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Interstage List Works V11.0.0 環境構築手引書
FUJITSU Software

2.3.6 クラスタシステム運用の準備 <EEのみ>

クラスタシステムは、Windows Serverの標準機能であるWSFC(Windows Server Failover Clustering)を使用します。
クラスタシステムの環境は、フェールオーバークラスターマネージャーを使用して構築します。なお、クラスタシステムを構成する各ノード(各サーバ)は同一のドメインに所属していることが必要です。

クラスタシステムの構築は、Windowsシステムのマニュアルを参照してください。

共有ディスクの設定例

クラスタシステムでは、各ノードが切り替わってもアクセスできる共通のディスク(共有ディスク)を使用します。
具体例として、以下のクラスタシステム構成において、iSCSI仮想ディスクを共有ディスクに設定する手順を示します。
iSCSI仮想ドライブ名は、Eドライブとして説明します。

(1) iSCSIターゲットサーバーのインストール

ドメインコントローラとしたサーバ(DOMAINSV)に共有ディスクを設定するため(共有ディスクの管理者とするため)、iSCSIターゲットサーバーをインストールします。

  1. 【スタート】メニューの【Windows管理ツール】-【サーバーマネージャー】をクリックします。
    → 【サーバーマネージャー】画面が表示されます。

  2. 【管理】-【役割と機能の追加】をクリックします。
    →【役割と機能の追加ウィザード】画面が表示されます。

  3. 「開始する前に」の説明文を読んで、【次へ】をクリックします。

  4. 【役割ベースまたは機能ベースのインストール】を選択し、【次へ】をクリックします。

  5. 【サーバープールからサーバーを選択】を選択し、【サーバープール】に当該サーバ(DOMAINSV)を選択し、【次へ】をクリックします。

  6. 【役割】の一覧から【ファイルサービスと記憶域サービス】-【ファイルサービスおよびiSCSIサービス】-【iSCSIターゲットサーバー】をチェックし、【次へ】をクリックします。

  7. 【機能】の一覧は設定不要なので、【次へ】をクリックします。

  8. 【必要に応じて対象サーバーを自動的に再起動する】にチェックを入れないで、【インストール】をクリックします。

  9. 機能のインストールが正常に完了すれば、【閉じる】をクリックします。

(2) iSCSI仮想ディスクの作成

iSCSIターゲットサーバーにiSCSI仮想ディスクを作成します。
以下の2種類のiSCSI仮想ディスクを作成します。

  1. 【スタート】メニューの【Windows管理ツール】-【サーバーマネージャー】をクリックします。
    → 【サーバーマネージャー】画面が表示されます。

  2. 【サーバーマネージャー】の左側操作画面の【ファイルサービスと記憶サービス】-【iSCSI】をクリックします。
    →【iSCSI仮想ディスク】の状況が表示されます。

  3. 【iSCSI仮想ディスクを作成するには、新しいiSCSI仮想ディスクウィザードを開始してください。】をクリックします。
    →【新しいiSCSI仮想ディスクウィザード】画面が表示されます。

  4. 【サーバー】が合っていることを確認し、【カスタムパスを入力してください】をクリックし、iSCSI仮想ディスクのパス名(E:\iSCSI)を設定し、【次へ】をクリックします。

  5. クォーラムディスク用として、【名前】に仮想ディスク名(quorum)を入力して、クリックします。

  6. 【サイズ】に獲得サイズを入力し、【容量可変】を選択して、【次へ】をクリックします。

  7. 【新しいiSCSIターゲット】を選択して、【次へ】をクリックします。

  8. 【名前】にiSCSIターゲット名(target)を指定して、【次へ】をクリックします。

  9. iSCSIターゲットのiSCSI仮想ディスクにアクセスするiSCSIイニシエーター(クラスタシステムの各ノード)を指定するため、【追加】をクリックします。

  10. 【選択した種類の値の入力】を選択し、クラスタシステムの各ノードを識別する情報を入力し、【OK】をクリックします。すべてのノードに対して、【追加】のクリック、情報入力、【OK】のクリックを繰り返し、すべてのノードの情報を入力した場合、【次へ】をクリックします。

