設するカードのWWPNは100000000e244061になります。
0e24 4061 |
# prtpicl -v > /tmp/prtpicl.pre <Return> |
PCIスロットの場所 |
スロットを特定する要素 |
Ap_Idの書式 |
PRIMEPOWER 900/1500/2500の筐体内 |
筐体番号:X |
pcipsyN:CXM0Y-PCI#slotZZ |
PCI/ディスクBOX |
I/O筐体番号:X |
pcipsyN:RXB0Y-PCI#slotZZ |
上記以外 |
物理スロット番号:ZZ |
pcipsyN:PCI#slotZZ |
以降では、I/O筐体番号:0、PCI/ディスクBOX番号:1、物理スロット番号:02のPCI/ディスクBOX内スロット(R0B01-PCI#slot02)にPCIカード増設を行う場合を例として説明します。
# cfgadm | grep R0B01-PCI#slot02 <Return>
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# cfgadm -x led=fault,mode=blink pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return> |
# cfgadm pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return>
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3.b.で求めたAp_Idに対してconfigure指定のcfgadm(1M)コマンドを実行するか、または、増設スロット位置のプッシュボタンを押すことによって、増設したPCIカードを組み込みます。
なお、プッシュボタンはマルチユーザモードの場合のみ有効です。
その後cfgadm(1M)コマンドによって、スロット状態が"connected configured"になったことを確認します。
増設スロットのPCIカードに大規模構成のI/Oデバイスが接続されている場合には、状態確認のコマンド実行に時間がかかることがあります。
# cfgadm -c configure pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return>
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マシン管理のハードウェア構成情報更新とハードウェア監視の再起動のため、以下のコマンドを実行します。
# /usr/sbin/FJSVmadm/postphp <Return> |
増設したPCIカードに、冗長コントローラ構成の新規ディスクアレイ装置を接続します。
ファイバチャネルスイッチSN200 seriesの構成において、ゾーニング機能を使用している場合には、追加した装置に対するゾーニング設定を行う必要があります。
【Systemwalker/StorageMGRのSAN管理機能、Softek SANView for ETERNUS(for Vixelは除く)、SP5000 SRM Facilityの何れかを使用している場合】 | |
SN200 seriesのゾーニング情報の変更、ディスクアレイ装置ETERNUS3000/ETERNUS6000/GR700/800 seriesのホストゾーニング(Host Afinity)設定の変更、fjpfca.conf,sd.confの変更は、SAN管理画面から『アクセスパスの設定』を実行することで自動的に行われます。 詳細は、各製品の使用手引書もしくはユーザーズガイドを参照してください。 なお、この機能を実行する場合には、次の手順 7.a.1)および7.a.2)[fcp-bind-target以外の設定]を事前に実施しておく必要があります。 また、この機能実行後には、7.a.3)から処理を進めてください。 |
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【上記製品のSAN管理機能を使用していない場合】 | |
SN200 seriesの設定変更を個別に行う必要があります。詳細は、"SN200 seriesゾーニングユーザガイド"および"ETERNUSmgrユーザガイド/GRmgrユーザガイド"を参照してください。 |
注意
SN200 seriesにおいてゾーニング設定の変更を行った場合、実行中の他の装置へのI/Oがゾーニング変更の影響を受け、一時的なエラーが発生することがあります。
ディスクアレイ装置などに対するI/Oは、リトライ処理により正常に復旧しますが、ファイバチャネルテープ装置では、バックアップ処理等がエラー終了することがあります。ゾーニングの変更処理は、バックアップを停止してから実施してください。
以下の操作により、ドライバの設定を追加します。
ファイル関連ドライバでは、PCIカードドライバとデバイスドライバの設定を追加する必要があります。
【SCSIドライバ(Solaris OE:glm)の場合】 | ||||||||||
設定は不要です。 | ||||||||||
【Fibre Channelドライバ(FUJITSU PCI Fibre Channel)の場合】 | ||||||||||
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ここでは、target=3,lun=0〜2の冗長コントローラ構成のディスクアレイ装置を1.の手順で予約定義し、6.の手順で増設した場合を例に説明します。
1) |
1.の予約定義後のシステム運用状況によっては、1.の作業時からの状況変化が考えられるため、sd.confとhddv.confのLUN定義に重複がないことを再度確認します。 "チェックNGの場合"には、双方の定義が重複しているため、1.d.の手順に戻ります。
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2) |
ハードディスクドライバに追加したLUNの組込みを指示するため、以下のコマンドを実行します。
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3) |
prtpicl(1M)コマンドの実行結果を保存後、3.a.の採取情報との差分をとることによって、追加したLUNの物理パス名を求め、これに対応する/dev/dsk配下の論理パス名を求めます。 以下の例では、"c3t3d0","c4t3d0"が追加したlun=0の論理パス名であると判断することができます。lun=1,2の論理パス名は、cXtYdZが、X:PCIカード番号、Y:target番号、Z:lun番号を示すことから、それぞれ"c3t3d1","c4t3d1","c3t3d2","c4t3d2"になります。
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4) |
format(1M)コマンドを起動し、7.b.3)で求めた各増設LUNの論理パス名に対して、ラベル付けやパーティション(スライス)情報の設定処理を行います。 本作業は、追加した代表論理パスの各LUNに対して実行すればよく、追加した複数枚のPCIカードごとに実行する必要はありません。 |
新規に冗長構成を構築するため、以下のコマンドを実行します。
MPHDの場合には、7.b.3)の手順で特定した論理パス名をコマンドの実行パラメタに指定し、追加したLUN数分コマンドを実行する必要があります。
以下の例の斜体部分は、新規に構築された冗長化ソフトウェアのパス名、下線部分は、冗長化ソフトウェアのパスを構成する個々の論理パス名を示します。
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8.の手順で構築した冗長化ソフトウェアのパス名を使用して、上位製品(サービス)の設定を追加します。
【ファイルシステム運用の場合】 | |||||||||||||||||
ファイルシステムを作成します。 システム起動時に毎回マウントするには、/etc/vfstabファイルにエントリを追加します。
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【rawアクセス運用の場合】 | |||||||||||||||||
上位アプリケーションの設定処理を行います。 詳細は、各アプリケーション製品のマニュアルを参照してください。 | |||||||||||||||||
【swapデバイスの場合】 | |||||||||||||||||
swapデバイスを追加します。
システム起動時に毎回有効にするには、/etc/vfstabファイルにエントリを追加します。
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8.の手順で構築した冗長化ソフトウェアのパス名を使用して、上位製品(サービス)を起動します。
【ファイルシステム運用の場合】 | ||
ファイルシステムをマウントします。
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【rawアクセス運用の場合】 | ||
上位アプリケーションの起動処理を行います。 詳細は、各アプリケーション製品のマニュアルを参照してください。 |
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【swapデバイスの場合】 | ||
作業はありません。 |
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