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Systemwalker Desktop Keeper V14g 運用ガイド 管理者編
Systemwalker

2.1.1 ポリシーとは

ポリシーとは

ポリシーとは、システムの運用方針に沿って決定した約束事です。
PC使用時に許可する操作と許可しない(禁止する)操作、および、どの操作のログを採取するかが定められている情報です。


ポリシーで設定できること

Systemwalker Desktop Keeperでは、ポリシーとして「禁止する操作」と「ログを採取する操作」を設定できます。


禁止する操作を設定する

禁止する操作には、以下の種類があります。これらは、システム管理者または部門管理者が、管理コンソールで設定します。

  • ファイル持出し禁止

    ポリシーとしてファイル持出し禁止を設定すると、クライアント(CT)がインストールされているPCのドライブ、ネットワークドライブ、リムーバブルドライブまたは、DVD/CDへのファイルやフォルダの持出しを、条件付きで禁止できます。
    設定条件によっては、禁止されたドライブなどへ、「持出しユーティリティ」を使用して、ファイルやフォルダを持ち出すことができます。持ち出すときには、暗号化することもできます。
    「持出しユーティリティ」については、“Systemwalker Desktop Keeper 運用ガイド  クライアント編”を参照してください。

  • 読み込み禁止

    ポリシーとして読み込み禁止を設定すると、クライアント(CT)がインストールされているPCのリムーバブルドライブ、ネットワークドライブまたは、DVD/CDからのデータ読み込みを禁止できます。

  • 印刷禁止

    ポリシーとして印刷禁止を設定すると、クライアント(CT)がインストールされているPCでは、指定したアプリケーション以外の印刷を禁止できます。

  • PrintScreenキー禁止

    ポリシーとしてPrintScreenキー禁止を設定すると、クライアント(CT)がインストールされているPCでは、キーボードのPrintScreenキーを使用した画面のハードコピーの採取を禁止できます。このとき、どんな画面のバードコピーを採取しようとしたかが明らかになるように、画面キャプチャを採取することもできます。

  • ログオン禁止

    ポリシーとしてログオン禁止を設定すると、クライアント(CT)がインストールされているPCからログオンするときに、設定したグループに所属しているユーザー名でのログオンを禁止できます。禁止設定が可能なグループは以下のとおりです。

    • Administrators

    • Backup Operators

    • Debugger Users

    • Power Users

    • Guests

    • Replicator

    • Users

    • Domain Admins

    • Domain Guests

    • Domain Users

    • Enterprise Admins

    • Group Policy Creator Owners

  • アプリケーション起動禁止

    ポリシーとしてアプリケーション起動禁止を設定すると、クライアント(CT)がインストールされているPCでは、指定したアプリケーションの起動を禁止できます。

  • メール添付禁止

    ポリシーとしてメール添付禁止を設定すると、クライアント(CT)がインストールされているPCから、禁止対象となるファイルをメールに添付して、送信または保存することを禁止できます。
    ただし、ポート監視方式(添付ファイルを送信するときに利用するメールソフトが、SMTPプロトコルを使用するタイプのもの)の場合は、保存の禁止はできません。
    禁止対象として指定できるファイルは、暗号化していないファイル、または指定した拡張子のファイルです。
    また、添付ファイルの中に1つでも、添付禁止対象のファイルがある場合、メール(メール本文と、すべての添付ファイル)は送信できません。

  • URLアクセス禁止

    ポリシーとしてURLアクセス禁止を設定すると、クライアント(CT)がインストールされているPCでは、許可されていないURLへのアクセスを禁止できます。

  • FTPサーバ接続禁止

    ポリシーとしてFTPサーバ接続禁止を設定すると、クライアント(CT)がインストールされているPCでは、指定したFTPサーバ以外への接続を禁止できます。

  • Webアップロード・ダウンロード禁止

    ポリシーとしてWebアップロード・ダウンロード禁止を設定すると、クライアント(CT)がインストールされているPCでは、指定したWebサイト以外からのアップロード・ダウンロードを禁止できます。

  • クリップボード操作禁止

    ポリシーとしてクリップボード操作禁止すると、仮想環境から物理環境、物理環境から仮想環境へクリップボードを経由した情報の伝達を禁止できます。


ログを採取する操作を設定する

ポリシーとして、どの操作に対してログを採取するかを設定します。採取できる操作ログは以下のとおりです。ポリシーは、システム管理者または部門管理者が、管理コンソールで設定します。

