クラスタシステムでSystemwalker Operation Managerを運用する上での留意事項を説明します。
投入できないジョブ
クラスタシステムで運用できないジョブネットまたはジョブは以下のとおりです。
クラスタ構成内の運用系から待機系に投入されるネットワークジョブ
“1.3.1 Systemwalker Operation Managerサーバ全体をクラスタ構成にした場合”および“1.3.2 スケジュールサーバのみをクラスタ構成にした場合”のように、Systemwalker Operation Manager全体をクラスタ構成にする場合、運用系から待機系にネットワークジョブを投入することはできません。
“1.3.3 Systemwalker Operation Managerサーバのサブシステムの一部をクラスタ構成にする場合”のように、Systemwalker Operation Managerのサブシステムの一部がクラスタ構成の場合、クラスタ構成でないサブシステムに対しては、待機系ノードに存在するサブシステムであってもネットワークジョブを投入することが可能です。
複数サブシステム運用時の下位バージョンへのネットワークジョブ
1:1運用待機(サブシステムあり)、1:1運用待機(サブシステムあり、一部クラスタ運用)、または2ノード相互待機の場合は、以下のバージョンに対して、ネットワークジョブを投入することはできません。
Windows版 SystemWalker/OperationMGR V5.0L30以前のバージョン
Solaris版/HP-UX版/AIX版 SystemWalker/OperationMGR 5.1以前のバージョン
Linux版 SystemWalker/OperationMGR 5.2のバージョン
投入できる範囲の詳細は、“Systemwalker Operation Manager 解説書”を参照してください。
負荷分散ジョブ
V10.0L21以前のバージョンの互換機能である負荷分散機能を使用する場合、分散先のサーバとしてクラスタサーバを指定することはできません。
Systemwalker Centric Managerの運用管理サーバとSystemwalker Operation Managerのサーバが共存し、どちらもクラスタ運用している場合の注意
イベント監視機能およびアクション管理機能は、Systemwalker Centric Managerのグループ/クラスタサービスとしてフェールオーバします。以下の機能を使用する場合は、Systemwalker Centric ManagerとSystemwalker Operation Managerが同一ノードで動作する必要があるため、Systemwalker Centric ManagerとSystemwalker Operation Managerを同じグループ/クラスタサービスに登録してください。
Systemwalker Operation Managerクライアントからイベント監視機能、およびアクション管理機能を使用する場合
Systemwalker Centric Managerと連携することにより、ジョブネットの異常終了を監視してジョブネットの再起動/確認により自動的に対処済みにさせる場合
Systemwalker Centric Managerと連携することにより、Systemwalker Centric Managerの監視画面のイベント一覧から、異常終了したジョブネットの[ジョブネットの監視]ウィンドウを直接表示させる場合
クラスタシステムを信頼ホストとして定義する場合の注意
クラスタシステムを信頼ホストとして定義する場合は、[運用情報の定義]ウィンドウ-[クラスタ設定]シートで指定した、論理IPアドレスまたは論理IPアドレスに対応するホスト名を定義してください。
ジョブスケジューラの正常終了シャットダウン出口を利用している場合の注意
インストール時に提供されるjobschendexit.batでは、ジョブスケジューラおよびジョブ実行制御のサービスを停止し、待ち合わせ終了通知コマンド(f3crheet)を呼び出す処理が記載されています。そのため、出口プログラムが実行されるとサービスが停止したとみなされ、クラスタシステムの設定によってはフェールオーバします。
クラスタシステムでフェールオーバさせないようにするには、運用に応じてジョブスケジューラ、ジョブ実行制御の停止処理および待ち合わせ終了通知コマンド(f3crheet)をコメントにするなどの対処を、出口プログラムで実施してください。
クラスタシステム構成のスケジュールサーバからネットワークジョブを投入する場合
クラスタシステム構成のスケジュールサーバからネットワークジョブを投入する場合、スケジュールサーバに設定する論理IPアドレスは、実行サーバの通信環境に応じて、下記のとおり定義してください。
実行サーバがIPv6シングルスタック環境の場合:
IPv6アドレス
実行サーバがIPv4シングルスタック環境またはIPv4/IPv6デュアルスタック環境の場合:
IPv4アドレス
なお、IPv6シングルスタック環境の実行サーバと、IPv4シングルスタック環境やIPv4/IPv6デュアルスタック環境の実行サーバとを混在させて運用することはできません。実行サーバの通信環境が混在していた場合の運用可否、および運用時に定義するスケジュールサーバの論理IPアドレスは、下記を参照してください。
実行サーバの通信環境の組み合わせ | 運用の | スケジュールサーバの | ||
---|---|---|---|---|
IPv6シングル | IPv4シングル | - | × | - |
IPv6シングル | - | IPv4/IPv6デュアル | × | - |
IPv6シングル | IPv4シングル | IPv4/IPv6デュアル | × | - |
- | IPv4シングル | IPv4/IPv6デュアル | ○ | IPv4アドレス |
注) IPv6シングル:IPv6シングルスタック環境 IPv4シングル:IPv4シングルスタック環境 IPv4/IPv6デュアル: IPv4/IPv6デュアルスタック環境 ○:運用可/×:運用不可