Interstage Application Server 移行ガイド
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第4章 Interstage Application Server V5からの移行

4.4 EJBサービスの移行

 ここでは、以前のバージョン・レベルのEJBサービスからの移行について説明します。

■ 移行/運用方法の違い

 運用方法の種類として、Interstage V5で提供されていた高速呼出し機能、およびV5.1で提供されたIJServer (Light EJBコンテナ機能)の運用方法、またはV7提供されたIJServerの運用方法があり、選択する運用方法によって移行方法が異なります。

 大きく分けて以下の2種類の移行方法があります。

  1. Interstage V5で提供されていた高速呼出し機能、およびV5.1で提供されたIJServer (Light EJBコンテナ機能)を、そのまま利用する場合


    特に移行作業は必要ありません。
    上書きインストールを行うことで、旧環境がそのまま引き継がれます。
    V7から提供されている機能は使用できません。


    旧環境を引き継ぐためにはバックアップ作業、およびリストア作業が必要になります。
    cpコマンドなどを使用して、以下のファイルのバックアップを行ってください。


    EJBサービス資源のバックアップを行う前に、コンポーネントトランザクションサービス資源とCORBAサービス資源のバックアップ、またはLight EJBコンテナ機能を使用していた場合にはejbinfocontainerコマンドですべてのEJBコンテナ定義のバックアップを行う必要があります。
    また、リストア作業では、ejbmakeacontainerコマンド、およびejbinstallebコマンドを使用して、バックアップしておいた資源のリストアを行います。Light EJBコンテナ機能を使用する場合には、バックアップしたすべてのEJBコンテナを作成する必要があります。

    バックアップとリストア作業の詳細については、旧バージョンの“Interstage運用ガイド”を参照してください。

  2. V7で提供されたIJServerを利用した運用に切り換える場合

    従来の運用方法に対して下表のような差異があるため、移行の際は留意が必要です。
    なお、V7で提供されたIJServerに対するセットアップ、および運用操作はInterstage管理コンソールを用いて簡単に行うことができます。

 以下に、それぞれの運用方法の違いを表で表します。

 

高速呼出し機能

旧バージョンにおけるIJServer
(LightEJBコンテナ機能)

Interstage V7

クライアントの環境設定

以下のファイルをクラスパスに設定します。


[JDK1.3の場合]
C:\Interstage\EJB\lib\fjcontainer32.jar
[JDK1.4の場合]
C:\Interstage\EJB\lib\fjcontainer34.jar


[JDK1.3の場合]
/opt/FJSVejb/lib/fjcontainer32.jar
[JDK1.4の場合]
/opt/FJSVejb/lib/lib/fjcontainer34.jar

以下のファイルをクラスパスに設定します。


[JDK1.3の場合]
C:\Interstage\EJB\lib\fjcontainer32.jar
[JDK1.4の場合]
C:\Interstage\EJB\lib\fjcontainer34.jar


[JDK1.3の場合]
/opt/FJSVejb/lib/fjcontainer32.jar
[JDK1.4の場合]
/opt/FJSVejb/lib/lib/fjcontainer34.jar

以下のファイルをクラスパスに設定します。


C:\Interstage\EJB\lib\fjcontainer72.jar

/opt/FJSVejb/lib/fjcontainer72.jar

(fjcontainer74.jarを使用することも可能ですが、特にJDKによってクラスパスを変更する必要はありません。)

配備

以下のツールを使用して配備を実行します。

  • J2EE Deploymentツール(非サーバ管理モード)
  • EJB Deploymentツールで展開処理実行後、以下のコマンドを実行してEJBアプリケーションをインストールします。
    ejbinstalleb [サーバ用生成物]

配備実行後にカストマイズツールを使用して、Java VM外から呼び出されるBeanを1つだけ“高速に呼び出すBean”に定義し、Java VM内で呼び出されるBeanを“高速に呼び出されるBean”に定義します。

以下のツールを使用してIJServer(またはLight EJBコンテナ)を作成します。

  • J2EE Deploymentツール(isdeployコマンド)
  • J2EE管理ツール
  • ejbmakecontainerコマンド

以下のツールを使用してIJServerに対してWebアプリケーション/EJBアプリケーションを配備します。

  • J2EE Deploymentツール(isdeployコマンド)
  • isdeploybコマンド
  • J2EE管理ツール
  • EJB Deploymentツールで展開処理実行後、以下のコマンドを実行してEJBアプリケーションをインストールします。
    ejbinstalleb -s [IJServer名] [サーバ用生成物]

IJServerに配備されたEJBアプリケーションは、同一Java VM上で動作します。ServletとEJBは別Java VMで動作します。

以下のツールを使用してIJServerを作成して、IJServerに対してWebアプリケーション/EJBアプリケーションを配備します。IJServerに配備されたEJBアプリケーションは同一Java VM上で動作します。

