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ETERNUS SF XL-DATA/MV 13 使用手引書
FUJITSU Storage

6.2.2 データ転送状態表示機能

データ転送状態表示機能は、V11形式のデータ転送用ボリュームを使用したデータ転送の、転送状態を確認したいときに使用します。

本機能は、UNIX/IAサーバにmftfstatコマンドを提供しています。

以下に、データ転送状態表示のコマンド(mftfstat)について記載します。

構文

UNIXサーバの場合
mftfstat  [ 対象デバイス名 | 対象デバイスの上位ディレクトリ名 ] [ -u 依頼者名 ]
IAサーバの場合
mftfstat.exe  [ 対象デバイス名 ] [ -u 依頼者名 ]

説明

本データ転送状態表示コマンドは、V11形式のデータ転送用ボリュームを使用して、データ転送中の転送状態を表示します。

オプション

対象デバイス名 | 対象デバイスの上位ディレクトリ名 :[UNIX]
対象デバイス名 :[IA]

対象デバイスには、転送状態を表示したい、XLデータムーバのデータ転送用ボリュームのキャラクタデバイス名を指定します。

対象キャラクタデバイス名および、対象キャラクタデバイスの上位ディレクトリ名を省略した場合には、ローカルシステムが認識可能なデータ転送用ボリュームのキャラクタデバイス一覧とリクエスト受付プロンプトを表示します。

その際に検索対象となるディレクトリは、以下となります。

Solaris OSの場合

/dev/rdsk配下

HP-UXの場合

/dev/rdsk配下

AIXの場合

/dev配下

Linux(RHEL8以前)の場合

/dev/raw 配下

Linux(RHEL9以降)の場合

/dev_mftf 配下

ただし、Solaris OSでMPHD等のドライバを使用していて、上記以外のディレクトリ配下を検索対象としたい場合等には、対象デバイスの上位ディレクトリ名に、対象のディレクトリ名を指定してください。 対象デバイスの上位ディレクトリ名を指定するには、先頭および末尾に必ず "/" を付けてください。

例)/dev/FJSVmphd/

キャラクタデバイス名を指定した場合、そのデバイスの転送状態を表示し、コマンドは終了します。

ここに指定するキャラクタデバイス名は、以下のキャラクタデバイス名を指定します。

UNIXサーバの場合

Solaris OSの場合

host-adaptor-id=1 target-id=2 論理ユニット=3の場合

(論理ユニット全体が参照できるパーティションはs2です。)

/dev/rdsk/c1t2d3s2

HP-UXの場合

host-adaptor-id=1 target-id=2 論理ユニット=3の場合

/dev/rdsk/c1t2d3

AIXの場合

hdisk3 の場合

/dev/rhdisk3

Linux(RHEL8以前)の場合

/dev/sda のデバイスを rawコマンド で /dev/raw/raw2 にバインドした場合

/dev/raw/raw2

Linux(RHEL9以降)の場合

/dev/sda のデバイスにシンボリックリンクしたXLデータ専用デバイス名(/dev_mftf/dev2)とした場合

/dev_mftf/dev2

UNIXサーバのデバイス一覧の表示順番は、ファイル名の小さい順です。

よって以下のように表示されます。

01:/dev/raw/raw1

02:/dev/raw/raw11

03:/dev/raw/raw2

:

IAサーバの場合

ディスクユーティリティで選択した物理ディスク番号("Diskxx"のxx部分の数字)を"PHYSICALDRIVE"の後に追加した形で指定します。

その際に、物理ディスク番号の先頭が 0の場合 には 0をとった数字を指定する必要があります。

物理ディスク番号が1("Disk01")の場合

PHYSICALDRIVE1

対象デバイス名および、対象デバイスの上位ディレクトリ名を省略した場合、表示されたデバイス一覧から対象デバイスの番号を、リクエスト受付プロンプトに指定することにより、対象デバイスの転送状態を表示しコマンドを終了します。

