運用管理サーバをバージョンアップする場合、以下の点に注意してください。
バージョンアップ作業中のエラーメッセージについて
運用管理サーバで移行元、および移行先のSymfoware Server のバージョンがV9.0以降でない場合、以下のエラーメッセージがSystemwalkerコンソール、またはイベントログに出力されることがありますが、バージョンアップ作業に支障はないため、対処は不要です。
qdg02252u:rdbstopコマンドのオペランドの指定に誤りがあります (システム名=CENTRIC) |
バージョンアップ作業中のデーモン起動について
【UNIX版】
移行先コンピュータでは、運用管理サーバの環境作成の開始から移行データの復元作業(swtransコマンド)が完了するまでの間、Systemwalkerのデーモン起動やシステムの再起動を行わないようにしてください。
【Windows版】
1度でもSystemwalker Centric Managerのサービスを起動してしまうと、作成した運用環境を削除し、運用環境の復元作業をやり直す必要があります。
運用環境を削除するには、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”の“運用管理サーバの運用環境を削除する【Windows版】”を参照し、そのあとに本マニュアルの“運用環境の復元”または“運用環境の復元/環境作成”を参照して運用環境の復元作業をやり直してください。
バージョンアップ中にエラーが発生した場合の対処について
【Windows版】
バージョンアップ中にエラーが発生した場合は、エラーの原因を取り除いてから、再度、バージョンアップ作業を実施してください。エラー発生した環境において、再度、運用環境保守ウィザードを起動した場合、状況に応じて適切なメッセージが出力される場合があります。運用環境保守ウィザードの画面にメッセージが表示されている場合は、その指示に従ってください。
【UNIX版】
swmoveコマンドが途中でエラーになった場合、手操作でディレクトリ内のファイルやサブディレクトリを削除しないでください。退避先ディレクトリを変更せず、そのまま移行コマンドを再実行してください。退避先に指定したディレクトリ配下のデータは、移行が完了するまで削除しないでください。
容量不足などで、退避先ディレクトリを変更する場合は、変更前の退避先ディレクトリ中の全ファイルとディレクトリを、変更後のディレクトリに移動してください。移動後にswmoveコマンドの再実行を行ってください。
バージョンアップで移行されないデータについて
SystemWalker/CentricMGR 4.1/V4.0L20以前の製品からバージョンアップする場合、以下の定義およびファイルは移行されません。
定義およびファイル
監視イベントログファイル
操作メニュー定義
ウィンドウ表示定義
CL制御サーバ定義
ログインユーザ名定義
セキュリティ定義
個別定義ファイル
操作ログ
操作ログ管理ファイル
ビットマップファイル
メッセージログファイル
コマンドログファイル
SystemWalker/CentricMGR V4.0L20以前の製品からバージョンアップする場合、以下の定義情報は移行されません。
MpAplregコマンドで登録した操作メニュー内のメニュー
移行データの扱い
移行先へ退避データを移すとき、退避先に指定したディレクトリ配下のすべてのディレクトリとファイルを移してください。
退避先に指定したディレクトリ配下の退避データは、移行が完了するまで削除しないでください。
Systemwalker for Oracleを使用している場合について
SystemWalker/CentricMGR 5.0/V5.0L10以降の運用管理サーバでSystemwalker for Oracleの関係管理環境を作成している場合、Systemwalker Centric Managerのバージョンアップ作業の前後に以下の作業が必要です。
Systemwalker Centric Managerのバージョンアップ作業を開始する前に、Systemwalker for Oracleの関係管理のバックアップと環境の削除を行います。
Systemwalker Centric Managerのバージョンアップ作業が完了後、Systemwalker for Oracleの関係管理環境を再作成し、リストア作業を行います。
各作業の詳細については、“Systemwalker for Oracleのオンラインマニュアル”を参照してください。
NetWalker/Baseのデータが移行されない場合について【UNIX版】
NetWalker/Baseの旧バージョンが退避されたことを確認してください。以下の退避先ディレクトリが作成されていない場合、旧環境は退避されていません。
/ユーザ指定の退避先/fjsvfnmkt/
/var/opt/FJSVftlc_trans/fjsvfnmkt/
NetWalker/Baseは、Export操作によりNW2V5.configファイルが作成されていない場合、swmoveコマンドの対象にならず旧環境が退避されません。
NetWalker/Baseの退避に失敗した場合は、以下の手順で移行します。
