Systemwalker Centric Managerのエージェントを導入していないサーバ/クライアントを監視することができます。
Systemwalker Centric Managerのエージェントを導入していない監視対象を、インストールレス型エージェントと呼びます。
インストールレス型エージェントとして監視できるのは、以下に記載するOSが動作するサーバ、および、クライアントです。
なお、Systemwalker Centric Managerのエージェントが導入されているサーバ/クライアントでも、以下の条件を満たしている場合、監視することができます。
Systemwalker Centric Managerのエージェントが導入されているサーバ/クライアントのメッセージ送信先システムの定義にインストールレス型エージェント監視を行う監視サーバ(運用管理サーバ/部門管理サーバ)を設定していない場合
インストールレス型エージェントの場合、以下の機能を使用できます。
インストールレス型エージェントでサーバ/クライアントのシステム監視機能を利用する場合、エージェント機能をインストールした場合と比べ、以下の差異があります。
インストールレス型エージェント | インストール型エージェント | ||
---|---|---|---|
非デプロイ方式 | デプロイ方式 | ||
シスログ/イベントログ監視 | ○(注1)(注2) | ○(注2) | ○ |
リモートコマンド | ○ | ○ | ○ |
ログファイル監視 | × | ○(注3) | ○(注3) |
メッセージフィルタリング | × | × | ○ |
運用形態名 | × | × | ○ |
共有ディスク上のログファイル監視 | × | × | ○ |
○:監視可能
×:監視不可
Hyper-Vのイベントログは監視できません。
カスタムイベントログは監視できません。
監視対象のファイルについて以下の違いがあります。
インストールレス型 | インストール型 | |
---|---|---|
監視可能なファイル数 | 20個 | 200個 |
監視可能なファイルの文字コード | システムの動作コードが監視可能 | システムの動作コード、EUC、SJIS、UTF-8を監視対象ファイルごとに選択可能 |
インストールレス型エージェントでサーバ/クライアントのシステムログ/イベントログを監視する場合、エージェント機能をインストールした場合と比べ、以下の差異があります。
インストールレス型エージェントの場合 | インストール型エージェントの場合 | |
---|---|---|
監視間隔 | 一定時間間隔で情報を取得し、監視します。 | リアルタイムで監視します。 |
メッセージの監視 | インストールレス型エージェントのサーバの設定をしたあとに発生したメッセージが監視対象になります。 | インストール後に発生したメッセージが監視対象になります。 |
転送されたシスログ/イベントログ | シスログ/イベントログの転送で通知された他システムのメッセージは監視対象外です。 | |
メッセージに付加されるホスト名 | メッセージに付加されるホスト名は、監視ポリシーで設定したホスト名になります。(注) | メッセージに付加されるホスト名は、[通信環境定義]ダイアログの[自ホスト名]タブの内容に従って付加されます。 |
セキュリティイベントログ | Windowsのセキュリティイベントログを監視対象からはずすことができます。 | |
コード系 | 監視できるコード系は、Systemwalker Centric Managerでサポートしている範囲です。
| |
大量イベント発生時の回避処理 | 監視間隔ごとに最新の1000件(2MBまで)です。 | - |
監視ポリシーの設定については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”の“インストールレス型エージェント監視”を参照してください。
シスログ監視において、監視するデフォルトのシスログのファイルは以下のとおりです。
通常時 | シスログのローテートが発生したとき | |
---|---|---|
Linux | /var/log/messages | /var/log/messages.1 |
Solaris | /var/adm/messages | /var/adm/messages.0 |
HP-UX(注2) | /var/adm/syslog/syslog.log | /var/adm/syslog/OLDsyslog.log |
