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Linkexpress Replication optionV5.0L27 導入運用ガイド

4.2.1 レプリケーションの運用

ここでは、以下の形態でのレプリケーションの運用方法について説明します。

なお、ここで説明する運用手順を、グローバルサーバまたはPRIMEFORCEのジョブ制御文および、AOF(OSIV/MSPの場合)またはSCF(OSIV/XSPの場合)のスケジュール機能を使用して、自動化することができます。

詳細は、“OSIV/MSP ジョブ制御言語文法書”、“OSIV/MSP AOF説明書”、“OSIV/XSP ジョブ制御言語文法書”および“OSIV/XSP SCF使用手引書”を参照してください。

また、Linkexpress File Transferのジョブ起動機能を使用して、オープンサーバ側のコマンドをグローバルサーバまたはPRIMEFORCE側で起動することができます。

通信プロトコルにTCP/IPのFTP+プロトコルを使用している場合、以下の手順でオープンサーバ側のコマンドをグローバルサーバまたはPRIMEFORCE側で起動することができます。詳細は、“Linkexpress File Transfer使用手引書”および“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。

  1. オープンサーバ間のレプリケーションと同様に、実行したいコマンドとジョブ結果通知コマンドを組み合わせたバッチジョブ(Windowsの場合)またはシェルスクリプト(Solaris、Linuxの場合)を用意します。詳細は、“1.1.8 レプリケーション業務の作成”または、“2.1.6 レプリケーション業務の作成”、“3.1.7 レプリケーション業務の作成”を参照してください。

  2. Linkexpress File Transferのジョブ起動機能のうち、相手ノード内のジョブ起動(EXECUTE[NODE]コマンドまたはEXECUTE制御文)を使用して、1.で用意したバッチジョブまたはシェルスクリプトを起動します。Linkexpressのジョブ結果通知コマンドにより、Linkexpress File Transferにジョブの実行結果が通知されます。

注意

二重DBサービスの可否

Solaris版 Linkexpress Replication option 3.2以降、Linux版 Linkexpress Replication option V3.0L20以降およびWindows版 Linkexpress Replication option V4.0L20以降では、格納処理のためのバッチファイルまたはシェルスクリプトは、“二重DBサービスの可否”に“許可(YES)”を指定した運用となっています。“二重DBサービスの可否”に“拒否(NO)”を指定した運用を行う場合については、“2.1.6.1.2 バッチファイルまたはシェルスクリプトについて”を参照してください。

通信プロトコルにFNAのHICSプロトコルを使用している場合も、Linkexpress File Transferの相手ノード内のジョブ起動を使用して、オープンサーバ側のコマンドを起動することができます。ただし、この場合は、ジョブ結果通知コマンドを使用してジョブの実行結果をグローバルサーバ側に通知することができません。したがって、ファイル転送などを使用して実行結果を通知する方法を選択してください。

4.2.1.1 グローバルサーバまたはPRIMEFORCEからオープンサーバへのレプリケーションの場合

ここでは、通信プロトコルにTCP/IPのFTP+プロトコルを使用して、グローバルサーバまたはPRIMEFORCEからオープンサーバへのレプリケーションを行う場合の運用手順について説明します。説明は、以下の場合について行います。

レプリケーションの運用を開始するためには、以下を起動する必要があります。

また、レプリケーションの運用を停止する場合は、以下を停止する必要があります。

Linkexpress File Transferの起動と停止の方法については、“Linkexpress File Transfer運用手引書”を参照してください。

PowerAIM/TJNLのTJNLジョブの起動と停止の方法については、“PowerAIM/TJNL説明書”を参照してください。

Symfoware ServerなどのデータベースとLinkexpressの起動と停止の方法については、“1.2.1 レプリケーションの運用”または、“2.2.1 レプリケーションの運用”、各データベースのマニュアルを参照してください。

なお、通信プロトコルがFNAのHICSプロトコルの場合は、Linkexpress File Transferの分散型システム連携を使用してレプリケーションを行います。

Linkexpress File Transferの分散型システム連携を使用する場合の運用手順については、“Linkexpress File Transfer運用手引書 分散型システム連携編” および“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。

4.2.1.1.1 全複写

グローバルサーバまたはPRIMEFORCEからオープンサーバへ全複写を行う場合の操作方法を以下に示します。

操作手順

複写元システム
(グローバルサーバまたはPRIMEFORCE)

複写先システム
(オープンサーバ)

1. ジャーナルの破棄

2. 全件データの抽出

3. ファイル送信

4. 全件データの格納

説明

  1. すでに、PowerAIM/TJNLのジャーナル取得機能で、ジャーナル(差分ログ)を取得している場合は、取得済みのジャーナルを破棄してください。

  2. 以下のどれかの方法により、複写元データベースの全件データをSAMデータセットに抽出します。

    複写元データベース

    抽出方法

    SymfoWARE Server
    またはRDBII

    DB-EXPRESS/BとDB-EX/RDBIIのデータベース抽出機能とSAMデータセット格納機能

    AIM/DB

    DB-EXPRESS/BとDB-EX/NDBのデータベース抽出機能とSAMデータセット格納機能

    DB-EXPRESS/Dの差分SAM機能の初期抽出

    VSAM

    DB-EXPRESS/BのVSAMデータセット抽出機能とSAMデータセット格納機能

    DB-EXPRESS/Dの差分SAM機能の初期抽出

      

