Interstage Application Server 移行ガイド |
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第4章 Interstage Application Server V5からの移行 |
ここでは、以前のバージョン・レベルのEJBサービスからの移行について説明します。
運用方法の種類として、Interstage V5で提供されていた高速呼出し機能、およびV5.1で提供されたIJServer (Light EJBコンテナ機能)の運用方法、またはV7提供されたIJServerの運用方法があり、選択する運用方法によって移行方法が異なります。
大きく分けて以下の2種類の移行方法があります。
特に移行作業は必要ありません。
上書きインストールを行うことで、旧環境がそのまま引き継がれます。
V7から提供されている機能は使用できません。
旧環境を引き継ぐためにはバックアップ作業、およびリストア作業が必要になります。
cpコマンドなどを使用して、以下のファイルのバックアップを行ってください。
EJBサービス資源のバックアップを行う前に、コンポーネントトランザクションサービス資源とCORBAサービス資源のバックアップ、またはLight EJBコンテナ機能を使用していた場合にはejbinfocontainerコマンドですべてのEJBコンテナ定義のバックアップを行う必要があります。
また、リストア作業では、ejbmakeacontainerコマンド、およびejbinstallebコマンドを使用して、バックアップしておいた資源のリストアを行います。Light EJBコンテナ機能を使用する場合には、バックアップしたすべてのEJBコンテナを作成する必要があります。
バックアップとリストア作業の詳細については、旧バージョンの“Interstage運用ガイド”を参照してください。
従来の運用方法に対して下表のような差異があるため、移行の際は留意が必要です。
なお、V7で提供されたIJServerに対するセットアップ、および運用操作はInterstage管理コンソールを用いて簡単に行うことができます。
以下に、それぞれの運用方法の違いを表で表します。
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高速呼出し機能 |
旧バージョンにおけるIJServer |
Interstage V7 |
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クライアントの環境設定 |
以下のファイルをクラスパスに設定します。
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以下のファイルをクラスパスに設定します。
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以下のファイルをクラスパスに設定します。
(fjcontainer74.jarを使用することも可能ですが、特にJDKによってクラスパスを変更する必要はありません。) |
配備 |
以下のツールを使用して配備を実行します。
配備実行後にカストマイズツールを使用して、Java VM外から呼び出されるBeanを1つだけ“高速に呼び出すBean”に定義し、Java VM内で呼び出されるBeanを“高速に呼び出されるBean”に定義します。 |
以下のツールを使用してIJServer(またはLight EJBコンテナ)を作成します。
以下のツールを使用してIJServerに対してWebアプリケーション/EJBアプリケーションを配備します。
IJServerに配備されたEJBアプリケーションは、同一Java VM上で動作します。ServletとEJBは別Java VMで動作します。 |
以下のツールを使用してIJServerを作成して、IJServerに対してWebアプリケーション/EJBアプリケーションを配備します。IJServerに配備されたEJBアプリケーションは同一Java VM上で動作します。
IJServerには以下の4種類のIJServerを選択できます。
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カスタマイズ |
以下のツールを使用してEJBアプリケーションをカスタマイズします。
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以下のツールを使用してEJBアプリケーションをカスタマイズします。
または以下のツールを起動し、配備済みのEJBアプリケーションを選択してカスタマイズします。
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以下のツールを使用して配備済みのEJBアプリケーションを選択してカスタマイズします。
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運用 |
以下のツールを使用して高速に呼び出されるBeanを登録したワークユニットを定義します。
定義したワークユニットは以下のツールを使用して起動します。
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IJServerを定義するとワークユニットも自動的に定義されます。
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Interstage V6ではIJServerは以下のように位置付けています。 「J2EEアプリケーションを運用するワークユニットをIJServerと呼びます。(IJServerとワークユニットは1対1の関係を持ちます。) IJServerはJ2EEアプリケーションの配備対象であり、起動/停止の単位です。」 以下のツールを使用してIJServerを起動します。
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リソ|ス定義 |
以下のツールを使用してJ2EEの各種リソースを定義します。
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以下のツールを使用してJ2EEの各種リソースを定義します。
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旧バージョンでMessage-driven Beanを運用する場合、カストマイズツールによるJMSコネクションファクトリ名とDestination名の定義が必須でした。