NetWalker/Baseの設定を確認し、“旧バージョンの移行準備”を行わなかった場合は、旧バージョンの移行準備を行います。
NetWalker/Baseだけを移行のために退避します。
NetWalker/Baseが移行されなかったときに指定したディレクトリとは別の退避先ディレクトリを指定して、swmoveコマンドを実行します。
本バージョンのSystemwalker Centric Manager 運用管理サーバをインストールします。
NetWalker/Baseだけの移行時に指定した退避先ディレクトリを指定してswtransコマンドを実行します。
NetWalker/Baseが移行されなかったときに指定したディレクトリを退避先ディレクトリに指定してswtransコマンドを実行します。
ネットワーク監視機能を使用している場合の注意事項【UNIX版】
稼働状態の監視のポーリング間隔最大値
NetWalker/Baseは最大31日23時間59分59秒(=2764799秒)の設定が可能ですが、SystemWalker/CentricMGR 5.0以降は、18時間12分(=65520秒)です。移行時にSystemWalker/CentricMGR 5.0以降で指定できる値の最大値を超えている場合は、65520秒が設定されます。
なお、稼働状態の監視はNetWalker/Baseのマップポーリングと同等機能です。
稼働状態の監視の設定単位
NetWalker/Baseでは、ルータのインタフェース単位に設定が可能ですが、SystemWalker/CentricMGR 5.0以降では代表インタフェースにしか機能しません。移行時、代表インタフェース以外の設定は無視されます。
なお、稼働状態の監視はNetWalker/Baseのノードポーリングと同等機能です。
稼働状態の監視のポーリング間隔の見え方
NetWalker/Baseは秒単位で設定可能ですが、SystemWalker/CentricMGR 5.0以降は分単位でだけの設定が可能です。そのため、たとえば200秒で移行した場合、SystemWalker/CentricMGR 5.0以降の画面では3分に見えますが、実際の動作は200秒になります。また、その後設定を4分に変更すると240秒、2分に変更すると120秒になります。
HUB配下のノードの関係付け
NetWalker/Baseでは、LAN管理アドバイザ/HUBと同時に動作させることによりマップ上のHUBアイコン配下にノードが接続されましたが、SystemWalker/CentricMGR 5.0以降では同様の描画は行えません。
マップポーリング間隔と稼働状態の監視のポーリング間隔
NetWalker/Baseのマップポーリング間隔は、マップごとに設定されていますが、マップは必ずしもセグメントには対応していません。また、マップ階層構造の移行ができないため、ポーリング間隔はノードに設定して移行します。
移行後にポーリング間隔を変更したい場合、ノードごとに行う必要があります。作業を軽減するためには、移行前にNetWalker/Baseのマップポーリング間隔を変更しておく必要があります。
また、移行後に複数のノードの設定を変更する場合は、ノード管理ツリーを作成することにより、複数ノードに対する一括変更が実現可能です。
10.1/V10.0L21以前のメータリング機能を運用していた場合について
10.1/V10.0L21以前のメータリングクライアントが本バージョンのサーバへ接続した場合
本バージョンのSystemwalker Centric ManagerのサーバにSystemwalker CentricMGR 10.1/V10.0L21以前のメータリングクライアントを接続すると、サーバとの接続エラーが発生します。また、メータリングデータの転送が行われないため、クライアント環境にメータリングデータが蓄積される状態になってしまいます。
サーバとの接続エラー
イベントログに以下のメッセージが出力されます。
「Service:通信処理において指定したサーバが未起動のため、接続できません。Policy」 |
上記接続エラーが表示される場合には、以下の手順でメータリングサービスを[手動]に変更することで対処してください。
[コントロールパネル]の[サービス]から以下のサービスのプロパティを開きます。
Systemwalker MpMTClient |
[プロパティ]画面で[スタートアップの種類]を[手動]に変更します。
コンピュータを再起動します。
メータリングデータ
以下の手順で、メータリングデータを削除してください。
以下の方法で常駐モジュールを停止します。
以下のサービスを停止します。
Systemwalker MpMTClient |
以下のファイルをノートパッド等のテキストエディタで開きます。
Systemwalkerインストールディレクトリ\MPWALKER.DM\mpmtmg\client\etc\mtpolcl |
ファイルの内容を編集し、上書き保存を行います。
MeteringセクションのCollectSoftwareMetering キーを「N」に変更します。
[Metering] |
すでに蓄積されたメータリングデータが存在した場合、以下のディレクトリ配下のファイルをすべて削除します。