  3. Linkexpress File Transferのファイル送信(SENDコマンドまたはSEND制御文)により、SAMデータセットの抽出データをオープンサーバに転送します。

  4. “データベース格納コマンド(lxstrdbコマンド)”を実行して、転送したデータを複写先データベースに格納します。

参照

  • オープンサーバ側の操作については、“1.2.1 レプリケーションの運用”または、“2.2.1 レプリケーションの運用”を参照してください。

  • PowerAIM/TJNLの詳細については、“PowerAIM/TJNL説明書”を参照してください。

  • DB-EXPRESS/Bの詳細については、“DB-EXPRESS運用手引書 基本機能編”を参照してください。

  • DB-EXPRESS/Dの詳細については、“DB-EXPRESS運用手引書 差分DB反映機能編”を参照してください。

  • Linkexpress File Transferの詳細については、“Linkexpress File Transfer使用手引書”を参照してください。

  • データベース格納コマンド(lxstrdbコマンド)の詳細については、“Linkexpress コマンドリファレンス”を参照してください。

4.2.1.1.2 一括差分複写

グローバルサーバまたはPRIMEFORCEからオープンサーバへ一括差分複写を行う場合の操作方法を以下に示します。

なお、一括差分複写を開始する前に、全複写を行って複写先データベースを創成しておいてください。ただし、複写先データベースの創成は1度行うと、レプリケーション運用を終了させるまで再度行う必要はありません。

操作手順

複写元システム
(グローバルサーバまたはPRIMEFORCE)

複写先システム
(オープンサーバ)

1. ジャーナルの取得

2. ジャーナルの一括配付

3. ファイル送信

4. 差分データ(ジャーナル)の格納

説明

  1. 複写元データベースを更新する利用者プログラムを実行すると、PowerAIM/TJNLのジャーナル取得機能により、差分データ(ジャーナル)が自動的に取得されます。

  2. PowerAIM/TJNLのジャーナル配付機能の一括配付サービスを使用して、差分データをSAMデータセットに抽出します。

  3. Linkexpress File Transferのファイル送信(SENDコマンドまたはSEND制御文)により、SAMデータセットの抽出データをオープンサーバに転送します。

  4. “データベース格納コマンド(lxstrdbコマンド)”を実行して、転送したデータを複写先データベースに格納します。

参照

  • オープンサーバ側の操作については、“1.2.1 レプリケーションの運用”または、“2.2.1 レプリケーションの運用”を参照してください。

  • PowerAIM/TJNLの詳細については、“PowerAIM/TJNL説明書”を参照してください。

  • Linkexpress File Transferの詳細については、“Linkexpress File Transfer使用手引書”を参照してください。

  • データベース格納コマンド(lxstrdbコマンド)の詳細については、“Linkexpress コマンドリファレンス”を参照してください。

4.2.1.2 オープンサーバからグローバルサーバまたはPRIMEFORCEへのレプリケーションの場合

ここでは、通信プロトコルにTCP/IPのFTP+プロトコルを使用して、オープンサーバからグローバルサーバまたはPRIMEFORCEへのレプリケーションを行う場合の運用手順について説明します。説明は、以下の場合について行います。

レプリケーションの運用を開始するためには、以下を起動する必要があります。

また、レプリケーションの運用を停止する場合は、以下を停止する必要があります。

参照

  • Symfoware ServerまたはEnterprise Postgres、OracleとLinkexpressの起動と停止の方法については、“1.2.1 レプリケーションの運用”または、“2.2.1 レプリケーションの運用”、“3.2.1 レプリケーションの運用”を参照してください。

  • Linkexpress File Transferの起動と停止の方法については、“Linkexpress File Transfer運用手引書”を参照してください。
    なお、通信プロトコルがFNAのHICSプロトコルの場合は、Linkexpress File Transferの分散型システム連携を使用してレプリケーションを行います。

  • Linkexpress File Transferの分散型システム連携を使用する場合の運用手順については、“Linkexpress File Transfer運用手引書 分散型システム連携編” および“Linkexpress 運用ガイド”を参照してください。

4.2.1.2.1 全複写

オープンサーバからグローバルサーバまたはPRIMEFORCEへ全複写を行う場合の操作方法を以下に示します。

操作手順

複写元システム
(オープンサーバ)

複写先システム
(グローバルサーバまたはPRIMEFORCE)

