Interstage Application Server リファレンスマニュアル(コマンド編)
目次 索引 前ページ次ページ

第10部 開発編> 第28章 アプリケーション開発コマンド

28.1 IDLc

名前

 IDLc − IDLコンパイラ

形式

 IDLc [-C]|-cpp|-cobol|-oocob|-java|-vcpp|-soap [-mss[SS]] [-MSV] [-MCL] [-factory]
   [-a [-create|-update|-delete] |-R [-create|-update|-delete]] [-poa] [-tie]
   [-lc] [-ls] [-noex] [-Idir] [-Dname] [-noinclude] [-dy] [-o prefix]
   [-Sname] [-Tdir] [-mapinfo] [-f] [-nolog] [-unic] [-M system] [IDLfile]

機能説明

 IDLcコマンドは、IDLfileで指定されたIDLファイルから、指定された言語(C言語、 C++言語、Java言語、COBOL、OOCOBOL、Visual C++用) にマッピングされたスタブ・スケルトンを作成します。IDLfileが省略されると、Foo.idlが指定されたものとみなします。なお、ファイル名は"XX.idl"(XXは任意、拡張子は小文字)とする必要があります。
 また、IDLcコマンドは、IDLfileで指定されたIDLファイルからjava言語にマッピングされたCORBA/SOAPゲートウェイファイルを作成します。

 以下に、IDLcコマンドのオプションを説明します。
 排他関係にあるオプションが指定された場合は、後に指定されたものが有効となります。

[マッピング言語オプション]

 マッピング言語を指定するオプションとして、以下のいずれかが指定可能です。いずれも指定しないと、-Cが指定されたものとみなされます。

-C

 C言語にマッピングされたスタブ・スケルトンなどのファイルを生成します。

-cpp

 C++言語にマッピングされたスタブ・スケルトンなどのファイルを生成します。

-cobol

 COBOLにマッピングされたスタブ・スケルトンなどのファイルを生成します。

-oocob

 OOCOBOL(オブジェクト指向COBOL)にマッピングされたスタブ・スケルトンなどのファイルを生成します。

-java

 Java言語にマッピングされたスタブ・スケルトンなどのファイルを生成します。

-vcpp

 Visual C++用(Windows(R)用)にマッピングされたスタブ・スケルトンなどのファイルを生成します。

-soap

 CORBA/SOAPゲートウェイのファイルを生成します。本オプションは、-MSVオプションと同時に指定することでCORBA/SOAPサーバゲートウェイファイルのみの生成、-MCLオプションと同時に指定することでCORBA/SOAPクライアントゲートウェイファイルのみの生成を行うことができます。また、-MSVおよび-MCLをいずれも指定していない場合、または両方とも指定した場合は、CORBA/SOAPサーバゲートウェイファイルおよびCORBA/SOAPクライアントゲートウェイファイルの両方が生成されます。

 スタブ・スケルトンでマッピング言語を別の言語にする場合は、以下のオプションを指定します。

-mss[SS]

 スタブと異なる言語のスケルトンを生成します。
 ssには、スケルトンのマッピング言語として、c(C言語)、cpp(C++言語)、cobol(COBOL)、oocob(OOCOBOL)、java(Java言語)が指定可能です(注: vcpp(Visual C++言語)は指定できません)。スタブのマッピング言語は、上述のオプション (-C,-cpp,-cobol,-oocob,-java)に従います。
 SSを指定すると、スケルトンファイル名のサフィックスを変更することができます。SSを省略すると、-mcのときはSS=c、-mcppのときはSS=cppが指定されたものとみなされます。-mcobol,-moocob,-mjavaのときSSは無効です。生成されるスタブ・スケルトンについては“生成ファイル名”を参照してください。

生成ファイル名

 スタブ・スケルトンのファイルは、以下の名前で生成されます。
 IDLファイル名をxx.idl、IDLファイル内で定義されているモジュールをMM、インタフェースをyy、データ型名をzzとします。

開発言語(C言語)