    • 【種類】に「IPアドレス」を選択する

    • 【値】にノードのIPアドレスを入力する

  11. 認証サービスは利用しないので、【次へ】をクリックします。

  12. 設定が正しいことを確認し、【作成】をクリックします。

  13. クォーラムディスク用のiSCSI仮想ディスクができたので、【閉じる】をクリックします。
    →クォーラムディスク(E:\iSCSI\quorum.vhdx)が表示されていることを確認してください。

  14. データディスク用としてiSCSI仮想ディスクを作成するため、【タスク】から【新しいiSCSI仮想ディスク】をクリックします。

  15. 【サーバー】が合っていることを確認し、【カスタムパスを入力してください】をクリックし、iSCSI仮想ディスクのパス名(E:\iSCSI)を設定し、【次へ】をクリックします。

  16. データディスク用として、【名前】に仮想ディスク名(data01)を入力して、クリックします。

  17. 【サイズ】に獲得サイズを入力し、【容量可変】を選択して、【次へ】をクリックします。

  18. 【既存のiSCSIターゲット】のiSCSIターゲット名(target)を選択して、【次へ】をクリックします。

  19. 設定が正しいことを確認し、【作成】をクリックします。

  20. データディスク用のiSCSI仮想ディスクができたので、【閉じる】をクリックします。
    →データディスク(E:\iSCSI\data01.vhdx)が表示されていることを確認してください。

  21. エクスプローラで、クォーラムディスクとデータディスクが作成されていることを確認してください。

(3) iSCSIターゲットの接続

クラスタシステムの各ノード(iSCSIイニシエーター)からiSCSIターゲットサーバーのiSCSI仮想ディスクにアクセスできるように接続します。すべてのノードのiSCSIイニシエーターから接続します。

  1. 【スタート】メニューの【Windows管理ツール】-【iSCSIイニシエーター】をクリックします。
    →iSCSIイニシエーターを初期起動した時、サービスを自動起動するかを聞かれるので、【はい】をクリックし、【iSCSIイニシエーターのプロパティ】画面を表示します。

  2. 【ターゲット】タブの【ターゲット】にiSCSIターゲットのIPアドレスを入力し、【クイック接続】をクリックします。
    →【クイック接続】画面が表示されます。

  3. 【検出されたターゲット】の【名前】が正しいことと、【状態】が「接続完了」を確認し、【完了】をクリックします。

  4. 【OK】をクリックします。

(4) iSCSI仮想ディスクから切り出したディスクの初期化

iSCSIイニシエーターからiSCSIターゲットサーバーのiSCSI仮想ディスクからディスクを切り出し、初期化します。いずれかのiSCSIイニシエーターで実施します。

  1. 【スタート】ボタンを右クリックし、【ディスクの管理】をクリックします。
    →【ディスクの管理】画面が表示されます。

  2. 【ディスク1】を右クリックし、【オンライン】をクリックします。

  3. 【ディスク2】を右クリックし、【オンライン】をクリックします。

  4. 【ディスク1】を右クリックし、【ディスクの初期化】をクリックします。
    →【ディスクの初期化】画面が表示されます。

  5. 【ディスクの選択】の「ディスク1」と「ディスク2」にチェックが入っていることを確認し、【選択したディスクに次のパーティションスタイルを使用する】に「GPT」を選択して、【OK】をクリックします。

  6. クォーラムディスク用の【ディスク1】の未割り当て部を右クリックし、【新しいシンプルボリューム】をクリックします。
    →【新しいシンプルボリュームウィザード】画面が表示されます。

  7. 【次へ】をクリックします。

  8. 【シンプル ボリューム サイズ】を入力し、【次へ】をクリックします。

  9. 【ドライブ文字またはドライブ パスを割り当てない】を選択し、【次へ】をクリックします。

  10. 【このボリュームを次の設定でフォーマットする】を選択し、【ボリュームラベル】にラベル名(quorum)を入力し、クイックフォーマットにチェックを入れて、【次へ】をクリックします。

  11. ウィザードが正常に完了すれば、【完了】をクリックします。

  12. データディスク用の【ディスク2】の未割り当て部を右クリックし、【新しいシンプル ボリューム】をクリックします。
    →【新しいシンプル ボリューム ウィザード】画面が表示されます。

