Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド (CORBAサービス編)
目次 索引 前ページ次ページ

第6章 アプリケーションの開発(Java言語)> 6.3 アプレットのデジタル署名> 6.3.3 デジタル署名手順

6.3.3.3 policytoolコマンドの設定(補足)

 plicytoolコマンドの具体的な設定方法について説明します。ここで使用している画面の例は、以下の環境を元にしたものです

 使用ライブラリ
 プレインストール型Javaライブラリ
 OS
 Windows(R) 2000
 CORBAクライアントインストールディレクトリ
 C:\Interstage\ODWIN
 ユーザ名
 guest
 インポートした証明書の別名
 sampleuser


 JDK1.4を使用する場合、「Policy Tool」画面は日本語で表示されますが、設定内容については特に変更ありません。

(1)policytoolコマンドの起動

 policytoolコマンドを起動します。
 表示される「Policy Tool」画面を以下に示します。

注意事項

 policytoolコマンドの初回起動時に、以下のようなエラーを示すダイアログが表示されることがあります。これは、policytoolコマンドが起動と同時にユーザのセキュリティポリシファイルの読込みを行うが、初回起動時にセキュリティポリシファイルが存在しないためであり、動作上問題ありません。
 ただし、2回目以降のpolicytoolコマンドの起動でこのダイアログが表示される場合は、セキュリティポリシファイルが指定された格納位置にあるかを確認してください。

(2)キーストア(証明書データベース)の格納位置の指定

 キーストアファイルの格納位置、およびキーストアのタイプを指定します
 policytool起動後最初に表示される「Policy Tool」画面内で、プルダウンメニュー「Edit」→「Change KeyStore」を選択すると、以下のような「Keystore」画面が表示されます。

 「New KeyStore URL」フィールドへ使用するキーストアの格納位置を指定し、「New KeyStore Type」フィールドにはキーストアタイプを指定します。それぞれのフィールドへ指定する内容を以下に示します。
設定後は、「Keystore」画面上の「OK」ボタンを押下してください。

 「New KeyStore URL」フィールド
 “(5)証明書のインポート”で作成されたキーストアの格納位置をキーストアファイル名も含めてURL形式で指定します。Windows(R) 9x、Windows(R) Me(シングルユーザOS)を使用している場合は、デフォルトのキーストアファイル格納ディレクトリ(c:\windows)にキーストアファイル名(.keystore)を付加して「file:c:/windows/.keystore」を指定します。
 デフォルトで格納されるディレクトリは使用するOSによって異なります。
 各OSでの格納先を以下に示します。

OS

格納先

Windows(R) 9x
Windows(R) Me
(シングルユーザOS)

OSインストールディレクトリ

Windows(R) 2000
Windows Server(TM) 2003
Windows(R) XP
(マルチユーザOS)

ログインユーザのプロファイルディレクトリ
例) ログイン名guestの場合
 "file:c:/Documents and Settings/guest/.keystore"をキーストア格納位置
 "c:\Documents and Settings\guest\.java.policy"をポリシファイル格納位置として指定

Solaris OE
Linux

ログインユーザのホームディレクトリ

 「New KeyStore Type」フィールド
 「jks」を指定します。

 設定画面の例を以下に示します。

(3)エントリの作成

 キーストアの格納位置を指定すると、「Keystore:」フィールドに設定した内容が反映されます。

 「Policy Tool」画面上の「Add Policy Entry」ボタンを押下し、以下のような「Policy Entry」画面で各権限を設定します。

(4)権限の設定

 「Policy Entry」画面上の「Add Permission」ボタンを押下し、「Permissions」画面を表示します。この画面上で権限を設定します。

 「Permissions」画面上での権限の設定は、一組の「Permission:/Target Name:/Actions:」の値を設定し、「OK」ボタンを押下します。この結果、「Policy Entry」画面に戻ります。(次の一組の値を設定するには、再度「Add Permission」ボタンを押下します。これを繰り返し、必要な情報を設定します。)設定する権限は「プレインストール型Javaライブラリ」を使用する場合と「Portable-ORB」を使用する場合で異なります。
 設定が必要となる権限を以下に記載します。

