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PRIMECLUSTER  導入運用手引書 4.7

F.2.2 管理OS異常切替機能を使用する場合

マイグレーションを行うゲストOSとすべての管理OSにおいて、以下の手順を実施してください。

本手順は一度だけ実施すればよく、マイグレーション実施ごとに行う必要はありません。

  1. kvmguests.confファイルの作成(管理OS)

    すべての管理OSで、以下の手順でkvmguest.confファイルを作成してください。kvmguests.confファイルはすべての管理OSで同一にしてください。PRIMEQUESTの場合、管理OS異常切替機能の設定時に作成済みであれば、再実施は不要です。

    1. 設定の情報確認

      マイグレーション時に、SSHでゲストOS(クラスタノード)にログインし、シャットダウン機構の設定を変更します。

      設定には以下の情報が必要なため、事前に確認してください。

      • ゲストOSのIPアドレス

      • ゲストOSのドメイン名

      • ゲストOSのクラスタ名

      • ゲストOSのCFノード名

    2. ユーザ作成(ゲストOSにroot以外でログインする場合)

      マイグレーション機能が、ゲストOSにroot以外のユーザでログインする場合、ログイン用のユーザを作成します。

      マイグレーションするゲストOSで以下の手順を実施してください。

      1. ログイン用のユーザを作成します。

        作成するユーザのパスワードは、以下の文字以外の7ビットASCII文字で設定してください。

        >  <  "  /  \  =  !  ?  ;  ,  &
      2. 作成したユーザがrootユーザとしてコマンドを実行できるように、sudoコマンドを設定します。

        rootコマンドでvisudoコマンドを実行し、表示される設定ファイルに、以下の設定を記載してください。

        <(1)で作成したユーザ>    ALL=(root) NOPASSWD: ALL
    3. パスワードの暗号化

      sfcipherコマンドを実行し、ゲストOSへSSH ログインするためのユーザ(rootまたは2)で作成したユーザ)のパスワードを暗号化します。

      sfcipherコマンドの使用法については、sfcipherのマニュアルページを参照してください。

      # sfcipher -c
      Enter User's Password:
      Re-enter User's Password:
      D0860AB04E1B8FA3
    4. /etc/opt/FJSVcluster/etc/kvmguests.confの作成

      /etc/opt/FJSVcluster/etc/kvmguests.confを以下の内容で作成します。

      kvmguests.confファイルはrootユーザで作成し、パーミッションを600にしてください。

      guest-name host-cfname guest-clustername guest-cfname guest_IP guest_user guest_passwd
      • 1行に1ノード分の情報を記載してください。

      • 各項目は空白1文字で区切ってください。

      • kvmguests.conf ファイルは、すべてのクラスタノードで同一にしてください。

        guest-name        :マイグレーションするゲストOSのドメイン名を指定します。
        host-cfname       :“guest-name”が動作している管理OSのCFノード名を指定します。
                           “guest-name”が動作している管理OSで“cftool -l”を実行すると、そのノードのCFノード名が
                           確認できます。
        guest-clustername :ゲストOSのクラスタ名を指定します。
                           ゲストOSで“cftool -c”を実行すると、そのノードのクラスタ名が確認できます。
        guest-cfname      :ゲストOSのCFノード名を指定します。
                           ゲストOSで“cftool -l”を実行すると、そのノードのCFノード名が確認できます。
        guest_IP          :ゲストOSのIPアドレスを指定します。
                           指定可能なアドレス形式は、IPv4アドレスおよびIPv6アドレスです。
                           IPv6のリンクローカルアドレスは使用できません。
        guest_user        :ゲストOSへSSH ログインするためのユーザを指定します。rootまたは2)で作成したユーザを指定します。
        guest_passwd      :ゲストOSへログインするためのユーザのパスワードを指定します。
                           3)で暗号化したパスワードを指定します。

      例) 2ノード構成のゲストOS間でクラスタシステムが2セット構築されている場合

      guest11 cfhost1 cluster1 cfguest11  10.20.30.50 user1 D0860AB04E1B8FA3
      guest12 cfhost2 cluster1 cfguest12  10.20.30.51 user2 D0860AB04E1B8FA3
      guest21 cfhost1 cluster2 cfguest21  10.20.30.60 user3 D0860AB04E1B8FA3
      guest22 cfhost2 cluster2 cfguest12  10.20.30.61 user4 D0860AB04E1B8FA3
    5. ゲストOSへのログイン確認