Systemwalkerインストールディレクトリ\MPWALKER.DM\mpmtmg\client\var\meter\data |
コンピュータを再起動します。
10.1/V10.0L21以前の部門管理サーバ、業務サーバで、メータリング・サーバの運用を行っていた場合
部門管理サーバや業務サーバでは、クライアントから転送されたメータリングデータを上位サーバに転送しようとしますので、以下の手順で、メータリングデータを削除してください。
【Windows版】
メータリング・サーバのサービスを停止します。
サービスの自動起動を行わない場合は、以下のどちらかの方法で行ってください。
サービス画面で、[Systemwalker MpMTServer]の[スタートアップの種類]を[手動]にします。
Systemwalker Centric Managerの起動サービスの定義リスト(USERCMGR.INI)で「Systemwalker MpMTServerサービス」の自動起動を指定します。
サービス起動・停止制御ファイル(USERCMGR.INI)ファイルの編集方法については、V10.0L21以前の“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
メータリング・データを削除します。
mtdltid(メータリングデータ削除コマンド)を使用して、すべてのメータリングデータを削除してください。
mtdltidコマンドの詳細については、V10.0L21以前の“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
【UNIX版】
メータリング・サーバのサービスを停止する。
デーモンの自動起動を行わない場合は、/etc/opt/FJSVftlc/daemon/custom/rc3.ini のデーモン起動・停止制御ファイルにある以下の行を無効にします。
DAEMON34="/opt/FJSVsmtmg/etc/init.d/FJSVsmtmg start" |
デーモン起動・停止制御ファイルについては、10.1以前の“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
メータリングデータを削除する。
mtdltid(メータリングデータ削除コマンド)を使用して、すべてのメータリングデータを削除してください。
mtdltidコマンドの詳細については、10.1以前の“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
ターミナルサーバ環境の場合について【Windows版】
Windows Server(R) 2003またはWindows Server(R) 2008でターミナルサーバをアプリケーションサーバモードでインストールしている場合、またはWindows Server(R) 2008 R2でリモートデスクトップサービスをアプリケーションサーバモードでインストールしている場合は、以下の指示に従ってください。
運用環境保守ウィザードを起動する前に、システムモードをインストールモードに切り替えてください。インストールモードへの切り替えを行った場合は、作業終了後にシステムのモードを実行モードに戻してください。
システムのモードの確認および変更は、以下のコマンドで行います。
モードの確認
change user /QUERY
インストールモードへの変更
change user /INSTALL
実行モードへの変更
change user /EXECUTE
システムモードの切り替えは必要ありません。
システム監視APIのMp_GetMsgMap()、Mp_ReadMsgLog()を使用している場合
Mp_ReadMsg()/Mp_GetMsgMap()、Mp_ReadMsgLog()で出力される「ostype」(OS種別)はSystemwalker Centric Manager 11.0/V11.0L10と10.1/V10.0L21以前とでは以下が異なります。なお、Mp_GetMsgMap()はWindows版だけです。
メッセージのOS種別 | 11.0/V11.0L10 以降 | 11.0/V10.0L21 以前 |
---|---|---|
Windows NT | 以下のどれかが出力されます。 OP_WINDOWSNT OP_WINNTSERVER OP_WINNTWS | OP_WINDOWSNT |
HP-UX | OP_HPUX10 | OP_HPUX9 |
Mp_ReadMsg()/Mp_GetMsgMap()、Mp_ReadMsgLog()を使用し「ostype」を参照しているアプリケーションがある場合は、参照値を上記のように変更してください。なお、この変更は運用管理サーバだけです。
ノード構成情報関連コマンドを使用している場合の注意事項【Windows版】
Systemwalker CentricMGR V10.0L21以前の運用管理サーバと、V11.0L10以降の運用管理サーバとでは、以下のコマンドの格納ディレクトリに違いがあります。
mpdrpclr(部門管理サーバの機能停止(構成情報削除)コマンド)
mpdrpspm(構成情報配付コマンド)