-m指定なし

-m指定あり

ファイル種別

スタブ・スケルトン

スタブ側

スケルトン側 [SS暗黙値:c]

xx.h

xx.h

xx_cdr.h

共通ヘッダファイル

xx_cdr.h

xx_cdr.h

xx_cdr_SS.h

CDRヘッダファイル

xx_cdr.c

xx_cdr.c

xx_cdr_SS.c

CDRソースファイル

xx_stub.c

xx_stub.c

 

スタブファイル

xx_skel.c

 

xx_skel.c

スケルトンファイル

yy_skel.c

 

yy_skel.c

スケルトンファイル(-dy指定時)

開発言語(C++言語)

-m指定なし

-m指定あり

ファイル種別

スタブ・スケルトン

スタブ側

スケルトン側 [SS暗黙値:cpp]

xx.H

xx.H

xx.H

共通ヘッダファイル

xx.h

 

xx_SS.h

共通ヘッダファイル

xx_cdr.h

xx_cdr.h

xx_SS_cdr.h

CDRヘッダファイル

xx_cdr.c

xx_cdr.c

xx_SS_cdr.c

CDRソースファイル

xx_c++.C

xx_c++.C

xx_c++.C

クラスメソッド定義ファイル

xx_stub_c++.C

xx_stub_c++.C

 

スタブファイル

xx_skel_c++.C

 

xx_skel_c++.C

スケルトンファイル

yy_skel_c++.C

 

yy_skel_c++.C

スケルトンファイル(-dy指定時)

開発言語(COBOL)

-m指定なし

-m指定あり

ファイル種別

スタブ・スケルトン

スタブ側

スケルトン側

xx_cdr.cbl

xx_cdr.cbl

xx_cdr.cbl

CDRソースファイル

xx_stub.cbl

xx_stub.cbl

 

スタブファイル

xx_yy_skel.cbl

 

xx_yy_skel.cbl

スケルトンファイル

xx_skel.cbl

 

xx_skel.cbl

領域獲得用スケルトン(*1)

xx_h.cbl

xx_h.cbl

xx_h.cbl

データ型定義ファイル(*2)

開発言語(OOCOBOL) (*3)

-m指定なし

-m指定あり

ファイル種別

スタブ・スケルトン

スタブ側

スケルトン側

xx--REP.cbl

xx--REP.cbl

xx--REP.cbl

リポジトリ段落宣言用登録集

xx--CONST.cbl

xx--CONST.cbl

xx--CONST.cbl

定数宣言用登録集

xx―COPY.cbl

xx--COPY.cbl

xx--COPY.cbl

TYPEDEF型宣言用登録集

yy.cob

yy.cob

yy.cob

インタフェースファイル

yy―helper.cob

yy--helper.cob

yy--helper.cob

Helperクラスファイル

yy―stub.cob

yy--stub.cob

 

スタブクラスファイル

yy--NarrowStub.cob

yy--NarrowStub.cob

 

Narrowスタブファイル

yy--NarrowSkel.cob

 

yy--NarrowSkel.cob

Narrowスケルトンファイル

yy--tie.cob

 

yy--tie.cob

tieクラスファイル

yy--NEW.cob

 

yy--NEW.cob

インプリメンテーション登録ファイル

zz.cob

zz.cob

zz.cob

データ型クラスファイル(*4)

zz―helper.cob

zz--helper.cob

zz--helper.cob

データ型Helperファイル(*4)

開発言語(Java言語) (*5)

-m指定なし

-m指定あり

ファイル種別

スタブ・スケルトン

スケルトン側

スタブ側

MM/yy.java

MM/yy.java

インタフェースクラスファイル

MM/yyOperations.java

MM/yyOperations.java

インタフェースOperationsファイル

MM/yyHelper.java

MM/yyHelper.java

Helperクラスファイル

MM/yyHolder.java

MM/yyHolder.java

Holderクラスファイル

MM/_yyStub.java

MM/_yyStub.java

スタブクラスファイル

MM/yyPOA.java

 