  • アプリケーション起動ログ

  • アプリケーション終了ログ

  • アプリケーション起動禁止ログ

  • ウィンドウタイトル取得ログ

  • メール送信ログ

  • メール送信中止ログ

  • メール添付禁止ログ

  • コマンドプロンプト操作ログ

  • デバイス構成変更ログ

  • 印刷操作ログ

  • 印刷禁止ログ

  • ログオン禁止ログ

  • ファイル持出しログ

  • PrintScreenキー操作ログ

  • PrintScreenキー禁止ログ

  • Web操作ログ

  • Web操作禁止ログ

  • FTP操作ログ

  • FTP操作禁止ログ

  • クリップボード操作ログ

  • クリップボード操作禁止ログ

  • ファイル操作ログ

  • ログオン/ログオフログ

  • 連携アプリケーションログ

  • 画面キャプチャ


ポリシーの設定対象

定義したポリシーを、何に対して設定するかによって、ポリシーの名称が異なります。

ポリシーを「クライアント(CT)」に対して設定する場合、「CTポリシー」といいます。
ポリシーを「ユーザー」に対して設定する場合、「ユーザーポリシー」といいます。


クライアント(CT)に対して設定する

クライアント(CT)に対して設定するポリシーを、CTポリシーといいます。クライアント(CT)の操作時に、CTポリシーが有効になっている場合、どのユーザーが操作しても、クライアント(CT)に設定されているポリシーに従って、禁止操作やログ採取が実施されます。クライアント(CT)ごとに異なるポリシーを設定できます。

また、部門ごとにクライアント(CT)をグループ化したり、使用目的が同じクライアント(CT)をグループ化したりして、そのグループに対して設定するポリシーをCTグループポリシーといいます。グループごとに異なる内容のポリシーを設定できます。

上記イメージ図では、管理コンソールからクライアント(CT)とCTグループに対して、以下の設定を行っています。

クライアント(CT)ごとに以下のポリシーを設定します。

  • CT(1)は、印刷だけできます。

    印刷禁止:しない
    ファイル持出し禁止:する
    アプリケーション起動禁止:する

  • CT(2)は、ファイル持出しだけできます。

    印刷禁止:する
    ファイル持出し禁止:しない
    アプリケーション起動禁止:する

  • CT(3)は、アプリケーション起動だけできます。

    印刷禁止:する
    ファイル持出し禁止:する
    アプリケーション起動禁止:しない

クライアント(CT)をグループ化し、グループポリシーとして、“印刷、ファイル持出し、アプリケーション起動を許可”し、“すべてのログを採取”するように設定します。

各クライアント(CT)には、次回起動時または即時にCTポリシーが適用されます。ポリシーが適用されると、適用されたポリシーに従って動作します。

【各CTにCTポリシーを適用した場合】

  • CT(1)は、誰が操作しても、印刷だけできます。

  • CT(2)は、誰が操作しても、ファイル持出しだけできます。

  • CT(3)は、誰が操作しても、アプリケーション起動だけできます。

【CT(1)、CT(2)にはCTポリシーを適用し、CT(3)にはCTグループポリシーを適用した場合】

  • CT(1)は、誰が操作しても、印刷だけできます。

  • CT(2)は、誰が操作しても、ファイル持出しだけできます。

  • CT(3)は、誰が操作しても、印刷、ファイル持出し、アプリケーション起動ができ、各操作のログが採取されます。


ユーザーに対して設定する

クライアント(CT)がインストールされたPCで、Windowsへのログオン時に入力するユーザー名に対して設定するポリシーを、ユーザーポリシーといいます。クライアント(CT)の操作時に、ユーザーポリシーが有効になっている場合、どのPCから操作しても、ログオンしたユーザー名に設定されているポリシーに従って、禁止操作やログ採取が実施されます。ユーザー名ごとに異なるポリシーを設定できます。

また、部門ごとにユーザーをグループ化したり、作業内容が同じユーザーをグループ化したりして、そのグループに対して設定するポリシーをユーザーグループポリシーといいます。グループごとに異なる内容のポリシーを設定できます。

上記イメージ図では、管理コンソールからユーザーとユーザーグループに対して、以下の設定を行っています。

ユーザーごとに以下のポリシーを設定します。

  • ユーザー名:0100のユーザーは、印刷だけできます。

    印刷禁止:しない
    ファイル持出し禁止:する
    アプリケーション起動禁止:する

  • ユーザー名:0200のユーザーは、ファイル持出しだけできます。

    印刷禁止:する
    ファイル持出し禁止:しない
    アプリケーション起動禁止:する

  • ユーザー名:0300のユーザーは、アプリケーション起動だけできます。

    印刷禁止:する
    ファイル持出し禁止:する
    アプリケーション起動禁止:しない

ユーザーをグループ化し、グループポリシーとして、“印刷、ファイル持出し、アプリケーション起動を許可”し、“すべてのログを採取”するように設定します。

各ユーザー名でWindowsにログオンすると、ユーザーポリシーが適用されます。ポリシーが適用されると、ログオンしたクライアント(CT)のCTポリシーに関係なく、ユーザーポリシーに従って動作します。

【各CTにユーザーポリシーを適用した場合】

  • どのクライアント(CT)でログインしても、そのユーザーが可能な操作は決まっています。

    ユーザー名:0100のユーザーは、印刷だけできます。
    ユーザー名:0200のユーザーは、ファイル持出しだけできます。
    ユーザー名:0300のユーザーは、アプリケーション起動だけできます。

