差分ファイル転送機能とは、送信元ファイルと送信先ファイルの差異を確認し、その差異の条件によりデータ転送を行う機能です。本機能により、効率の良いファイル転送業務が可能になります。
本機能は、転送コマンドに差分ファイル転送機能の転送オプションを指定することで使用することができます。
差分ファイル転送機能の転送オプションの指定方法については、転送コマンドリファレンスを参照してください。
注意
本機能は、UNIX/IA-UNIX/IAサーバ間のデータ転送時に使用できます。なお、両サーバのXLデータムーバが13.0以降の場合に使用できます。
グローバルサーバ-UNIX/IAサーバ間のデータ転送では、本機能は使用できません。
転送オプションとデータ転送を行う条件
差分ファイル転送機能では、送信元ファイルと送信先ファイルの差異をデータの内容の比較ではなく、最終更新日時の比較で行います。
また、差分ファイル転送機能には、3種類の転送オプション(差分ファイル転送、更新ファイル転送、ファイル情報/ディレクトリ情報転送)があり、転送オプションごとに、データ転送を行う場合の条件が異なります。
以下にその転送オプションとデータ転送を行う場合の条件を示します。
転送オプション | データ転送を行う条件 |
---|---|
差分ファイル転送 | 送信元ファイルの最終更新日時 ≠ 送信先ファイルの最終更新日時 |
更新ファイル転送 | 送信元ファイルの最終更新日時 > 送信先ファイルの最終更新日時 |
ファイル情報/ディレクトリ情報転送 | 無条件 |
ファイル情報および、ディレクトリ情報の転送
差分ファイル転送機能では、データ転送に関係なく、送信元ファイルのファイル情報および、ディレクトリ情報を転送し、送信先ファイルのファイル情報および、ディレクトリ情報を更新します。
更に、送信先ファイルおよび、送信先ファイルのディレクトリの最終アクセス日時も更新されます。
なお、転送されるファイル情報および、ディレクトリ情報の項目は、差分ファイル転送機能を利用するサーバ間で異なります。
以下に本機能を利用するサーバ間と転送されるファイル情報および、ディレクトリ情報の項目の関係を示します。
本機能を利用するサーバ間 | 転送されるファイル情報および、ディレクトリ情報の項目 |
---|---|
UNIX-UNIXサーバ間 | ・最終更新日時 |
UNIX/IA-IAサーバ間 | ・最終更新日時 |
なお、データ転送が行われない場合に限り、ファイル情報および、ディレクトリ情報の転送を抑止することができます。
ファイル情報および、ディレクトリ情報の転送の抑止は、転送コマンドに差分ファイル転送機能の転送オプション(-u オプション)を指定することで行えます。
差分ファイル転送機能の転送オプションの指定方法については、転送コマンドリファレンスを参照してください。
ディレクトリ情報の転送範囲
ディレクトリ情報の転送は、最下位ディレクトリから順に上位ディレクトリに向かい同一名のディレクトリを対象に行われます。
異なる名前のディレクトリを検出した場合、それ以降のディレクトリに対しては、ディレクトリ情報の転送は行いません。
また、最下位ディレクトリから最大32階層のディレクトリが、ディレクトリ情報の転送の対象となります。
ディレクトリ情報の転送について、以下に示します。
差分ファイル転送機能を使用した場合のファイル、ファイル情報および、ディレクトリ情報の状態について以下に示します。