コピーコマンドを使用したバックアップは、通常のバックアップ手順に加えて、コピーコマンドを作成してpgx_dmpallコマンドに指定します。以下では、コピーコマンドを使用した場合の固有の手順について説明します。
バックアップを実施する前に、バックアップの準備を実施する必要があります。
以下の手順で実施してください。
バックアップ対象のデータベース資源の決定
コピーコマンドでバックアップするデータベース資源を決定します。コピーコマンドでのバックアップは、以下のすべて、または一部を対象とすることができます。
データベースクラスタ
テーブル空間
テーブル空間の一部をコピーコマンドでバックアップする場合は、対象のテーブル空間の名前を記述したファイルを作成します。ただし、すべてのテーブル空間をコピーコマンドでバックアップする場合は、本ファイルを作成する必要はありません。
テーブル空間tblspc1とtblspc2をコピーコマンドでバックアップする場合
tblspc1 tblspc2
バックアップ領域の用意
手順1で決定したバックアップ対象のデータベース資源を退避するためのバックアップ領域を用意します。
コピーコマンドの作成
バックアップ、およびリカバリ用のコピーコマンドを作成します。詳細は、“15.4 コピーコマンドのインタフェース”を参照してください。
pgx_dmpallコマンドの-Yオプションに、バックアップの準備の手順3で作成したバックアップ用コピーコマンドのファイルパス名を指定して、バックアップを実行します。
以下に、データベースクラスタを除く一部のテーブル空間のみをコピーコマンドでバックアップする操作例を示します。
例
$ pgx_dmpall -D /database/inst1 -Y '/database/command/backup.sh' --exclude-copy-cluster -P '/database/command/tablespace_list.txt'
ポイント
データベースクラスタをコピーコマンドでバックアップしない場合は、--exclude-copy-clusterオプションを指定します。
一部のテーブル空間をコピーコマンドでバックアップする場合は、バックアップの準備の手順1で作成したファイルのパス名を-Pオプションに指定します。
参照
pgx_dmpallコマンドの詳細は、“リファレンス”の“pgx_dmpallを参照してください。
pgx_rcvallコマンドを使用して、バックアップの状況を確認します。
pgx_rcvallコマンドに-lオプションを指定すると、バックアップデータの情報が表示されます。コピーコマンドでバックアップした場合は、コピーコマンドによるバックアップ対象資源の一覧が追加で表示されます。
例
$ pgx_rcvall -l -D /database/inst1 Date Status Dir Resources backed up by the copy command 2022-03-01 13:30:40 COMPLETE /backup/inst1/2022-03-01_13-30-40 pg_data,dbspace,indexspace