スケルトンクラスファイル

MM/yyPOATie.java

 

tieクラスファイル

MM/yyPackage/zz.java

MM/yyPackage/zz.java

データ型クラスファイル

MM/yyPackage/zzHelper.java

MM/yyPackage/zzHelper.java

データ型Helperファイル

MM/yyPackage/zzHolder.java

MM/yyPackage/zzHolder.java

データ型Holderファイル

開発言語(Visual C++用)

-m指定なし

-m指定あり

ファイル種別

スタブ・スケルトン

スタブ側

スケルトン側

xx.h

xx.h

 

共通ヘッダファイル

xx_cdr.h

xx_cdr.h

 

CDRヘッダファイル

xx_cdr.cpp

xx_cdr.cpp

 

CDRソースファイル

xx_c++.cpp

xx_c++.cpp

 

クラスメソッド定義ファイル

xx_stub.cpp

xx_stub.cpp

 

スタブファイル

xx_skel.cpp

 

 

スケルトンファイル

yy_skel.cpp

 

 

スケルトンファイル(-dy指定時)

(*1) 基本データ型以外のIDL定義に対する領域獲得用関数が組み込まれます。基本データ型のみでは、作成されません。

(*2) スタブ・スケルトンで使用されるデータ型を定義したファイルです。

(*3) yy(インタフェース名), zz(データ型名)はフルスコープになります。

(*4) 以下の宣言に対してファイル生成されます。
 typedef,string(サイズ指定あり),wstring(サイズ指定あり),
 enum,sequence,struct,union,fixed,exception

(*5) Java言語マッピングでは、IDL構造に対応したディレクトリ構成(Javaパッケージ)が生成され、ファイルが配置されます。表中の<module名>はIDLファイル内で定義したmodule名です。
 データ定義(zz)内に別のデータ定義がある場合は、zzPackageの名前でさらにサブディレクトリが生成され、その配下に新たなデータ定義に関するクラスファイルが格納されます。

[SOAPオプション]

-MSV

 CORBA/SOAPサーバゲートウェイファイルを生成します。本オプションは、-soapオプションと同時に指定する必要があります。

-MCL

 CORBA/SOAPクライアントゲートウェイファイルを生成します。本オプションは、-soapオプションと同時に指定する必要があります。

-factory

 CORBA-Factoryインタフェース連携用CORBA/SOAPゲートウェイファイルを生成します。本オプションは、-soapオプションと同時に指定する必要があります。

SOAPオプション指定時の生成ファイル

 -soapオプションを指定した場合は、Java言語で出力されるファイル以外にCORBA/SOAPゲートウェイファイルとして以下のファイルが生成されます。ファイルの配置は、IDL構造に対応したディレクトリ構成(Javaパッケージ)であり、表中の<module名>はIDLファイル内で定義したmodule名です。
 データ定義(zz)内に別のデータ定義がある場合は、zzPackageの名前でさらにサブディレクトリが生成され、その配下に新たなデータ定義に関するクラスファイルが格納されます。

-MSV、-MCL指定なし

-MSV指定あり

-MCL指定あり

ファイル種別

MM/_yySOAPGWstub.java

 

CORBA/SOAPサーバゲートウェイファイル

MM/
_yySOAPGWServant.java

 

MM/
_yySOAPGWServant.java

CORBA/SOAPクライアントゲートウェイServantファイル

MM/_yySOAPGW_dd.xml

 

SOAPディプロイ情報ファイル

MM/yyPackage/zzSOAPGWType.java

SOAPデータ型クラスファイル

MM/yyPackage/zzSOAPEnumImpl.java

SOAP Enum型クラスファイル

[動作モードオプション]

 スタブ・スケルトン生成とインタフェースリポジトリ登録を行うかを指定するオプションとして、-a,-Rのいずれかが指定可能です。どちらも指定しないと、スタブ・スケルトンの生成だけを行い、インタフェースリポジトリへの登録は行いません。

-a

 スタブ・スケルトンを生成し、インタフェース情報をインタフェースリポジトリに登録します。-create,-update,-deleteのいずれかと組み合わせて指定します。

