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Systemwalker Centric Manager V17.0.3 解説書

2.5.2 障害への対処を自動化する

同様の障害が繰り返し発生する場合、復旧操作を自動化することが可能です。

2.5.2.1 自動アクション

発生した監視イベントに対してあらかじめ復旧コマンドを設定しておくことで、特定のトラブル発生時に、自動的に復旧コマンドを起動し、自動的に対処することができます。復旧コマンドだけでなく、メールなどによる管理者への自動通知もできます。

このように、監視イベントに対して復旧コマンドや管理者への通知方法を定義しておくことをアクション定義といいます。アクション定義は、イベント監視の条件の1つとして定義します。イベント監視の条件やアクション定義の詳細については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”の“イベントの対処を自動化する”を参照してください。

自動実行可能なアクションを以下に示します。

自動アクションは、それぞれのサーバで実行します。

ただし、音声による通知、ショートメール通知、Microsoft(R)-Mail送信、ポップアップメッセージ通知は、UNIXサーバの場合、サーバ自身では実行できません。これらのアクションについては、運用管理クライアント、または、クライアントで実行するように定義します。
また、Microsoft(R)-Mail送信は、Windows NT(R)だけ実行可能です。Microsoft(R)-Mail送信を実行する場合は、バージョンがV12.0L11以前のSystemwalker Centric Manager がインストールされたWindows NT(R)のホストで実行するように定義します。

自動アクションは、1つのイベントに対して複数定義することができます。

ポイント

アクション管理機能

アクション管理機能では、アクションの実行状況を監視することができます。音声通知、メール送信、ポップアップ、ショートメールの各アクションを監視および操作することができます。

監視したいアクション種別だけを[アクション管理]ウィンドウに表示させることができるので、アクションの実行状況をひと目で監視できます。また、自動アクションの情報は一覧表示だけでなく、自動アクションごとに詳細な情報を表示することもできます。

さらに、実行待ちの自動アクションに対して、実行の一時停止や削除などの操作を行うことができます。実行されるアクションが多いなどの理由で、自動アクションが実行されないときに、自動アクションの実行順序を変更してほかのアクションよりも先に実行させて運用を効率化することができます。

注意

HP-UX版 Systemwalker Centric Manager使用時の注意事項

HP-UXでは、HTTPS、S/MIMEが未サポートのため、これらの機能は使用できません。HP-UX版 Systemwalker Centric Manager使用時には、アクションとして電子メール送信を行う場合、S/MIMEを使用しないでください。

2.5.2.2 ServiceNow連携

自動アクションを活用してServiceNowと連携することができます。

ServiceNow ITSMのIncident Management機能と連携を行い、Systemwalker Centric Managerの監視イベントから、ServiceNow上に新たなインシデントを登録できます。

インシデント登録は、Systemwalker Centric Managerがインストールされたサーバ(運用管理サーバまたは部門管理サーバ)上のServiceNowインシデント登録コマンド(swsn_increg)の実行により、ServiceNowのRESTインタフェースを利用して行われます。

ServiceNowインシデント登録コマンド(swsn_increg)、および、ServiceNow上に作成されるインシデントの詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

ServiceNow上に作成されたインシデントは、ServiceNowの運用により処理を実施してください。


以下にシステム構成の例を示します。

図2.9 運用管理サーバからServiceNowにインシデント登録を行う場合

図2.10 部門管理サーバからServiceNowにインシデント登録を行う場合

注意

ServiceNow連携を行う場合の注意事項

インシデント登録の対象とするイベントは、Systemwalker Centric Managerのイベント監視の条件定義によってフィルタリングされたイベントにしてください。イベントを特定する条件を緩和した場合、大量のイベントが発生した時に、ServiceNowへのインシデント登録の要求が多発し、Systemwalker Centric Managerが動作するシステムの負荷が上がる可能性があります。特定する条件としてホスト名、エラー種別、監視イベント種別など、複数の項目(条件)を組み合わせてフィルタリングするなど、インシデント登録の要求が多発しないように注意してください。

なお、環境によって異なりますが、ServiceNowへ登録するインシデント件数は、1時間あたり30件程度を上限とした運用が目安値となります。