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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.7 (伝送路二重化機能編)

7.6 hanetparamコマンド

【名前】

hanetparam - 各二重化方式における設定情報の変更

【形式】

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam {-w sec | -m times | -l times | -p sec | -o times | -c {on | off} | -s {on | off} | -h {yes|no} | -e {yes|no} | -q sec | -r sec | -g sec}
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam print

【機能説明】

各二重化方式における設定情報の変更を行います。

【オプション】

以下のオプションが指定できます。


<高速切替方式の場合に有効なオプション>

-w value

伝送路を監視する間隔(value)を秒単位で指定します。指定可能範囲は、0~300です。0を指定した場合は監視を行いません。初期値として5(秒)が設定されています。本オプションは高速切替方式の場合のみ有効です。


-m value

伝送路異常検出時にメッセージ出力(メッセージ番号:800,801)する場合、メッセージ出力までの連続監視回数(value)を指定します。指定可能範囲は、0~100です。0を指定した場合はメッセージ出力を行いません。初期値として0(メッセージ出力しない)が設定されています。本オプションは高速切替方式の場合のみ有効です。


-l value

仮想インタフェースが使用している伝送路がすべて異常となった場合、クラスタ切替えを行うか否かを指定します。指定可能範囲は、0~100です。0を指定した場合は、クラスタ切替えを行いません。クラスタ切替えを行う場合は、クラスタ切替えを行うまでの連続監視回数を1~100の範囲で指定します。初期値として5(5回連続して全伝送路異常を検出した場合、クラスタ切替えを行う)が設定されています。本オプションは高速切替方式で、かつクラスタ運用の場合のみ有効です。


-c value

システム起動前に、既に仮想インタフェースが使用するすべての伝送路で異常が発生していた場合、userApplication起動後直ちにクラスタ切替えを行うか否かを指定します。指定可能な値は、“on”または“off”です。“on ”を指定した場合、userApplication起動後直ちにクラスタ切替えを行います。“off”を指定した場合は、userApplication起動直後はクラスタ切替えを行いません。初期値として、“off”が設定されています。本パラメタは高速切替方式で、かつクラスタ運用の場合のみ有効です。


-s value

仮想インタフェースが使用している物理インタフェースの状態が変化(伝送路異常検出、または復旧)した場合に、メッセージ出力を行うか否かを指定します。指定可能な値は、“on”または“off”です。 “on”を指定した場合、メッセージを出力(メッセージ番号:990,991,992)します。“off”を指定した場合にはメッセージを出力しません。初期値として、“off”が設定されています。本パラメタは高速切替方式の場合のみ有効です。


NIC切替方式の場合に有効なオプション>

-p value

待機パトロール機能による運用NICと待機NIC間の経路に対して、監視間隔(value)を秒単位で指定します。指定可能範囲は、0~100です。0を指定した場合は監視を行いません。
ユーザコマンド実行機能(待機パトロール異常、復旧検出時のユーザコマンド実行)を設定している場合は、本パラメタに0を指定しないでください。0を指定した場合、ユーザコマンド実行が機能しません。
初期値として15(秒)が設定されています。本オプションはNIC切替方式で、かつ待機パトロール機能使用時のみ有効です。


-o value

待機パトロール機能による伝送路異常検出時、メッセージ出力(メッセージ番号:875)までの連続監視回数(value)を指定します。指定可能範囲は、0~100です。0を指定した場合はメッセージ出力を停止し、待機パトロール機能による監視を無効化します。
ユーザコマンド実行機能(待機パトロール異常、復旧検出時のユーザコマンド実行)を設定している場合は、本パラメタに0を指定しないでください。0を指定した場合、ユーザコマンド実行が機能しません。
初期値として3(回)が設定されています。本オプションはNIC切替方式で、かつ待機パトロール機能使用時のみ有効です。なお、待機パトロール開始直後は、連続監視回数は、本オプションでの設定値×2となります。


<仮想NIC方式の場合に有効なオプション>

-q value

リンク状態監視機能が物理インタフェースのリンク状態異常(リンクダウン)を検出してから、経路の切替えを実行するまでの待機時間を秒単位で指定します。指定可能範囲は、0~60です。

リンクダウン検出後、本パラメタにて指定された時間内に再度リンクアップした場合は経路切替えを行いません。※ネットワーク監視機能により異常が検出される場合があります。

初期値として0(秒)が設定されています。


-r value

リンク状態監視機能が物理インタフェースのリンク状態復旧(リンクアップ)を検出してから、待機NICとして再利用が可能となるまでの時間を秒単位で指定します。指定可能範囲は、0~60です。