-R

 インタフェース情報のインタフェースリポジトリへの登録だけを行い、スタブ・スケルトンの生成は行いません。-create,-update,-deleteのいずれかと組み合わせて指定します。

[インタフェースリポジトリ登録オプション]

 -create,-update,-deleteのいずれかが指定可能です。いずれも指定されない場合は、-createが指定されたものとみなされます。上述した動作モードオプションで動作モードを指定する必要があります。

-create

 インタフェース情報をインタフェースリポジトリに登録します。すでに同じ識別子が登録されているとエラーとなり、現在の作業を無効にします。

-update

 インタフェース情報をインタフェースリポジトリに登録します。すでに同じ識別子が登録されていると、インタフェース情報を更新します。IDLファイルを変更した場合には、このオプションを指定する必要があります。

-delete

 インタフェース情報をインタフェースリポジトリから削除します。登録されていない識別子があるとエラーとなります。

 IDLファイルを変更し、すでにインタフェースリポジトリに登録済みのIDL定義情報を変更または削除する場合は、変更前のIDLファイル(インタフェースリポジトリ登録時のIDLファイル)を使用し、-deleteオプションで登録内容をいったん削除した後、変更したIDLファイルを使用して再度登録する必要があります。

[スタブ・スケルトン生成モードオプション]

-lc
-ls

 IDLcで生成されたスタブとスケルトンを結合し、1つのモジュールを作成するときに指定します。通常は、XX_alloc関数(基本データ型以外のデータ型に対する領域獲得関数)がスタブ・スケルトン両方に作成されますが、一方だけに作成するか、どちらにも作成しない場合にこのオプションを指定します。詳細については、“アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”(Enterprise EditionおよびStandard Editionで提供)の“データ型に対するマッピング”(各言語)を参照してください。
 -ls スケルトンだけに作成
 -lc スタブだけに作成
 -ls -lc  どちらにも作成しない

 マッピング言語がC(-C,-mc),COBOL(-cobol,-mcobol)のときに有効です。マッピング言語がC++(-cpp)のときはC++コンパイラの実行時に"-D_MULTI_LINK_"を指定することで、マッピング言語がVisual C++用(-vcpp)のときは"_MULTI_LINK_"マクロを指定することで、スタブ・スケルトンを結合できます(この場合、スケルトンの領域獲得関数が無効になります)。

-noex

 例外処理をCORBA::Environment方式で生成します。省略すると、try〜catch方式の例外処理となります。マッピング言語がC++(-cpp,-mcpp)のときに有効です。

-tie

 TIEクラス方式でファイルを生成します。省略すると、implクラス方式で生成します。マッピング言語がC++(-cpp,-mcpp)、Visual C++(-vcpp)のときに有効です。
 TIEクラス方式については、“アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”(Enterprise EditionおよびStandard Editionで提供)の“サーバアプリケーションのプログラミング(Basic Object Adapter:BOA)”−“静的スケルトンインタフェース”−“インタフェース実装関数”を参照してください。

-poa

 マッピング言語がC++(-cpp,-mcpp)またはVisual C++(-vcpp)の場合に、POA(Portable Object Adapter)方式のファイルを生成します。省略すると、BOA(Basic Object Adapter)方式で生成します。
 POA方式については、“アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”(Enterprise EditionおよびStandard Editionで提供)の“サーバアプリケーションのプログラミング(Portable Object Adapter:POA)”を参照してください。

[その他のオプション]

-Idir

 #include文で指定したファイルを検索対象ディレクトリにdirを追加します。本オプションは複数指定可能で、その場合は指定された順にディレクトリを検索します。

-Dname[=val]

 マクロnameを定義します。IDLファイルの先頭に、"#define name val"があるのと同じ意味を持ちます。"=val"が省略されると、"#define name"と同じ意味を持ちます。

-noinclude

 #include文で指定されたファイルをマッピングしません。なお、-create,-deleteとは併用できません。削除する場合は、一度、"-R -delete"でインタフェースリポジトリから削除する必要があります。マッピング言語がC,C++,COBOL,Visual C++のときに有効です。

