Interstage Application Server 移行ガイド |
目次
索引
![]() ![]() |
第1章 旧バージョン・レベルからの変更 | > 1.1 主な変更内容 |
Interstage Application Server V6.0以降では、標準インストールによって提供されるWebサーバがInfoProvider ProからInterstage HTTP Serverに変更されました。WebサーバとしてInfoProvider Proを使用できますが、必要に応じて、InfoProvider ProからInterstage HTTP Serverに移行してください。
ここでは、InfoProvider ProからInterstage HTTP Serverへ移行する際の対処について説明します。
なお、Webサーバとしての基本的な動作は移行できますが、InfoProvider Proの機能の一部は、Interstage HTTP Serverでは使用できません。継続してInfoProvider Proで運用を行うか、またはInterstage HTTP Serverにおいて該当する機能を使用せずに運用してください。WebサーバとしてInfoProvider Proを使用する場合は、カスタムインストールでInfoProvider Proを追加インストールする必要があります。
Interstage HTTP Serverで使用できない機能には、主な項目として以下のような機能があります。
InfoProvider Proの動作環境を移行する場合、インストール後のInterstage 管理コンソールなどの環境設定のあと、InfoProvider Proの環境定義に応じて、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)を設定します。以下の対処を行ってください。
以降に説明されている対処においてInterstage 管理コンソールでのWebサーバの環境定義を有効とする場合は、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)を編集する必要はありません。
InfoProvider Proの動作環境が定義されているInfoProvider Pro環境定義ファイルのそれぞれの定義項目を、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)の各ディレクティブに設定します。一部の定義項目については、Interstage管理コンソールで設定することもできます。以下に対応表を示します。
なお、InfoProvider Proの環境定義ファイルおよび定義項目の詳細については“Webサーバ運用ガイド(InfoProvider Pro編)”を、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイルおよびディレクティブの詳細については“Webサーバ運用ガイド (Interstage HTTP Server編)”を参照してください。
InfoProvider Proの定義項目 |
InfoProvider Proの定義名 |
Interstage HTTP Server |
備考 |
|
---|---|---|---|---|
ディレクティブ名 |
Interstage管理コンソールの設定可否 |
|||
説明 |
comment |
なし |
− |
各行の先頭にハッシュマーク(#)で指定します。 |
インストールディレクトリ |
installdir |
なし |
− |
設定する必要はありません(動作上問題なし)。 |
動作ディレクトリ |
exedir |
ServerRoot (CoreDumpDirectory) |
設定不可 |
Interstage HTTP Serverの動作ディレクトリをServerRootに設定します。CoreDumpDirectoryが設定されている場合、コアファイルはCoreDumpDirectoryに設定したディレクトリに出力されます。 |
ホスト名 |
hostname |
ServerName |
設定可(注1) |
|
IPアドレス |
IP-address |
<VirtualHost> |
設定可(注1) |
マルチホスト機能は使用できません。代替手段としてバーチャルホスト機能を使用してください。バーチャルホストの設定は、“Webサーバ運用ガイド (Interstage HTTP Server編)”の“環境定義ファイル”−“バーチャルホストの設定”を参照してください。 |
IPバージョン |
|
なし |
− |
IPv6での通信はできません。常にIPv4での通信になります。 |
ポート番号 |
port |
PortまたはListen |
Portのみ設定可(注1) |
ポート番号を複数指定する場合は、Listenを使用します。 |
公開する最上位のディレクトリ名 |
acstop |
DocumentRoot |
設定可(注1) |
|
ホームページ |
topHTML |
DirectoryIndex |
設定不可 |
代表するHTMLファイル文書と同一です。 |
typical-HTML |
DirectoryIndex |
設定不可 |
|
|
データタイプとファイルの拡張子の関連を指定するファイル名 |
