Interstage Application Server J2EE ユーザーズガイド |
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第1部 J2EE共通編 | > 第3章 J2EEアプリケーションの運用 | > 3.4 Webサーバコネクタにおけるリクエストの振り分け制御 |
Webサーバコネクタでは、各IJServerワークユニットに対しリクエスト振り分け制御を行っています。
以下のコマンドを使用することにより、WebサーバコネクタにおけるIJServerワークユニットのリクエスト振り分け制御状態(振り分け対象にする/しない)の変更や、現在のリクエスト振り分け制御状態の表示ができます。
例えばWebアプリケーションの定期保守、ネットワーク障害やマシンのハード障害などの場合に当該IJServerワークユニット(または当該マシン)を一時的にリクエスト振り分け対象から外し、保守完了後や障害対処後に振り分け対象に戻します。この操作により、安定かつ継続的なシステムの運用が可能になります。
振り分け操作コマンドで指定するIJServerワークユニットのIPアドレスまたはIPアドレス:ポート番号は、事前に振り分け状態表示コマンドを使用して確認します。振り分け状態表示コマンドで表示されたIPアドレスまたはIPアドレス:ポート番号のみで操作可能です。
各コマンドの詳細は、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
Webサーバコネクタから各IJServerワークユニットへのリクエスト振り分けは以下の方法で行われます。ただし、Webアプリケーションでセション管理を使用している場合には、セションを生成したIJServerワークユニットと同じIJServerワークユニットに以降のリクエストも振り分けられます。
以下に運用パターンの例を示します。サーバマシンの構成とコマンドパラメータの指定方法によってさまざまな運用パターンがあります。
マシンの保守を行う場合やマシンのハード障害が発生した場合などにマシンへの振り分けを制御するには、以下のように運用します。
IPアドレス123.123.123.110のマシン(マシン1)とIPアドレス123.123.123.111のマシン(マシン2)をそれぞれ2つのIJServerワークユニット(IJServerA、IJServerB)で構成しています。
IJServerAにはapl01、IJServerBにはapl02のWebアプリケーションを配備しています。
マシン1を停止するため、IPアドレス123.123.123.110を振り分け対象からはずして運用します。
ijsdispatchcont OFF 123.123.123.110
負荷分散のためマシン1とマシン2に振り分けられていたapl01、apl02は共にマシン2のみでの運用になります。
マシン1復旧時には、以下のコマンドで振り分け対象に戻します。
ijsdispatchcont ON 123.123.123.110
Webアプリケーションの保守を行う場合などにIJServerワークユニットへの振り分けを制御するには、以下のように運用します。
パターン1同様、IPアドレス123.123.123.110のマシン(マシン1)とIPアドレス123.123.123.111のマシン(マシン2)をそれぞれ2つのIJServerワークユニット(IJServerA、IJServerB)で構成しています。
IJServerAにはapl01、IJServerBにはapl02のWebアプリケーションを配備しています。
マシン1のIJServerAを停止するため、振り分け対象からはずして運用します。
ijsdispatchcont OFF 123.123.123.110:9000
負荷分散のためマシン1とマシン2に振り分けられていたapl01はマシン2のみでの運用となります。apl02は変わらずマシン1とマシン2に振り分けられます。
マシン1のIJServerA復旧時には、以下のコマンドで振り分け対象に戻します。
ijsdispatchcont ON 123.123.123.110:9000
IJServerワークユニットのプロセス多重度が2以上の場合で、Webアプリケーションの保守を行うためIJServerワークユニットへの振り分けを制御するには、以下のように運用します。
IPアドレス123.123.123.110のマシン(マシン1)とIPアドレス123.123.123.111のマシン(マシン2)をそれぞれ2つのIJServerワークユニット(IJServerA、IJServerB)で構成しています。
IJServerAのプロセス多重度を2とし、2つのServletコンテナ(コンテナα、コンテナβ)を起動しています。IJServerAにはapl01、IJServerBにはapl02のWebアプリケーションを配備しています。
マシン1のIJServerAを停止するため、振り分け対象からはずして運用します。Servletコンテナ数分の振り分け操作コマンドを実行します。
ijsdispatchcont OFF 123.123.123.110:9000
ijsdispatchcont OFF 123.123.123.110:9001
負荷分散のため、マシン1のコンテナα、コンテナβとマシン2のコンテナα、コンテナβに振り分けられていたapl01は、マシン2のコンテナα、コンテナβでの運用となります。apl02は変わらず、マシン1のIJServerBとマシン2のIJServerBに振り分けられます。
マシン1のIJServerA復旧時には、以下のコマンドで振り分け対象に戻します。
ijsdispatchcont ON 123.123.123.110:9000
ijsdispatchcont ON 123.123.123.110:9001
IJServerワークユニット側のマシンが1台の構成の場合でWebアプリケーションの保守を行うためIJServerワークユニットへの接続を抑止するには、以下のように運用します。
IPアドレス123.123.123.110のマシンを2つのIJServerワークユニット(IJServerA、IJServerB)で構成しています。
IJServerAにはapl01、IJServerBにはapl02のWebアプリケーションを配備しています。
IJServerAを停止するため、振り分け対象からはずして運用します。
ijsdispatchcont OFF 123.123.123.110:9000
振り分け対象がIJServerAのみだったapl01は処理不可となります。apl02は変わらずIJServerBでの処理が可能です。
※)apl01のように振り分け先が1つも存在しなくなった場合は、リクエスト時にHTTPステータスコード503(Service Temporarily Unavailable)をWebブラウザへ返却します。
IJServerA復旧時には、以下のコマンドで振り分け対象に戻します。
ijsdispatchcont ON 123.123.123.110:9000
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