      マイグレーション時に、ゲストOSへSSHでアクセスするため、SSH初回時のユーザ問い合わせ(RSA 鍵の生成)を済ませておく必要があります。

      /etc/opt/FJSVcluster/etc/kvmguests.conf に指定したすべてのゲストOS(ノード)に対して、同ファイルに指定したユーザでSSH接続を行い、ログインできることを確認してください。コマンドの実行は、rootユーザで行ってください。

      # ssh -l user XXX.XXX.XXX.XXX
      The authenticity of host 'XXX.XXX.XXX.XXX (XXX.XXX.XXX.XXX)' can't be established.
      RSA key fingerprint is xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx.
      Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes ←yes と入力
    6. /etc/opt/FJSVcluster/etc/kvmguests.confの設定確認

      すべての管理OS上でsfkvmtoolコマンドを実行し、/etc/opt/FJSVcluster/etc/kvmguests.confの設定に誤りが無いか確認します。設定に誤りが無い場合、以下のメッセージが出力されます。

      # /opt/SMAW/SMAWsf/bin/sfkvmtool -c
      NOTICE: The check of configuration file succeeded.

      上記以外のメッセージが出力された場合、/etc/opt/FJSVcluster/etc/kvmguests.confの設定を見直してください。

    7. シャットダウン機構の起動

      全ノードでシャットダウン機構が起動済みか確認してください。

      # sdtool -s

      シャットダウン機構が起動済みのノードでは、以下を実行してシャットダウン機構を再起動してください。

      # sdtool -e
      # sdtool -b

      シャットダウン機構が起動していないノードでは、以下を実行してシャットダウン機構を起動してください。

      # sdtool -b
  2. 管理OSの情報登録(管理OS)

    すべての管理OSで、以下のコマンドを実行し、管理OSの情報を登録します。

    # /opt/SMAW/SMAWsf/bin/sfkvmmigratesetup -c -i hostip [-w off]
    hostip

    本コマンドを実行する管理OSのIPアドレスを指定します。

    指定可能なアドレス形式は、IPv4アドレスおよびIPv6アドレスです。

    IPv6のリンクローカルアドレスは使用できません。

    -w off

    ゲストOSの移動時に、ゲストOSのシャットダウン機構の重みと管理OSのシャットダウン機構の重みを連携させない場合に指定します。
    本指定が無い場合、ゲストOSの移動時に、ゲストOSのシャットダウン機構の重みと管理OSのシャットダウン機構の重みを連携します。
    本指定はすべての管理OSで同一にしてください。

  3. ゲストOSの設定(管理OS/ゲストOS)

    すべてのゲストOSについて、以下の手順を実施してください。

    本手順は複数のゲストOSで同時に実施することも、ゲストOSを1つずつ順に実施することも可能です。

    1. ゲストOSの停止

      以下のコマンドをゲストOSで実施し、ゲストOSを停止します。

      # /sbin/shutdown -P now
    2. 管理OSの情報の参照設定

      停止したゲストOSの管理OSで、以下のコマンドを実行し、ゲストOSから管理OSの情報ファイルを参照できるように設定します。

      # /opt/SMAW/SMAWsf/bin/sfkvmmigratesetup -s domain
      domain

      ゲストOSのドメイン名を指定します。

    3. ゲストOSの起動

      ゲストOSを起動します。

  4. 移動先管理OSのユーザID作成(管理OS)

    移動先の管理OSにユーザIDを作成します。

    詳細な手順は“3.2.3.1.4 管理OSの設定(ゲストOSのOSインストール後)”を参照してください。

  5. 移動先管理OSへのログイン(ゲストOS)

    全ゲストOSから、移動先の管理OSに対して、SSH初回時のユーザ問い合わせ(RSA 鍵の生成)を済ませておく必要があります。

    すべてのゲストOS上で、移動先の管理OSに対して、libvirtシャットダウンエージェントに指定した管理OSのアカウントでログインを実行してください。

    # ssh -l user XXX.XXX.XXX.XXX
    The authenticity of host 'XXX.XXX.XXX.XXX (XXX.XXX.XXX.XXX)' can't be established.
    RSA key fingerprint is xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx.
    Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes ←yes と入力