【ユーザー名:0100、ユーザー名:0200にはユーザーポリシーを適用し、ユーザー名:0300にはユーザーグループポリシーを適用した場合】

  • どのクライアント(CT)でログインしても、そのユーザーが可能な操作は決まっています。

    ユーザー名:0100のユーザーは、印刷だけできます。
    ユーザー名:0200のユーザーは、ファイル持出しだけできます。
    ユーザー名:0300のユーザーは、印刷、ファイル持出し、アプリケーション起動ができ、各操作のログが採取されます。


CTポリシー/ユーザーポリシーと設定可能な項目

CTポリシーとユーザーポリシーで、設定できる項目が異なります。以下に、設定可能な項目の一覧を示します。

設定項目

CTポリシー

ユーザーポリシー

禁止機能

ファイル持出し禁止

読み込み禁止

印刷禁止

PrintScreenキー禁止

ログオン禁止

― (注)

アプリケーション起動禁止

メール添付禁止

URLアクセス禁止

FTPサーバ接続禁止

Webアップロード・ダウンロード禁止

クリップボード操作禁止

記録機能

アプリケーション起動ログ

アプリケーション終了ログ

アプリケーション起動禁止ログ

ウィンドウタイトル取得ログ

メール送信ログ

メール送信中止ログ

メール添付禁止ログ

コマンドプロンプト操作ログ

デバイス構成変更ログ

印刷操作ログ

印刷禁止ログ

ログオン禁止ログ

― (注)

ファイル持出しログ

PrintScreenキー操作ログ

PrintScreenキー禁止ログ

Web操作ログ

Web操作禁止ログ

FTP操作ログ

FTP操作禁止ログ

クリップボード操作ログ

クリップボード操作禁止ログ

ファイル操作ログ

― (注)

ログオン/ログオフログ

― (注)

連携アプリケーションログ

― (注)

画面キャプチャ

○:設定できます。
―:設定できません。

注) クライアント(CT)操作時にユーザーポリシーが有効になる運用の場合、ユーザーポリシーとして設定できない項目に対しては、操作しているクライアント(CT)のCTポリシーの設定値が有効になります。


運用形態と、有効になる禁止操作/採取されるログ

CTポリシーやユーザーポリシーが設定され、クライアント(CT)に反映されると、クライアント(CT)での操作禁止やログ採取ができるようになりますが、運用形態によって、有効になる禁止操作と採取されるログが異なります。
以下に、有効になる項目の一覧を示します。

また、使用している環境によって、機能が制限される場合があります。詳細は、“1.2 機能に関する留意事項”を参照してください。

運用形態

Systemwalker Desktop Keeperのクライアント(CT)の操作を記録する場合

Citrix XenApp
Server上の操作を
記録する場合
(注1)

OSの起動モード

通常モードで
起動(OS起動後
Windowsに
ログオン)
する場合

セーフモード
または

ネットワークが使える
セーフモードで起動する場合
(注3)(注5)

通常モードで起動
(OS起動後Windows
にログオン)する
場合

Windows Vista®
Windows® 7

Windows Server® 2008

Windows® XP
Windows Server® 2003




ファイル持出し禁止

印刷禁止

PrintScreenキー禁止

ログオン禁止

アプリケーション起動禁止

メール添付禁止

URLアクセス禁止

FTPサーバ接続禁止

Webアップロード・ダウンロード禁止

クリップボード禁止




アプリケーション起動ログ

アプリケーション終了ログ

アプリケーション起動禁止ログ

ウィンドウタイトル取得ログ

ウィンドウタイトル取得ログ(URL付き)

メール送信ログ

メール送信中止ログ

メール添付禁止ログ

コマンドプロンプト操作ログ

○(注4)

デバイス構成変更ログ

印刷操作ログ

印刷禁止ログ

ログオン禁止ログ

ファイル持出しログ

PrintScreenキー操作ログ

PrintScreenキー禁止ログ

Web操作ログ

Web操作禁止ログ

FTP操作ログ

FTP操作禁止ログ

クリップボード操作ログ

クリップボード操作禁止ログ

ファイル操作ログ

ログオン/ログオフログ

○(注2)

○(注2)

○(注2)

連携アプリケーションログ

画面キャプチャ

○:有効です。
―:無効です。

注1) Citrix XenApp 監視に設定されるポリシーは、CTポリシーです。ユーザーポリシーは設定されません。
注2) PC休止ログ、PC復帰ログは、採取されません。
注3) セーフモードまたはネットワークが使えるセーフモードで起動した場合は、CTポリシーだけの動作となります。ユーザーポリシーは適用されません。
注4) Windows Server® 2008 64ビット版、Windows Server® 2008 R2では、禁止およびログの採取はできません。
注5) セーフモードまたはネットワークが使えるセーフモードで起動した場合は、次に通常モードで起動するまで管理サーバに操作ログが送信されない場合があります。