AIX | /var/adm/messages | /var/adm/messages.0 |
「YYYYMMDD」は8文字の年月日文字列です。
例)
20101120
HP-UXのsyslogdが「-v」オプションで起動している場合、ホスト名に付加されるファシリティ情報はメッセージに含まれません。
【システムログの出力内容】
Oct 18 20:29:44 3B:hostname root: test message
「-v」オプションにより、ファシリティ情報(上記の場合「3B:」)が追加されます。
【監視後のメッセージテキスト】
root: test message
注意
ローテートしたときのファイル(messages.1など)はテキスト形式(アーカイブでない)のみ監視されます。
シスログのローテートが発生した場合の監視対象のシスログは、以下の2つです。
・ 現在更新されているファイル
・ ローテートが発生し、ファイル名が変更になった1世代前のファイル
2世代以上前のファイルは監視対象外となります。
1世代前のログが切り替わる前に収集するように監視間隔を設定してください。
トラブルが発生した監視対象のサーバに対して、リモートからコマンドを投入し、復旧操作を行えます。リモートコマンドを発行できるノードは、監視ポリシーの配付先に設定したサーバです。
インストールレス型エージェントの場合でも、インストール型エージェントを導入した場合と同様の機能が使用できます。
インストールレス型エージェント(デプロイ方式)でサーバ/クライアントのログファイル監視をする場合、エージェント機能をインストールした場合と比べ、以下の差異があります。
インストールレス型エージェント(デプロイ方式) | インストール型エージェント | |
---|---|---|
監視ファイルのMAX数 | 20ファイル | |
監視間隔(秒) | 30 (30~3600で設定可能) | 30 (1~3600で設定可能) |
ファイルタイプ | テキストファイル | |
出力方法 | 追加型 | |
ログファイルのコード系 | OSのLANGと同じ | |
ファイル監視の初回 | 導入後に発生したメッセージから監視します。 | ファイルの先頭から監視します。【Windows版】 |
扱うメッセージの最大長 | 2047byte | |
大量イベント発生時の回避処理 | 監視間隔ごとに最新の1000件です。 | - |
ログ切り替わり判定基準 | 以下の条件のとき、ログファイルの先頭から監視します。 | |
ファイル名が途中で変わるログファイルの監視(監視ファイル名格納ファイル) | × | ○ |
opafmonext(ログファイル監視拡張コマンド) | × | ○ |
mpopfmcsv(監視ログファイル定義のCSV入出力コマンド) | × | ○ |
○:使用できます。
×:使用できません。
インストールレス型エージェントでサーバ/クライアントのインベントリ情報を収集する場合、エージェント機能をインストールした場合と比べ、以下の差異があります。
【Windows版】
インストールレス型エージェント | インストール型エージェント | ||
---|---|---|---|
非デプロイ方式 | デプロイ方式 | ||
ハードウェア情報(注1) | ○ | ○ | ○ |
ユーザ情報 | × | × | ○ |
ソフトウェア情報(注1) | ○ | ○ | ○ |
レジストリ収集情報 | × | ○(注2) | ○ |
テキスト情報 | × | × | ○ |
ソフトウェア辞書情報収集(Windows系OS用) | × | ○(注2) | ○ |
【UNIX版】
インストールレス型エージェント | インストール型エージェント | ||
---|---|---|---|
非デプロイ方式 | デプロイ方式 | ||
ハードウェア情報(注1) | ○ | ○ | ○ |
ユーザ情報 | × | × | ○ |
ソフトウェア情報(注1) | △ | △ | △ |
テキスト情報 | × | × | ○ |
ソフトウェア辞書情報収集(UNIX系OS用) | △ | △ | △ |
○:使用できます。
△:収集対象のOSがSolaris/Linuxの場合にだけ使用できます。
×:使用できません。
ハードウェア情報/ソフトウェア情報の一部の情報は、収集不可、または収集内容がエージェント導入の場合と異なる場合があります。
また、Nano Serverの場合は収集できません。