またデバイス一覧を表示後止めたい場合には、リクエスト受付プロンプトに"quit"または、"q"を指定することでコマンドは終了します。

本パラメタを複数指定することは、できません。

-u 依頼者名

対象デバイスを使用してデータ転送中の内、表示したいクライアント側の転送依頼者名(クライアント側ログイン名)を指定します。

本オプションで指定した転送依頼者の転送状態だけ表示します。ただし、転送状態が転送中のときだけ有効となります。

本パラメタを省略した場合には、すべての転送情報が表示されます。

復帰値

正常終了した場合には、0を返します。

異常終了した場合には、-1を返しエラーメッセージを標準エラー出力に出力します。

表示内容

対象デバイス名を指定しなかった場合

# mftfstat
01:/dev/rdsk/c1t1d2s2
02:‥‥‥‥‥‥
03:‥‥‥‥‥‥

quit or q : exit
>>request No.
1
Information of data transfer volume           DATE : 2002.08.22  10:23:50
  Data transfer volume : /dev/rdsk/c1t1d2s2  (1)

  ** Translation state information ** 
  == No.1  Client system : MSP1 ==  (2) 

     -- Partition No.00 --  (3) 
        Status : Alloc  (4) 

     -- Partition No.01 --  (3) 
        Status : Trans(send)  (4) 
        Translation byte :       10 Mbyte  (5) 
        Application id : 01  (6) 
        Client request time      : 2002.08.22  10:20:56  (7) 
        Server receptionist time : 2002.08.22  10:21:14  (8) 
        Sysid                    :  00000003  (9) 

        Transration information 
          Client system information 
            Client file name : PSFILE.DATA  (10) 
            Request userid   : GSUSER1  (11) 

          Server system information 
            Server system name   : UNIX1  (12) 
            Server system volume : /dev/rdsk/c1t1d2s2  (13) 
            Server file name     : /work/mftf_data/mftf  (14) 
            Server filtercommand : "/usr/mftf/bin/convert -i"  (15) 
            Server userid        : mftfuser  (16) 

表示内容の説明

表示内容について以下に説明します。

表示する項目は、転送依頼したアプリケーション(6)や、区画状態(4)によって異なります。

また、1つのクライアントシステム内で何も転送されていない場合には、(3)以降には「Partition no use」と表示されます。

No.

表示内容

転送依頼したアプリケーション/区画状態(*5)

(*1)

(*2)

(*3)

(*4)

(*3)

(*4)

(1)

デバイス名

(2)

クライアントシステム名

(3)

区画番号 (00~15の10進数)

(4)

区画状態

Alloc : 割当中 (準備中/終了中)

Trans(転送種別) : 転送中

転送種別

send:データ送信依頼

recv:データ受信依頼

XLジョブ連携の場合は、データ送信とデータ受信を区別しないでsendだけを表示します。

(5)

データ転送量(MB)

メガバイト単位(1024×1024バイト)で表示

×

×

(6)

アプリケーションID

データ転送用ボリュームを使用しているアプリケーションID

00:HULFT-SAN

01:XLデータムーバ

02:XLジョブ連携

03:Linkexpress SAN option

×

×

(7)

クライアント転送依頼日時

クライアント側で転送を依頼した日時

×

×

(8)

サーバ転送受付日時

サーバ側で転送依頼を受け付けた日時

×

×

(9)

XLデータムーバが付与する転送ID

転送依頼を識別するID

×

×

(10)

クライアント側ファイル名

クライアント側のファイル名

クライアント側のファイル名が150文字を超える場合には、ファイル名の先頭50文字の次にピリオドを3文字(...)付加した後、ファイル名の後ろ50文字を表示します。

クライアント側が転送コマンドmftfsend(データ送信依頼)で、標準入力を使用する(-fオプション未指定)場合には、本項目には「stdin」を表示します。

また、転送コマンドmftfrecv(データ受信依頼)で、標準出力を使用する(-tオプション未指定)場合には、本項目には「stdout」を表示します。

×

×

×

(11)

