Interstage Application Server J2EE ユーザーズガイド
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第1部 J2EE共通編> 第3章 J2EEアプリケーションの運用> 3.3 Servletサービスの運用準備> 3.3.1 Webサーバの環境設定

3.3.1.3 Sun Java System Web Serverの環境設定

 Sun Java System WebServerのWebサーバコネクタはNSAPI APIを使用したプラグインとしてWebサーバ上で動作するため、Webサーバの起動と停止に連動します。
 IJServerとWebサーバをそれぞれ別のマシンに分離して運用する場合には、Webサーバコネクタの環境設定を行う必要があります。詳細は、“IJServerとWebサーバを分離して運用する場合の手順”を参照してください。


 Sun Java System WebServerのWebサーバコネクタでは、Interstage HTTP ServerのWebサーバコネクタの設定を参照することで同様の動作を実施しているため、Sun Java System WebServerのWebサーバコネクタを使用する場合でもInterstage HTTP Serverを使用する際と同様に、Interstage HTTP Server とWebサーバコネクタの設定をInterstage管理コンソールから行う必要があります。


 Interstage HTTP ServerとSun Java System WebServerは、それぞれのWebサーバに異なるポート番号を設定することにより、共存することは可能ですが、Webサーバコネクタを同時に利用することはできません。

 InterstageとSun Java System Web Serverの連携は、以下の手順で行います。

  1. Sun Java System Web ServerとInterstageのインストール
  2. Interstage HTTP Serverの自動起動の抑止
  3. Sun Java System Web Serverの環境設定
  4. Interstageの環境設定

Sun Java System Web ServerとInterstageのインストール

 サーバマシンに、Sun Java System Web ServerとInterstageをインストールします。


 Sun Java System Web Serverを使用する場合は、Interstage HTTP Serverを必ずインストールしてください。
 Interstage HTTP Serverをインストールしないと、Sun Java System Web ServerとInterstageを連携させることができません。


 Sun Java System Web Serverをインストールする際に、デフォルトインスタンスの実行時に使用するユーザおよびグループを指定しますが、“webservd”ではなく“nobody”を指定してください。
 “nobody”以外のユーザおよびグループを使用する場合には、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイルで定義されている“User”と“Group”を使用するユーザおよびグループに変更してください。Interstage HTTP Serverの環境定義ファイルの詳細については、“Interstage Application Server Webサーバ運用ガイド(Interstage HTTP Server編)”の“環境定義ファイル”を参照してください。

Interstage HTTP Serverの自動起動の抑止

 Interstage HTTP Serverの自動起動を抑止するための設定を行います。

  1. Interstage HTTP Serverの停止
     Interstage管理コンソールの[サービス] > [Webサーバ] > [状態]タブで、[停止]ボタンを押下してInterstage HTTP Serverを停止します。
     
  2. InterstageとInterstage HTTP Serverの連動抑止
     Interstage管理コンソールの[システム] > [環境設定]タブ > [Interstageとの連動] > [Webサーバ]を[連動しない]に設定します。
     
  3. スタートシェルとストップシェルの実行抑止
     Interstage HTTP Serverのスタートシェルとストップシェルの、それぞれのシンボリックリンクファイルを退避して、サーバマシン起動時のスタートシェルの呼び出しと、サーバマシン停止時のストップシェルの呼び出しを抑止します。
     対象となるファイルは、以下です。

    (例)

    mv /etc/rcS.d/K17FJapache /etc/rcS.d/_K17FJapache
    mv /etc/rc0.d/K17FJapache /etc/rc0.d/_K17FJapache
    mv /etc/rc1.d/K17FJapache /etc/rc1.d/_K17FJapache
    mv /etc/rc2.d/K17FJapache /etc/rc2.d/_K17FJapache
    mv /etc/rc3.d/S51FJapache /etc/rc3.d/_S51FJapache