プレインストール型Javaライブラリの場合

◇通常運用で必要な権限

 通常の運用では、セキュリティ上の安全性を確保するため、この権限以外は設定しないでください。

権限種別

設定を行う権限

Permission

Target Name

Actions

ランタイム権限

RuntimePermission
(java.lang.RuntimePermission)

loadLibrary.DLL名 (注1)

設定不要

プロパティ権限

PropertyPermission
(java.util.PropertyPermission)

com.fujitsu.*

read

注1) インストールしている機能、および使用するJDK/JREにより以下のダイナミックリンクライブラリ(DLL)名を指定します(拡張子は指定不要)。

インストールしている機能

JDK/JRE

ダイナミックリンクライブラリ

CORBAサービスクライアント(クライアント機能)

JDK/JRE1.2.2,1.3.1

ODjava2

JDK/JRE1.4.0

ODjava4

CORBAサービス(サーバ機能)

JDK/JRE1.2.2,1.3.1

ODjavas2

JDK/JRE1.4.0

ODjavas4

◇CORBAサービスの内部ログを採取する場合に必要な権限 (注2)

権限種別

設定を行う権限

Permission

Target Name

Actions

プロパティ権限

PropertyPermission
(java.util.PropertyPermission)

user.dir

read

java.class.path

read

ファイル権限

FilePermission
(java.io.FilePermission)

${user.dir}\*

read, write

%OD_HOME%\etc\config (注3)

read

注2) CORBAサービスの内部ログの詳細は、“チューニングガイド”の“config”を参照してください。なお、ログ採取後は追加した権限を削除してください。
注3) %OD_HOME%は、CORBAサービス、CORBAサービスクライアントのインストールパスを指定します(デフォルトは、C:\Interstage\ODWIN)。

Portable-ORBの場合

◇通常運用で必要な権限

 通常の運用では、セキュリティ上の安全性を確保するため、この権限以外は設定しないでください。

権限種別

設定を行う権限

Permission

Target Name

Actions

通信権限

SocketPermission
(java.net.SocketPermission)

通信先サーバ名 (注1)

connect

注1) JavaアプレットをダウンロードしたWebサーバ以外のサーバマシンと通信する場合に、通信先サーバ分の通信先サーバ名を設定します。通信するサーバマシンがJavaアプレットをダウンロードしたWebサーバのみの場合は、設定する必要はありません。
通信先サーバ名として、以下のホスト名を指定します。
−porbeditenvコマンドの「ホスト情報」で設定したホスト名
 (詳細は、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“porbeditenv”参照)。
−通信するサーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスに設定されているホスト名
 (odlistnsコマンド(-lオプション指定)で表示される「オブジェクトのホスト名」)。
−URLスキーマに指定したホスト名
 (詳細は、“URLスキーマ”および“corbaloc URLスキーマ”参照)。
なお、通信先サーバとして、serverA.interstage.co.jpとserverB.interstage.co.jpが存在する場合、通信先サーバ名としてserverA.interstage.co.jpとserverB.interstage.co.jpの2組の通信権限を設定します。または、信頼できる範囲を確認した上でワイルドカード(*)を使用して、*.interstage.co.jpと設定することもできます。ただし、ワイルドカード(*)のみの指定(不特定のサーバマシンとの通信)は、セキュリティ上の安全を確保するため、指定しないでください。

◇EJBアプリケーションを使用する場合に必要な権限 (注2)

権限種別

設定を行う権限

Permission

Target Name

Actions

プロパティ権限

PropertyPermission
(java.util.PropertyPermission)

com.fujitsu.*

read

java.class.path

read

ランタイム権限

RuntimePermission
(java.lang.RuntimePermission)

getClassLoader

(指定不要)

注2) EJBアプリケーションの詳細については、“J2EE ユーザーズガイド”の“EJB編”を参照してください。

◇Portable-ORBのログ情報を採取する場合に必要な権限 (注3)

権限種別

設定を行う権限

Permission

Target Name

Actions

ファイル権限

FilePermission
(java.io.FilePermission)

