アイドルとは、Navigatorサーバに接続しているNavigator Windowsクライアントが、Navigatorサーバへの操作を行っていない状態を指します。
アイドル監視は、アイドル状態の時間が一定時間になったときに、自動的にNavigator WindowsクライアントをNavigatorサーバから切断する機能です。
この機能を利用することにより、利用者がNavigatorサーバにログオンしたまま放置されているPCをなくすことができるため、以下のような問題の発生を抑え、運用性と安全性が向上します。
同時に接続するクライアント数の登録不足によって、他のユーザがログオンできないことがあります。
辞書のセットアップなどのメンテナンスを行うために、Navigatorサーバを停止したいが、ユーザが離席しているため、メッセージの送信をしてログオフを促しても効果がないことがあります。
アイドル監視の運用方法
アイドル監視は、以下の機能を組み合せて運用します。また、これらの機能を利用するには、環境変数を設定します。
警告メッセージの表示 | アイドル状態の時間が環境変数で指定した時間を超えると、クライアントの画面上に、ポップアップで警告メッセージを表示します。 |
Navigator Windowsクライアントの自動切断 | 警告メッセージを表示してから、指定された時間が経過してもアイドル状態である場合、自動的にNavigator WindowsクライアントをNavigatorサーバから切断します。 |
環境変数の設定
Navigatorサーバの環境設定ファイルに、以下の環境変数を設定します。
RN_USER_IDLE_TIME=<時間> |
各環境変数について、説明します。
RN_USER_IDLE_TIME=<時間> |
アイドル状態になってから、警告メッセージを表示するまでの目安となる時間を指定します。時間は分単位で指定します。
時間に0以下の値を指定したときは、アイドル監視を行いません。
【指定例】
アイドル状態が1時間を超えたら、警告メッセージを表示する場合
RN_USER_IDLE_TIME=60 |
以下のメッセージが表示されます。
Navigator Serverにアクセスがありません。このままアクセスがないときは、クライアントを切断します。 |
このとき、メッセージに対して利用者が応答するとアイドル状態の時間を0に戻します。
RN_USER_IDLE_MSG_TIME=<時間> |
警告メッセージを表示してから、接続を切るまでの目安となる時間を指定します。時間は分単位で指定します。
時間に0以下の値を指定したときは、警告メッセージを表示してから、約6分後にNavigator WindowsクライアントとNavigatorサーバが切断されます。
切断後に、利用者が警告メッセージに対して応答すると、以下のメッセージが表示されます。
クライアントは切断されました |
【指定例】
警告メッセージを表示してから30分を超えたら、切断する場合
RN_USER_IDLE_MSG_TIME=30 |
なお、[管理ポイント]画面から[管理ポイント一覧]画面を表示したときは、空の[管理ポイント一覧]画面が表示されます。[データソース選択]画面を表示したときは、空の[データソース]画面が表示されます。
[レイアウトの指定]画面から問い合わせを実行したときに、すでにアイドル状態により切断されていたら、「問い合わせ表を作成できませんでした」のメッセージが表示されます。このときは、[再試行]ボタンを押して再度[レイアウトの指定]画面を開き、問い合わせ表を格納します。再度Navigatorサーバに接続し、格納した問い合わせ表で問い合わせを行うことができます。
警告メッセージの表示(RN_USER_IDLE_TIME)とNavigator Windowsクライアントの自動切断(RN_USER_IDLE_MSG_TIME)の組み合わせによる動作を、以下に示します。
RN_USER_IDLE_TIME | RN_USER_IDLE_MSG_TIME | 動作内容 |
---|---|---|
指定あり | 指定あり | アイドル状態になってから、設定時間(RN_USER_IDLE_TIME)後、6分以内にメッセージが表示され、そこから設定時間(RN_USER_IDLE_MSG_TIME)後、12分以内に切断されます。 |
指定あり | 指定なし | アイドル状態になってから、設定時間(RN_USER_IDLE_TIME)後、6分以内にメッセージが表示され、その約12分後に切断されます。 |
指定なし | 指定あり | アイドル監視は行われません。 |
指定なし | 指定なし | アイドル監視は行われません。 |
注意事項
アイドル監視の対象は、Navigator Windowsクライアントです。Navigator管理ツール、辞書退避コマンドなど他の機能は、アイドル監視の対象外です。
Navigator Windowsクライアントでの以下の操作中は、アイドル状態とみなします。
[管理ポイント]画面から、管理ポイント一覧を作成しているとき
[レイアウトの指定]画面にて、問い合わせレイアウトを作成しているとき
[レイアウトの指定]画面表示中(問い合わせレイアウトの作成中)であっても、長時間の離席などによりNavigatorを使用していない場合、Navigatorのクライアントを切断する必要があるため、アイドル監視の対象としています。
問い合わせレイアウト作成中にNavigator Windowsクライアントの接続が切られても、作成途中のレイアウトを保存することができます。しかし、保存できるのは、レイアウトが集計できる状態のものに限ります。[レイアウトの指定]画面でレイアウトを保存できる状態にするには、[OK]ボタンを押した後に表示される画面でキャンセルを行います。
レイアウトを集計できない状態のまま、レイアウト作成作業を中断し、長い時間Navigator Windowsクライアントを放置するようなことはしないでください。
環境変数で指定するアイドル時間、警告メッセージ表示時間の値は目安です。実際の運用では、Navigator Windowsクライアントの切断が指定した時間より最大18分遅れることがあります。
環境変数で指定するアイドル時間、警告メッセージ表示時間は、あまり短い時間にすると、レイアウト作成中などに頻繁にメッセージが出力され、Navigator Windowsクライアントの利用者に余分な作業を強いることになります。30分以上の値を指定することを推奨します。
Windowsサーバの場合、環境設定ファイルの設定を有効にするには、Navigatorサーバを再起動します。Navigatorサーバの再起動については、“第21章 Navigatorサーバの運用開始・停止”を参照してください。
UNIXの場合、環境設定ファイルの設定を有効にするには、Navigatorサーバへ再接続します。
Navigator Windowsクライアントでは、問い合わせ結果のダウンロードを行う直前に、「問い合わせが完了しました。」のメッセージが表示され、アイドル監視機能の対象となります。
問い合わせから集計値のダウンロードまでを自動で行いたい場合は、Navigator Windowsクライアントの[ツール]-[オプション]メニューで表示される画面の[画面]タブで[確認メッセージ]-[問い合わせ作成時に抑止する]チェックボックスをオンにしてください。