-dy

 スケルトンファイルをインタフェース定義ごとに生成します。本オプションは、サーバアプリケーションをライブラリ形式とする場合に指定します。スケルトンのマッピング言語がCOBOL,OOCOBOLのときは常に有効となります。ファイル名については“生成ファイル名”を参照してください。

-o prefix

 xx.idlから生成されたファイルの名前のxxをprefixに変更します。マッピング言語がJavaのときは無効となります。

-Sname

 関数名の先頭にnameを付加します。スケルトンのマッピング言語がCのときに有効です。

-Tdir

 コンパイラの作業用ファイルの作成位置を指定します。(省略時:環境変数TEMPまたはTMPの設定値)

-mapinfo

 マッピング情報ファイルを作成します。マッピング言語がOOCOBOL(-oocob)のときに有効です。マッピング情報ファイルについては、“マッピング情報ファイル”を参照してください。

-f

 インタフェース情報とスタブの不一致検出機能を有効とします。本オプションは、マッピング言語がOOCOBOL言語以外の場合に有効です。
 なお、本オプションを指定した場合は、コンパイラの実行時間が多少長くなります。コンパイラが失敗する場合は、クライアントにサーバメソッドが復帰するまでの待機時間(configファイルのperiod_receive_timeoutパラメタ)を大きく設定してください。

-nolog

 CORBAサービスのログ採取機能・トレース採取機能を無効とします。本オプションを指定した場合、スタブ・スケルトンでログ・トレース情報を採取しません。

-unic

 UNICODE用のマッピングを出力します。本オプションは、NetCOBOL環境でマッピング言語がOOCOBOLの場合に有効です。
 コード系に“UNICODE”を設定しているOOCOBOOLアプリケーションを作成する場合は、必ず本オプションを指定してください。

-M system

 拡張システムを生成した場合に、運用の対象となるシステム名systemを指定します。本オプションを省略すると、デフォルトシステムでの運用が対象となります。
 本オプションは、以下の製品で指定可能です。
 − Interstage Application Server Enterprise Edition

マッピング情報ファイル

 マッピング情報ファイルは、IDLファイルで宣言されたインタフェース情報、データ型情報、ユーザ例外情報のクラス名を出力するファイルです(ファイル名:IDLファイルの"idl"を"inf"に置き換えた名称)。IDLcコマンドでは、クラス名が30文字を超えると一部が省略されるため、省略後のクラス名を確認する際にこのファイルを使用します。アプリケーションプログラムでクラス名を指定したり、コンパイラ実行時にリンクするファイル名を指定する場合には、このファイルに記述されたものを使用してください。

項番

タグ名

内容

名称

用途

1

<interface>〜</interface>

インタフェース情報(*1)

2

<typedef>〜</typedef>

データ型情報(*1)

3

<exception>〜</exception>

ユーザ例外情報(*1)

4

<map name="a" type="b">〜</map>

各宣言に対するマッピング情報(*2)
 a: フルスコープ名
 b: 種別(注)

5

<name>〜</name>

データ型名

6

<class>〜</class>

クラス名

*3

7

<class-file>〜</class-file>

クラスファイル名

クラス名.cob

*4

8

<helper>〜</helper>

Helperクラス名

クラス名--H/
データ型名--H

*3

9

<helper-file>〜</helper-file>

Helperクラスファイル名

クラス名--helper.cob/
データ型名--helper.cob

*4

10

<stub>〜</stub>

スタブクラス名

クラス名--S

*3

11

<stub-file>〜</stub-file>

スタブクラスファイル名

クラス名--stub.cob

*4

12

<narrow-stub>〜</narrow-stub>

Narrowスタブファイル名

クラス名--NarrowStub.cob

*4

13

<narrow-skel>〜</narrow-skel>

Narrowスケルトンファイル名

クラス名--NarrowSkel.cob

*4

14

<new-impl>〜</new-impl>

インプリメンテーション登録ファイル名

クラス名--NEW.cob

*4

15

<tie>〜</tie>

tieクラス名

クラス名--T

*3

16

<tie-file>〜</tie-file>

tieクラスファイル名

クラス名--tie.cob

*4

 *1) 項番4の情報を含む
 *2) 項番5以降の情報を含む
 *3) アプリケーションプログラムに指定するクラス名
 *4) コンパイラ実行時にリンクするファイル名