本パラメタにて指定された時間、リンクアップ状態の継続を確認することにより、不安定状態な通信経路の使用を抑止します。

初期値として1(秒)が設定されています。


-g value

仮想インタフェースの活性化から、リンク状態監視機能を開始するまでの待機時間を秒単位で指定します。指定可能範囲は、1~300です。

本パラメタが物理インタフェースのリンクアップにかかる時間より短い場合、仮想インタフェース活性化時にセカンダリに経路が切り替わる場合があります。

初期値として5(秒)が設定されています。


<全方式で有効なオプション>

-h value

GLSは、仮想IPアドレスや物理IPアドレス、監視先IPアドレスの設定にホスト名を使用している場合、ホスト名をIPアドレスに変換して使用します。また、この変換処理はOSの設定(nsswitch.conf)に依存せずに/etc/hostsファイルのみを参照して即時にGLSに設定されたホスト名の変換を行います。本オプションを無効にすることにより、OSの設定(nsswitch.conf)に基づき、DNSサーバや/etc/hostsファイルを使用したホスト名の変換処理に変更できます。
初期値としてYES(ホスト名変換に/etc/hostsファイルのみを使用します)が設定されています。
ただし、仮想NIC方式の仮想インタフェースでは本オプションの設定によらず、ホスト名変換に/etc/hostsファイルのみを使用します。


-e value

GLSの制御デーモン、仮想ドライバの状態を定期的に監視します。定期的に監視することにより、状態に異常が発生した場合、メッセージを出力します。なお、本オプションを有効にすることにより、GLS起動時(システム起動時、resethanet -s実行時)に監視を開始します。

初期値としてYES(監視する)が設定されています。


print

設定情報の内容を出力します。出力形式は以下のとおりです。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam print
[Fast switching]
   Line monitor interval(w)           :5
   Line monitor message output (m)    :0
   Cluster failover (l)               :5
   Cluster failover in unnormality (c):OFF
   Line status message output (s)     :OFF

[NIC switching]
   Standby patrol interval(p)         :15
   Standby patrol message output(o)   :3

[Virtual NIC]
   LinkDown detection time (q)        :0
   LinkUp detection time (r)          :1
   Link monitor starting delay (g)    :5

[Common Setting]
   Hostname resolution by file(h)     :YES
   Self-checking function(e)          :YES

表示

内容

Line monitor interval (w)

伝送路を監視する間隔

Line monitor message output (m)

メッセージ出力までの連続監視回数

Cluster failover (l)

クラスタ切替えを行うまでの連続監視回数

Cluster failover in unnormality (c)

クラスタアプリケーション起動時、全伝送路に異常が発生した場合の動作

Cluster failover in unnormality (c)

ON

直ちにクラスタ切替えを行います。

OFF

クラスタアプリケーション起動時、クラスタ切替えは行いません。

Line status message output (s)

物理インタフェースの状態が変化した場合のメッセージ出力有無

Line status message output (s)

ON

メッセージを出力します。

OFF

メッセージを出力しません。

Standby patrol interval (p)

待機パトロールの監視間隔

Standby patrol message output (o)

待機パトロール異常時のメッセージ出力までの連続監視回数

LinkDown detection time (q)

リンクダウン検出待機時間

LinkUp detection time (r)

リンクアップ検出待機時間

Link monitor starting delay (g)

リンク状態監視開始待機時間

Hostname resolution by file(h)

YES

ホスト名変換に/etc/hostsファイルのみを使用します。

NO

OSの設定に従って、ホスト名変換を行います。

Self-checking function(e)

YES

GLS起動時にセルフチェック機能を有効にします。

NO

GLS起動時にセルフチェック機能を有効にしません。

GLS : Global Link Services

【関連項目】

hanetpoll

【注意事項】

【使用例】

<高速切替方式の場合の例>

(1) 伝送路監視間隔の設定例

5秒間隔で監視を行う場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -w 5

(2) 伝送路異常検出時のメッセージ出力有無の設定例

通信相手に対し5回連続で監視異常を検出した際にメッセージ出力を行う場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -m 5

(3) クラスタ切替え有無の設定例

通信相手と5回連続して監視が失敗した場合に、クラスタ切替えを行う場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -l 5

(4) userApplication起動時に全伝送路異常が発生していた場合の動作設定例

userApplication起動時、全伝送路異常の場合に、クラスタ切替えを行う場合のコマンド例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -c on

(5) 仮想インタフェースが使用している物理インタフェースの状態が変化した場合のメッセージ出力有無の設定例

仮想インタフェースが使用している物理インタフェースの状態が変化した場合に、メッセージ出力を行う場合のコマンド例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -s on

NIC切替方式の場合の例>

(1) 待機パトロールの監視間隔の設定例

5秒間隔で監視を行う場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -p 5

(2) 待機パトロール異常検出時のメッセージ出力有無の設定例

通信相手と5回連続で通信が行えない時にメッセージ出力を行う場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -o 5

<仮想NIC方式の場合の例>

(1) リンクダウン検出待機時間の設定例

リンクダウン発生から3秒間リンクダウン状態が継続した場合にリンクダウンを検出するようにする場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -q 3

(2) リンクアップ検出待機時間の設定例

リンクアップ発生から5秒間リンクアップ状態が継続した場合にリンクアップを検出するようにする場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -r 5

(3) リンク状態監視開始待機時間の設定例

仮想インタフェース活性化から10秒間はリンクダウンを検出しないようにする場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -g 10

<全方式共通の例>

(1) ホスト名変換の設定例

ホスト名変換を/etc/hostsファイルのみを使用して行う場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -h yes

(2) セルフチェック機能の設定例

セルフチェック機能を使用する場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -e yes

(3) 設定内容の表示例

hanetparamコマンドで設定した内容を表示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam print