MessageQueueDirector説明書
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第3部 クラスタシステム編> 第15章 クラスタサービス機能(MSCS編)> 15.2 環境設定> 15.2.3 MQDの拡張機能の環境を作成する

15.2.3.1 ACM連携サービスの環境を作成する

 ACM連携サービスを使用するためには、図15.6の手順に従って、ACM連携サービスが動作するためのサービス環境を作成する必要があります。

[図15.6 ACM連携サービスの環境作成の流れ]

IDCMをインストールする

 IDCMを両方のノードの同一パスにインストールします。インストールでは、自動起動形態1を選択します。自動起動形態1を選択しないと、フェイルオーバ後に運用の自動継続ができません。

IDCMサービスの起動形態を変更する

 IDCMのインストーラによって、IDCMのサービスは自動起動として登録されます。IDCMのサービスをMSCSのリソースとして登録するため、手動起動に変更します。なお、変更するサービス名は次のとおりです。

 FUJITSU IDCM

IDCMの環境定義を作成する

 IDCMのプログラムグループに登録されているIDCMセットアップを実行します。メニューから定義編集を実行して、IDCMの環境定義を編集します。これを、同一内容で両方のノードで実施します。IDCMネットワーク定義(tcpctype定義文)の記述内容を、表15.2に示します。なお、IDCMを使用するアプリケーションが存在する場合は、下記値にアプリケーションが必要な値を追加してください。IDCMネットワーク定義の詳細については、“IDCM使用手引書”および“IDCMヘルプ”を参照してください。

[表 15.2 IDCMネットワーク定義]

定義文

オペランド

tcpctype

name

TCPCTYPE名

maxcont

 自システムと相手システムのwinicontとlinicontの合計に1を加えた値を指定します。

winicont

  •  相手システムにメッセージを送信する場合は、ACM連携サービスのサービス定義(PSYSセクションのsesnoキーワードの値)で指定した値を指定します。
  •  相手システムからメッセージの受信だけを行う場合、かつ自システムから相手システムにPSYSを確立する場合は、1を指定します。
  •  相手システムからメッセージの受信だけを行う場合、かつ自システムからは相手システムにPSYSを確立しない場合は、0を指定します。

linicont

0を指定します。

respcont

1を指定します。

IDCMのDPCF通信パスを確立するアプリケーションを作成する

 フェイルオーバ後、ACM連携サービスの通信を自動的に再開するためには、“idcm_psysACTサービス”を実行してIDCMのDPCF通信パスを確立するアプリケーションを作成する必要があります。“idcm_psysACTサービス”を実行するアプリケーションの作成方法については、“IDCM API リファレンス”を参照してください。

MQDを起動する

 MQD用のディスクリソースがオンラインになっているノードで、MQDを起動します。起動は、Windows(R)のサービスの起動で行います。起動するサービス名は次のとおりです。なお、サービス名に含まれている“MQD001”は、mqdsetupの-sオプションを省略した場合の値です。-sオプションを指定して環境を作成した場合は、-sオプションでの指定値になります。

 なお、サービスの起動では、スタートアップパラメタに-pを指定してください。これにより、MQDの基本機能だけが起動されます。

 MessageQueueDirector MQD001

サービス環境を作成する

 ACM連携サービスの環境を作成します。作成は、mqdacomsetupコマンドで行います。このコマンドは、このノードで1度だけ実行します。以下にmqdacomsetupコマンドの入力例を示します。

-----------------------------------------------------------------------------------
   mqdacomsetup
-----------------------------------------------------------------------------------

メッセージキューを作成する

 ACM連携サービスで使用するメッセージキューを作成します。既存のキューに対してACM連携サービスを使用する場合には、新たにメッセージキューを作成する必要はありません。メッセージキューの作成は、mqdcrtqコマンドで行います。以下にmqdcrtqコマンドの入力例を示します。

-----------------------------------------------------------------------------------
   mqdcrtq que001
-----------------------------------------------------------------------------------

サービス定義を作成する

 ACM連携サービスのサービス定義を作成します。クラスタシステムでACM連携サービスを使用する場合、サービス定義を追加および変更する必要があります。追加および変更となるサービス定義について、表15.3 に示します。

[表 15.3 サービス定義]

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

hasystem

文字列

“TYPE1”または“NO”を指定します。本キーワードを省略した場合、キーワード値は“NO”となります。

 クラスタ対応を行う場合は、“TYPE1”を指定します。

sesno

数値

1〜240の範囲で指定します。
省略値は3です。

 IDCMネットワーク定義の優先会話コネクション数(winicontの値)と同じ数を指定してください。

サービス定義を登録する

 ACM連携用のサービス定義を登録します。登録は、mqdacomdefコマンドで行います。このコマンドは、このノードで1度だけ実行します。以下にmqdacomdefコマンドの入力例を示します。

-----------------------------------------------------------------------------------
   mqdacomdef -a -f e:\mqdenv\acomdef.def
-----------------------------------------------------------------------------------

サービス定義を反映する

 登録したサービス定義を反映するために、-nを指定したmqdstrsvcコマンドを実行します。これにより、登録した定義によりACM連携サービスが起動されます。以下にmqdstrsvcコマンドの入力例を示します。

-----------------------------------------------------------------------------------
   mqdstrsvc -n acom
-----------------------------------------------------------------------------------

MQDを停止する

 環境作成のために起動したMQDを停止します。停止は、Windows(R)のサービスの停止で行います。


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