Interstage Application Server J2EE ユーザーズガイド
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第1部 J2EE共通編> 第3章 J2EEアプリケーションの運用> 3.4 Webサーバコネクタにおけるリクエストの振り分け制御

3.4.2 Webサーバコネクタの故障監視


 本機能は、以下の製品で使用可能です。

 IJServerとWebサーバをそれぞれ別のサーバマシンに分離して負荷分散運用を行う場合に、分散先のIJServerマシンやServletコンテナの稼動状況を監視し、故障したIJServerマシンやServletコンテナを自動的に振り分けの対象から除外することや、故障から復旧したIJServerマシンやServletコンテナを自動的に振り分けの対象に戻すことができます。
 Webサーバコネクタの故障監視機能によって振り分けの対象から除外されたIJServerマシンやServletコンテナに対しては、Webサーバコネクタがリクエストの振り分けを抑止します。

 故障監視機能には、以下の2種類の故障監視方式があります。

■事前準備

 故障監視機能を使用する場合には、事前に以下の設定が必要です。

■設定項目

 故障監視機能の設定は、[Webサーバ] > [Webサーバコネクタ] > [故障監視設定]タブで行います。
 以下の設定項目があります。

項目名

意味

故障監視方式

以下のいずれかの監視方法を選択します。

  • 使用しない
    故障監視機能を使用しません。
  • ping監視
    IJServerマシンの稼動状況をpingで行います。
  • ポート監視
    IJServerマシンの稼動状況をpingで行うと同時に、Servletコンテナの稼動状況をconnectで行います。

故障監視間隔

ping監視またはポート監視による稼動状況の監視を実施する間隔を設定します。

応答待ち時間

IJServerマシンにpingまたはconnectを発行してから、応答が返るまでの待ち時間を設定します。
待ち時間を超えても応答がなかった場合、再度、故障時のリトライ回数に設定した回数のpingまたはconnectを発行し、そのすべてに応答がなかった場合に故障と判断されます。

故障時のリトライ回数

IJServerマシンにpingまたはconnectを発行してから、応答待ち時間を超えても応答がなかった場合のリトライ回数を設定します。

起動待ち時間

Webサーバコネクタ起動時に、故障監視機能が未起動の場合、故障監視機能の起動待ちをする時間を設定します。
この時間を超えても故障監視機能が起動しなかった場合、Webサーバコネクタは故障監視機能を使用せずに動作します。
故障監視機能を使用せずに動作する場合、Webサーバコネクタは、クライアントからのリクエストを、故障中のIJServerマシンやServletコンテナに振り分けてしまうことがあります。

■運用準備の具体例

 以下のような運用を行う場合について、具体的な運用手順例を説明します。

◆2台のIJServerマシンに負荷分散を行う構成で、IJServerマシンの稼動状況を監視する

【条件】

サーバマシンA(IPアドレス:172.16.30.1)

Webサーバを運用

サーバマシンB(IPアドレス:172.16.30.2)

IJServerを運用

サーバマシンC(IPアドレス:172.16.30.3)

IJServerを運用

【設定手順】

  1. サーバマシンBのInterstage管理コンソールで、[ワークユニット] > [新規作成]タブを選択し、以下の設定内容のワークユニットを作成します。

    項目名

    設定値例

    ワークユニット名

    MyIJServer

    WebサーバのIPアドレス

    172.16.30.1

    ServletコンテナのIPアドレス

    172.16.30.2

    ポート番号

    9000

    タイムアウト

    480

    同時処理数

    64


  2. サーバマシンCのInterstage管理コンソールで、[ワークユニット] > [新規作成]タブを選択し、以下の設定内容のワークユニットを作成します。

    項目名

    設定値例

    ワークユニット名

    MyIJServer

    WebサーバのIPアドレス

    172.16.30.1

    ServletコンテナのIPアドレス

    172.16.30.3

    ポート番号

    9000

    タイムアウト

    480

    同時処理数

    64


  3. サーバマシンAのInterstage管理コンソールで、[Webサーバ] > [Webサーバコネクタ] > [新規作成]タブを選択し、以下の設定内容の接続先情報を作成します。

    項目名

    設定値例

    ワークユニット名

    MyIJServer

    ServletコンテナのIPアドレス:ポート番号

    172.16.30.2:9000
    172.16.30.3:9000

    タイムアウト

    480

    同時処理数

    64


  4. サーバマシンAのInterstage管理コンソールで、[Webサーバ] > [Webサーバコネクタ] > [故障監視設定]タブを選択し、以下の設定内容で故障監視機能を設定します。

