JEF基本辞書から外字連携形式の転送ファイルへの移出を行うには、EXPTPATN制御文を利用します。
外字(利用者定義文字)を、JEF基本辞書から転送ファイルに格納する機能です。
本機能で、日本語資源管理に外字を登録するための転送ファイルが作成されます。
EXPTPATN制御文の実行において必要なファイル、実行制御文、記述形式については、ADJUSTのマニュアルを参照してください。
記述形式
オペレーション | オペランド |
EXPTPATN | TFILE(転送ファイルDD/FD名) STDDEF CODEINF(データ定義文入力ファイルDD/FD名) [SIZE(横ドット数,縦ドット数)] [STYLE({1|2})] |
オペランドの説明
転送ファイルに割り当てられたDD/FD名(MSP系:DD名、XSP:FD名)を指定します。
転送ファイルには、流通する外字(利用者定義文字)が格納されます。
転送ファイルの形式はAPP転送形式(APP)です。
なお、本オペランドは、必ず指定しなければなりません。
注意
データは、バイナリーデータです。
流通する外字のコード変換定義の実施モードを指定します。
なお、本オペランドは、必ず指定しなければなりません。
データ定義文入力ファイルに割り当てられたDD/FD名(MSP系:DD名、XSP:FD名)を指定します。本オペランドは、必ず指定しなければなりません。
データ定義文入力ファイルには、流通する外字の文字コードだけを指定します。
データ定義文の指定形式を以下に示します。
単一指定する場合は、文字コード1だけ指定します。
範囲指定する場合は、対象となる先頭の文字コードを先頭文字コード1に、末尾の文字コードを最終文字コード1に指定します。先頭文字コード1と最終文字コード1の関係は、先頭文字コード1≦最終文字コード1です。
データ定義文は、1行につき1つ指定できます。また、データ定義文を複数指定する場合に、同一文字コードに対して矛盾する指定を行った場合は、エラーとなるので注意が必要です。
なお、本定義は2カラムから72カラムの間にデータを記述します。
日本語資源管理に登録する、外字の文字サイズを指定します。
指定できる文字サイズを以下に示します。
分 類 | 書体名 | 体形 | 文字サイズ |
---|---|---|---|
利用者定義文字 | 明朝体 | 全角 | (16,16) |
(24,24) | |||
(32,32)(注) | |||
(40,40) | |||
(64,64) |
注)外字連携では、30×30ドットのパターンとして処理します。
ドット数が(32,32)の場合は、周囲の1ビットずつは拡大・縮小ビットです。外字としては、(30,30)として扱われるので注意が必要です。
なお、本オペランドを省略した場合は、(32,32)が指定されたものとみなされます。
また、128×128の文字を日本語資源管理に登録するには、TRANS制御文による移出機能、またはグローバルサーバとの連携機能(“Charset Manager 使用手引書 日本語資源管理編”の“4.9 ホストとの連携”参照)を使用してください。
移出する外字の書体を書体番号の数字で指定します。
明朝体
ゴシック体
なお、本オペランドを省略した場合は、書体コード1が指定されたものとみなされます。
移出JCL例を以下に示します。
例
移出JCL例
OS IV/MSPの場合
//GCTRN EXEC PGM=JODGCTRN,REGION=1024K //SYSPRINT DD SYSOUT=* //SYSSAVEO DD DSN=ADJUST.SAVEO,DISP=(NEW,DELETE),SPACE=(TRK,(10,10)), // UNIT=SYSDA //SYSUT1 DD DSN=&&SYSUT1,DISP=(NEW,DELETE),SPACE=(TRK,(10,10)), // UNIT=SYSDA //EXPT DD DSN=ADJUST.PATN,DISP=(NEW,CATLG),SPACE=(TRK,(10,10)), // UNIT=SYSDA //SYSKPATN DD DSN=SYS1.KPATNLIB,DISP=SHR //SYSIN DD * C EXPTPATN TFILE(EXPT) STDDEF CODEINF(DATADEF1) STYLE(1) SIZE(32,32) /* //DATADEF1 DD * 80A1-80A5 88A1-88A5 93A1-93A5/*
OS IV/XSPの場合
\GCTRN EX JODGCTRN,RSIZE=1024 \ FD SYSPRINT=DA,VOL=WORK,TRK=(10,10),SOUT=T \ FD SYSSAVEO=DA,FILE=ADJUST.SAVEO,VOL=WORK,TRK=(10,10),DISP=(CONT,CAT) \ FD SYSUT1=DA,FILE=ADJUST.SYSUT1,VOL=WORK,TRK=(10,10),DISP=(CONT,CAT) \ FD SYSKPATN=DA,FILE=SYS.XSPEX.KPATNLIB \ FD EXPT=DA,FILE=ADJUST.PATN,VOL=WORK,TRK=(10,10),DISP=(CONT,CAT) \ FD SYSIN=* C EXPTPATN TFILE(EXPT) STDDEF CODEINF(DATADEF1) STYLE(1) SIZE(32,32) \ FD DATADEF1=* 80A1-80A5 88A1-88A5 93A1-93A5 \ JEND
JEF基本辞書からTRANS形式の転送ファイルへの移出を行うには、TRANS制御文を利用します。
TRANS制御文については、“4.2.1.2 JEF基本辞書(TRANS形式)”を参照してください。
移出JCL例を以下に示します。
例
移出JCL例
OS IV/MSPの場合
