ストレージにおける閾値
業務サーバとETERNUS ディスクアレイをファイバーチャネルで接続する場合の、ストレージにおける閾値の目安を以下に示します。
オンラインレスポンス重視システム | バッチスループット重視システム | |
---|---|---|
LogicalVolumeレスポンス | 30msec以下 | - |
RAIDグループビジー率 | 60%以下 | 80%以下 |
CMビジー率 | 80%以下 | 90%以下 |
ポイント
業務サーバとETERNUS ディスクアレイをiSCSIで接続する場合は、ETERNUS ディスクアレイにiSCSI接続する業務サーバのOSに対応した『ETERNUS AF, ETERNUS DX 構築ガイド (サーバ接続編)』を参照し、iSCSIの特性を理解したうえで閾値を設定してください。
オンライン業務のようなレスポンス重視のシステムでは、LogicalVolumeレスポンスを30msec以内に収めることが、ストレージを快適に使用する1つの目安になります。レスポンスを30msec以下にするには、RAIDグループビジー率を60%以下、CMビジー率を80%以下に抑えてください。
バッチ業務のようなスループット重視のシステムでは、シーケンシャルアクセスによってキャッシュヒット率が高くなるため、LogicalVolumeのレスポンスは数msecとなります。ただし、キャッシュヒット率はアプリケーションのアクセスに大きく影響されるため値の変動が激しくなります。その結果レスポンスも数msec~50msec以上となることもあるので、バッチ業務の場合、LogicalVolumeレスポンスの閾値の目安はありません。
バッチ業務においてスループットを高くするには、ストレージの資源を最大限に使用することが必要ですが、上記の閾値を超えた場合、急激な性能低下となる可能性があります。したがって、バッチ業務において、RAIDグループビジー率80%以下、CMビジー率90%以下を目安にしてください。
なお、アドバンスト・コピー実行中の時間帯では、アドバンスト・コピー処理自体の影響でCMビジー率が高くなります。
その場合は、アドバンスト・コピー実行も加味して、閾値を設定してください。
スイッチのポートにおける閾値
「閾値」、「下限値」は対象スイッチのタイプ(1Gbps、2Gbpsなど)によって変わります。1Gbpsタイプでは「100MB/s」、2Gbpsタイプでは「200MB/s」が最大値(使用率100%の値)となります。閾値には、最大値に対して使用を許容する範囲(割合)を指定します。
例えば、2Gbpsタイプのスイッチの閾値として「90%」を指定した場合、
200MB/s×90%=180MB/s(受信・送信の合計)
これがスループットの閾値となります。スループットが180MB/sに達した場合にアラームが上がります。
スイッチポートの閾値監視は、サーバ側とストレージ側のパス数に差がある場合に有効です。