クラスタアプリケーションの構築方法の詳細については、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”の“第6章 クラスタアプリケーションの構築”を参照してください。
GDS を使用する場合は、本構築の中で、共用ディスクの設定(シングルボリュームの作成)またはサーバ間ミラーリングの設定(ネットミラーボリュームの作成)を行います。
また、“20.2.1 ネットワークの引継ぎ”でネットワーク引継ぎのために選択したアーキテクチャパターンによって、ネットワーク引継ぎをクラスタアプリケーションに登録する必要があります。ネットワーク引継ぎのクラスタアプリケーションの構築については、“21.10.1 ネットワーク引継ぎのクラスタアプリケーションの構築”を参照してください。
注意
GDS ボリュームにおいて、discard 機能(※)は、未サポートです。
※シンプロビジョニングが有効なボリュームに対し、不要になった領域をストレージ装置に通知する機能です。
GDS で使用するデバイスが discard 機能に対応している場合は、discard 処理をスキップしてください。詳細については、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”の“ファイルシステムの作成”の“注意”を参照してください。
共用ディスクの設定を行う場合は、/etc/opt/FJSVsdx/sdx.cf に下記チューニングパラメタを設定してください。
SDX_BYID_ADJUST=on
サーバ間ミラーリングの設定を行う場合は、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”の“サーバ間ミラーリングを行うディスクの設定”を参照し、“チューニングパラメタの設定”では以下の点に注意してください。
下記表に記載されたチューニングパラメタについては、「変更後の値」を設定してください。
チューニングパラメタ名 | 変更後の値 |
---|---|
ED_CMD_RETRY_COUNT | 100 |
ED_DRV_RETRY_COUNT | 100 |
記載例:
ED_CMD_RETRY_COUNT=100 ED_DRV_RETRY_COUNT=100
CF のハートビートのタイムアウト検出時間 (CLUSTER_TIMEOUT)を延長する場合、上記のパラメタ値を下記の計算式に従って変更してください。小数点以下は切り上げで計算してください。
計算式:
<CLUSTER_TIMEOUT の増加分> ÷ 3 + 100
非同期型強制停止方式を使用する場合、/etc/opt/FJSVsdx/sdx.cfに以下のチューニングパラメタを設定してください。
SDX_NETMIRROR_IO_BLOCKADE=1
非同期型強制停止方式を使用する場合、/etc/opt/FJSVsdx/modules/sfdsk.confの以下のチューニングパラメタをコメントアウトし、スライス先行縮退オプションを無効にしてください。
SDX_NETMIRROR_PRE_DETACH=1;
記載例:
#SDX_NETMIRROR_PRE_DETACH=1;
“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”の“必須パッケージの確認と設定”では以下の点に注意してください。
非同期型強制停止方式を使用する場合、/etc/systemd/system/fjsvsdx.service.d/netmirror.confの"After"の値に"smawcf.service"を追加してください。
記載例:
After=target.service smawcf.service
セキュリティグループの設定で、クラスタノード間のicmp通信を許可していない場合、clchkclusterコマンド実行時に以下のメッセージが出力されます。
日本語表示の場合
シャットダウン機構が使用する管理LANのIPアドレス<IPアドレス>からのping応答がありません。
英語表示の場合
Admin IP <IPアドレス> used by SF is not alive.
メッセージが出力された場合は、“20.3.2.1 管理LANに適用するルール”を参照し、クラスタノード間のicmp通信を許可するためにicmpプロトコルのルールを設定後、再度実行してください。
clchkclusterコマンド実行時に以下の警告メッセージが表示されますが、無視してください。
例)LC_ALLがja_JP.UTF-8の場合
[警告] シャットダウンエージェントが冗長化されていません。 [対処] クラスタ内のサーバに異常が発生した際に、確実にサーバをシャットダウンできるよう、シャットダウンエージェントを冗長化してください。"PRIMECLUSTER導入運用手引書"の"シャットダウン機構の設定"を参照し、当ハードウェア機種で利用可能なエージェントを登録してください。 SA configuration: Passed
Symfoware Server(Native)のホットスタンバイ機能を使用する場合は、スタンバイ運用のuserApplicationとスケーラブル運用のuserApplicationの設定が必要です。
スタンバイ運用のuserApplicationの属性を以下の値に設定してください
属性 | 設定値 |
StandbyTransitions | ClearFaultRequest | SwitchRequest |
構築手順の詳細は、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”の“6.7 クラスタアプリケーションの設定”の“6) スケーラブル運用”を参照してください。