content-type |
TypeConfig |
設定不可 |
|
ステータスコードファイル名 |
statusfile |
ErrorDocument |
設定不可 |
エラードキュメントは先頭にスラッシュ(/)を付加し、ServerRootからの相対パスで指定します。 |
仮想ディレクトリ |
link |
Alias |
設定不可 |
|
DNSの逆引き動作 |
dns-resolve |
HostnameLookups |
設定不可 |
CGIに対する要求を行った場合だけDNSの逆引きを行うという設定はできません。 |
InfoProvider Proから起動したアプリケーションに渡すコード系 |
input-code |
なし |
− |
コード変換はできません。 |
Webブラウザへ送信するコード系 |
output-code |
なし |
− |
コード変換はできません。 |
サーバ内にあるHTML文書のコード系 |
server-file-code |
なし |
− |
コード変換はできません。 |
HTTPプロトコルバージョン |
http-ver |
なし |
− |
HTTP/1.1です。 |
同時アクセス最大数 |
concurrency |
|
設定可(注1) |
上限値は2048です。 |
|
設定可(注1) |
上限値は4096です。 |
||
最大プーリング数 |
pool-max |
|
設定不可 |
Solaris OEでのみ設定することができます。 |
最大接続時間 |
connection-limit |
KeepAliveTimeout |
設定可(注1) |
上限値は65535です。 |
browser-timeout |
Timeout |
設定可(注1) |
|
|
受け入れ可能リクエストサイズ |
acceptance-request-size |
LimitRequestBody |
設定可(注1) |
|
キャッシュヘッダ制御 |
cache-control |
Header |
設定不可 |
HTTPヘッダの値を設定します。 |
キャッシュファイル数 |
cache-file-no |
なし |
− |
メモリキャッシュはできません。 |
キャッシュファイルサイズ |
cache-file-size |
なし |
− |
メモリキャッシュはできません。 |
アクセスログ採取方法 |
acslogまたは |
CustomLog |
設定可(注1) |
指定方法が異なります。 |
全アクセスのログ出力 |
acslog-all |
なし |
− |
中断系のログは採取できません。 |
アクセスログの形式 |
logformat |
CustomLogおよびLogFormat |
設定不可 |
指定方法が異なります。 |
処理時間の出力 |
acslog-proctime |
CustomLogおよびLogFormat |
設定不可 |
指定方法が異なります。 |
Cookie情報の出力 |
acslog-cookie |
CustomLogおよびLogFormat |
設定不可 |
指定方法が異なります。 |
エラーログのファイル名 |
errlog |
ErrorLog |
設定可(注1) |
指定方法が異なります。 |
エラーログの形式 |
errlog-format |
なし |
− |
エラーログの形式は設定できません。 |
ログ出力異常時の動作 |
log-erraction |
なし |
− |
ログ出力異常時は継続運用されます。 |
受信データ改ざん通知ログ出力しきい値 |
falsification-threshold |
なし |
− |
改ざん発生時はログが出力されません。 |
改ざん検知によるInfoProvider Pro停止 |
falsification-term |
なし |
− |
改ざん検知による停止は行いません。 |
受信可能最大サイズ制限オーバ発生回数ログ出力しきい値 |
reqsize-threshold |
なし |
− |
受信可能最大サイズの制限オーバ発生時には毎回ログに出力されます。 |
受信可能最大サイズ制限オーバ発生回数によるInfoProvider Pro停止 |
reqsize-term |
なし |
− |
受信可能最大サイズの制限オーバ発生による停止は行われません。 |
Servletサービスのアクセスログ出力形式 |
acslog-jsformat |
なし |
− |
該当する機能はありません。常にURI部分がURLで要求してきた文字列(common)となります。 |
異常終了時サービス同期停止 |
|
なし |
− |
異常終了時、サービスは停止されません。 |
CGIアプリケーションの格納場所と識別名 |
cgi-path-idnt |
ScriptAlias |
設定不可 |
指定する順番が異なるので、注意してください。 |
アプリケーション送受信タイムアウト時間 |
timeout |
Timeout |
設定可(注1) |
ブラウザ送受信タイムアウト時間と同じ時間になります。 |
タイムアウトしたCGIアプリケーションへの対応 |
timeout-kill |
なし |
− |
該当するCGIアプリケーションは強制終了されます。 |
Location返却フラグ |
location-redirect |
なし |
− |
Locationヘッダがそのまま返却されます。 |