  • Interstage管理コンソール

IJServerには以下の4種類のIJServerを選択できます。

  • WebアプリケーションとEJBアプリケーションを同一Java VMで運用
  • WebアプリケーションとEJBアプリケーションを別Java VMで運用
  • Webアプリケーションのみ運用
  • EJBアプリケーションのみ運用

カスタマイズ

以下のツールを使用してEJBアプリケーションをカスタマイズします。

  • ejbcustx

以下のツールを使用してEJBアプリケーションをカスタマイズします。

  • ejbcustx -s [IJServer名]

または以下のツールを起動し、配備済みのEJBアプリケーションを選択してカスタマイズします。

  • J2EE Deploymentツール(isdeployコマンド)

以下のツールを使用して配備済みのEJBアプリケーションを選択してカスタマイズします。

  • Interstage管理コンソール

運用

以下のツールを使用して高速に呼び出されるBeanを登録したワークユニットを定義します。

  • isaddwudefコマンド
  • Interstage運用操作ツール

定義したワークユニットは以下のツールを使用して起動します。

  • isstartwu
  • Interstage運用操作ツール

IJServerを定義するとワークユニットも自動的に定義されます。
以下のツールを使用してIJServer(またはワークユニット)を起動します。

  • J2EE管理ツール
  • isstartwu
  • Interstage運用操作ツール

Interstage V6ではIJServerは以下のように位置付けています。

「J2EEアプリケーションを運用するワークユニットをIJServerと呼びます。(IJServerとワークユニットは1対1の関係を持ちます。) IJServerはJ2EEアプリケーションの配備対象であり、起動/停止の単位です。」

以下のツールを使用してIJServerを起動します。

  • Interstage管理コンソール

リソ|ス定義

以下のツールを使用してJ2EEの各種リソースを定義します。

  • J2EE管理ツール
  • J2EEリソースアクセス定義
  • J2EE Deploymentツール(isdeployコマンド)

以下のツールを使用してJ2EEの各種リソースを定義します。

  • Interstage管理コンソール

■ デフォルト設定の追加

 旧バージョンでMessage-driven Beanを運用する場合、カストマイズツールによるJMSコネクションファクトリ名とDestination名の定義が必須でした。
 V7では、JMSコネクションファクトリ名とDestination名を定義しなかった場合、以下のデフォルト設定で動作します。

 また、旧バージョンにおいて、トランザクション管理種別に“Container”が指定されていてトランザクション属性が設定されていないEJBアプリケーションは、運用することができませんでした。
 V7では、コンテナが自動的に“Required”が指定されたものとしてトランザクションの制御を行います。

■ 非推奨機能

 以下の機能群は、V6より非推奨機能となりました。いずれも旧資産との互換は保証されていますが、次期バージョンでは提供されない可能性があるため、代替機能への移行を推奨します。
 なお、これらの機能に対する定義操作は、Interstage管理コンソールではサポートされていません。

■ 同時処理数について

 V5で提供されたIJServerでは同時処理数のデフォルトは40でしたが、V7で提供されたIJServerでは同時処理数の最大値が64/最小値が16で動作します。

 同時処理数の最大値/最小値は、Interstage管理コンソールの[ワークユニット] > [EJBコンテナ設定]の“同時処理数”で設定可能です。

■ 性能オプションについて

 V5でサポートしていた以下の性能オプションについては、デフォルトで動作します。
 Interstage管理コンソールで指定する必要はありません。

■ STATELESS Session Beanのインスタンス数について

 STATELESS Session Beanのインスタンス数を定義する必要がなくなりました。
 STATELESS Session Beanのインスタンスは、STATELESS Session Beanへの初回アクセス時に“同時処理数の最大値”に指定された値の数だけ作成されます。

■ ログ出力について

 V5で各ファイルに出力されていた以下の情報については、IJServerのログ(Windows(R)システムの場合、J2EE共通ディレクトリ\ijserver\[IJServer名]\log配下のファイル、Solaris OE/Linuxシステムの場合、/opt/FJSVj2ee/var/deployment/ijserver/[IJServer名]/log配下のファイル)に出力されます。

 なお、従来から出力しているイベントログのメッセージについては、従来通りイベントログにもメッセージが出力されます。

(注1)

 connectorのログ出力先を、従来と同じ場所に出力する場合は、以下を設定してください。

定義ファイル格納ディレクトリ


Interstageインストールディレクトリ\J2EE\etc\jca


/opt/FJSVj2ee/etc/jca

定義ファイル名

jca.properties

指定するキー

“log.file.option”

指定する値

“V5”を指定します。


log.file.option=V5

■EJBアプリケーション名について

 EJBアプリケーション名に":"を使用することはできません。V5で":"を使用していた場合には、配備時にEJBアプリケーション名を変更してください。
 なお、名前を変更したEJBアプリケーション名を、アプリケーション名を変更せずにlookupする場合には、名前変換機能を使用してください。


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