Fujitsu Enterprise Postgresは、PostgreSQLと運用方法、アプリケーション開発用のインタフェース、SQLの互換を維持しながら、機能を拡張することで、信頼性、運用性および操作性が強化されています。
本書では、Fujitsu Enterprise Postgresが拡張した機能について説明しています。
エディション間の機能差については、“付録A 機能一覧”を参照してください。
また、Fujitsu Enterprise Postgresでは、さまざまなオープンソースソフトウェア(OSS)をサポートしています。Fujitsu Enterprise PostgresがサポートするOSSについては、“付録B Fujitsu Enterprise PostgresがサポートするOSS”を参照してください。
Fujitsu Enterprise Postgresには、以下の特長があります。
データベースの柔軟な復旧
障害発生時に、データベースの必須要件である最新のデータに復旧するだけでなく、任意の時点に復旧することもできます。また、任意のコピー技術を使用したバックアップ/リカバリが可能です。
GUIによる簡単な導入・運用管理
データベースの煩雑な操作をGUIで簡易化し、データベースを直感的に利用できます。
データベース多重化による高信頼性
データベース多重化により、重要なデータを保護し、高信頼なデータベースの運用を実現します。
クラスタソフトウェアと連携したフェイルオーバによる高信頼性
PRIMECLUSTERと連携し、フェイルオーバによる信頼性の高いシステムが実現できます。
Oracleデータベースからのシームレスな移行
Oracleデータベースとの互換機能を提供します。互換機能を利用することにより、既存アプリケーションの改修を局所化し、Fujitsu Enterprise Postgresへ容易に移行できます。
透過的データ暗号化による格納データの保護
データベースに格納するデータの暗号化により、データ盗難の脅威から情報を守ることができます。
また、暗号化キーの保管場所として、外部の鍵管理システムも選択することができます。
プロファイルによる運用ポリシーの設定
データベースユーザーにプロファイルと呼ぶパスワード認証のポリシーを割り当てることでパスワードに対する制限を適用することができます。これにより、パスワード運用に関するセキュリティ向上が実現できます。
セキュリティ向上のためのデータ秘匿化
アプリケーションからの問合せに対して、一部のデータのみ改訂して参照可能とします。これにより、個人情報などの機密データを扱う際のセキュリティを向上できます。
監査ログによるセキュリティ強化
監査ログにより、データベースに対する不正アクセスや権限濫用などのセキュリティの脅威に対抗することができます。
機密管理支援機能によるアクセス制御の管理
機密管理支援機能により、アクセス権の設計/管理を支援し、アクセス制御を適正化することで、セキュリティの強化を実現することができます。
問い合わせ計画の安定化
SQL文の問い合わせ計画を制御できます。SQL文の処理性能の向上より性能の安定化を重視する基幹系の業務などで、SQL文の問い合わせ計画が変わることによる性能劣化を抑止する目的で利用します。
インメモリ機能による集計処理の高速化
以下の機能を利用することで、大量の行に対する集計処理でも高速に検索することができます。
カラム型のインデックスVertical Clustered Index (以降、VCI)
データのメモリレジデント機能
高速データロード機能によるデータロード処理の高速化
高速データロード機能により、外部ファイルのデータをFujitsu Enterprise Postgresのテーブルに高速にロードすることができます。
Connection Manager機能による可用性向上
Connection Manager機能により、アプリケーションの接続先を意識せずにレプリケーション運用を継続することができます。
Global Meta Cache機能によるメモリ使用量削減
Global Meta Cache機能により、これらの情報の一部を共有メモリ上にキャッシュできます。これにより、システム全体のメモリ使用量の削減につながります。
Local Meta Cache制限機能によるメモリ使用量削減
ローカルメモリに保持するメタキャッシュを制限することで、メモリの消費量を削減します。