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PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.7<Cloud Services 編>

21.10 クラスタアプリケーションの構築

クラスタアプリケーションの構築方法の詳細については、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”の“第6章 クラスタアプリケーションの構築”を参照してください。

GDS を使用する場合は、本構築の中で、共用ディスクの設定(シングルボリュームの作成)またはサーバ間ミラーリングの設定(ネットミラーボリュームの作成)を行います。

また、“20.2.1 ネットワークの引継ぎ”でネットワーク引継ぎのために選択したアーキテクチャパターンによって、ネットワーク引継ぎをクラスタアプリケーションに登録する必要があります。ネットワーク引継ぎのクラスタアプリケーションの構築については、“21.10.1 ネットワーク引継ぎのクラスタアプリケーションの構築”を参照してください。

注意

  • GDS ボリュームにおいて、discard 機能(※)は、未サポートです。

    ※シンプロビジョニングが有効なボリュームに対し、不要になった領域をストレージ装置に通知する機能です。

    GDS で使用するデバイスが discard 機能に対応している場合は、discard 処理をスキップしてください。詳細については、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”の“ファイルシステムの作成”の“注意”を参照してください。

  • 共用ディスクの設定を行う場合は、/etc/opt/FJSVsdx/sdx.cf に下記チューニングパラメタを設定してください。

    SDX_BYID_ADJUST=on
  • サーバ間ミラーリングの設定を行う場合は、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”の“サーバ間ミラーリングを行うディスクの設定”を参照し、“チューニングパラメタの設定”では以下の点に注意してください。

    • 下記表に記載されたチューニングパラメタについては、「変更後の値」を設定してください。

      チューニングパラメタ名

      変更後の値

      ED_CMD_RETRY_COUNT

      100

      ED_DRV_RETRY_COUNT

      100

      記載例:

      ED_CMD_RETRY_COUNT=100
      ED_DRV_RETRY_COUNT=100

      CF のハートビートのタイムアウト検出時間 (CLUSTER_TIMEOUT)を延長する場合、上記のパラメタ値を下記の計算式に従って変更してください。小数点以下は切り上げで計算してください。

      計算式:

      <CLUSTER_TIMEOUT の増加分>  ÷ 3 + 100
    • 非同期型強制停止方式を使用する場合、/etc/opt/FJSVsdx/sdx.cfに以下のチューニングパラメタを設定してください。

      SDX_NETMIRROR_IO_BLOCKADE=1
    • 非同期型強制停止方式を使用する場合、/etc/opt/FJSVsdx/modules/sfdsk.confの以下のチューニングパラメタをコメントアウトし、スライス先行縮退オプションを無効にしてください。

      SDX_NETMIRROR_PRE_DETACH=1;

      記載例:

      #SDX_NETMIRROR_PRE_DETACH=1;
  • “PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”の“必須パッケージの確認と設定”では以下の点に注意してください。

    • 非同期型強制停止方式を使用する場合、/etc/systemd/system/fjsvsdx.service.d/netmirror.confの"After"の値に"smawcf.service"を追加してください。

      記載例:

      After=target.service smawcf.service
  • セキュリティグループの設定で、クラスタノード間のicmp通信を許可していない場合、clchkclusterコマンド実行時に以下のメッセージが出力されます。

    日本語表示の場合

    シャットダウン機構が使用する管理LANのIPアドレス<IPアドレス>からのping応答がありません。

    英語表示の場合

    Admin IP <IPアドレス> used by SF is not alive.

    メッセージが出力された場合は、“20.3.2.1 管理LANに適用するルール”を参照し、クラスタノード間のicmp通信を許可するためにicmpプロトコルのルールを設定後、再度実行してください。

  • clchkclusterコマンド実行時に以下の警告メッセージが表示されますが、無視してください。

    例)LC_ALLがja_JP.UTF-8の場合

    [警告]
    シャットダウンエージェントが冗長化されていません。
    [対処]
    クラスタ内のサーバに異常が発生した際に、確実にサーバをシャットダウンできるよう、シャットダウンエージェントを冗長化してください。"PRIMECLUSTER導入運用手引書"の"シャットダウン機構の設定"を参照し、当ハードウェア機種で利用可能なエージェントを登録してください。
    
    SA configuration: Passed
  • Symfoware Server(Native)のホットスタンバイ機能を使用する場合は、スタンバイ運用のuserApplicationとスケーラブル運用のuserApplicationの設定が必要です。

    スタンバイ運用のuserApplicationの属性を以下の値に設定してください

    属性

    設定値

    StandbyTransitions

    ClearFaultRequest | SwitchRequest

    構築手順の詳細は、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”の“6.7 クラスタアプリケーションの設定”の“6) スケーラブル運用”を参照してください。