1. 利用者プログラムの完了待ち

2. 差分ログの取得終了

3. 差分ログの追出し

4. 差分ログの破棄

5. 全件データの抽出

6. ファイル受信

7. 全件データの格納

8. 業務の確定

9. 差分ログの取得開始

10. 利用者プログラムの実行

説明

  1. 複写元データベースを更新する利用者プログラムが実行中でないことを確認します。実行中の場合は、利用者プログラムの完了を待ってから操作を始めてください。

  2. “差分ログの取得終了”の操作を行って、差分ログが差分ログの一時的な蓄積領域に蓄積されないようにします。

  3. “差分ログの追出し”の操作を行って、差分ログの一時的な蓄積領域に蓄積されている差分ログを差分ログファイルに追い出します。

  4. “差分ログの破棄”の操作を行って、差分ログファイルにすでに蓄積されている差分ログを削除します。

  5. “データベース抽出コマンド”を実行して、抽出データを抽出データ格納ファイルに格納します。このとき、データベース抽出コマンドの-mオプションは、“all”(全件抽出)を指定します。

  6. Linkexpress File Transferのファイル受信(RECEIVEコマンドまたはRECEIVE制御文)により、抽出データ格納ファイルの抽出データをグローバルサーバまたはPRIMEFORCEに転送します。

  7. DB-EXPRESS/BのRDBII格納機能により、抽出データを複写先データベースに格納します。このとき、抽出データに付加されている“差分反映操作(@DBOP)”は格納対象としないでください。

  8. “業務確定コマンド”を実行して、全複写の業務を確定します。このとき、業務確定コマンドの-mオプションは、“all”(全複写業務の確定)を指定します。

  9. “差分ログの取得開始”の操作を行って、差分ログの取得を再開します。

  10. 必要に応じて利用者プログラムを実行してください。

参照

  • オープンサーバ側の操作については、“1.2.1 レプリケーションの運用”または “2.2.1 レプリケーションの運用”、“3.2.1 レプリケーションの運用”を参照してください。

  • データベース抽出コマンドおよび差分反映操作の詳細については、“コマンドリファレンス”の“lxextdbコマンド”または“lxrpoextコマンド”を参照してください。

  • 差分ログの一時的な蓄積領域については“解説書”の“差分ログの一時的な格納領域と差分ログファイル”を参照してください。

  • Linkexpress File Transferの詳細については、“Linkexpress File Transfer使用手引書”を参照してください。

  • DB-EXPRESS/Bの詳細については、“DB-EXPRESS運用手引書 基本機能編”を参照してください。

  • 業務確定コマンドの詳細については、“コマンドリファレンス”の“lxcmtdbコマンド”または“lxrpocmtコマンド”を参照してください。

4.2.1.2.2 一括差分複写

オープンサーバからグローバルサーバまたはPRIMEFORCEへ一括差分複写を行う場合の操作方法を以下に示します。

なお、一括差分複写を開始する前に、以下の操作を行っておいてください。ただし、この操作は1度行うと、レプリケーション運用を終了させるまで再度行う必要はありません。

  1. 全複写を行って複写先データベースを創成します。

  2. オープンサーバ側で“差分ログの取得開始”の操作を行います。この操作を行うと、差分ログが差分ログの一時的な蓄積領域と差分ログファイルに蓄積されるようになります。

操作手順

複写元システム
(オープンサーバ)

複写先システム
(グローバルサーバまたはPRIMEFORCE)

1. 利用者プログラムの実行

2. 差分データの抽出

3. ファイル受信

4. 差分データの格納

5. 業務の確定

説明

  1. 複写元データベースを更新する利用者プログラムを実行すると、差分ログが差分ログファイルに取得されます。

  2. “データベース抽出コマンド”を実行して、抽出データを抽出データ格納ファイルに格納します。このとき、データベース抽出コマンドの-mオプションは、“diff”(差分抽出)を指定します。

  3. Linkexpress File Transferのファイル受信(RECEIVEコマンドまたはRECEIVE制御文)により、抽出データ格納ファイルの抽出データをグローバルサーバまたはPRIMEFORCEに転送します。

  4. DB-EXPRESS/Dの差分DB反映機能により、抽出データを複写先データベースに格納します。

  5. “業務確定コマンド”を実行して、一括差分複写の業務を確定します。このとき、業務確定コマンドの-mオプションは、“diff”(一括差分複写業務の確定)を指定します。

参照

  • オープンサーバ側の操作については、“1.2.1 レプリケーションの運用”または“2.2.1 レプリケーションの運用”、“3.2.1 レプリケーションの運用”を参照してください。

  • 差分ログの一時的な蓄積領域については“解説書”の“差分ログの一時的な格納領域と差分ログファイル”を参照してください。

  • データベース抽出コマンドの詳細については、“コマンドリファレンス”の“lxextdbコマンド”または“lxrpoextコマンド”を参照してください。

  • Linkexpress File Transferの詳細については、“Linkexpress File Transfer使用手引書”を参照してください。

  • DB-EXPRESS/Dの詳細については、“DB-EXPRESS運用手引書 差分DB反映機能編”を参照してください。

  • 業務確定コマンドの詳細については、“コマンドリファレンス”の“lxcmtdbコマンド”または“lxrpocmtコマンド”を参照してください。