Sun Java System Web Serverの環境設定

 WebサーバコネクタをSun Java System Web Serverのプラグインモジュールとして動作させるために、Sun Java System Web Serverのmagnus.conf、obj.conf、mime.typesを以下のように編集します。
 編集には、テキストエディタなどを使用します。

◆格納場所

 magnus.conf、obj.conf、mime.typesは、以下のディレクトリに格納されています。

server-root/server-id/config/

 server-rootはSun Java System Web Serverのインストール先、server-idは、各サーバのServerIDを表します。たとえば、Sun Java System Web Serverのインストール先が“/opt/SUNWwbsvr”、ServerIDが“https-taro”の場合、以下のディレクトリにmagnus.confとobj.confが格納されています。

/opt/SUNWwbsvr/https-taro/config

◆magnus.confの設定

 StackSizeディレクティブに、262144(256K)以上の値を設定します。

StackSize 262144

 ChildRestartCallbackディレクティブに、“on”または“yes”または“true”を設定します。

ChildRestartCallback on

 Sun Java System Web Serverが同時に実行することができるプロセスの最大数(MaxProcs)と、各プロセスが同時に処理できるスレッドの最大数(RqThrottle)を設定します。
 Sun Java System Web Serverは、最大でMaxProcsとRqThrottleを掛け合わせた数分、同時にリクエストを処理します。そのため、MaxProcsとRqThrottleは、以下の条件を満たすように設定する必要があります。

MaxProcs × RqThrottle ≦ Servletコンテナの同時処理数

 たとえば、Servletコンテナの同時処理数を64に設定した場合は、MaxProcs × RqThrottleの値が64以下になるように設定します。
 また、プロセッサ(CPU)が単一のマシンでは、MaxProcsの値としては、1が推奨されています。詳細についてはSun Java System Web Serverから提供されるマニュアルを参照してください。

MaxProcs 1
RqThrottle 64

 最終行に、2つのディレクティブを追加します。

Init fn="load-modules" funcs="ijs_nsapi_init,ijs_nsapi_handler" shlib="/opt/FJSVjs4/gateway/nsapi/ijs_nsapi_redirector.so"
Init fn="ijs_nsapi_init" conf="/opt/FJSVihs/conf/workers2.properties"

◆obj.confの設定

 “<Object name=default>”タグの次の行に1つのディレクティブを追加します。

<Object name=default>
Service fn="ijs_nsapi_handler"
・・・
</Object>

◆Sun Java System Web ServerのデフォルトのサーブレットおよびJSPの無効化

 Sun Java System Web Serverでは、デフォルトではSun Java System Web Serverが提供するサーブレットおよびJSPが動作するように設定されています。これらを無効化してWebサーバコネクタで処理が行われるようにします。

Sun Java System Web Server 6.0の場合

mime.typesの以下の行を削除するか、またはコメント化します。

type=magnus-internal/jsp exts=jsp

Sun Java System Web Server 6.1の場合

magnus.confの以下の行を削除するか、またはコメント化します。

Init fn="load-modules" shlib="/opt/SUNWwbsvr/bin/https/lib/libj2eeplugin.so" shlib_flags="(global|now)"

obj.confの以下の行を削除するか、またはコメント化します。

NameTrans fn="ntrans-j2ee" name="j2ee"
Error fn="error-j2ee"

Interstageの環境設定

 Interstageの環境設定(ワークユニットの作成、Webアプリケーションの配備など)は、Interstage管理コンソールで、Interstage HTTP Serverを使用する場合と同様の操作で行います。
 ただし、Interstage HTTP Serverを使用する場合と、Sun Java System Web Serverを使用する場合とでは、以下の差異があります。


 WebサーバコネクタとServletコンテナ間でSSL通信を行う場合には、Sun Java System Web Serverを実行するユーザがInterstage証明書環境へのアクセスを許可する、所有グループに属している必要があります。
 Interstage証明書環境へのアクセス権限の詳細については、“セキュリティシステム運用ガイド”の“Interstage証明書環境の構築と利用”の“Interstage証明書環境のアクセス権限の設定”を参照してください。


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