拡張CGI定義 |
gai-gw |
なし |
− |
拡張CGIは使用できません。 |
セション管理型拡張CGIのログアウト監視時間間隔 |
alarmtime |
なし |
− |
拡張CGIは使用できません。 |
フィルタアプリケーションのパス |
filter-file |
LoadModuleおよびAddModule |
設定不可 |
(注2) |
InfoProvider Proの実行時のユーザ名 |
|
|
− |
|
InfoProvider Proの実行時のグループ名 |
|
|
− |
|
セキュリティ管理ファイル名 |
authfile |
なし |
− |
セキュリティ管理ファイルを別途作成する必要はありません。セキュリティ管理ファイルの対処を参照してください。 |
オンライン照合機能ログ |
dirservlog |
なし |
− |
オンライン照合機能の動作ログはアクセスログに出力されます。 |
SSL環境定義ファイル名 |
sslfile |
なし |
− |
SSL環境定義ファイルを別途作成する必要はありません。SSL環境の対処を参照してください。 |
使用SSLライブラリ |
ssllib |
なし |
− |
SSLライブラリはSMEE3です。 |
(注1) Interstage管理コンソールの操作画面を以下に示します。Interstage管理コンソールの起動については“Interstage 運用ガイド”を、Interstage管理コンソールの定義詳細についてはInterstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
InfoProvider Proの定義項目 |
Interstage HTTP ServerのInterstage管理コンソール |
---|---|
ホスト名 |
[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [詳細設定]-[サーバのホスト名またはIPアドレス] |
IPアドレス |
(マルチホスト機能の代行手段:バーチャルホストの設定) |
ポート番号 |
[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [環境設定]タブ > [簡易設定]-[ポート番号] |
公開する最上位のディレクトリ名 |
[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [環境設定]タブ > [簡易設定]-[クライアントに公開するサーバ資源の最上位ディレクトリ] |
同時アクセス最大数 |
[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [詳細設定]-[クライアントの同時接続数] |
最大接続時間 |
[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [詳細設定]-[Keep-Alive接続において、次のリクエストまでのタイムアウト時間] |
ブラウザ送受信タイムアウト時間 |
[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [詳細設定]-[タイムアウト] |
アプリケーション送受信タイムアウト時間 |
|
受け入れ可能リクエストサイズ |
[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [詳細設定]-[リクエストメッセージ本体の最大サイズ制限] |
アクセスログ採取方法 |
[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [アクセスログ] |
エラーログのファイル名 |
[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [エラーログ] |
(注2) InfoProvider Pro向けのフィルタアプリケーションは、Interstage HTTP Serverでは使用できません。
Interstage HTTP Server用に同等機能のモジュールが提供されている場合があります。
LoadModuleおよびAddModuleには、Interstate HTTP Server用のモジュールを以下のように指定してください。
LoadModule example_module modules/mod_example.dll
AddModule mod_example.c
LoadModule example_module libexec/mod_example.so
AddModule mod_example.c
InfoProvider Proの認証とアクセス制御が定義されているセキュリティ管理ファイルのそれぞれの定義項目を、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)の各ディレクティブに設定します。以下に対応表を示します。Interstage管理コンソールで設定することはできません。
なお、InfoProvider Proのセキュリティ管理ファイルおよび定義項目の詳細については“セキュリティシステム運用ガイド”の“InfoProvider Proの認証とアクセス制御の設定”を、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイルおよびディレクティブの詳細については“Webサーバ運用ガイド (Interstage HTTP Server編)”を参照してください。