クライアント側転送依頼ユーザ名

クライアント側で転送を依頼したユーザ名

×

×

×

(12)

サーバシステム名

×

×

(13)

サーバ側デバイス名

×

×

(14)

サーバ側ファイル名

サーバ側のファイル名

サーバ側のファイル名が150文字を超える場合には、ファイル名の先頭50文字の次にピリオドを3文字(...)付加した後、ファイル名の後ろ50文字を表示します。

×

×

×

(15)

サーバ側フィルターコマンド名

転送依頼時に、サーバ側フィルターコマンド名を指定しなかった場合には、値は何も表示しません。

また、サーバ側フィルターコマンド名が150文字を超える場合には、コマンド名の先頭50文字の次にピリオドを3文字(...)付加した後、コマンド名の後ろ50文字を表示します。

×

×

×

(16)

サーバ側ユーザ名

転送依頼時に指定したサーバ側のユーザ名

転送依頼時に、サーバ側のユーザ名を指定しなかった場合には、値は何も表示しません。

×

×

×

*1:転送依頼したアプリケーションが、XLデータムーバの場合

*2:転送依頼したアプリケーションが、SANデータ連携製品の場合

*3:区画状態が、割当中の場合

*4:区画状態が、転送中の場合

*5:記号の意味は以下のとおりです。

○:情報を表示します。

△:クライアント側(転送コマンド/転送バッチユーティリティ起動側)のXLデータムーバがV11L20/2.1以前の場合には、「 * 」(アスタリスク)を表示します。
上記以外の場合で、データ転送用ボリュームから読み込む側(クライアント側がsendした場合は、サーバ側。recvした場合は、クライアント側となります。)のXLデータムーバがV11L20/2.1以前の場合には、この項目は0を表示します。
XLジョブ連携を使用している場合は、この項目には0を表示します。

▲:クライアント側(転送コマンド/転送バッチユーティリティ起動側)のXLデータムーバがV11L20/2.1以前の場合には、この項目の行は表示しません。

×:情報を表示しません。

対象デバイス名を指定した場合

# mftfstat /dev/rdsk/c1t1d2s2
Information of data transfer volume           DATE : 2002.08.22  10:23:50
  Data transfer volume : /dev/rdsk/c1t1d2s2 

  ** Translation state information ** 
  == No.1  Client system : MSP1 ==   

     -- Partition No.00 --   
        Status : Alloc   

     -- Partition No.01 --   
        Status : Trans(send)   
        Translation byte :       10 Mbyte   
        Application id : 01  
        Client request time      : 2002.08.22  10:20:56   
        Server receptionist time : 2002.08.22  10:21:14  
        Sysid                    :  00000003   

        Transration information 
          Client system information 
            Client file name : PSFILE.DATA  
            Request userid   : GSUSER1   

          Server system information 
            Server system name   : UNIX1  
            Server system volume : /dev/rdsk/c1t1d2s2  
            Server file name     : /work/mftf_data/mftf   
            Server filtercommand : "/usr/mftf/bin/convert -i"  
            Server userid        : mftfuser  

注意

  • データ転送中にシステムダウンやサーバシステム側のサブシステム、デーモンまたはサービスでなんらかの異常が発生したときや強制的に停止させた場合、データ転送用ボリュームの区画は使用中のままになります。

    この区画は、18分を経過しますと使用可能となりますが、データ転送状態表示は、次にその区画が使用されるまで割当中または転送中状態と表示されます。

    データ転送の区画割当ては、空き状態の区画を優先して選択します。このため、その区画の表示は割当中または転送中状態のままになる可能性があります。

    必要ならば、データ転送を行わない時間帯に、データ転送用ボリュームを初期化し直してください。

  • 過去に使用していたデータ転送用ボリュームがデバイス一覧に表示されることがあります(データ転送用ボリュームを別の目的のボリュームに変更する場合を参照)。