LAN機器ベンダなどが自社機器に対応して拡張した、固有のMIBをSystemwalkerで扱うためには、その固有のMIBを追加してください。ベンダ固有のMIBの入手については、各ベンダに問い合わせてください。
手順
Systemwalkerコンソールで、[ポリシー]メニューから[監視]-[MIBの拡張]を選択します。
→[MIB拡張操作]画面が表示されます。
MIBを追加する場合には、[MIB拡張操作]画面で[登録]ボタンをクリックします。
拡張MIBファイルにおいて、IMPORTS文のFROM項目で指定したファイルは、コンパイル時にすべて解決される必要があります。登録時に、関連する拡張MIBファイルをまとめて選択してください。
なお、登録と削除では、複数の拡張MIBファイルを選択して操作できます。
ポリシーを配付します。
→“ポリシーを配付する”を参照してください。
MIB登録について
MIB 拡張操作を行うと、登録するMIB定義にRFC上の規約違反があると、「ASN1コンパイルに失敗しました」と表示され拡張に失敗する場合があります。MIB拡張チェック結果ファイルにエラー内容を記載してありますので、以下に示す原因と対処方法に従って対処してください。
MIB拡張チェック結果ファイルについては、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”の“MIB拡張チェック結果ファイル”を参照してください。
識別子の記述誤り
識別子には、以下の規約があります。
識別子は、任意の文字、数字、またはハイフンからなります。
識別子の始まりの文字は小文字です。
ハイフンを最後の文字にしてはいけません。
ハイフンはほかのハイフンのすぐ後に続けてはいけません。
詳細に関しては、CCITT(ITU-T) X.208を参照願います。
《誤》Network OBJECT IDENTIFIER ::= { fujitsu 2 }
《正》network OBJECT IDENTIFIER ::= { fujitsu 2 }
型の記述誤り
型には、以下の規約があります。
型は、任意個(1個以上)の文字、数字、またはハイフンからなります。
型の始まりの文字は大文字です。
ハイフンを最後の文字にしてはいけません。
ハイフンはほかのハイフンのすぐ後に続けてはいけません。
詳細に関しては、CCITT(ITU-T) X.208を参照願います。
《誤》grAtmVcStatsEntry OBJECT-TYPE
SYNTAX grAtmVcStatsTableEntry
《正》GrAtmVcStatsEntry OBJECT-TYPE
SYNTAX GrAtmVcStatsTableEntry
列挙型の変数定義が「0」から始まっている
列挙型の変数が「0」で始まっている場合、値の定義を削除後、拡張する必要があります。
《誤》TruthValue ::= INTEGER {
true(0),
false(1)
}
《正》TruthValue ::= INTEGER {
true,
false
}
SNMPv2形式で記述されたファイルのSTATUSに「mandatory」が指定されている
SNMPv2のSTATUSに指定できる値は、「current」、「deprecated」、「obsolete」です。
コンパイル対象がSNMPv2にもかかわらず、コンパイラがSNMPv1と認識する
コンパイラは、SNMPv1/SNMPv2の判断をSNMPv2-SMIがIMPORTSされている/されていないで判断します。コンパイル対象がSNMPv2で記述されている場合、SNMPv2-SMIをIMPORTS に追加して、拡張する必要があります。
Systemwalker Centric Managerのバージョンレベル
MIB拡張ポリシーの配付先となる部門管理サーバ、運用管理クライアントがV13.0.0以前の場合、Counter64,BITSのデータタイプを含むファイルはMIB拡張するファイルから除外してください。
運用管理クライアントを複数台使用している場合
運用管理クライアントを複数台使用している環境で、登録/削除/更新を行った場合、イベント監視機能を選択インストールしていないほかの運用管理クライアントに対しては、各操作結果が反映されません。
このため、イベント監視機能を選択インストールしていないほかの運用管理クライアントで同様な操作(登録/削除/更新)を行う必要があります。同様の操作を行わない場合、ほかの運用管理クライアントで登録/削除/更新したMIBに関してMIB取得、MIB監視の設定/変更ができません。
無視されるIMPORTS定義
以下のIMPORTS定義は、MIB拡張時に内部定義されているため、MIBを固有で追加する必要はありません。
internet
directory
mgmt
experimental
private
enterprises
ObjectName
ObjectSyntax
SimpleSyntax
ApplicationSyntax
NetworkAddress
IpAddress
Counter
Gauge
TimeTicks
Opaque
OBJECT-TYPE
DisplayString
PhysAddress
TRAP-TYPE
MacAddress
TruthValue
AutonomousType
InstancePointer
MODULE-IDENTITY
OBJECT-IDENTITY
TEXTUAL-CONVENTION
OBJECT-GROUP
MODULE-COMPLIANCE
AGENT-CAPABILITIES
NOTIFICATION-TYPE
Integer32
Counter32
Gauge32
注意
登録するMIBファイル名の先頭に「%」を指定しないでください。
一度に指定可能なMIBファイルは、200ファイルまでが上限です。
登録するMIBファイルは、Systemwalkerインストールディレクトリ配下以外のディレクトリに配置してください。
Systemwalker Centric Manager V13.5.0より、MIB拡張コンパイラのチェックを強化しています。このため、旧版でMIB拡張できたファイルで、MIB拡張に失敗することがあります。この場合は、MIB拡張チェック結果ファイルを参照しMIBファイルを修正してください。
ただし、旧版からの移行時に、従来の運用と全く同じMIBファイルをコンパイルする必要がある場合は、以下の手順で旧版の[MIB拡張操作]画面を起動して、MIB拡張を行ってください。
【旧版の[MIB拡張操作]画面の使用手順】
以下のディレクトリに、空のファイル「mpmibext.ini」を作成します。
Systemwalkerインストールディレクトリ\MPWALKER.DM\mpnetmgr\bin\mpmibext.ini |
Systemwalkerコンソールのメニューより、[ポリシー]-[監視]-[MIBの拡張]を選択します。
なお、旧版の[MIB拡張操作]画面でMIBを拡張する場合、MIBファイルは1つずつ指定してください。