ログ採取ファイル (注4)

read, write, delete

ログ採取ディレクトリ (注5)

read

注3) Portable-ORBのログ情報の詳細は、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“porbeditenv”を参照してください。なお、ログを採取する場合は、porbeditenvコマンドの「ログ格納ディレクトリ」で指定したディレクトリを事前に作成しておく必要があります。また、「ログ格納ディレクトリ」にはログ採取ファイル以外のユーザ資源などを格納しないでください。ログ採取後は、追加した権限を削除してください。
注4) porbeditenvコマンドの「ログ格納ディレクトリ」で指定したディレクトリ名に「\*」を付加したパスを指定します(「ログ格納ディレクトリ」に「c:\log\porb」と指定した場合は「c:\log\porb\*」)。
注5) porbeditenvコマンドの「ログ格納ディレクトリ」で指定したディレクトリ名を指定します。

◇SSL連携機能を使用する場合に必要な権限 (注6)

権限種別

設定を行う権限

Permission

Target Name

Actions

ファイル権限

FilePermission
(java.io.FilePermission)

keystoreディレクトリ (注7)

read

注6) SSL連携機能の詳細は、“セキュリティシステム運用ガイド”の“Portable-ORBでSSLを利用する方法”を参照してください。
注7) porbeditenvコマンドの「キーストア格納位置」で指定した格納位置、または-ORB_FJ_PORB_SSLPathパラメタで指定した格納位置を指定します(格納位置が「C:\Interstage\PORB\etc\keystore」の場合、「C:\Interstage\PORB\etc\keystore」)。キーストアの格納位置がネットワーク上(HTTP指定)である場合は、指定する必要はありません。

◇サーバアプリケーションでユーザ情報獲得用のAPIを使用する場合に必要な権限 (注8)

権限種別

設定を行う権限

Permission

Target Name

Actions

プロパティ権限

PropertyPermission
(java.util.PropertyPermission)

user.name

read

注8)ユーザ情報獲得用のAPIの詳細は、“リファレンスマニュアル(API編)”の“TD_get_user_information”/“TD::get_user_information”/“TDGETUSERINFORMATION”を参照してください。

 ランタイム権限の設定画面の例を以下に示します

 プロパティ権限の設定画面の例を以下に示します

(5)署名付きJavaクラスのための証明書の指定

 どの証明書に対する権限かを指定するため、「SignedBy:」フィールドにキーストアにインポートした名前(別名)を指定します。入力後、「Done」ボタンを押下します。

(6)プレインストール型Javaライブラリの権限の設定

 プレインストール型Javaライブラリの権限を設定します。
 「Add Policy Entry」ボタンを押下して、ランタイム権限/プロパティ権限/ファイル権限をそれぞれ設定します(“(3)エントリの作成”、“(4)権限の設定”)。
 それぞれの権限の設定後、「Policy Entry」画面の「CodeBase:」フィールドにプレインストール型Javaライブラリを指定します。入力後、「Done」ボタンを押下します。

(7)保存

 設定した権限をセキュリティポリシファイルとして保存を行います。
 初回作成時は、プルダウンメニュー「File」の「Save As」を選択してポリシファイルの名前と格納位置を指定します。2回目以降は、「Policy Tool」画面上の「Policy File」フィールドで指定します。
 Windows(R) 9x/Me(シングルユーザOS)を使用している場合は、デフォルトのポリシファイル格納ディレクトリ(c:\windows)にポリシファイル名(.java.policy)を付加して「c:\windows\.java.policy」を指定します。
 デフォルトで指定するディレクトリは使用するOSによって異なります。
 各OSでの格納ディレクトリは、「New KeyStore URL」フィールドで説明されている格納ディレクトリの表を参照してください。

 プルダウンメニューの「File」→「SaveAs」を選択します。保存が完了すると、ポリシファイルから以下のようなダイアログが表示されます。

(8)policytoolコマンドの終了

 保存後、「Policy File:」フィールドに保存したポリシファイルが入っていることが確認できます。
 「Policy Tool」画面上でプルダウンメニュー「File」→「Exit」を選択し、終了します。


目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright(C) 富士通株式会社 2005