    項目名

    設定値例

    故障監視方式

    ping監視

    故障監視間隔

    60

    応答待ち時間

    10

    故障時のリトライ回数

    3


  5. サーバマシンAのInterstage管理コンソールで、[サービス] > [Webサーバ]タブを選択し、Webサーバを再起動してください。

◆2台のIJServerマシンに負荷分散を行う構成で、IJServerマシンの稼動状況およびServletコンテナの稼動状況を監視する

【条件】

サーバマシンA(IPアドレス:172.16.30.1)

Webサーバを運用

サーバマシンB(IPアドレス:172.16.30.2)

IJServerを運用

サーバマシンC(IPアドレス:172.16.30.3)

IJServerを運用

【設定手順】

  1. サーバマシンBのInterstage管理コンソールで、[ワークユニット] > [新規作成]タブを選択し、以下の設定内容のワークユニットを作成します。

    項目名

    設定値例

    ワークユニット名

    MyIJServer

    WebサーバのIPアドレス

    172.16.30.1

    ServletコンテナのIPアドレス

    172.16.30.2

    ポート番号

    9000
    9001

    タイムアウト

    480

    同時処理数

    64


  2. サーバマシンCのInterstage管理コンソールで、[ワークユニット] > [新規作成]タブを選択し、以下の設定内容のワークユニットを作成します。

    項目名

    設定値例

    ワークユニット名

    MyIJServer

    WebサーバのIPアドレス

    172.16.30.1

    ServletコンテナのIPアドレス

    172.16.30.3

    ポート番号

    9000
    9001

    タイムアウト

    480

    同時処理数

    64


  3. サーバマシンAのInterstage管理コンソールで、[Webサーバ] > [Webサーバコネクタ] > [新規作成]タブを選択し、以下の設定内容の接続先情報を作成します。

    項目名

    設定値例

    ワークユニット名

    MyIJServer

    ServletコンテナのIPアドレス:ポート番号

    172.16.30.2:9000
    172.16.30.2:9001
    172.16.30.3:9000
    172.16.30.3:9001

    タイムアウト

    480

    同時処理数

    64


  4. サーバマシンAのInterstage管理コンソールで、[Webサーバ] > [Webサーバコネクタ] > [故障監視設定]タブを選択し、以下の設定内容で故障監視機能を設定します。なお、ポート監視を選択した場合の監視先は、3の手順の“ServletコンテナのIPアドレス:ポート番号”で設定したすべてのIPアドレス:ポート番号となります。

    項目名

    設定値例

    故障監視方式

    ポート監視

    故障監視間隔

    60

    応答待ち時間

    10

    故障時のリトライ回数

    3


  5. サーバマシンAのInterstage管理コンソールで、[サービス] > [Webサーバ]タブを選択し、Webサーバを再起動してください。

■稼動状況の表示

 Webサーバマシンで、以下のコマンドを使用することにより、分散先のIJServerの稼動状況を表示することができます。コマンドの詳細は、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。

svmondspstat

◆すべてのIJServerの状態を表示する

 オプション指定なしでsvmondspstatコマンドを実行することにより、すべての分散先についてのIJServerの稼動状況が表示されます。

【表示例】

 条件:

 上記の条件の場合、以下のように表示されます。

  -----------------------------------------------------------------------
    Status  IP Address  : Port Number : WorkUnit Name
    -------------------------------------------------
    ACTIVE  172.16.30.2 : 9000        : MyIJServer1
    DOWN    172.16.30.2 : 9001        : MyIJServer2
    ACTIVE  172.16.30.3 : 9000        : MyIJServer1
    ACTIVE  172.16.30.3 : 9001        : MyIJServer2
  -----------------------------------------------------------------------

◆特定のIJServerの状態のみを表示する

 以下のように、Webサーバコネクタの“ワークユニット名”で設定したワークユニット名を指定してコマンドを実行することにより、特定のIJServerの稼動状況のみを表示することができます。

【実行例】

  -----------------------------------------------------------------------
    svmondspstat -i MyIJServer1
  -----------------------------------------------------------------------

【表示例】

 条件:

 上記の条件の場合、以下のように表示されます。

  -----------------------------------------------------------------------
    Status  IP Address  : Port Number : WorkUnit Name
    -------------------------------------------------
    ACTIVE  172.16.30.2 : 9000        : MyIJServer1
    ACTIVE  172.16.30.3 : 9000        : MyIJServer1
  -----------------------------------------------------------------------

■留意点

 故障監視機能を使用する場合、下記の留意点があります。


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