//PADM EXEC PGM=JRQPADM,REGION=1024K //SYSPRINT DD SYSOUT=* //SYSLIST DD SYSOUT=* //SYSKPATN DD DSN=SYS1.KPATNLIB,DISP=SHR //TRANS DD DSN=ADJUST.TRANS, // SPACE=(TRK,(10,5)),UNIT=SYSDA, // DISP=(NEW,CATLG) //SYSIN DD * - MASTER PATN - TRANS TPATN(TRANS),TYPE((32,32,1,FULL)),EXPORT - SELECT CODE(9FA1:A0FE) - END /* //
OS IV/XSPの場合
\PADM EX JRQPADM,RSIZE=1024 \ FD LIST=DA,VOL=WORK,TRK=(5,5),SOUT=A \ FD KPATN=DA,FILE=SYS.SYSTEM.KPATNLIB,VOL=SYSRES \ FD TRANS=DA,FILE=ADJUST.TRANS,VOL=WORK,TRK=(10,5),DISP=(CONT,CAT) \ FD COIN=* - MASTER PATN - TRANS TPATN(TRANS),TYPE((32,32,1,FULL)),EXPORT - SELECT CODE(9FA1:A0FE) - END \ JEND
APP転送形式の転送ファイルを使用して他システムと連携するには、EXPTAPP制御文を利用します。
FONTLIB(利用者定義フォント辞書ファイル)のAPP用外字を、転送ファイルに出力します。
本機能で、日本語資源管理に外字を登録するための転送ファイルが作成されます。
EXPTAPP制御文の実行において必要なファイル、実行制御文、記述形式については、ADJUSTのマニュアルを参照してください。
記述形式
オペレーション | オペランド |
EXPTAPP | TFILE(転送ファイルDD/FD名) STYLE(書体名) CODE({文字コード1[:文字コード2]|ALL}) SIZE(縦のドット数,横のドット数) |
オペランドの説明
転送ファイルに割り当てられたDD/FD名(MSP系:DD名、XSP:FD名)を指定します。
転送ファイルには、APP用外字が格納されます。
転送ファイルの形式はAPP転送形式(APP)です。
なお、本オペランドを省略することはできません。
注意
データは、バイナリーデータです。
処理対象の書体名は、以下のとおりです。
書体名は、日本語またはEBCDICカナ文字で指定できます。
本オペランドを省略することはできません。
明朝体
ゴシック体
処理対象の文字コードを利用者定義領域の範囲内(80A1~A0FE)から指定します。
単一指定する場合は、文字コード1だけ指定します。文字コード1を省略して、文字コード2だけ指定することはできません。
範囲指定する場合は、対象となる先頭の文字コードを文字コード1に、末尾の文字コードを文字コード2に指定します。文字コード1と文字コード2の関係は、文字コード1≦文字コード2です。
利用者定義領域の文字コードすべてを対象にする場合は、ALLを指定します。
本オペランドを省略することはできません。
文字コード1~文字コード2までの範囲指定
文字コード1だけの単一指定
利用者定義領域のすべての文字コードを指定
処理対象の文字サイズを縦のドット数と横のドット数で指定します。本オペランドを省略することはできません。
流通可能な外字サイズを以下に示します。
区分 | 書体 | 文字サイズ(dpi) | |
---|---|---|---|
全角系 | 明朝 | - | (16,16) |
明朝 | - | (19,19) | |
明朝 | - | (22,22) | |
明朝 | ゴシック | (24,24) | |
明朝 | ゴシック | (27,27) | |
明朝 | ゴシック | (30,30) | |
明朝 | ゴシック | (38,38) | |
明朝 | ゴシック | (49,49) | |
明朝 | ゴシック | (66,66) | |
明朝 | ゴシック | (256,256) |
dpi:1インチあたりのドット数
注意
書体名にゴシック体を指定した場合、以下の文字サイズは指定できません。
この文字サイズをFONTLIBより取り出すには、ホストとの連携機能(“Charset Manager 使用手引書 日本語資源管理編”の“4.9 ホストとの連携”参照)を使用してください。
(16,16)
(19,19)
(22,22)
移出JCL例を以下に示します。
例
移出JCL例
OS IV/MSPの場合
//FRTRN EXEC PGM=JODFRTRN,REGION=1024K //SYSPRINT DD SYSOUT=* //ADJFONTS DD DSN=PP1.FONTDCT.STD,DISP=SHR //ADJFONTU DD DSN=PP1.FONTDCT.USR,DISP=SHR //APP DD DSN=ADJUST.EXPTAPP, // SPACE=(TRK,(10,5)),UNIT=SYSDA, // DISP=(NEW,CATLG) //SYSIN DD * EXPTAPP TFILE(APP) STYLE( 明朝) CODE(80A1:80A5) SIZE(32,32) /* //
OS IV/XSPの場合
\FRTRN EX JODFRTRN,RSIZE=1024 \ FD SYSPRINT=DA,VOL=WORK,TRK=(5,5),SOUT=T \ FD ADJFONTS=DA,FILE=SYS.XSP.FONTDCT.STD \ FD ADJFONTU=DA,FILE=SYS.XSP.FONTDCT.USR \ FD APP=DA,FILE=ADJUST.EXPTAPP,VOL=WORK,TRK=(10,5),DISP=(CONT,CAT) \ FD COIN=* EXPTAPP TFILE(APP) STYLE(明朝) CODE(80A1:80A5) SIZE(32,32) \ JEND