Interstage Application Server リファレンスマニュアル(コマンド編)
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第11部 保守編> 第30章 保守情報採取コマンド

30.9 oddumpresp

名前

 oddumpresp − サーバ側コネクションの状態を表示

形式

 oddumpresp [-a | -s] [-M system]

機能説明

 oddumprespコマンドは、CORBAサービスで現在使用されているサーバ側コネクションの状態を表示します。
 本コマンドで指定可能なオプションとパラメタを以下に示します。

-a

 リクエストの状態も表示します。

-s

 未使用のコネクションについても状態の表示を行います。また、リクエストの状態も表示します。

-M system

 拡張システムを生成した場合に、運用の対象となるシステム名systemを指定します。本オプションを省略すると、デフォルトシステムでの運用が対象となります。
 本オプションは、以下の製品で指定可能です。
 − Interstage Application Server Enterprise Edition

出力形式を以下に示します。

resp_con
     [%c1,%c2]: in_use = %c3, reuse = %c4, broken = %c5, requests = %c6, ip_addr = %c7
resp_requests
     [%r1,%r2]: resp_con = %r3, request_id = %r4, pid = %r5, state = %r6, rep_exp = %r7, operation = %r8, server_impl = %r9

resp_con
 サーバ側コネクション情報です。

 %c1
 CORBAサービスの内部テーブルのエントリを示します。%c2とともにコネクションの識別番号として使用します。
 %c2
 CORBAサービスの内部テーブルのエントリを示します。%c1とともにコネクションの識別番号として使用します。
 %c3
 当該コネクションの使用状況です。使用中の場合は“1”、そうでない場合は“0”になります。-sオプションが指定されたときのみ表示されます。
 %c4
 当該コネクションの再利用回数です。
 %c5
 当該コネクションを使用しているクライアントとの接続が有効な場合は“no”、そうでない場合は“yes”です。サーバ側でリクエスト処理中にクライアントが終了した場合などに“yes”となります。
 %c6
 当該コネクションを使用しているリクエストの数です。
 %c7
 当該コネクションを使用して接続しているクライアントのIPアドレスです。IPv6が有効な環境においてIPv4によって接続されたコネクションでは、IPv4射影アドレスが出力されます。また、コネクションが未使用の場合は“NULL”となります。

resp_requests
 サーバ側リクエスト情報です。-aオプションまたは-sオプションが指定されたときのみ表示されます。

 %r1
 CORBAサービスの内部テーブルのエントリを示します。%r2とともにリクエストの識別番号として使用します。
 %r2
 CORBAサービスの内部テーブルのエントリを示します。%r1とともにリクエストの識別番号として使用します。
 %r3
 当該リクエストが使用しているコネクションです。resp_con の [%c1,%c2] に対応します。
 %r4
 リクエストIDです。
 %r5
 当該リクエストを受け付けたサーバアプリケーションのプロセスIDです。
 %r6
 当該リクエストの受信処理の状態です。受信処理中の場合は“HEADER”、完了している場合は“COMPLETE”になります。
 %r7
 当該リクエストが下記に該当するか否かを示します。該当する場合は“no”、そうでない場合は“yes”になります。
 %r8
 当該リクエストのオペレーション名です。リクエストの受信処理が完了していない場合は、“(not read)”となります。
 %r9
 当該リクエストを受け付けたサーバアプリケーションのインプリメンテーションリポジトリIDです。リクエストの受信処理が完了していない場合は、“(unknown)”となります。

注意事項

 本コマンドでは、CORBAサービスの内部テーブルを参照してコネクションの状態を取得するため、コマンドの出力形式は内部テーブルの形式に依存します。このため、バージョンレベルによって出力形式が変更されることがあります。

使用例

 使用例とその見方を以下に示します。

> oddumpresp
   resp_con
        [0,0]: reuse = 2, broken = yes, requests = 1, ip_addr = 10.34.157.107
        [0,1]: reuse = 1, broken = no, requests = 3, ip_addr = 10.34.157.107