  13. 【次へ】をクリックします。

  14. 【シンプル ボリューム サイズ】を入力し、【次へ】をクリックします。

  15. 【次のドライブ文字を割り当てる】を選択し、ドライブ名(E)を設定し、【次へ】をクリックします。

  16. 【このボリュームを次の設定でフォーマットする】を選択し、【ファイルシステム】にNTFSを指定し、【ボリュームラベル】にラベル名(data01)を入力し、クイックフォーマットにチェックを入れて、【次へ】をクリックします。

  17. ウィザードが正常に完了すれば、【完了】をクリックします。

  18. 【ディスクの管理】画面でディスク1とディスク2が作成されていることを確認します。

(5) フェールオーバークラスタリングのインストール

クラスタシステムの各ノードにフェールオーバークラスタリング機能をインストールします。すべてのノードにフェールオーバークラスタリング機能をインストールします。

  1. 【スタート】メニューの【Windows管理ツール】-【サーバーマネージャー】をクリックします。
    → 【サーバーマネージャー】画面が表示されます。

  2. 【管理】-【役割と機能の追加】をクリックします。
    →【役割と機能の追加ウィザード】画面が表示されます。

  3. 「開始する前に」の説明文を読んで、【次へ】をクリックします。

  4. 【役割ベースまたは機能ベースのインストール】を選択し、【次へ】をクリックします。

  5. 【サーバープールからサーバーを選択】を選択し、【サーバープール】に当該サーバ(NODE0001)を選択し、【次へ】をクリックします。

  6. 【役割】画面でなく、【機能】画面に進めるために、【次へ】をクリックします。

  7. 【機能】画面の【フェールオーバー クラスタリング】を選択し、【次へ】をクリックします。

  8. 【機能の追加】をクリックします。

  9. 【次へ】をクリックします。

  10. 【インストール】をクリックします。

  11. 機能のインストールが正常に完了すれば、【閉じる】をクリックします。

  12. 【スタート】メニューからサーバ(ノード)を再起動します。

(6) クラスタシステムの環境構築

クラスタシステムのいずれかのノードでクラスタシステムを構築します。

  1. 【スタート】メニューの【Windows管理ツール】-【フェールオーバークラスターマネージャー】をクリックします。
    →クラスタシステムの補足説明画面が出力されるので、【今後、このメッセージを表示しない】にチェックを入れ、【×】ボタンで画面を閉じます。【フェールオーバークラスターマネージャー】画面が表示されます。

  2. 右側操作画面の【フェールオーバークラスターマネージャー】の【クラスターの作成】をクリックします。
    →【クラスターの作成ウィザード】画面が表示されます。

  3. クラスタシステムについての説明画面を確認し、【次へ】をクリックします。

  4. 【サーバー名の入力】にクラスタシステムの各ノード名(NODE0001)を入力し、【追加】をクリックします。
    →【選択済みサーバー】にルートドメイン付きのノード名が表示されます。

  5. 【サーバー名の入力】にクラスタシステムの各ノード名(NODE0002)を入力し、【追加】をクリックします。
    →【選択済みサーバー】にルートドメイン付きのノード名が表示されます。

  6. すべてのノード名を入力したので、【次へ】をクリックします。

  7. 検証を行うため、【はい。[次へ]をクリックして、構成検証テストを実行し、その後クラスターの作成プロセスに戻ります】を選択し、【次へ】をクリックします。

  8. 処理を続行するため、【次へ】をクリックします。

  9. 【すべてのテストを実行する】を選択し、【次へ】をクリックします。

  10. 処理を続行するため、【次へ】をクリックします。

  11. 構成検証テストの結果を確認し「成功」の場合は【完了】をクリックします。
    なお、「ソフトウェア更新プログラム レベルの検証」が「警告」となっている場合、無視して構わない状態であれば【完了】をクリックして進めてください。

  12. 【クラスター名】を設定し(cluster100)、クラスター管理用のアクセスポイント(仮想IPアドレス)を【アドレス】に入力して、【次へ】をクリックします。

  13. クラスタシステムの設定内容を確認し、【使用可能な記憶域をすべてクラスターに追加する】をチェックし、【次へ】をクリックします。

  14. クラスターの作成が正常に終わった場合は【完了】をクリックします。

  15. 【フェールオーバークラスターマネージャー】の左側操作画面のクラスター名配下の【役割】をクリックし、右側操作画面の【役割】-【空の役割の作成】をクリックします。