そのため、上記コマンドをバッチプログラムなどで起動している場合はバッチファイルの変更が必要になります。
Systemwalker CentricMGR V10.0L21以前の場合のコマンド格納ディレクトリ
Systemwalkerインストールディレクトリ\MPWALKER.DM\MpFwbs\bin |
Systemwalker Centric Manager V11.0L10以降の場合のコマンド格納ディレクトリ
Systemwalkerインストールディレクトリ\MPWALKER.DM\MpNetmgr\bin |
mpdrpclr(部門管理サーバの機能停止(構成情報削除)コマンド)、mpdrpspm(構成情報配付コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
ノード検出のポリシーを設定している場合の注意事項
Systemwalker Centric Manager V12.0L10/12.0以降ではノード検出を行う際、初期設定では既存ノードのプロパティにおける[ネットワーク]タブの[ホスト名]、および、[インタフェース]タブにおける[代表][インタフェース名]を変更しません。
ノード検出を行う際に既存ノードの[ホスト名]、および[代表][インタフェース]を変更する必要がある場合、バージョンアップ後に下記の手順でノード検出のポリシーを再設定する必要があります。
[ポリシー]メニューの[監視]-[ノードの検出]を選択します。
→[ノード検出]ダイアログボックスが表示されます。
[詳細]タブを選択します。
[既存ノードのプロパティ変更]の項目で、[する]を選択します。
[OK]ボタンをクリックします。
ポリシーの配付を行います。
部門管理サーバがSystemwalker Centric Manager V11.0L10/11.0以前の場合、部門管理サーバ配下のセグメントフォルダに対して設定されたポリシーによるノード検出では、必ず、[既存ノードのプロパティ変更]を[する]で設定した動作となります。
ノード検出の設定に関する詳細については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”の“定期的にノード検出を行う”を参照してください。
MpmsgpsvコマンドおよびMpevtpsvコマンドの出力ファイル
Systemwalker Centric Manager V12.0L10/12.0以降、Mpmsgpsvコマンド、およびMpevtpsvコマンドの出力ファイルにジョブ番号が追加されています。
このため、本バージョンのSystemwalker Centric ManagerのMpmsgpsvコマンド、およびMpevtpsvコマンドで作成したファイルは、Systemwalker Centric Manager 11.0/V11.0L10以前のopmtrcsv、opmtrcsv2、opmtrget、opamsgrevコマンドでは読み込みできません。
Systemwalker Centric Manager 11.0/V11.0L10以前のMpmsgpsvコマンド、およびMpevtpsvコマンドで出力したファイルは、本バージョンのSystemwalker Centric Managerのopmtrcsv、opmtrcsv2、opmtrget、opamsgrevで読み込みができます。
Systemwalker Service Quality Coordinator がインストールされている場合
Systemwalker Service Quality Coordinatorの、Manager、またはAgentを導入し、Systemwalker Centric ManagerのRDBシステム(RDBシステム名:CENTRIC)を性能監視している場合は、バックアップ/リストアを行う前にSystemwalker Service Quality Coordinatorを停止するなどして、Systemwalker Centric Manager RDBシステムの性能情報収集処理を停止してください。
詳細については、Systemwalker Service Quality Coordinator のマニュアルを参照してください。
Administratorユーザ(ビルトインアカウント)のユーザ名を変更している場合
運用環境の復元/環境作成を行う場合は、Administratorユーザでログインする必要があります。
Administratorユーザのユーザ名を変更している場合は、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”の“Administratorユーザ(ビルトインアカウント)についての注意事項【Windows版】”を参照してください。
環境作成時の注意事項
フレームワークのデータベースを作成するときに、ファイルシステム上にインベントリデータベース(50MB)も自動的に簡易作成されます。インベントリデータベースを作成する場合、DRMS編集ファイルで「dbimport=YES」と設定されている必要があります。
そのため、DRMS編集ファイルで「dbimport=YES」になっていることを確認してから、環境作成を実施してください。