 この出力より、現在使用されているコネクションが[0,0]と[0.1]の2本であることが分かります。これは、max_IIOP_resp_conの使用数が2であることを示します。max_IIOP_resp_conについては、“チューニングガイド”の“CORBAサービスの動作環境ファイル”−“config”を参照してください。

> oddumpresp -a
   resp_con
        [0,0]: reuse = 2, broken = yes, requests = 1, ip_addr = 10.34.157.107
        [0,1]: reuse = 1, broken = no, requests = 3, ip_addr = 10.34.157.107
   resp_requests
        [0,0]: resp_con = [0,1], request_id = 905, pid = 22237, state = COMPLETE, rep_exp = yes, operation = op1, server_impl = IDL:ODsample/stringtest:1.0
        [0,1]: resp_con = [0,1], request_id = 906, pid = 22237, state = COMPLETE, rep_exp = yes, operation = op1, server_impl = IDL:ODsample/stringtest:1.0
        [0,2]: resp_con = [0,0], request_id = 901, pid = 22237, state = COMPLETE, rep_exp = yes, operation = op1, server_impl = IDL:ODsample/stringtest:1.0
        [0,3]: resp_con = [0,1], request_id = 907, pid = 22237, state = COMPLETE, rep_exp = yes, operation = op1, server_impl = IDL:ODsample/stringtest:1.0

 この出力より、リクエストが[0,0]から[0,3]の4つであることが分かります。これは、max_IIOP_resp_requestsの使用数が4であることを示します。max_IIOP_resp_requestsについては、“チューニングガイド”の“CORBAサービスの動作環境ファイル”−“config”を参照してください。
 また、例えばリクエスト[0,0]については、コネクション[0,1]を使用して通信していることが分かります。コネクション[0,1]のip_addrは10.34.157.107ですので、リクエスト[0,0]は10.34.157.107から発行されたことが分かります。なお、IPv6が有効な環境では、IPv4クライアントのIPアドレスはIPv4射影アドレスとして出力されます(使用例の場合では“::ffff:10.34.157.107”となります)。

> oddumpresp -s
   resp_con
        [0,0]: in_use = 1, reuse = 2, broken = yes, requests = 1, ip_addr = 10.34.157.107
        [0,1]: in_use = 1, reuse = 1, broken = no, requests = 3, ip_addr = 10.34.157.107
        [0,2]: in_use = 0, reuse = 0, broken = no, requests = 0, ip_addr = NULL
        [0,3]: in_use = 0, reuse = 0, broken = no, requests = 0, ip_addr = NULL
        [0,4]: in_use = 0, reuse = 0, broken = no, requests = 0, ip_addr = NULL
        [0,5]: in_use = 0, reuse = 0, broken = no, requests = 0, ip_addr = NULL
        [0,6]: in_use = 0, reuse = 0, broken = no, requests = 0, ip_addr = NULL
        [0,7]: in_use = 0, reuse = 0, broken = no, requests = 0, ip_addr = NULL
   resp_requests
        [0,0]: resp_con = [0,1], request_id = 905, pid = 22237, state = COMPLETE, rep_exp = yes, operation = op1, server_impl = IDL:ODsample/stringtest:1.0
        [0,1]: resp_con = [0,1], request_id = 906, pid = 22237, state = COMPLETE, rep_exp = yes, operation = op1, server_impl = IDL:ODsample/stringtest:1.0
        [0,2]: resp_con = [0,0], request_id = 901, pid = 22237, state = COMPLETE, rep_exp = yes, operation = op1, server_impl = IDL:ODsample/stringtest:1.0
        [0,3]: resp_con = [0,1], request_id = 907, pid = 22237, state = COMPLETE, rep_exp = yes, operation = op1, server_impl = IDL:ODsample/stringtest:1.0

 この出力より、コネクションの総数が[0,0]から[0,7]の8本であること、そのうち[0,0]と[0,1]の2本が使用中であることなどが分かります。これは、max_IIOP_resp_conが8であり、使用数が2であることを示します。max_IIOP_resp_conについては、“チューニングガイド”の“CORBAサービスの動作環境ファイル”−“config”を参照してください。


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