  16. 右側操作画面の【新しい役割】-【プロパティ】をクリックします。
    →【新しい役割のプロパティ】画面が表示されます。

  17. 【名前】にクラスタシステム名(List Worksクラスタ)を入力します。

  18. 右側操作画面の【List Worksクラスタ】-【記憶域の追加】をクリックします。
    →【記憶域の追加】画面が表示されます。

  19. 【利用可能なディスク】に表示されたディスクを確認し、【名前】の下にチェックを入れ、【OK】をクリックします。

  20. 右側操作画面の【List Worksクラスタ】-【リソースの追加】-【クライアントアクセスポイント】をクリックします。
    →【新しいリソースウィザード】画面が表示されます。

  21. 【名前】を設定し(client100)、クライアントアクセスポイント(仮想IPアドレス)を【アドレス】に入力して、【次へ】をクリックします。

  22. 処理を続行するため、【次へ】をクリックします。

  23. リソースが正常に作成された場合は【完了】をクリックします。

  24. 真中操作画面の【List Worksクラスタ】の下の【リソース】タブをクリックし、【サーバー名】のクライアントアクセスポイント (client100)を選択し、右側操作画面の【オンラインにする】をクリックします。

(7) 共有ディスクのアクセス権限の設定

iSCSI仮想ディスクにアクセス権限を設定します。クラスタシステムのいずれかのノードでアクセス権限を設定します。

  1. エクスプローラを実行し、データディスク(E:\data01)に対して右クリックして、【プロパティ】をクリックします。
    →クリックしたフォルダの【プロパティ】画面が表示されます。

  2. 【共有】タブで、以下の表のようにアクセス権限を設定します。

    (1) 【共有】タブの【詳細な共有】をクリックします。
    →【詳細な共有】画面が表示されます。

    (2) 【このフォルダーを共有する】にチェックを入れ、【アクセス許可】をクリックします。

    (3) 【グループ名またはユーザ名】に以下の表のアカウントを追加し、アクセス権限を設定し、【OK】をクリックします。

  3. 【セキュリティ】タブで、以下の表のアクセス権限を設定します。

    (1) 【セキュリティ】タブの【詳細設定】をクリックします。
    →【セキュリティの詳細設定】画面が表示されます。

    (2) 【編集】をクリックします。

    (3) 【グループ名またはユーザ名】に以下の表のアカウントを追加し、アクセス権限を設定し、【OK】をクリックします。

  4. 【閉じる】をクリックします。

    ディスクの設定項目

    設定内容

    共有のアクセス許可

    List Worksサービスのログオンアカウント

    以下のすべてのアクセス許可を設定する。

    • フルコントロール

    • 変更

    • 読み取り

    List Works利用者のアカウント、またはEveryone

    以下のアクセス許可のみを設定する。

    • 読み取り

    セキュリティのアクセス許可

    List Worksサービスのログオンアカウント

    以下のすべてのアクセス許可を設定する。

    • フルコントロール

    • 変更

    • 読み取りと実行

    • フォルダーの内容の一覧表示

    • 読み取り

    • 書き込み

    List Works利用者のアカウント、またはEveryone

    以下のアクセス許可のみを設定する。

    • 読み取りと実行

    • フォルダーの内容の一覧表示

    • 読み取り

(8) クラスタシステムの動作確認

クラスタシステムの各ノードを切り替えることで、データディスクにアクセスできることを確認します。

  1. 【スタート】メニューの【Windows管理ツール】-【フェールオーバークラスターマネージャー】をクリックします。
    →【フェールオーバークラスターマネージャー】画面が表示されます。

  2. 【フェールオーバークラスターマネージャー】の左側操作画面でクラスター名の【役割】をクリックします。
    クラスター名が表示されてない場合は、右側操作画面の【操作】-【クラスターへの接続】をクリックしてクラスタに接続します。

  3. 【所有者ノード】で、運用系ノードを確認します。

  4. 運用系ノードのデータディスク(E:\data01)に一時的なファイル(test.txt)を作成します。

  5. 【フェールオーバークラスターマネージャー】の右側操作画面の【List Worksクラスタ】-【移動】-【最適なノード】をクリックします。
    →【フェールオーバークラスターマネージャー】の【所有者ノード】が他のノード(待機系ノード)に切り替わることを確認します。

  6. 切り替わったノードのデータディスク(E:\data01)に一時的なファイル(test.txt)が見えること、アクセスが可能であることを確認します。