InfoProvider Proの定義項目 |
InfoProvider Proの定義名 |
Interstage HTTP Serverのディレクティブ名 |
備考 |
|
---|---|---|---|---|
パスワード管理ファイル名 |
PasswdFile |
AuthUserFile |
AuthUserFileにhtpasswdコマンドを使用して作成したパスワードファイルを設定します。 |
|
グループ管理ファイル名 |
GroupFile |
AuthGroupFile |
|
|
IPグループ管理ファイル名 |
IPGroupFile |
なし (Allow) |
Allowにアクセスを許可するホストを設定します。“Webサーバ運用ガイド (Interstage HTTP Server編)”の“環境定義ファイル”−“IPアクセスコントロールの設定”を参照して設定してください。 |
|
プロテクトパス |
URL |
− |
<Location> |
URLを<Location>に指定し、<Location>内にプロテクトパス設定部の情報を記述します。 |
ユーザ管理ファイル名 |
UserFile |
なし |
ユーザ管理ファイルは使用できません。 |
|
アクセスを許可するユーザ名 |
User |
Require |
ユーザを指定する場合は、以下のように設定します。 |
|
IPアドレス/ホスト名 |
IPAddress |
Allow |
Allowにアクセスを許可するホストを設定します。“Webサーバ運用ガイド (Interstage HTTP Server編)”の“環境定義ファイル”−“IPアクセスコントロールの設定”を参照して設定してください。 |
|
認証名 |
AuthName |
AuthName |
|
|
認証方法 |
AuthType |
AuthType |
|
|
クライアント証明書条件ファイル名 |
ClientCert |
なし |
クライアント証明書の条件設定による認証はできません。 |
|
ディレクトリサーバのベースDN |
SearchBase |
AuthLDAPbasedn |
|
|
ディレクトリサーバ情報管理ファイル名 |
DirServFile |
なし |
ディレクトリサーバ情報管理ファイル名を別途作成する必要はありません。ディレクトリサーバ情報管理ファイルの対処を参照してください。 |
InfoProvider Proがディレクトリサーバと通信するための情報が定義されているディレクトリサーバ情報管理ファイルのそれぞれの定義項目を、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)の各ディレクティブに設定します。以下に対応表を示します。Interstage管理コンソールで設定することはできません。
ただし、Interstage HTTP Serverとディレクトリサーバ間でSSLを使用したセキュアな通信を行う場合は、SSLの環境設定を再構築する必要があります。
InfoProvider Proのディレクトリサーバ情報管理ファイルおよび定義項目の詳細については“セキュリティシステム運用ガイド”の“InfoProvider Proの認証とアクセス制御の設定”を、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイルおよびディレクティブの詳細については“Webサーバ運用ガイド (Interstage HTTP Server編)”を、Interstage HTTP ServerのSSLの環境設定については“セキュリティシステム運用ガイド”の“Interstage HTTP Serverの認証とアクセス制御の設定”−“オンライン照合”を参照してください。
InfoProvider Proの定義項目 |
InfoProvider Proの定義名 |
Interstage HTTP Serverのディレクティブ名 |
備考 |
---|---|---|---|
ホスト名 |
Hostname |
AuthLDAPHost |
|
SSL |
SSL |
AuthLDAPSecure |
|
ポート番号 |
Port |
AuthLDAPPort |
|
ベースDN |
BaseDN |
AuthLDAPbasedn |
|
BindDN名 |
BindDN |
AuthLDAPBindDN |
|
BindPassword |
BindPassword |
AuthLDAPBindPassword |
|
匿名の許可 |
AnonymousPermission |
なし |
匿名のアクセスを許可することはできません。 |
InfoProvider Proにおいて構築したSSL環境は、Interstage HTTP ServerのSSL環境として移行することはできません。SSL環境を再構築する必要があります。SSLの環境設定については“セキュリティシステム運用ガイド”の“Interstage証明書環境の構築と利用”または“Interstage HTTP ServerでSSLを利用する方法”を参照してください。
目次
索引
![]() ![]() |