 注) 対象となるIDL宣言とその種別(type)を以下に示します。

宣言

種別(type)

interface

interface

typedef

typedef

exception

exception

struct(固定長)

struct-fixed

struct(可変長)

struct-variable

union

union

enum

enum

sequence

sequence

string(サイズ指定あり)

string

wstring(サイズ指定あり)

wstring

fixed

fixed

注意事項

エラーメッセージ

[コンパイル時のエラーメッセージ]

Can't open file :n
 エラー
 ファイルfileがオープンできません。
 システムエラー番号: n

Read failed file
 エラー
 fileからの読み込みに失敗しました。

Write failed file
 エラー
 fileへの出力に失敗しました。

MALLOC:name: n Bytes: Not enough memory
 エラー
 メモリが不足しているため、nameのnバイトの領域を獲得できません。

Syntax error:string
 エラー
 stringの定義には構文の誤りがあります。または、stringで示す内容の誤りがあります。

Structure member redeclaration of name
 エラー
 構造体メンバnameが再定義されました。

Union-switch member redeclaration of name
 エラー
 共用体でunion-switchメンバnameが再定義されました。

Duplicate case in union-switch, label
 エラー
 共用体でunion-switchに同じlabelのcaseが定義されました。

Out of array dimension
 エラー
 配列の次元が範囲外です。

Identifier redeclaration of name
 エラー
 識別子nameが再定義されました。

Illegal scoping name
 エラー
 nameはスコープで使用する名称として正しくありません。

name undefined data type
 エラー
 nameはデータ型として定義されていません。

name is not data type
 エラー
 nameはデータ型ではありません。

Illegal union-switch data type, name
 エラー
 nameはunion-switchデータ型として正しくありません。

Identifier too long.max(n)
 エラー
 識別子の長さが既定値を超えています。最大長は(n)です。

name undefined exception
 エラー
 nameは例外定義されていません。

name is not exception
 エラー
 nameは例外定義ではありません。

Warning:duplicate raises name exception
 警告
 Raises句でname例外を二重定義しています。

name undefined interface
 エラー
 nameはインタフェース定義されていません。

name is not interface
 エラー
 nameはインタフェースではありません。

Warning: duplicate inheritance name interface
 警告
 nameインタフェースが二重に継承されています。

name undefined constant
 エラー
 nameは定数定義されていません。

name is not constant
 エラー
 nameは定数ではありません。

Illegal constant type, name
 警告
 nameは定数型として正しくありません。

Warning:operator operator, out of range
 警告
 シフト演算子operatorの右の引数がとりうる範囲を超えています。

Operator operator, division by zero
 エラー
 演算子operatorの2番目の式がゼロです。

Overflow, Floating point value
 エラー
 浮動小数点値がオーバーフロー。

Bad assignment values, type1 : type2
 エラー
 type1とtype2の型が異なるため割り当てられません。

Warning:overflow signed long
 警告
 サイン付きlongがオーバーフロー。

Illegal expression, type
 エラー
 typeが例外定義として正しくありません。

Syntax error hexadecimal, string
 エラー
 stringに16進数で指定できない文字が指定されました。

Syntax error octal, string
 エラー
 stringに8進数で指定できない文字が指定されました。

Undefined escape character, string
 エラー
 stringはエスケープ文字として定義されていません。

Unsupported multiple sourcefile
 エラー
 IDLファイルが複数指定されています。

Positive-integer constant only
 エラー
 正の整数定数しか指定できません。

Ambiguous variable usege
 エラー
 該当する変数宣言が不明です。

Can't close "file-name"
 エラー
 "file-name"ファイルがクローズできません。

REALLOC:"name" : n Bytes
 エラー
 "name"領域nバイトのメモリ獲得に失敗しました。

CORBA_ORB_init ERROR
 エラー
 CORBAサービス(ObjectDirector)が起動されていません。

CORBA_ORB_BOA_init ERROR
 エラー
 CORBAサービス(ObjectDirector)が起動されていません。

can't make temp list
 エラー
 資源不足のため、作業ファイルが作成できません。

Unsupported data type : "type"
 エラー
 定義された"type"は未サポートです。

Directory Create Failed : "name"
 エラー
 Javaマッピングでクラスを格納するディレクトリが作成できません。

その他のメッセージ

 IDLcコマンドが言語マッピングを行う場合に、インタフェースリポジトリおよびネーミングサービスを使用する際に、環境設定ミスや通信エラーなどによりIDLファイルのコンパイルに失敗した場合、以下の形式でエラーメッセージを表示します。

  処理フェーズ(I/R):処理名・関数名
  IDL:例外コード
  IDLc: Stop.処理フェーズ status = 終了ステータス.

処理フェーズ

 IDLparser: IDLファイルの構文解析
 IDLcg: Cマッピング処理
 IDLcppg: C++およびVisual C++マッピング処理
 IDLjavacg: javaマッピング処理
 IDLcobolcg: COBOLマッピング処理
 IDLoocobcg: OOCOBOLマッピング処理
 IDLinst: インタフェースリポジトリへの登録、変更、削除処理
 IDLSOAPcg: CORBA/SOPAゲーウェイマッピング処理
 destory_rep: 終了処理