収集に時間がかかるため、インベントリ収集コマンドで収集することを推奨します。
インストールレス型エージェント(デプロイ方式)でサーバ/クライアントのアプリケーション監視をする場合、エージェント機能をインストールした場合と比べ、以下の差異があります。
インストールレス型エージェント(デプロイ方式) | インストール型エージェント | |
---|---|---|
アプリケーションの稼働違反監視 | ○ | ○ |
アプリケーションのプロセス数違反監視 | ○ | ○ |
アプリケーションの性能しきい値監視 | × | ○ |
アプリケーションの性能取得 | × | ○ |
アプリケーションの性能グラフ表示 | × | ○ |
スクリプトによるアプリケーションの稼働監視 | × | ○ |
スクリプトによるアプリケーションのプロセス数監視 | × | ○ |
アプリケーションの稼働違反時プロセス制御 | × | ○ |
アプリケーションのプロセス制御 | × | ○ |
アプリケーションの稼働状態表示 | × | ○ |
アプリケーションの最新稼働状態の取得 | × | ○ |
アプリケーションの稼働違反抑止/再開 | × | ○ |
アプリケーションの自動検出 | × | ○ |
Interstageワークユニットの稼働監視 | × | ○ |
クラスタサービスの監視 | × | ○ |
○:監視可能
×:監視不可
ただし、監視可能(○)とされている場合でも、監視対象システムのOSがHP-UXで、監視対象アプリケーションがシステムコールを発行してカーネルモードで動作中の場合は監視できません。アプリケーション監視は、psコマンドの出力結果により、稼働監視を行っています。アプリケーション監視のサービスが、psコマンドを発行したときに、監視対象アプリケーションがシステムコールを発行していた場合、その監視対象アプリケーションは、停止中として検知されます。システムコールを発行し、カーネルモードで動作中のプロセスは、システムコールが復帰するまで監視できません。
インストールレス型エージェント(デプロイ方式)でサーバ性能監視をする場合、エージェント機能をインストールした場合と比べ、以下の差異があります。
インストールレス型エージェント(デプロイ方式) | インストール型エージェント | |
---|---|---|
ノード詳細表示 | × | ○ |
ヒストリ表示 | × | ○ |
ノード中心マップ/ペアノード経路マップ(サーバ性能情報) | × | ○ |
しきい値監視 -CPU使用率 -実メモリ使用率 -ディスク使用率 | ○ イベント自動対処は不可 復旧イベントにて代替 | ○ |
しきい値監視 -ページフォルト数 -ディスクビジー率 -実メモリ空き容量 -ページファイル使用量 -ページファイル空き容量 -プロセス数 -プロセッサ待ちスレッド数 -ディスク空き容量 -HD待ち要求数 | × | ○ |
性能情報出力(サーバ性能情報) | × | ○ |
論理ディスク単位、ストレージプール単位の監視(mptrfbypartコマンド) | × | ○ |
サーバ性能MIB | × | ○ |
○:監視可能
×:監視不可
クラスタ運用時
被監視システムがクラスタ運用している場合
機能名 | 運用方法 |
---|---|
システム監視 | それぞれのノードを個別に監視します。(注) ノード一覧にクラスタ名、運用形態名は表示されません。 共有ディスク上のログファイル監視はできません。 |
インベントリ収集 | それぞれのノードに対して個別にインベントリ収集を実施してください。 |
アプリケーション監視 | それぞれのノードを個別に監視します。 |
性能監視 | それぞれのノードを個別に監視します。 |
AIXでクラスタ運用する場合
Systemwalkerコンソールの被監視システムのノードプロパティにおいて、[ネットワーク]タブの[ホスト名]には、永続ノードIPラベルに対応したホスト名を設定してください。
監視サーバで、AIXを監視する監視ポリシーを配付する前に、インストールレス型エージェント監視のクラスタノード定義ファイル(als_clshosts)を用意してください。
定義するホスト名は上記で設定した永続ノードIPラベルに対応したホスト名を設定してください。インストールレス型エージェント監視のクラスタノード定義ファイルの詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。