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Enterprise Postgres 17 オペレーターユーザーズガイド

4.10.2 FEPClusterリモートロギングの設定

FEPClusterでログを有効にする方法について説明します。FEPClusterはログをリモートFluentd(FEPLogging)に転送する機能を提供し、FEPLoggingインスタンスは同じログをElasticsearch(オプション)とPrometheusに転送します。

リモートロギングで動作可能な宛先は以下です。

リモートロギング機能によるログ転送の詳細は、“付録E カスタムシークレットを使用したFluent Bitの統合”を参照してください 。

4.10.2.1 FEP カスタムリソース - spec.fep.remoteLogging

remoteLoggingの設定で必要なパラメータを定義するには、fepの下にremoteLoggingセクションを追加する必要があります。

以下にテンプレートの例を示します。

spec:
  fep
    …
    remoteLogging:
      enable: true
      fluentdName: new-fep-logging
      tls:
        certificateName: fluentbit-cert
        caName: cacert
    …

remoteLoggingセクションで定義されているすべてのパラメータと設定内容について、以下に示します。

フィールド

必須/オプション

説明

変更可否

remoteLogging.enable

必須

ログ機能を有効にするには、trueを設定します。

不可

remoteLogging.fluentdName

オプション

ログが転送されるFEPLogging CRの名前です。
FEPログ機能によるログ転送をする場合に指定します。

remoteLogging.tls.certificateName

オプション

FluentbitのMTLS証明書を含むシークレット名

不可

remoteLogging.tls.caName

オプション

SSL検証のためのFluentdのCacert

不可

remoteLogging.image

オプション

remoteLogging用の Fluentbitイメージ

remoteLogging.pullPolicy

オプション

Fluenbitイメージのプルポリシー

remoteLogging.mcSpec.limits.cpu

オプション

FluentbitのCPU割り当て制限

remoteLogging.mcSpec.limits.memory

オプション

Fluentbitのメモリ割り当て制限

remoteLogging.mcSpec.requests.cpu

オプション

FluentbitのCPU割り当て要求

remoteLogging.mcSpec.requests.memory

オプション

Fluentbitのメモリ割り当て要求

remoteLogging.fluentbitParams.memBufLimit

オプション

FluentbitでMem_Buf_Limitを定義します。これは、このパラメータを使用するすべてのセクションに影響します。

remoteLogging.fluentbitConfigSecretRef

オプション

リモートロギングによるログ転送機能を利用するときに、fluent-bit.yamlを含むSecretの名前を指定します。

fluentbitConfigSecretRefが定義されていないか、定義されているが参照されているシークレットが存在しない場合、FEPオペレーターは既定のSecret <fep-cluster>-fluent-bit-confを作成し、このパラメータを<fep-cluster>-fluent-bit-confで更新します。

参照されるシークレットが存在する場合、名前付きシークレットは/fluent-bit/etcの下のfep-logging-fluent-bitにマウントされます。

remoteLogging.awsCredentialSecretRef

オプション

‘awsCredentialSecretRef’は、AWSサービスへの認証情報を含むSecretの名前です。認証情報は、設定ファイルおよび認証情報ファイルを格納します。

設定ファイルの名前は「config」、認証情報ファイルの名前は「credentials」である必要があります。

参照されるシークレットが存在する場合、名前付きシークレットは/fluent-bit/aws配下のfep-logging-fluent-bitにマウントされます。

4.10.2.1.1 remoteLogging enableおよびfluentdNameの定義

FEPログ機能で作成されたFluentdコンテナにログを転送する場合に指定します。

enableがtrueに設定されている場合、FEPClusterのログ機能が有効になります。

enableがtrueに設定されている場合、fluentdNameは必須フィールドです。ここには、FEPClusterがログを転送するFEPLogging CRの名前が記述されます。

enableがfalseに設定されている場合、FEPClusterのログ機能が有効になりません。

例)

    fep:
      remoteLogging:
        enable: true
        fluentdName: new-fep-logging

ユーザーがログ機能を使用するために既存のFEPClusterを更新する場合は、FEPClusterのlog_destinationにcsvlogを設定する必要があります。 新しいクラスタの場合は、すでに設定されています。

例)

    fep:
      …
      remoteLogging:
        enable: true
        fluentdName: new-fep-logging
      …

    fepChildCrVal:
      customPgParams:
         …
         log_destination = csvlog
         …

4.10.2.1.2 remoteLogging tlsの定義

FEPClusterがremoteLoggingにセキュア接続を使用する場合、TLSセクションは必須です。

TLSセクションで、SSL検証に使用される証明書と秘密鍵を含むシークレット名を指定します。

MTLS接続の場合、証明書を相互に検証するにはcaNameが必要です。

例)

    fep:
      remoteLogging:
        enable: true
        fluentdName: new-fep-logging
        tls:
          certificateName: fluentbit-cert-secret
          caName: ca-cert

注意

Elasticsearchサーバはユーザーによって設定されます。オペレーターによるFEPLoggingデプロイの一部ではありません。

4.10.2.1.3 remoteLogging imageの定義

image プロパティは、デフォルトの Fluentbit イメージと pullPolicy 以外を指定するために使用されます。指定しない場合、オペレーターが提供するデフォルトのイメージが使用されます。

例)

  spec:  
    fep:
      remoteLogging:
        image: 'quay.io/fujitsu/fujitsu-enterprise-postgres-fluentbit:ubi9-17-1.0'
        pullPolicy: IfNotPresent
4.10.2.1.4 remoteLogging fluentbitConfigSecretRefの定義

リモートロギング機能によるログ転送機能を利用する場合に指定します。‘fluentbitConfigSecretRef’は、fluentbit.yamlを含むシークレットの名前です。“付録E カスタムシークレットを使用したFluent Bitの統合”を参照してください。

指定しない場合、オペレーターによって作成されたデフォルトのシークレット<fep-cluster>-fluent-bit-confが使用されます。

例)

  spec:
    fep:
      remoteLogging:
        fluentbitConfigSecretRef: ' custom-secret'
4.10.2.1.5 remoteLogging awsCredentialSecretRefの定義

‘awsCredentialSecretRef’は、AWSサービスへの認証情報を含むシークレットの名前です。

例)

  spec:
    fep:
      remoteLogging:
        awsCredentialSecretRef: 'aws-credential'