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Linkexpress Replication optionV5.0L27 解説書

2.3.4 差分ログの操作

不要になった差分ログの破棄や、最新の差分ログの複写など、差分ログを操作したい場合があります。

ここでは、以下の場合での差分ログの操作方法について説明します。

これらの操作は、以下の差分ログの操作機能を利用して実現されます。

差分ログの追出し

差分ログの追出しとは、通常は自動的に行われる差分ログの一時的な格納領域から差分ログファイルへの差分ログの転送処理(振分け)に対する機能であり、“差分ログの追出しコマンド”で行います。

差分ログの追出しは、以下のような場合に使用します。なお、使用する際は、複写元データベースを更新するアプリケーションを事前に停止することを推奨します。

差分ログの破棄

差分ログの破棄とは、差分ログファイル中の差分ログを削除する機能です。“差分ログの破棄コマンド”で行います。

注意

Symfoware抽出レプリケーションの場合、差分ログファイルの破棄コマンドにより抽出データ格納ファイル内の差分ログを破棄することができますが、Oracle抽出レプリケーションの場合には、"業務確定コマンド"を実行して、抽出データ格納ファイルを削除してください。業務確定コマンドについては、"コマンドリファレンス"を参照してください。

2.3.4.1 全複写を行った場合の差分ログの操作

差分ログを取得した状態で全複写を行った場合、差分ログの一時的な格納領域と差分ログファイルに取得済みの差分ログは不要になります。この場合は、“差分ログの追出しコマンド”と“差分ログの破棄コマンド”を実行して、不要になった差分ログを削除する必要があります。

説明1

全複写を行った時点で、複写先データベースの内容は最新になるため、すでに取得済みの差分ログは不要になります。

以下の図は、差分ログを取得した状態で、全複写を実施した場合に、差分ログの一時的な格納領域と差分ログファイル内、抽出データ格納ファイルに不要になった差分ログが存在している状態を表しています。

説明2

不要になった差分ログを“差分ログの追出しコマンド”と“差分ログの破棄コマンド”により、削除します。

以下の図は“差分ログの追出しコマンド”と“差分ログの破棄コマンド”を実行することで、差分ログの一時的な格納領域と差分ログファイル内の不要な差分ログを破棄する状態を表しています。

2.3.4.2 最新の差分ログを複写先データベースに複写する場合の操作

差分ログの一時的な格納領域から差分ログファイルへの差分ログの振り分けは、トランザクションと同期して行われません。このため、一括差分複写時に最新の差分データが複写されるとは限りません。

最新の差分ログを複写する場合には、一括差分複写の前に、“差分ログの追出しコマンド”により、差分ログの一時的な格納領域中の差分ログを差分ログファイルに追い出しておく必要があります。

説明1

下図では、1、2、3の順番で発生した3つの差分ログのうち2つの差分ログが4、5の順番で差分ログファイルに振り分けられています。この状態で、6の一括差分複写を行うと2つの差分ログしか複写されません。

残りの1つの差分ログは、次回の一括差分複写時に複写されます。

説明2

下図では、6で差分ログの追出しコマンドにより、差分ログの一時的な格納領域内の差分ログを差分ログファイルに追い出しています。この状態で、7の一括差分複写を行うことによって、すべての差分ログを複写することができます。