ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 テープバックアップ連携編 13.0 -Microsoft(R) Windows(R) 2000/Microsoft(R) Windows Sever(TM) 2003-, -Solaris-, -HP-UX-, -Linux-, -AIX-
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第4章 運用開始前にテープサーバ上で行う設定

本章では、AdvancedCopy Managerテープバックアップ運用を開始するために必要なテープサーバ上で行う設定について説明します。

4.1 デバイス・クラスの設定

デバイス・クラスの設定について説明します。

設定は、TSMのコマンドにて行います。デバイス・クラスはTSMが使用できるデバイス・タイプを表します。TSMは、どのタイプの装置、テープを使用するかをデバイス・クラスを使用して判別します。デバイス・クラスの設定方法は以下の通りです。
なお、コマンドの詳細は、TSMのマニュアル『ETERNUS SF TSM 管理者のための解説書』を参照してください。

tsm> define devclass <デバイス・クラス名> devtype=<デバイス・タイプ> format=<フォーマット> library=<ライブラリ名> <マウント関連オプション>

以下は、ライブラリ名に「LT160」、デバイス・タイプに「LTO」、フォーマットに「drive」、デバイス・クラス名に「DRIVECLASS1」を設定する場合の例です。

tsm> define devclass DRIVECLASS1 devtype=LTO format=drive library=LT160

デバイス・クラスは、以下のコマンドで確認できます。

tsm> query devclass format=detail

4.2 ストレージ・プールの設定

ストレージ・プールの設定について説明します。

ストレージ・プールの設定は、TSMのコマンドにて行います。なお、コマンドの詳細は、TSMのマニュアル『ETERNUS SF TSM 管理者のための解説書』を参照してください。

4.2.1 ストレージ・プールの作成

ストレージ・プールは、バックアップ出力先の論理的なエリアです。テープをストレージ・プールに論理的に割り当てておくことで、バックアップ時に該当するストレージ・プール内の媒体にバックアップされます。ストレージ・プールの作成方法は以下の通りです。

tsm> define stgpool <プール名> <デバイス・クラス名> maxscratch=<スクラッチ・ボリューム最大数>

以下は、デバイス・クラスに「DRIVECLASS1」スクラッチ・ボリューム最大数に「50」、プール名に「POOL1」を設定する場合の例です。

tsm> define stgpool POOL1 DRIVECLASS1 maxscratch=50

4.2.2 テープの投入(チェックイン)

テープの投入について説明します。テープの投入は、TSMのコマンドにて行います。なお、コマンドの詳細は、TSMのマニュアル『ETERNUS SF TSM 管理者のための解説書』を参照してください。

TSMでは、テープをライブラリ装置に入れる(投入する)ことを「チェックイン(CHECKIN)」と呼びます。反対に、ライブラリ装置から取り出す(排出)することを、「チェックアウト(CHECKOUT)」と呼びます。

チェックインしたテープは、そのままでは使用できず、必ずボリュームの定義(「define volume」コマンド)でTSMのストレージ・プールに登録する必要があります。ただし、スクラッチ・ボリュームとして使用するテープは登録する必要がありません。また、新規テープチェックインする場合は、テープの初期化(ラベル付け)が必要です。

4.2.2.1 新規テープをチェックインする場合

「label libvolume」コマンドで、テープの初期化(ラベル付け)とチェックインを同時に行ないます。新規テープを使用する場合は、テープのラベル付けは必須です。
なお、テープのラベル付けを行うと、元々あったテープ内のデータは使用できなくなります。

■1本ずつラベル付けしチェックインを行う場合

特定のテープをチェックインしたい場合について説明します。

本コマンド起動前にテープをライブラリ装置の投入口に挿入しておきます。

tsm> label libvolume <ライブラリ名> <ボリューム名> checkin=<scratchまたはprivate> overwrite=yes

以下は、ライブラリ名に「LT160」、ボリューム名に「DAT001」、スクラッチ・ボリュームでラベル付けしてチェックインする場合の例です。

tsm> label libvolume LT160 DAT001 checkin=scrach overwrite=yes

「label libvolume」コマンドの状況は、以下のコマンドで確認できます。

tsm> query process

ライブラリ装置にチェックインされたテープは、以下のコマンドで確認できます

tsm> query libvolume format=detail

■ライブラリ内のテープを一括してチェックインを行う場合

ボリューム名を指定せずに自動的にライブラリ装置内にあるボリュームのチェックインを行う方法について説明します。「label libvolume」コマンドに「search=yes」オプションをつけることで行うことができます。

tsm> label libvolume <ライブラリ名> search=yes labelsource=<barcodeまたはprompt> checkin=<scratchまたはprivate> overwrite=yes