V7では、JMSコネクションファクトリ名とDestination名を定義しなかった場合、以下のデフォルト設定で動作します。
Topicの場合:TopicCF001
Queueの場合:QueueCF001
EJBアプリケーション名をデフォルトのDestination名とします。
また、旧バージョンにおいて、トランザクション管理種別に“Container”が指定されていてトランザクション属性が設定されていないEJBアプリケーションは、運用することができませんでした。
V7では、コンテナが自動的に“Required”が指定されたものとしてトランザクションの制御を行います。
以下の機能群は、V6より非推奨機能となりました。いずれも旧資産との互換は保証されていますが、次期バージョンでは提供されない可能性があるため、代替機能への移行を推奨します。
なお、これらの機能に対する定義操作は、Interstage管理コンソールではサポートされていません。
STATEFUL Session Beanの無通信監視機能をサポートしたことにより、セションタイムアウト機能は非推奨機能となっています。
Interstage管理コンソールからは定義できません。
下位互換性の考慮としてV7でセションタイムアウト機能を使用する場合は、セションタイムアウト機能を使用していたEJBアプリケーション実行環境を、カストマイズツールの運用コマンドを使用して移出し、V6のEJBアプリケーション実行環境に移入してください。
詳細は“J2EEユーザーズガイド”の“運用コマンドを使用してカスタマイズする方法”を参照してください。
下位互換性のために、旧資産をそのまま使用する場合には引き続きサポートされます。
代替機能である“STATEFUL Session Beanの無通信監視機能”については、J2EEユーザーズガイドの“STATEFUL Session Beanの無通信監視機能”を参照してください。
セションタイムアウト機能を使用する場合は、STATEFUL Session Beanの無通信監視機能を使用することはできません。
EJBのトランザクションタイムアウト機能は非推奨機能となっています。
Interstage管理コンソールからは定義できません。
下位互換性の考慮としてV7でトランザクションタイムアウト機能を使用する場合は、トランザクションタイムアウト機能を使用していたEJBアプリケーション実行環境を、カストマイズツールの運用コマンドを使用して移出し、V7のEJBアプリケーション実行環境に移入してください。
詳細は“J2EEユーザーズガイド”の“運用コマンドを使用してカスタマイズする方法”を参照してください。
トランザクションタイムアウトの代わりにワークユニットの時間監視機能を使用してください。
ワークユニットの時間監視をIJServerワークユニット作成時に設定する場合は、[詳細設定] > [ワークユニット設定]から、また作成済みのIJServerワークユニットに対して設定する場合は、[ワークユニット] > [環境設定] > [ワークユニット設定]から“アプリケーション最大処理時間”を設定してください。
Interstage管理コンソールの詳細については、Interstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
IJServerの最大メモリ量をIJServerワークユニット作成時に設定する場合は、[詳細設定] > [ワークユニット設定]から、また作成済みのIJServerワークユニットに対して設定する場合は、[ワークユニット] > [環境設定] >[ワークユニット設定]から“JavaVMオプション”において以下を指定してください。
Interstage管理コンソールの詳細については、Interstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
-Xmx[最大メモリ量]m
V5で指定可能であったワークユニット定義項目のEJBアプリケーション最大メモリ量(Maximum Memory for EJB Application)は、ワークユニットの設定項目に表示されません。
V5で提供されたIJServerでは同時処理数のデフォルトは40でしたが、V7で提供されたIJServerでは同時処理数の最大値が64/最小値が16で動作します。
同時処理数の最大値/最小値は、Interstage管理コンソールの[ワークユニット] > [EJBコンテナ設定]の“同時処理数”で設定可能です。
V5でサポートしていた以下の性能オプションについては、デフォルトで動作します。
Interstage管理コンソールで指定する必要はありません。
STATELESS Session Beanのインスタンス数を定義する必要がなくなりました。
STATELESS Session Beanのインスタンスは、STATELESS Session Beanへの初回アクセス時に“同時処理数の最大値”に指定された値の数だけ作成されます。
V5で各ファイルに出力されていた以下の情報については、IJServerのログ(Windows(R)システムの場合、J2EE共通ディレクトリ\ijserver\[IJServer名]\log配下のファイル、Solaris OE/Linuxシステムの場合、/opt/FJSVj2ee/var/deployment/ijserver/[IJServer名]/log配下のファイル)に出力されます。
なお、従来から出力しているイベントログのメッセージについては、従来通りイベントログにもメッセージが出力されます。
(注1)
connectorのログ出力先を、従来と同じ場所に出力する場合は、以下を設定してください。
定義ファイル格納ディレクトリ |
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定義ファイル名 |
jca.properties |
指定するキー |
“log.file.option” |
指定する値 |
“V5”を指定します。 |
log.file.option=V5
EJBアプリケーション名に":"を使用することはできません。V5で":"を使用していた場合には、配備時にEJBアプリケーション名を変更してください。
なお、名前を変更したEJBアプリケーション名を、アプリケーション名を変更せずにlookupする場合には、名前変換機能を使用してください。
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