InfoDirectory使用手引書

2.2.11.2 バックアップ

　トラブルに備えてInfoDirectoryが動作するために必要な資源を定期的にバックアップ（退避）することを推奨します。バックアップする資源としては、以下の2つがあります。

• InfoDirectoryサーバ
  　
• InfoDirectory管理ツール

　バックアップは、運用開始前に一度実施するようにしてください。また、運用中は、資源を定期的に（月1回程度）外部の媒体に退避することを推奨します。なお、運用中はInfoDirectoryサーバの資源をバックアップするようにしてください。

 

2.2.11.2.1 InfoDirectoryサーバのバックアップ

InfoDirectoryサーバでは、3種類のバックアップ方法があります。用途に合わせて以下の資源をバックアップするようにしてください。

• DSA資源

  　DSA資源とは、InfoDirectoryサーバが動作するために必要な資源であり、「DSAの格納先ディレクトリ」配下にあります。以下におもな資源を示します。

  • DSAデータベース
  • SSL定義ファイル
  • スキーマ定義ファイル
  • ログ定義ファイル
  • ログ（エラーログ／アップデートログ／変更ログ）
    　
• DSAデータベース

  　DSA資源に含まれているDSAデータベースです。DSAデータベースには、エントリデータなどの情報が含まれています。

• 証明書環境

  　SSL通信で必要な証明書環境の資源です。
  　

DSA資源のバックアップ

　DSA資源のバックアップでは、ハードディスク障害などに備え、InfoDirectoryサーバが動作に必要なDSA資源をバックアップすることができます。

　DSA資源は、odsidbkupコマンドを使用して、指定したディレクトリもしくは外部媒体にバックアップすることができます。運用中にDSA資源をバックアップすることが可能です。
なお、管理ツールを使用してDSA資源をバックアップすることはできません。また、InfoDirectoryサーバが動作に必要なDSA資源をバックアップしますので、バックアップする資源は多くなります。

　

DSA資源のバックアップ中は、InfoDirectoryサーバに対して更新操作はできません。この状態で、エントリの更新などを行うと、LDAPエラーコード 0x33(DSA is busy )が通知されます。ただし、InfoDirectoryサーバへの参照操作は可能なので、運用を停止することなくバックアップすることができます。

DSAデータベースのバックアップ

　DSAデータベースのバックアップでは、エントリデータなどの資源だけをバックアップしますので、バックアップする資源は少なくなります。運用中にDSAデータベースをバックアップすることが可能です。

　DSAデータベースのバックアップは、odsbuコマンドまたは[管理ツール]ウィンドウの[サーバツール]メニュー → [サーバ管理]ウィンドウ → [バックアップ]タブからバックアップできます。

　バックアップしたファイルは、“backupXX.000”というファイル名で作成されます。XX は、バックアップした回数を示すバックアップ番号が設定されます。また、バックアップの制御情報は、“backup.ctrl”ファイルに保持されます。

　DSAデータベースのバックアップ機能は、以下の機能を提供しています。

• バックアップ先ディレクトリの指定

  　指定したディレクトリにDSAデータベースの資源をバックアップすることができます。バックアップ先を指定しない場合、DSAの格納先ディレクトリ配下にバックアップされます。

• 世代数の指定

  　バックアップしたDSAデータベースの資源を世代管理することができます。指定された世代数が、ファイルとして保持されます。世代数の初期値は、5(世代)です。

• コメント

  　コメントを設定することができます。

• 不要バックアップDSAデータベースの削除

  　不要なバックアップDSAデータベースは削除することができます。

  　

  

  • DSAデータベースのバックアップ中は、InfoDirectoryサーバに対して更新操作はできません。この状態で、エントリの更新などを行うと、LDAPエラーコード 0x33(DSA is busy )が通知されます。ただし、InfoDirectoryサーバへの参照操作は可能なので、運用を停止することなくバックアップすることができます。
  • 世代数を超えるバックアップDSAデータベースは、バックアップを行っても自動的に削除されません。明にバックアップDSAデータベースを削除する必要があります。この場合、指定された世代数を超えた数だけ、古いバックアップDSAデータベースから削除されます。

    “Backup.ctrl”の内容

    　以下の内容は、DSAの格納先ディレクトリに世代数が5で、DSAデータベースを3つバックアップした状態のサンプルです。これらの情報は管理ツールから参照することができます。

    　Number = 5
    　Next = 4
    　Directory = .
    　backup1.000 2001 / 08 / 04 , 04 : 16 : 29
    　backup2.000 2001 / 08 / 04 , 04 : 22 : 34
    　backup3.000 2001 / 08 / 04 , 04 : 55 : 46

    　

  • Number

    　世代数の値です。

  • Next

    　次にバックアップされる世代番号です。

  • Directory

    　バックアップ先のディレクトリ名を示します。“.”はDSAの格納先ディレクトリを示します。

  • backupX.000 XXXX / XX / XX , XX : XX : XX

    　バックアップDSAデータベースのリストです。ファイル名とバックアップした日時を示します。

　

　

証明書環境のバックアップ

　証明書環境は、odsmgrbkupコマンドを使用して、指定したディレクトリにバックアップすることができます。運用中に証明書環境をバックアップすることが可能です。

 

2.2.11.2.2 InfoDirectory管理ツールのバックアップ

　InfoDirectory管理ツールは、odsmgrbkupコマンドを使用してInfoDirectory管理ツールの資源をバックアップします。なお、以下のバックアップする資源は、「InfoDirectory管理ツールのインストールディレクトリ」配下にあります。

• ログイン情報ファイル

  　ログインするときに必要なファイルです。

  

  • 「etc\client\login」配下
  • 「etc\client\ldap」配下
    　

  

  • 「etc/client/login」配下
  • 「etc/client/ldap」配下
    　
• 管理ツールエージェント情報ファイル

  　管理ツールエージェントが動作する上で必要なファイルです。

  

  • 「etc\server」配下
    　

  

  • 「etc/server」配下
    　
• 証明書環境

  　SSLで動作する上で必要なファイルです。証明書環境とSSL環境の情報が含まれています。

  

  • 「etc\ssl」配下
    　

  

  • 「etc/ssl」配下