Systemwalker Operation Manager 解説書 - UNIX共通 - - Microsoft(R) Windows NT(R)/Windows(R) 2000/Windows Server(TM) 2003 - |
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第4章 運用例 | > 4.4 ジョブの実行環境の調整 |
本項では、大量のジョブが同時に起動されるスケジュールを設定した場合に、ジョブの実行多重度を調整してシステム負荷を抑え、効率的に運用する例を示します。
本項で説明する業務の概要を示します。
以下の例では、業務の種別に応じて3種類の業務スケジュールがあります。
いずれの業務も、月曜日の朝9時に一斉にジョブを開始する運用となっています。
上記のような運用を行う場合、単純にジョブの実行開始時刻をスケジュールしただけでは、毎週月曜日にシステムの負荷が一時的にかなり増加してしまいます。
そこで、ジョブの実行多重度を設定して調整を行います。
上記のような運用の他に、例えば以下のような場合にも多重度の設定が有効です。多数の支店や部門から一度に多くのファイルやイベントを受信し、その受信を待ち合わせて業務を起動する運用の場合:
このような業務の場合、時刻起動ではないため起動時刻の調整が一切できません。一度に多数のファイルやイベントを受信する可能性があるため、多重度が設定されていないと一度に大量の業務が実行されてしまいます。このような場合にも多重度を設定することで、負荷を一定に抑えることができます。
ここでは、それぞれの業務の種別ごとにキューを作成し、各キューに多重度を設定します。
多重度の設定を行った場合、以下のような効果があります。
以下に、運用例の調整方法について概要を示します。
システムの多重度を“20”に設定し、それぞれのキューの多重度は以下のように設定します。
業務名 |
キューの多重度 |
総務 |
10個 |
営業 |
15個 |
物流 |
10個 |
これにより、下図に示すように、1つの業務で同時実行されるジョブの数を一定に抑え、ある業務のジョブだけが大量に実行され、他の業務のジョブが実行できなくなる状況を防ぐことができます。
なお、各キューの多重度を高めに設定し、システム全体の多重度を一定値に抑えると、システムのリソース(ジョブ実行時に利用する資源を指します)をより効率的に利用することができます。
以下にその例を示します。
上の例では、システム全体の多重度が20個と設定した場合に、各キューに同時に以下の数のジョブを依頼しています。
左側の例は、多重度を低めに設定した場合です。この場合、システム全体では20個までのジョブが実行可能ですが、実際には各キューの多重度の制御を受けてしまうために、キュー2とキュー3の空きが効率的に利用できず、全部で15個のジョブしか実行できません。
右側の例は、多重度を高めに設定した場合です。この場合、各キューの多重度にある程度余裕をもたせてあるため、キュー2とキュー3の空きを利用して、キュー1では15個すべてのジョブを実行させることができます。システム全体でも20個のジョブを実行させることができます。
このように、いずれかのキューに余裕ができたときには、繁忙業務のジョブを効率的に実行できるよう、多重度を低くしすぎないように考慮する必要があります。
システムの多重度およびキューの多重度の設定について、以下に手順を示します。
[スタート]メニューの[プログラム]から[Systemwalker Operation Manager]を選択し、表示されたサブメニューから[環境設定]をクリックすると、[Systemwalker Operation Manager環境設定]ウィンドウが表示されます。
[ジョブ制御]の[運用情報]ボタンを選択すると、[運用情報の定義]ウィンドウが表示されます。
[運用情報の定義]ウィンドウの[運用制御]シートを選択し、キューの編集を行います。ここでは、初期状態で用意されている[キュー]を編集して利用します。
[キュー]一覧から、“queue1”を選択し、[編集]ボタンをクリックします。
"queue1"の[キューの編集]ウィンドウが表示されます。
まず、“総務”用のキューを作成します。
ここで、[キュー名]に“soumu”を入力します。次に[同時実行可能なジョブ数を制限する]をチェックし、[ジョブの多重度]に“10”を入力します。
入力が終了したら[OK]ボタンをクリックしてください。[運用情報の定義]ウィンドウに戻ります。
同様の手順で“queue2”を編集して“営業”のキューを、“queue3”を編集して“物流”のキューを作成します。
[運用情報の定義]ウィンドウの[運用制御]シートで、[同時実行可能なジョブ数を制限する]の[ジョブの多重度]に“20”を入力します。
なお、この例では、ジョブを投入する時にキュー名を省略した場合は、"soumu"キューに投入されるよう指定しています。
これでジョブの実行環境の設定は完了です。
設定が完了したら[OK]ボタンをクリックして終了します。
[Systemwalker Operation Manager環境設定]ウィンドウ−[サービス制御]または[デーモン制御]から、ジョブ実行制御サービス/デーモンを再起動します。
あとは、それぞれの業務のジョブを登録する時に、[登録―ジョブ]ウィンドウの[キュー名]にそれぞれのジョブの投入先のキュー名を設定してください。
多重度の設定は、運用中に動的に変更することができます。また、ウィンドウ以外にコマンドを利用して設定することもできます。コマンドを利用した設定方法については“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
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