以下は、ライブラリ「LT160」内をサーチし、ボリューム名をバーコードラベルから読み取り、スクラッチ・ボリュームでチェックインする場合の例です。

tsm> label libvolume LT160 search=yes labelsource=barcode checkin=scratch overwrite=yes

「label libvolume」コマンドの状況は、以下のコマンドで確認できます。

tsm> query process

ライブラリ装置にチェックインされたテープは、以下のコマンドで確認できます

tsm> query libvolume format=detail

4.2.2.2 初期化済みのテープをチェックインする場合

初期化(ラベル付け)済みのテープをチェックインする方法について説明します。「checkin libvolume」コマンドを使用します。

■1本ずつラベル付けしチェックインを行う場合

特定のテープをチェックインしたい場合について説明します。

本コマンド起動前にテープをライブラリ装置の投入口に挿入しておきます。

tsm> checkin libvolume <ライブラリ名> <ボリューム名> checkin=<scratchまたはprivate>

以下は、ライブラリ「LT160」、ボリューム「DAT001」をスクラッチ・ボリュームでチェックインする場合の例です。

tsm> checkin libvolume LT160 DAT001 checkin=scrach

「checkin libvolume」コマンドの状況は、以下のコマンドで確認できます。

tsm> query process

ライブラリ装置にチェックインされたテープは、以下のコマンドで確認できます

tsm> query libvolume format=detail

■ライブラリ内のテープを一括してチェックインを行う場合

ボリューム名を指定せずに自動的にライブラリ装置内にあるボリュームのチェックインを行う方法について説明します。「checkin libvolume」コマンドに「search=yes」オプションをつけることで行うことができます。

tsm> checkin libvolume <ライブラリ名> status=<scratchまたはprivate> checklabel=<yes または barcode > search=yes

以下は、ライブラリ「LT160」内をサーチし、ボリューム名をバーコードラベルから読み取り、スクラッチ・ボリュームでチェックインする場合の例です。

tsm> checkin libvolume LT160 status=scratch checklabel=yes search=yes

「checkin libvolume」コマンドの状況は、以下のコマンドで確認できます。

tsm> query process

ライブラリ装置にチェックインされたテープは、以下のコマンドで確認できます

tsm> query libvolume format=detail

4.2.3 テープ・ボリュームの設定

プライベート運用でチェックインされたテープ(『status=private』オプションでチェックインされたテープ)を使用する場合は、ストレージ・プールに登録する必要があります。
なお、スクラッチ運用で使用するテープは、この手順は不要です。

tsm> define volume <ストレージ・プール名> <ボリューム名>

以下は、ストレージ・プール「DAT-POOL」にボリューム「DAT001」を設定する場合の例です。

tsm> define volume DAT-POOL DAT001

登録されたボリュームは、以下のコマンドで確認できます。

tsm> query volume <ボリューム名> format=detail

登録されたボリュームの情報は、以下のコマンドで確認できます

tsm> query content <ボリューム名> format=detail

4.2.4 同時書き込み設定

バックアップ時に、コピー・ストレージ・プールに同時書き込みを行うための設定について説明します。この設定は、TSMのコマンドにて行います。コピー・ストレージ・プールは最大10個まで指定可能です。

既存のストレージ・プールで、ストレージ・プール同時書き込みを行うには、以下の様に行います。

■コピー・ストレージ・プールの作成

  1. コピー・ストレージ・プールを作成します。
    tsm> define stgpool <プール名> <デバイス・クラス名> pooltype=copy maxscratch=X

    以下は、デバイス・クラス名に「DEVC1」、プール名に「COPYPOOL」を定義する場合の例です。

    tsm> define stgpool COPYPOOL DEVC1 pooltype=copy maxscratch=50
  2. 「define volume」コマンドで、コピー・ストレージ・プールにボリュームを設定します。
    tsm> define volume <ストレージ・プール名> <ボリューム名>

    以下は、ストレージ・プール「COPYPOOL」にボリューム「VOL001」を設定する場合の例です。

    tsm> define volume COPYPOOL VOL001

■ストレージ・プールにコピー・ストレージ・プールを定義

  1. 「update stgpool」コマンドで、既存のストレージ・プールにコピー・ストレージ・プールを定義します。
    tsm> update stgpool <ストレージ・プール名> copystgpools=<コピー・ストレージ・プール名>

    以下は、コピー・ストレージ・プールとして「COPYPOOL」を定義する場合の例です。

    tsm> update stgpool POOL1 copystgpools=COPYPOOL copycontinue=yes
  2. ストレージ・プールは、以下のコマンドで確認します。
    tsm> query stgpool format=detail

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