処理名・関数名

 IDLcコマンドのエラー検出箇所を特定する情報が表示されます。

例外コード

 システム例外として、以下の例外コードが通知されます。

IDL:CORBA/StExcep/UNKNOWN:1.0
 未知の例外です。

IDL:CORBA/StExcep/BAD_PARAM:1.0
 パラメタが不正です。

IDL:CORBA/StExcep/NO_MEMORY:1.0
 メモリ不足を検出しました。

IDL:CORBA/StExcep/IMP_LIMIT:1.0
 起動するサーバアプリケーションの限界数に達しました。

IDL:CORBA/StExcep/COMM_FAILURE:1.0
 通信エラー。
 インタフェースリポジトリサービスと通信できません。

IDL:CORBA/StExcep/INV_OBJREF:1.0
 オブジェクトリファレンスが無効です。

IDL:CORBA/StExcep/NO_PERMISSION:1.0
 メソッドの実行権限がありません。

IDL:CORBA/StExcep/INTERNAL:1.0
 CORBAサービス(ObjectDirector)の内部エラーです。

IDL:CORBA/StExcep/MARSHAL:1.0
 パラメタ、結果のマーシャリングエラーです。

IDL:CORBA/StExcep/INITIALIZE:1.0
 CORBAサービス(ObjectDirector)の初期化に失敗しました。

IDL:CORBA/StExcep/NO_IMPLEMENT:1.0
 インタフェースリポジトリサービスが起動されていません。

IDL:CORBA/StExcep/BAD_TYPECODE:1.0
 タイプコードが不正です。

IDL:CORBA/StExcep/BAD_OPERATION:1.0
 オペレーションが無効です。

IDL:CORBA/StExcep/NO_RESOURCES:1.0
 リクエストに対して十分なリソースがありません。

IDL:CORBA/StExcep/NO_RESPONSE:1.0
 インタフェースリポジトリサービスからの応答がありません。

IDL:CORBA/StExcep/PERSIST_STORE:1.0
 永続的な蓄積の失敗です。

IDL:CORBA/StExcep/BAD_INV_ORDER:1.0
 ルーチンの呼び出しが正常ではありません。

IDL:CORBA/StExcep/TRANSIENT:1.0
 遷移中のエラー、リクエストを再発行します。

IDL:CORBA/StExcep/FREE_MEM:1.0
 メモリ解放に失敗しました。

IDL:CORBA/StExcep/INV_IDENT
 識別子のシンタックスが無効です。

IDL:CORBA/StExcep/INV_FLAG:1.0
 フラグが無効です。

IDL:CORBA/StExcep/INTF_REPOS:1.0
 インタフェースリポジトリのアクセスエラーです。

IDL:CORBA/StExcep/CONTEXT:1.0
 コンテキストオブジェクトのエラーです。

IDL:CORBA/StExcep/OBJ_ADAPTER:1.0
 オブジェクトアダプタのエラーです。

IDL:CORBA/StExcep/DATA_CONVERSION:1.0
 データ変換のエラーです。

例外コードに対する対処方法

環境設定ミスなどで発生するシステム例外とその対処方法を以下に示します。

IDL:CORBA/StExcep/NO_MEMORY:1.0

[原因]
 システムのメモリ不足を検出しました。

[対処]
 メモリ、スワップ領域を増設します。

