データベース二重化機能を利用し、高性能かつ高信頼なシステム運用を実現するためには、データベース二重化機能で利用する資源についても、負荷分散や危険分散の考慮を行う必要があります。
以下にデータベース二重化に必要な資源のディスク配置について説明します。
ディスク配置の考え方
データベース二重化で利用する資源のディスク配置は、負荷分散と危険分散の観点から、以下の資源とは別のディスクに配置してください。
データベース二重化機能以外のSymfoware/RDBの資源
ファイルアクセスを頻繁に行うアプリケーションの資源
ポイント
アプリケーションには、ユーザが作成したアプリケーションや他製品(ミドルウェア)が含まれます。
参考
負荷分散と危険分散の観点によるディスク配置の課題と対策
観点  | 課題  | 対策  | 
|---|---|---|
負荷分散  | 利用者業務の運用中に、ディスクアクセスが頻繁に発生する資源と同じディスクに配置すると、ディスクアクセスの競合のため、性能が劣化する場合があります。  | データベースサーバに配置したアプリケーションで、ディスクアクセスを頻繁に行うものは、別のディスクに資源を配置してください。  | 
危険分散  | 別の資源と同じディスクに配置するとディスク故障などの際にデータ破壊などの影響範囲が広がります。  | それぞれの資源を、別々のディスクへ分散配置してください。また、ディスクの二重化(RAID構成など)を行ってください。  | 
データベース二重化で利用する資源
データベース二重化で利用する資源の種類と分散配置の必要性、およびディスク負荷について以下に示します。
ファイル種別  | 資源を配置する  | 分散配置の  | ディスクの負荷が想定される場合  | 
|---|---|---|---|
DCU(RLC,送信用RLM,受信用RLM)  | 両ノード  | あり  | 運用中  | 
RERUNログ抽出ファイル  | 副系ノード  | あり  | 運用中  | 
RERUNログ引き継ぎファイル  | 副系ノード  | あり  | 運用中でRLC交替時  | 
RERUNログ抽出作業域  | 副系ノード  | あり  | 運用中  | 
モニタ管理ファイル  | 両ノード  | あり  | 運用中の正系ノードでRERUNログの転送状態が蓄積の場合  | 
BC管理DB  | 両ノード  | あり  | 運用中の副系ノード(注1)  | 
BCログ管理ファイル  | 両ノード  | なし  | 運用中の負荷はありません  | 
各種パラメタファイル(注2)  | 両ノード  | なし  | 運用中の負荷はありません  | 
注1: BC管理DBはデータベースです。データベース資源は、Symfoware/RDB資源のディスク配置に従ってください。
注2: 各種パラメタファイルは、セットアップ手順にあわせて、任意のディスクに配置してください。
各種パラメタファイルは以下のとおりです。
DBミラーリング動作環境ファイル
RDB構成パラメタファイル
BC構成パラメタファイル
RLP動作環境ファイル
RLP定義ファイル
DB監視資源定義ファイル(Mirroring Controller使用時)
ディスク配置の推奨パターン
データベース二重化を利用する場合のディスク配置の構成例を以下に示します。
図B.1 ディスク配置の構成例

上図におけるデータベース上の各資源について、以下に示します。
資源の種類  | 分散配置  | ディスク数(注1)  | 
|---|---|---|
データベース二重化の資源 
  | ディスク分散配置1  | 1  | 
Symfoware RDBの資源 
  | ディスク分散配置2(注2)  | 1以上(使用条件によって数が変わります)  | 
その他の資源  | ディスク分散配置3  | 1以上(使用条件によって数が変わります)  | 
注1: それぞれのディスクはリスクに応じてディスクを二重化(RAID構成など)し、危険分散することを推奨します。
注2: Symfoware/RDB資源の詳細は、“セットアップガイド”を参照してください。
参考
PCIe Flashを利用する場合は、データベース二重化の資源はPCIe Flash上に配置することを推奨します。
PCIe Flashはデータアクセスが高速であるため、負荷分散を行う必要はありません。容量を有効に利用するために、データベース二重化の資源とSymfoware/RDBの資源は同一のPCIe Flash上に配置することを推奨します。
参照
Symfoware/RDBの資源のディスク配置については、“セットアップガイド”を参照してください。