IDL:CORBA/StExcep/COMM_FAILURE:1.0

[原因]
 以下の原因でインタフェースリポジトリサービスとの通信に失敗しました。

  1. サーバマシンで電源投入されていない、またはCORBAサービス未起動のため、サーバとの通信ができません。
  2. irconfigのir_timeout(暗黙値:1800秒)内にインタフェースリポジトリの処理が完了しませんでした。
  3. サーバへの処理要求数がconfigのmax_IIOP_resp_con(暗黙値:8)を超えました。
  4. ネットワーク環境に異常が発生しました。
  5. inithost/initial_hostsファイルの設定に誤りがあります。
  6. valueインタフェース用インタフェースリポジトリサービスが起動されていません。(EJBアプリケーション開発時)

[対処]
 それぞれの対処は以下のとおりです。

  1. サーバマシンの電源を投入し、インタフェースリポジトリのサーバを起動してください。
  2. irconfigのir_timeoutの設定値を大きくして、インタフェースリポジトリを再起動してください。
  3. configのmax_IIOP_resp_conを大きくして、CORBAサービスを再起動してください。
  4. ネットワーク環境をチェックし問題があれば修復します。
  5. inithost/initial_hostsファイルを確認してください。
  6. EJBアプリケーション開発時には、Interstage初期化処理でEJBオプションを指定してください。

注) b)の対処後、インタフェースリポジトリサービスの起動に失敗する場合があります。出力されたメッセージを確認して対処してください。メッセージの詳細については、“メッセージ集”を参照してください。

IDL:CORBA/StExcep/NO_IMPLEMENT:1.0

[原因]
 インタフェースリポジトリのサーバが未起動です。

[対処]
 インタフェースリポジトリのサーバを起動します。起動に失敗する場合は、環境設定を見直し再度起動します。EJBアプリケーション開発時には、Interstage初期化処理でEJBオプションを指定してください。

IDL:CORBA/StExcep/NO_RESOURCES:1.0

[原因]
 インタフェースリポジトリサービスを呼び出すためのオブジェクトの生成ができません。
 または、同一のインプリメンテーションIDのサーバが起動済です。

[対処]
 しばらく待ってから再試行します。または同一のインプリメンテーションIDのサーバの停止、インプリメンテーションIDの見直しを行います。

終了ステータス

 2: シンタックスエラー
 3: 未サポートの処理が呼ばれた
 4: その他のエラーを検出した

使用例

 マクロDEBUG=1として、sample.idlをコンパイルします。作業用ファイルは、-Tオプションに指定したディレクトリに作成されます。

IDLc -DDEBUG -TC:\tmp1 sample.idl

IDLc -DDEBUG -T/tmp1 sample.idl

 IDLファイルFoo.idl (デフォルト)をコンパイルします。インクルードファイルは、-Iオプションに指定したディレクトリから検索されます。インタフェースリポジトリへの登録は、行いません。

IDLc -IC:\home\ORB\include\IDL

IDLc -I/home/ORB/include/IDL


目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright(C) 富士通株式会社 2005